べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

「大造じいさんとガン」を読もう(5)|記述(きじゅつ)も書けるよ!

2010年10月27日 | 国語
 記述(きじゅつ)が書けない。前回は、書き始めと書き写しをしました。このふたつを利用して、今回の問題を解いてみましょう。


 次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。

 残雪(ざんせつ)は、大造(だいぞう)じいさんのおりの中で、ひと冬を越しました。春になると、そのむねのきずも治り、体力も元のようになりました。

 ある晴れた春の朝でした。

 じいさんは、おりのふたをいっぱいに開けてやりました。
 残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が、
 バシッ。
 快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。
 らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。
「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」大造じいさんは、花の下に立って、こう大きな声でガンに呼びかけました。そうして、残雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。

 いつまでも、いつまでも、見守っていました。

大造じいさんとガン』椋鳩十(むく・はとじゅう)


[問題]
「らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。」この一文は、この場面にどんな効果(こうか)をあたえていますか。あとのア~ウから、正しいものをひとつ選びなさい。

ア、再び、きびしい自然に立ち向かおうとする残雪の、力強い印象をあたえている。
イ、せっかく理解し合えた両者が、もう別れなければならないという、はかない印象をあたえている。
ウ、大造じいさんと残雪の別れが、すがすがしく、さわやかだったという印象をあたえている。


[ヒント]
書き始めは、主語から。ものがたりならば、登場人物です。スモモの花の下には、"だれが"いるでしょうか。

カンで答えちゃだめですよ。必ず文章中にヒントが書かれています。文章中に根拠(こんきょ・理由)となることばがあります。

スモモの木の下には、残雪と大造じいさんがいます。"残雪が"いる根拠はすぐ見つかります。"大造じいさんは"、文章全体からも探してください。


登場人物から主語が決まり、書き始めはしぼり込めます。つぎに、ことばの意味の確認です。

再び・立ち向かう・印象・せっかく・両者・はかない・すがすがしい…ことばの意味が説明できるでしょうか。調べて書きだします。

これで正確に答えが出せるようになりました。「読んでわかった」ですませず、マネて書く練習をします。選んだ答えの文を"書き写し"てください。


 毎回ここまでやるのは大変かもしれません。テストのやり直しや夏休みなど時間があるときに、ためしてみましょう。記述まで正確に書けるようになりますから。

 受験生になってからでは時間をかける余裕がなくなります。高校・大学・会社では、記述が中心になってきます。

 続きます。(塾長)


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