バジルシードドリンク

　

仕事帰り、たまたま何かで立ち寄った100円ショップ。

そこのワゴンで3本100円で廉売されていた。

なんだこれ？

黒いツブツブの入ったジュースのようなもの。

少し前に流行った、チアシードとかいうのが入ったやつか？

　

そう思ってひとつ手に取ってよくみると、“バジルシード”と書かれていた。

バジルシード？

じゃあこの黒いツブツブはバジルの種ってことか？

チアシードってのはよく解らなかったが、バジルシードってのもあるんだ･･･。

　

バジルシードドリンク スイカ味

　

スイカは種のイメージもあるから、あまり違和感がないビジュアル。

　

キヌアとかアサイーとか近年･･いや、ここ15年くらい前からだろうか、

“スーパーフード”とかいうものが度々話題になって流行り廃りを繰り返す。

純粋に“栄養価が高い”というだけならば解らないでもないけれど、

それが、“ダイエットや美容に効果がある”とうたわれれば、途端にきな臭くなる。

そんなんでチアシードにも興味を持たなかった。

　

バジルシードドリンク パイナップル味

これのみ果汁10％入りとなっていた。

　

　

チアシードドリンクが店頭で売られているのを見かけるけれど、

「高っ！」ってなって買うことはない。

なによりもその見た目。

どう見てもカエルの卵。　

どんな食感なのか？

効果うんぬんは関係なく、このビジュアルで逆に飲んでみたくはなってみたが、

やっぱり価格がネックで、これまで飲んだことがなかった。

　

しかし3本100円というこの価格。

これは飲んでみらんば！

残っていた全5種類を購入して飲んでみた。

まあ、味的な期待はしていなかった。

　

バジルシードドリンク ライチ味

これのみ無着色。

　

無着色だとカエルの卵感がいっそう増す。

　

並べてみるとカラフル。

5種類中、4つは無果汁。

なのでドリンク自体の色は、必然的に着色料によるもの。

ライチ味だけは無着色なよう。

原産国はタイ。

バジルシードの産地もだが、このジュース自体もタイで製造されたもののようだ。　

　

ボトルの外から、中身を見てみる。

思ったほどグロくはない。

カエルの卵はもっとドロドロしているし、

卵同士を連結しているチューブに当たる部分もない。

皆が騒いでいるほどグロいものじゃあない。

　

バジルシードドリンク グレープ味

　

フラッシュのせいで赤く見えるが、ちゃんとワイン色だった。

　

開栓してみる。

ふわっと匂いがする。

むかーし、少年時代には毎日かいでいたような匂い。

駄菓子に含まれる甘い香料の匂いだ。

このチープなフルーツの香り･･･なつかしい。

今どき、こんなベタな香料を使用しているメーカーも少なかろう。

　

飲んでみる。

味が薄い。

甘味が中途半端。

フルーツの味、判るっちゃ判るけれど弱い。

ダイエット効果をうたっている商品なんだろうから、

甘さ控えめってことなんだろう。

　

バジルシードドリンク フルーツミックス味

　

ミントカラーというか、セルリアンブルーというか･･･色が素晴らしい･･･。

　

食感に関しては期待はずれだった。

もっとドロッとヌルっとしていて、種のツブツブも楽しめるのかと思ったが、

意外にサラサラしていて、種もまったく気にならない。

舌に触るわけでも喉ごしが悪いわけでもなく、

びっくりするほど、なんにも感じられなかった。

　

やっぱり一番強いのは独特の香り。

自分がこども時代に駄菓子店で買ってよく食べた、

粉ジュースとかチューブゼリーとか、ラムネ菓子とか、

そんなのを連想させられるような独特な香り。

　

けっきょくどういう美容効果が有るんだ？

バジルシードを調べてみた。

水に浸けると20倍に膨れ上がる性質があり、

少量を摂取しても、それが胃の中で膨張して満腹感が生じ、

結果、ダイエット効果が有るという。

仙豆かな？

　

･･･というか、満腹感あったっけ？

そんな効果を知らずに一本を一気にゴクゴクと飲んでしまった。

飲んだ後も普通どおりの食事をしたように思う。

おなかが緩くなる恐れがあるので、過剰摂取しないように注意が必要とのこと。

なんにも気にせずに普通のジュースとして飲んでしまった。

　

栄養価の高いバジルシード。

というか植物の種って総じて栄養価高いだろ？

　

栄養価も高いらしい。

よく聞くビタミン類やミネラル類と一緒に、

なんだか聞き慣れない栄養素の名前がいくつかピックアップされていた。

オメガ3？

魔法剣サンダガ二刀流みだれ打ちでも倒せなさそうな名前。

まあ美容健康食品って例外なく美味しくないな･･とあらためて思った。

 

グラスの側面から見たところ。

種を覆うヌルっとした膜がカエルの卵感を醸しだす。

　

部屋に置いてあったバジルシードドリンク。

「おいちゃん、これ なん？」

それを見た小学校2年生の姪っ子が訊いてきた。

「カエルのたまごジュースたい！」

すぐに判る嘘。

そんな冗談を言ってみた。

「ふうん･･･かえるのたまごっち、こんなんなん。」

　

「は？･･･カエルの卵知らんと？」

「田んぼで見たことないん？」

「教科書に載ってなかったか？」

「テレビとかで観たことあるやろ？」

「しらん･･･。」と言いながら、首を横に振り続ける姪っ子。

　

カエルの卵を見たことがないだと･･･！？

都会っ子なら解らないでもないけれど、こんな田舎の子が･･･？！

最近の子どもはカエルの卵を見たことがないという事実の方に驚いた。

　

種ということで、ハリマロンのたねばくだん。

スマブラスペシャルでモンスターボールから登場。

周囲にたねばくだんをまき散らして攻撃してくれる。

こうやって見ると、コーヒー豆みたいなビジュアルだ。

　

最近の子どもがカエルの卵を知らないから、カエルさんも嘆いているようです。