よろず戯言

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甥っ子が作った鏑丸

2023-04-29 01:16:57 | 日記・エッセイ・コラム

 

先週末に、うちに泊りに来ていた、小学校2年生になったばかりの甥っ子6号。

「おいちゃん、これみて~!」

自分の部屋に来て、なにやら作ったものを見せに来た。

この甥っ子6号、手先が器用かつ芸術センスがあるようで、

積み木やブロックでいろんなものを作るし、

前々から、折り紙やイラストを見せに来ていた。

 

今回は何を見せに来てくれたのか?

毎度それを楽しみにしている。

両腕にひとつずつ、ふたつの作品を手にしていた。

ひとつは発泡スチロールで作られた剣。

最新の仮面ライダーだかなんだかの剣。

一所懸命 説明してくれていたが、ごめん、覚えていない。

 

そしてもうひとつ。

段ボールで作られた、なんだかいびつな形をした輪っか状の物体。

これがよく判らない。

ムチ?

なんだか束ねて腰に装着してあるムチに見えなくもない。

インディ・ジョーンズしかり、ドラクエしかり。

もうひとつが剣だったので、こっちも武器だろうかと思った。

 

 

「ちがう。これ、いぐろの へびばい。」

いぐろのへび?

「ええと・・・なまえ なんやったっけ・・・かぶらまる!」

そうしてそれを、甥っ子6号が頭からかぶる。

「えっ!シャンプーハット!?」

「ちがうっちゃ!」

甥っ子は笑いながら、頭から額へと下ろしていく。

ちょっと径がきつめで、鼻のあたりでキツくてかぶるのに苦戦していた。

 

「ほら!いぐろのへび!かぶらまる!」

首に装着されたそれを得意げに披露する甥っ子。

少しきょとんとしてしまったが、すぐにそれが何か判った。

アニメ、“鬼滅の刃”に登場するキャラクター、伊黒小芭内(いぐろおばない)。

そのキャラクターが首にまとっている、白蛇(鏑丸:かぶらまる)だった。

 

伊黒小芭内と鏑丸。

登場人物、ふつうに読めないキャラばかり。

作者の名前が未だに読めん。

 

甥っ子6号は、自身の首の太さに合わせ、

伊黒小芭内の白蛇を段ボールでつくり、それを自分に見せにきたのだった。

残念ながら、鬼滅の刃はまったく観ていないのよ・・・。

それでもテレビやネットで、否が応にも入って来る情報で、

なんとなーく、ストーリーの大筋と、

主なキャラクターの姿と名前を少しずつ覚えてきたところ。

 

この伊黒小芭内も、この記事のために名前と、その読み方を知った。

葬儀のときの鯨幕のような白黒の羽織をまとった、

オッドアイで口元を包帯で隠し、首に白蛇を巻いている、

異形のキャラクターが居たなあ・・・ってくらいの知識はあった。

主人公側の味方勢力で、“柱”と呼ばれる強いキャラであることも知っている。

 

よく見ると鏑丸、口から出た舌までしっかりと作られてある。

この甥っ子6号、本当に器用だな。

将来が楽しみだ。

  

首に鏑丸を巻き、剣を持ってポーズする甥っ子6号。

 

ただひとつ案じているのが、

この子の父親、つまり義弟が、かなり厳しい教育虐待気質なこと。

 

芸術なんてものには微塵の理解もない。

甥っ子6号のお兄ちゃん、甥っ子4号が昨年春 中学に進学し、

吹奏楽部に入部したいと訴えたときも、

「楽器なんかやって、なんの役に立つの?」

「それをやることによって将来、どんなメリットがあって、

勉強の成績アップにどんな効果があるのか、

お父さんを納得させられる理由が答えられるのなら、やってもいいよ。」

小馬鹿にしたような表情で、そう言い放ったらしい。

 

中学一年生に、そんなことを言って吹奏楽部入部を断念させるような男。

まだ、楽器買うお金がないとか、そういう致し方ない理由で断念させるなら解らないでもないが、

この言いぐさには、上の妹(この義弟の妻ではない方)も頭にきていた。

義弟は塾の講師をやっているのだが、

その職業柄か、甥っ子姪っ子たちにかなり厳しい。

 

実際の学年の、ひとつうえの学年の問題集を日々やらせるが、

学校でも習っていないことを、自身が教えるわけでもなく、

すべて自力でやらせるというスパルタっぷり。

間違っていても、できないでいても手助けを一切しない。

ただ罵声を浴びせ、蔑むだけ。

泣きじゃくる姪っ子、泣くとさらに罵声を浴びせる義弟。

あの義弟には、子どもに対する愛がまったく感じられない。

 

この甥っ子の才能は伸ばしてあげたい。

子どもの可能性は無限に近い。

しょうもない勉学で、それを摘み取ってしまうのはまかりならん。

いや、勉強して大学まで行きゃ、さらに可能性が広がるのかもしれない。

でも、子どものうちに磨いておかなきゃ、失ってしまう可能性だってある。

とくに芸術やスポーツ系は、それが大きいと思うんだ。

 

本人の意志を尊重して、本人に決めさせるのが一番なんだろうが、

あの義弟は勉学最優先。

というか、勉学あるのみ。

甥っ子といえども人の子だから、なんともしてやれないもどかしさ。

 

他所の家庭の教育方針に意見することはナンセンスかもしれないが、

教育虐待が行き過ぎ、甥っ子たちが精神的に参ってしまったとき、

叔父として、義兄として、自分は行動しなきゃならないとは思っている。

ただなあ・・・高卒で低所得でバカな自分が何いっても説得力ないんだよなあ・・・。

 

うちにきて笑顔を見せてくれる甥っ子たちだが、

自宅では勉強に追われる毎日。

本当に不憫でならない。

 



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