べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

「大造じいさんとガン」を読もう(4)|「どう書いていいのか分からない」

2010年10月22日 | 国語
 国語の記述(きじゅつ)が書けない。前回、二つの場合を考えました。今回は、三つ目。「文章中のことばから書く」場合です。

(3)文章中のことばから、文を組み立てることができない

 まずは書くこと。書いてみなければ、いつまでも出来るようにはなりません。これは、国語にかぎらず記述の基本です。

「なにから書き始めていいかがわかりません」
→"主語"から書き始めます。

 日本語の文は、"主語+述語"でつくります。"主語"は「…は」「…が」となる、動作(どうさ)や様子(ようす)の主体(しゅたい)です。

 説明文なら、文章や段落のテーマから探します。テーマとは文章の中心となる話題なので、くり返し出てくることばを探します。

 ものがたりなら、登場人物から。誰がそのセリフを言ってるのか確認しながら、読んでみましょう。↓


 次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。

 残雪(ざんせつ)は、大造(だいぞう)じいさんのおりの中で、ひと冬を越しました。春になると、そのむねのきずも治り、体力も元のようになりました。

 ある晴れた春の朝でした。

 じいさんは、おりのふたをいっぱいに開けてやりました。
 残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が、
 バシッ。
 快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。
 らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。
「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」大造じいさんは、花の下に立って、こう大きな声でガンに呼びかけました。そうして、残雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。

 いつまでも、いつまでも、見守っていました。

大造じいさんとガン』椋鳩十(むく・はとじゅう)


[問題1]
「快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。」から、どんな様子がわかるか記号で答えなさい。

ア、残雪が勢いよく飛び上がった様子。
イ、残雪があたふたと逃げ出した様子。
ウ、残雪がよたよたと飛び上がった様子。

[ヒント1]
これ正答率がほぼ100%、カンでも"あたる"問題です。でも、正確に理解する工夫がなければ、練習にはなりません。

「快い」はどういう意味ですか?「一直線に」はどんな気持ちの表れですか?「勢いよく」「あたふた」「よたよた」はどういう意味ですか?

ことばの意味を調べて書きだしてください。その上で、問題文と解答も書き写してください。記述の練習なので、書きだすのは記号じゃありません。選択した文章のほうです。


[問題2]
「快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。」から、どんな様子がわかりますか。

[ヒント2]
登場人物を確認していますね。この問題では、だれを主語に書き始めればよいでしょうか。


 記述だって書けます。書き始めは文章中から探すだけ。まず書きだしましょう。つぎに、ことばの意味を調べて正確に理解。さらに、問題・解答を書き写すことで、記述の書き方の練習をします。

 見てわかるで、済ませてちゃ書けません。問題文や解答を書き写しマネれば、表現力が向上します。

 次回、記述問題を解いてみましょう。(塾長)


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