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今月の上旬頃、スーパーの鮮魚コーナーで見つけた。
うなぎの蒲焼の隣に並んでいたその商品。
もう明らかにウナギのフェイクだと判る。
高騰するウナギ。
カニカマや、以前紹介したほぼホタテみたく、魚肉すり身を使用したうなぎ蒲焼のフェイク。
以前からその存在は知っていたものの、目にしたのは初めてだった。
どれほど上手くうなぎらしさを再現できているか?
興味津々で購入し、さっそくその晩に食べてみた。
うなぎは大好きだが、ここ最近の高騰で満足に食べられていない。
中国産ならば比較的安価で購入できるものの、
やっぱり国産と比べると、身の締りがなく脂だらけでイマイチ。
うなぎは脂が乗っててナンボだし、肉厚で食べ応えはあるのだけど、
そればっかでふにゃふにゃの身じゃあねえ・・・。
それに品質うんぬんより何よりも、中国の産品はできるだけ買いたくはない。
食品になるとなおさら。
そんなうなぎ、価格高騰で庶民は気軽に食べられなくなった昨今。
このフェイクうなぎが本物と違わぬ味と食感ならば、
安価だった昔のように、またうなぎ(フェイクだけど)が堪能できる!
こんなにありがたいことはない。
とはいえ、過去に食べたフェイク食品。
ホタテ(貝柱),カニ,牛肉,etc・・・どれも話にならなかった。
なので、今回も期待せずに食べることにした。
“本品はうなぎではありません。”の文字が。
商品名は“うな次郎”。
あえて“うな太郎”とはせず、二男や二世を意味するかのごとく“次郎”なのは、
本家うなぎが、長男(もしくは親)で、これが次男坊(もしくは子)とでもいう感じで命名されたと予想。
もしかしたら、駄菓子の蒲焼さん太郎と被るのを嫌ったかもしれない。
そんなことを考えつつ、商品パッケージをじっくり眺める。
“うなる美味しさ!”
商品名のうえに、うまいこと書かれたキャッチコピー。
こういうフェイク商品というか、ネタ商品のパッケージってなかなか面白いものが多い。
製造元は新潟市にある水産加工食品メーカー、一正蒲鉾。
名前のとおり、カマボコやちくわ,さつま揚げ,カニカマ等が主力商品だけど、
自分はデザート豆腐とでもいうべきか、甘いスイーツ感覚で食べられる、
抹茶豆腐とか、梅豆腐とかあり、前にそれらをよく購入して食べていて、
それらがこの会社の商品だと知って、シンプルな名前もあって以来覚えていた。
そのときも、蒲鉾の会社がなんで豆腐?なんて思ったのを記憶している。
商品の企画・開発が精力的で巧い会社なんだろう。
一正蒲鉾から販売されていた、抹茶とうふ(左)と、枝豆とうふ(右)。
デザート感覚で食べられる。
枝豆自体は商品に含まれておらず、自分が乗っけた。
パッケージをめくると、甘い蒲焼のタレの香り。
表面には本物のうなぎにも見られる、骨切り調理跡のヒダ模様。
裏面は皮の質感までしっかりと再現されているという拘りよう。
ひと目でフェイクだと判ったものの、それでもこの再現性は凄い。
まあフェイクと判ったのは、その整然とした形によるもの。
同じ大きさのものが、きっちり並んでりゃそりゃ偽物だと判るもの。
皿に移してラップをかけ、電子レンジでかんたん調理。
さっそくそれを、重箱のごはんに乗っける。
付属のタレと山椒をふりかける。
おお~っ!
うな重の雰囲気バッチリだ!
さっそくひと切れ、箸でつまんでちぎってみる。
断面は・・・この見た目は卵焼き?
ちょっと本物とは雰囲気異なるが、まあ気にならない。
そしていよいよ口へとはこぶ。
・・・・・。
うん、うなぎではないな。
これ形がこうでなければ、甘辛い謎の食べ物だ。
魚肉のすり身ということだが、とても柔らかく作られているため、練り製品とも思えない食感。
蒲焼のタレがかかっていても、うなぎだと思えない。
味だけだと、すごい濃く味付けされた赤魚の煮つけのよう。
ごはんと一緒に食べると、多少違和感が緩和されるものの、やっぱりうなぎじゃない。
ううむ・・・想定してはいたが、残念ながら本物には遠く及ばない。
添付の山椒が、やたら辛くていい香りを放っていたのが虚しかった。
フェイクうなぎの裏面、皮までしっかり再現されていた。
同時に比較のために奮発して購入していた、一匹1,780円の鹿児島産うなぎ蒲焼を食べる。
久しぶりのうなぎ・・・それこそ静岡旅行ぶりくらいに食べたのではなかろうか。
比較のために購入したものの、フェイクうなぎが話にならなかったので、もう比較うんぬんではなかった。
とりあえずフェイクの方を完食し、飯を盛り直して本物を堪能する。
こちらもタレと山椒が添付されていたので、それらをかけて飯をかき込む。
うんめぇ~!!
噛むとふわっとした肉から、じわっと溢れる肉汁というか、うなぎ特有の脂。
香ばしい風味とカリッとした表面の食感、歯先に心地いい小骨の食感。
香ばしさが凝縮された尻尾部分に、内蔵が含まれていてザラ付きのある頭部。
単純なようで、色んな食感と風味とが合わさってうなぎ蒲焼を形成している。
やっぱり本物にゃ敵わないわな。
本物のうなぎ
最初からブログネタにするつもりで、今回このフェイクうなぎ商品、うな次郎を購入。
そのために、本物のうなぎも購入。
ブログ記事のためには出費も手間も(できるだけ)惜しまない主義。
そのおかげで、ちょっと早かったけれど、数年ぶりに土用の丑の日にうなぎを堪能できた。
今年の夏はこれで乗りきれる!
・・・と言いたいが、連日ひどい暑さで参ってしまっていて、仕事中もふらふらになる。
40過ぎの不摂生気味の体で炎天下での肉体労働は過酷だ。
暑さに負けない体を作らんとなあ・・・。
鹿児島産のうなぎ。
1,780円!
税込だと1,900円超え!
これでも国産では安い方だった・・・。
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