→♂♀←_no.10_2016:ツバクラメと幸せの王子様と夏の扉

ツバクラメと幸せの王子様と夏の扉　籘真千歳　早川書房

	θ 11番ホームの妖精 アクアリウムの人魚たち (ハヤカワ文庫JA)
	籘真千歳
	早川書房

「でも、だったらどうだというのです？」T.B.
「……。その気持ちが紗弥さんのプログラムであろうが、陽性転移であろうが、彼女を慕う気持ちは今、あなただけのものです。誰にも侵されることのない、あなたの聖域なのですよ」T.B.
「だからどうしたというのですか？」T.B.
「（……）……いいえ、たとえ地球上すべての人類を天秤にかけたって」T.B.
「世界を言い訳にしないで。今は全力でぶつかっていきなさい。後悔のない選択をするんです。それでも、そこまでしてもどうしても駄目だったら、そのときはーー」T.B.
「なっ……！」義経

顔を俯かせた紗弥さんの頬から、涙の雫がひとつ、またひとつと、次々に滴り落ちました。
「こんな涙だって、あなたの気を引くための嘘かもしれないのに。どうして止められないのでしょう」紗弥


義経の驚きのギャグもいいけど、緊迫した場面における冷静沈着なアリスに冷静沈着なギャグを発生させてくれる辺りも作者の巧いところ！

『生死を問わず、でかまいませんか？』アリス
　返ってきたのは剣崎さんの言葉の真似で、揶揄がこもっています。
笑える。

"→♂♀←"「オススメ」のインデックス