※はじめに
本記事「夜明温泉」には、怖い内容を含んでいます。
このような内容が苦手な方は、読まれないようお願いします。
休みを利用して、大分県の日田市夜明(よあけ)というところへ行ってきた。
日田といえば、“日田やきそば”の記事でも概要を書いた、
福岡との県境に位置しており、自分の家から、車で一時間ちょっとで行くことができる。
最寄りの鉄道路線も、“日田英彦山線”となっており、下りに乗れば終点は日田になる。
そんな日田市の夜明地区。
これといった名所もなく、わざわざ県外から行く場所でもない。
いちおう、夜明温泉なるものがあるが、
付近には同じ日田の日田温泉に、天瀬温泉、
さらに隣接する福岡県朝倉市の原鶴温泉など、有名どころが点在しているため、
夜明温泉は、イマイチ知名度が低い。
一応、九州の温泉八十八湯めぐりには、夜明温泉も登録されており※、
温泉通には、評判の高い温泉のようである。
そんな夜明温泉・・・。
既に廃業している温泉施設の建物が、えらく薄気味悪いというのを聞いた。
熊本の菊池市に住んでいる真ん中の弟が、
たまに、この日田経由のルートで実家へ帰ってくる。
そのとき、この建物を見て、不気味に感じたのだという。
弟に詳しい場所を訊き、さっそく行ってみることにした。
田川から添田町、東峰村を経て、日田市へ――。
そこはもう、日田市夜明地区。
峠をひとつふたつとおり、深い山間を抜け、九州でも特に標高の高い地域、
麦の収穫まっただ中の穏やかな山村だ。
コンバインが悠々と道路を走っている。
ネコ車を押した、ほっかむりのおばあさんが道路を横断する。
・・・そして、夜明に入って間もなく、おまわりさんが歓迎してくれる。
ヤグルマギクとスイートピーに囲まれて、ちょっと斜に構えたおまわりさん。
傾いてずり落ちたカーブミラーが、山村チック。
ここまで来ると、もうワクワクが止まらない。
211号線の終点は間もなく。
この先の、386号線とぶつかる三叉路で終わる。
その夜明三叉路こそ、目的地の夜明温泉のある場所だ!
間もなく、三叉路に着いた。
とりあえず右折してみる。
そしてすぐに左折して、筑後川を渡る。
らしき建物が見当たらない。
こりゃ道を間違えたか・・・?
橋を渡りきって、また左折してみる。
弟の情報では三叉路のところにあるということだったが・・・?
既に取り壊された?
夜明地区の中心を突き抜ける筑後川(三隈川)に沿って、
両側を国道386号線と、国道210号線が走っている。
それぞれ福岡と大分を結ぶ幹線道路であり、大型トラックを中心に交通量は多い。
川を渡ったため、210号線を日田方面へと走る。
注意深く、対岸の386号線側を見ていると・・・。
あった!
川岸にたたずむ、その建物は、想像してたものよりもずっとカラフルだった。
ライトイエローの壁にオレンジの屋根、最上階の屋根は赤。
対岸のうっそうとした雑木林にまみれ、忽然と姿を現した。
そして何よりも、怪しい書体でデカデカと書かれた、“夜明温泉”の文字。
文字の一部がはがれ落ちているのがまた何か醸し出している・・・。
撮影のさなか、目の前の土手に何かの気配を感じた。
屋根も何もなく雨ざらし。
不法投棄されたゴミがその辺に散乱し、伸び放題に伸びた雑草に覆われて、
小さなお地蔵さまが設置されていた。
台座付近に、雨水とコケだらけの、ワンカップや湯呑み。
昔、誰かがお世話をしていたであろう痕跡はあった。
が、その方がお世話できなくなって久しいようである。
付近に民家はなく、もう誰も面倒をみていないのだろう。
せっかくなので、夜明温泉をバックに撮ってみた。
小さい頃、お母んに、「おじぞうさんをみたら、てをあわせなさい」と言われていた。
お地蔵様は、たいてい幼い子供が事故死などした場所に設置されているからだ。
手を合わせることを忘れ、こんな不謹慎な写真を撮ってしまった。
なんともバチ当たりなことをした。
この後、手を合わせなかったことを後悔した。
対岸に戻りたかったが、全然橋がない!
さっき渡った橋まで戻らなきゃならないようだったが、それもなんだか面倒で、
そのまま日田市の市街地へ突き進み、
えらく遠回りしながら、また386号線へと戻ってきた。
そして、とうとう目的地にたどり着いた。
対岸から見ると、けっこう大きな施設に見えたのだが、
近くで見ると、わりと小さかった。
塗装はけっこうきれいで、ほんの数年前まで営業していたのではなかろうか?
しかし、そのカラーリングからか、パッと見はどうみてもラブホテル。
周辺の雑草がおびただしいものの、
やはりツタなどが建物に浸食していないのを見るかぎり、
廃業して、まだそんな経っていないというのが判る。
建物の下へと道があったが、ロープが張られてあり進入できなかった。
周りに人気のない民家が数軒あった。
どうやら川土手側は、地下まで建物が続いてあり、
対岸から見て、大きく見えたのはそのためかもしれない。
入口エントランスはすごくきれい。
ヘタな山村の民宿やロッジよりもきれいかもしれない。
「歓迎」の看板と、警備会社のステッカーが虚しいくらいにきれいだった。
ガラス越しに内部も見えるが、荒らされてもなく、本当にきれい。
問題は、なぜこんな書体にしたのかということ。
廃業の原因が、客の減少による経営難によるものだとしたら、
どう考えても、このフォントが原因だろう。
これ、古文書とか呪文とか、ホラーで使われるやつじゃないか・・・。
こないだ“ストック”の記事で紹介した、
サスペンス・ホラーのサウンドノベルゲーム、
“かまいたちの夜”も、このフォントだったはず。
この夜明温泉の敷地内に、自販機が並んでいた。
広い駐車場の一角は解放されていて、ドライバーの休息に利用されているようだ。
だがしかし、夜間は利用者少ないだろうな・・・。
ちょうど自宅から持ってきていた飲み物が空になっていたところ。
ここで飲み物を買うとするか・・・そう思って自販機に近づくと・・・。
ドライバーによく見える位置に、“自販機あらし発生!!”の看板。
>不審な人物や車を見た方は、情報をお寄せ下さい。
>検挙に結びついた情報には謝礼金を差し上げます。
観光地でもなく人気のない場所で、
他県ナンバーの車が停車し、髪を結んだ無精ひげの中年男が
この怪しい建物の周辺をうろつき、デジカメで撮影している光景。
他人から見ると、どれだけ不審人物に映るだろうか!
ジュースを買って、さっさと立ち去った・・・。
さて、今回わざわざ大分日田にまで行き、
なんでもない廃墟を撮影してこんな記事を書いたのかというと、
マリオカートWiiにて、毎年この時期恒例となったルーム戦、
“納涼おばけ杯”開催の告知のため。
昨年の同様の記事、“犬鳴峠”と比較すると、見劣りしてしまうが、
貴重な休日を使って、ここまで行ったことの努力(バカさ)を評価して欲しい。
それだけ、納涼おばけ杯に、意気込みがあるということで・・・。
今年もやりますよってことを、このブログで先行周知しておく。
開催日時やルール詳細などは後日・・・。
※廃業したこの夜明温泉の対岸に、夜明薬湯温泉という立派な温泉がある。
こちらが、九州温泉八十八湯めぐりに登録されている温泉。
文字通り、漢方薬を配合した薬効の高い温泉が自慢だとか、今度入ってみよう。
やっぱりあのフォントおかしいですよね?
私も本怖や世にもシリーズのそれだと感じました。
父には共感得られなかったんで、ホッとしました。
コメントありがとうございます。
おおっ!
夜明温泉をご覧になられた方なんですね!
お名前から察すると、わりと近くにお住まいの方かしら?
あのフォント(隷書体?)は、やっぱりホラー系でよく使われるものだと思います。
ただ歴史物や神話・宗教物でも使われることがあるので、
年配の方には、そっちの印象の方が強いかもしれませんね。
住んでる所は筑後地方とだけ言わせていただきます(笑)
福岡県のお方という事なので、恐らくご近所さんですね。m(_ _)m
夜明温泉は周辺を通った時に外観は見た事あるだけで、興味はあるのですが、内装はチキンなので未だにないですね。(許可もいるみたいですしね)
廃墟マニアの方が入られて、中を映してるやつを見た事がある位です。
外装は本当に綺麗ですよね。
つい最近まで今でも営業してる温泉だと思ってた位です(笑)
あのフォントは、そうだったんですね!
ただうちの父の場合は50代でかつ、あまり頭がよくn・・・知的好奇心が少ない人なので、恐らくその認識すらないと思います(笑)
コメントありがとうございます。
自分も、敷地内に入ったとはいえ、
さすがに建物内まで観察はしなかったですね。
自分は豊前(筑豊)になりますので、少し離れていますが、
福岡のローカルネタを記事にすることがあるので、
ちっごもんさんにもハマるネタがあるかもしれません。
また思い出したら、のぞいて見てください。