「・・ゆめほのてす・・」
時間ができたから先月末から買いそびれてる一冊をもとめ、本屋さんへ。昨年から、はじまったシリーズの新刊。その作家さんの作品をはじめて読んだ小三以来のファンだ。この新しいシリーズは、お小遣いから買うと決めている。
この夏、出版社さんが新年前後に出る本の帯にプリントされる推薦文を読者から募る企画をした。採用されたら作者さんのサインなど貰えるということだったので応募してみたが年が明けても何の連絡も来ないのでダメだったのだろう。ホームページ上でも確かめられるらしいが、その必要はない・・・・・・はず。
でも、新刊が並べてあるゾーンにおいてある本を手にする時、もしかしたら何て期待を少しもしなかったかといえば嘘になる。ただ、それ以上に帯に選ばれた言葉に興味があった。選ばれてないだろうとはいえ、作品・作者への愛情は、イイ線いっていると信じたい。だから、同じ作品を好きな人の紡いだ言葉が単純に気になる。手に取った本の帯に書かれた文字を目で追う。
何か、熱いモノがこみ上げてきた。自信があったわけでもないが何度も何度も推敲して応募した二十文字足らず。そこには、敢えて主人公ではない、自分の好きなキャラクターについて詰め込んだ。決して、変化球を狙ったわけではない。好きな登場人物の心情表現にしばし現れる、小さな勝利を積み重ねていくという描写に惹かれるのだ。ひたむきさを見習いたい。実際、主人公も一目置いている。作者の胸三寸かもしれないが私は作者にそう書かせる魅力がそのキャラにはあると信じ疑わない。
それでも、物語の世界観や主人公にドンピシャな言葉ではなくては、帯にはダメだろうって考えていた。私の熱い想いの空回りぶりの答え合わせのつもりだった。否、帯に選べれた形容を吟味してやろうなんて傲慢さが心の奥底にあったのだろう。だから、その帯に表現された言葉が、お気に入りキャラクタ-の魅力をたった十文字強で表現してあったことに泣きそうな位、感動してしまった。謳った言葉に続いて「・・ゆめほのてす・・・小六」とある。
わたしも本名で応募していない。他の本の帯を見たところ年配の方で本名の人もいたけど、ティーンエージャーに読者が多い書籍の帯では本名は少数派のようだ。それより、「ゆめほのてす」さんが同じ六年生とわかり親近感を持ち、しかも見た限りでは帯に選ばれた最年少だったの勝手に我がことみたいに嬉しくなってしまう。
ところでというか、やはり「・・ゆめほのてす・・」ってなんだろう?「ゆめ」は、夢で、「ほ」は帆や歩かな、「て」は手?など安易に幾つか思い浮かべる。「(て)す」については、特に浮かばない。小さいころ、アリストテレスをアリスとテレスって分けて覚えたことを思い出し、文節の区切り方も色々試すが暗礁に乗り上げる。以後時々、この謎解きに挑んでいたがある日、図書館で本の検索をするため機械の操作をしているときに、あれ!?
入力するための画面には、五十音の表が表示されている。タッチパネルで書名や著者名、場合によってはキーワードなど、一文字ずつ入れる仕組み。
わらやまはなたさかあ
いりいみひにちしきい
うるゆむふぬつすくう
えれえめへねてせけえ
をろよもほのとそこお
いりいみひにちしきい
うるゆむふぬつすくう
えれえめへねてせけえ
をろよもほのとそこお
※五十音表がズレていたら、こちらをクリック
放送委員の夢帆ちゃんがでマイクのテストをしている状況「夢帆のテス」と覚えたあの子のペンネームを思い出して、文字盤にある、ゆ、め、ほ、の、て、すを目で追う。視線は下がって、上がった。アルファベットのブイ・・・・・・?。
イヤイヤ、下がって上がる軌跡は笑顔の口の形を表すスマイルかもしれない。谷の断面っぽいから単純に名字が谷または大谷や中谷や小谷さんなのかもしれない。やはり、VやvにしてもV字回復や五つを意識してるかもしれない。
そもそも右から縦書きの五十音表とも限らない。横書きなら「楔」やひらがなの「く」、または、お腹を抑えてる様だったりして。腹痛はないだろうから、お腹を抱えて笑ってるぅを表現してるかもしれない。二、三のつもりが意外と次から次へと打ち消し候補が浮かんでくる。
だけど、私と同じ面白さを帯の推薦文にまとめようとしたのだから、大勝利ではなく、小さな勝利を意識して、「・・ゆめほのてす・・」ってペンネームにしたってのが個人的には腑に落ちるけど、どうだろうか。きっと、「・・すてのほめゆ・・」、「・・・めほのて・・・」、「・・・てのほめ・・・」も候補だったと予測されるけど、それらに比べたら夢がある「・・ゆめほのてす・・」が一番イイ!
だから、もし、主人公に密かに思いを寄せるキャラ好きだったりして、「ゆめほのてすきさたにひまやり」さんだったら、この本の帯に共感するなんてことはなかったんだろうなぁ、なんてつまらないことを考えるのも楽しい。
わたしのつまらない考察の数々について、「・・ゆめほのてす・・」さんが、どう思うかきいてみたい。というか、物語についてや日常の他愛のない話もしたい。これからも本を読みつづけていれば、会える日もくるかもしれない。大袈裟かもしれないけど、本って不思議な力があるって信じられるから。
おしまい
昨年から、はじまったシリーズのストーリぃや世界観などある程度固めて、
「応募した二十文字足らず」や「十文字強」もテキスト化し、
何年後かに出会った二人について
なども書きたいです。
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