お面屋たまよし 石川宏千花 講談社
誰かの本音なんてものは知らない方がよいことが多いだろうし、互いに知らないまま過ごしているのが実際であろう。それどころか、自分の本心も忘れていたり、そもそも一度も意識しないで行動していたりする。
物語では妖面を通して、それぞれの本当の気持ちに向き合うことに、
見かけない子供の心配もする優しい男は本心に隠れていた本音を思い出して、
同情されるほど不細工ながら賢い少女は気にしていたことのメカニズムを知り、
弟妹と一緒にほどこしを受ける兄は母の考えを知り、自分の意志を明確にするが、
これらはお面の力を借りなくても出来、また、荒魂化と同様に人格を失うことは妖しい力に関係なく起き得る。
だから、私たちも本当の気持ちに対峙する際は妖面を付けた登場人物たち同じような体験をすることになりそうでバランスの良い4つのエピソードで構成される本書は真摯に気持ちを見つめる参考になりそうなのだ。
それぞれのエピソードの時系列を気にする必要はないが収められた作品中の最初と最後の出来事の間に妖面を付けた人はもっと多いかもしれない。いずれにしても、この本における荒魂化は?件(伏せることにしました。不謹慎な表現ですが読みながら妖面をつけた勘助、お勝、吉蔵が元に戻れるのかドキドキしながら読みました。結果に泣きそうになったり、ホッとしたりです。不謹慎ですよね。ごめんなさい)。ただし、エピソード中、妖面を依頼した人たちは、この世に性格が悪い人などそもそも存在しないかもしれないが相対的に性格の良い部類。
誰かの本音なんてものは知らない方がよいことが多いだろうし、互いに知らないまま過ごしているのが実際であろう。それどころか、自分の本心も忘れていたり、そもそも一度も意識しないで行動していたりする。
しかし、物語の相対的に性格がかなり良い面々すら、本音・本心と向き合う羽目に陥っているのだから私たちだって運悪く本当の気持ちに晒される日はやってくるかもしれない。その時、準備が無かったり、覚悟が足りなかったりしたら荒魂化、正気でない判断をする危険は間違いなくある。
何気に同じような二段落を書いてしまったが、正気を失ったケース、好奇心が動機になったケース、肉親のケースとレギュラー・準レギュラー的メンバーの経緯がスーッと入ってくる本書が自分や他者の本心に向き会うときの良質な参考書・・・、あれ、また繰り返しになっている。
真実・真相を見つめる危険をアナウンスしながらも迅雷視点で単純にことは運ばないかも知れないがという注釈を感じ取れる表現ながら、正直な気持ちをぶつける効果の期待も述べられている。
文庫、出ました!
"→♂♀←"「オススメ」のインデックス
お面屋たまよし (YA! ENTERTAINMENT) | |
石川宏千花 | |
講談社 |
誰かの本音なんてものは知らない方がよいことが多いだろうし、互いに知らないまま過ごしているのが実際であろう。それどころか、自分の本心も忘れていたり、そもそも一度も意識しないで行動していたりする。
物語では妖面を通して、それぞれの本当の気持ちに向き合うことに、
見かけない子供の心配もする優しい男は本心に隠れていた本音を思い出して、
同情されるほど不細工ながら賢い少女は気にしていたことのメカニズムを知り、
弟妹と一緒にほどこしを受ける兄は母の考えを知り、自分の意志を明確にするが、
これらはお面の力を借りなくても出来、また、荒魂化と同様に人格を失うことは妖しい力に関係なく起き得る。
だから、私たちも本当の気持ちに対峙する際は妖面を付けた登場人物たち同じような体験をすることになりそうでバランスの良い4つのエピソードで構成される本書は真摯に気持ちを見つめる参考になりそうなのだ。
それぞれのエピソードの時系列を気にする必要はないが収められた作品中の最初と最後の出来事の間に妖面を付けた人はもっと多いかもしれない。いずれにしても、この本における荒魂化は?件(伏せることにしました。不謹慎な表現ですが読みながら妖面をつけた勘助、お勝、吉蔵が元に戻れるのかドキドキしながら読みました。結果に泣きそうになったり、ホッとしたりです。不謹慎ですよね。ごめんなさい)。ただし、エピソード中、妖面を依頼した人たちは、この世に性格が悪い人などそもそも存在しないかもしれないが相対的に性格の良い部類。
誰かの本音なんてものは知らない方がよいことが多いだろうし、互いに知らないまま過ごしているのが実際であろう。それどころか、自分の本心も忘れていたり、そもそも一度も意識しないで行動していたりする。
しかし、物語の相対的に性格がかなり良い面々すら、本音・本心と向き合う羽目に陥っているのだから私たちだって運悪く本当の気持ちに晒される日はやってくるかもしれない。その時、準備が無かったり、覚悟が足りなかったりしたら荒魂化、正気でない判断をする危険は間違いなくある。
何気に同じような二段落を書いてしまったが、正気を失ったケース、好奇心が動機になったケース、肉親のケースとレギュラー・準レギュラー的メンバーの経緯がスーッと入ってくる本書が自分や他者の本心に向き会うときの良質な参考書・・・、あれ、また繰り返しになっている。
真実・真相を見つめる危険をアナウンスしながらも迅雷視点で単純にことは運ばないかも知れないがという注釈を感じ取れる表現ながら、正直な気持ちをぶつける効果の期待も述べられている。
文庫、出ました!
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