国語のテストの解答は、あなたが考え出すものではありません。筆者の考えを"探す"ものです。前回はこちら。
「記号選択(せんたく)しか書けません…」
記述(きじゅつ)問題が書けない。テストで点数がとれない理由の一つです。これには、二つの場合が考えられます。
(1)記号で選ぶ記号選択が、あっていたりまちがっていたり
学校で学ぶ国語は、相手の考えを正確に理解し自分の考えを正確に伝える、"対話"のための訓練です。毎日使うことばで、だいたいわかるのは当たり前なので、正確な"対話"ができることまで求められます。
漢字やことばの意味は、その土台になります。また、音読してもらうと読みとばしていたり、ことばの意味を調べなかったり、だいたいわかるで済ませているひとがいます。
「国語は勉強しなくてもわかるよ」
まず音読、ほんとうに読めてますか?
(2)記号選択はすべてとれるが、文章で答える記述が書けない
まずは書くこと。書いてみなければ、いつまでも出来るようにはなりません。「次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。」なので、答えとヒントは本文と問いに必ず書いてあります。感想文ではありませんから、あなたはその答えを"探す"だけです。記述でも、ぬき出し問題は書けるはず。
「だいたいわかるけど、点数は…」
次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。
残雪(ざんせつ)は、大造(だいぞう)じいさんのおりの中で、ひと冬を越しました。春になると、そのむねのきずも治り、体力も元のようになりました。
ある晴れた春の朝でした。
じいさんは、おりのふたをいっぱいに開けてやりました。
残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が、
バシッ。
快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。
らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。
「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」大造じいさんは、花の下に立って、こう大きな声でガンに呼びかけました。そうして、残雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。
いつまでも、いつまでも、見守っていました。
『大造じいさんとガン』椋鳩十(むく・はとじゅう)
[問題]
たとえを使って情景がえがかれている一文を、文章中からぬき出しなさい。
文章中から探すだけですね。ぬき出しは必ずとけます。たとえ・情景・一文…ことばの意味は正確に言えますか?ことばの意味を正確に知れば、答えは自然に見つかります。書き出しましょう。
続きます。(塾長)
「記号選択(せんたく)しか書けません…」
記述(きじゅつ)問題が書けない。テストで点数がとれない理由の一つです。これには、二つの場合が考えられます。
(1)記号で選ぶ記号選択が、あっていたりまちがっていたり
学校で学ぶ国語は、相手の考えを正確に理解し自分の考えを正確に伝える、"対話"のための訓練です。毎日使うことばで、だいたいわかるのは当たり前なので、正確な"対話"ができることまで求められます。
漢字やことばの意味は、その土台になります。また、音読してもらうと読みとばしていたり、ことばの意味を調べなかったり、だいたいわかるで済ませているひとがいます。
「国語は勉強しなくてもわかるよ」
まず音読、ほんとうに読めてますか?
(2)記号選択はすべてとれるが、文章で答える記述が書けない
まずは書くこと。書いてみなければ、いつまでも出来るようにはなりません。「次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。」なので、答えとヒントは本文と問いに必ず書いてあります。感想文ではありませんから、あなたはその答えを"探す"だけです。記述でも、ぬき出し問題は書けるはず。
「だいたいわかるけど、点数は…」
次の文章をよんで、後の問いに答えなさい。
残雪(ざんせつ)は、大造(だいぞう)じいさんのおりの中で、ひと冬を越しました。春になると、そのむねのきずも治り、体力も元のようになりました。
ある晴れた春の朝でした。
じいさんは、おりのふたをいっぱいに開けてやりました。
残雪は、あの長い首をかたむけて、とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が、
バシッ。
快い羽音一番、一直線に空に飛び上がりました。
らんまんとさいたスモモの花が、その羽にふれて、雪のように清らかに、はらはらと散りました。
「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」大造じいさんは、花の下に立って、こう大きな声でガンに呼びかけました。そうして、残雪が北へ北へと飛び去っていくのを、晴れ晴れとした顔つきで見守っていました。
いつまでも、いつまでも、見守っていました。
『大造じいさんとガン』椋鳩十(むく・はとじゅう)
[問題]
たとえを使って情景がえがかれている一文を、文章中からぬき出しなさい。
文章中から探すだけですね。ぬき出しは必ずとけます。たとえ・情景・一文…ことばの意味は正確に言えますか?ことばの意味を正確に知れば、答えは自然に見つかります。書き出しましょう。
続きます。(塾長)