「たにぬねの」のブログ

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2020-08-12 23:40:58 | texto

肘鉄チョップ裏拳掌打&?_part iv

 だから、週末の金曜日、どこかに出かけるなら、家でもできる素振りや筋トレがしたい。もちろん、野球ばかりではない。学習時間としても金曜夜は貴重である。今週は明日だけだが土日二日とも少年野球の練習や試合がある週もあるし、宿題に限らず、肘鉄チョップ裏拳掌打法以来、算数理科国語社会も野球に結び付くことをなんとなく程度ながら感じている目指せ頭脳野球少女でもあった。
 算数、理科は記録。何でも数字で残しておくと以前と今とこれからを比べることができる。また、記録した項目同士について予想外な関係性にも気付かされる。お父さんいわく、式になることだってあるかもらしい。とにかく、なんでも記録。表計算ソフトの使い方も習って入力に勤しんでいる。
 国語は表現。チームメイトたちも肘鉄チョップ裏拳掌打法同様、自分なりの打撃のイメージトレーニングやチェック方法を持っていることを知ったから。一方、四番はよく耳にする打撃のポイントで打てるようになってて、人によって理解・納得できる表現の違いがあることがおもしろい。できれば誰でも共通して分かるバッティング文章表現をみつけたい。
 社会は仕組みや歴史。例えば、どうして女子が野球を続けることに苦労するのか。野球に限らず、競技によって苦労の度合いは違うし、国によっても事情は異なる感じ。
これらについて考えを進めるヒントが教科書や授業にあるみたいで学習意欲が増した気がする小学六年生。それから、小学生最高学年の乙女、野球や勉強以外にもすることがたくさんある。とにもかくにも学習面の成長もきいているのか娘のお出かけパスを父は前向き、母は渋々認めていた。

 そのようなわけで、端から週末家族行事がどうなろうと一向に構わないおきゃんは不満そうな弟の目の前でフリックで手早く経緯を伝えるメールの文面を作成する母をしばしながめていると打ち終わったのだろう、
「帰ってからでは遅いのでお母さんはこれからお仕事中のお父さんにメールしますから!」
と宣告。窮鼠猫を噛むってわけでもないが視線が離れている母親の一瞬のスキをつき、ダッシュでスマホを奪い逃げる小一男子。しかし、成人女性も負けていない、あっさり全長約一二〇センチメートルの哺乳類(オス)を改めて捕まえる。山姥に体の自由を奪われた子供は部屋の中を見渡し、女の子を見つけ(味方になってくれる保証がないにもかかわらず)スマホを投げる。
 反射的にスマホをキャッチするおきゃん。スマホの画面はお母さんや弟を向いている。
 おそらく、完全に非があることが予測される弟の味方などおきゃんはしなかったであろう。だから、他のやり方があったのだろうがせっかち?一途?猪突猛進ウーマン?姉が弟の味方をするかもしれないと考えた?、いずれにしろ二児の母は哺乳類の子供が逃げないよう両手でガッチリ抱え上げ、大人成りかけの哺乳類にキックするかの勢いで右足を伸ばし、その足先の親指でスマホ画面の送信ボタンのアイコンをタッチした。

 スマホから送信を知らせるサウンドが流れうなだれる弟を尻目に姉はいつだったか、お父さんがお母さんは学生時代にセパタクローかテコンドーで有名だったんだぞって言ってたことをおもい出す。どちらかあいまいなのはおきゃんの記憶でなく、父の自覚なきスポーツへの感心の薄さ故である。加えて、母親が自らのスポーツについて話すことを嫌う傾向があったのであいまいなままだったが見事な足技に傾向を脇に追いやり、肘鉄チョップ裏拳掌打以来のひらめきが降りてきたおきゃん!
 肘鉄チョップ裏拳掌打法で感じたタメや運ぶに、まだまだ伸びしろを感じていた野球少女。
 肘鉄チョップ裏拳掌打の後にこの蹴りを加えればフォロースルーになってインパクトを強くでき、運ぶ感覚のブレークスルーになるのではないかというアイデアだ。
「お母さん、今の蹴り技、教えて!」
 余りにも真っ直ぐな娘のまなざしに母親は無意識でこれまで以上に思考を進めてしまう。嫁入り相当前の体&男子中心の団体競技を続けることでぶつかるかもしれない壁など心配して野球をすることについて反対してきたけど、競技を辞めてしまった己の履歴が娘を妬む気持ちもあったのかもしれないとおもう元S級アスリート。それはいけないことなので娘の教えて!にこたえることにした。
「夕飯の後に、みっちりしごいてあげる。」
「名付けて肘鉄チョップ裏拳掌(打か底)&蹴りだ!」
 母姉の会話をききながら、さらに泣き崩れる弟。ちなみに弟の買い物は半~一日遅れで果たされ、もっと楽しみにしていたキャッチボールができる広場へ行く予定も週末後半に果たされる。

「足上げてクルリと回って、バレリーナ―みたいだなぁ、さすが女子。」
 野次が飛び、同時に相手チームの一部に過ぎないが笑いも生じた。野次った本人たちも盛り上げようとしてるだけで悪気がないだろう推測できる今、全く気にならない六番バッターおきゃん。肘鉄チョップ裏拳掌打&蹴りという改良から数週間、打順をあげている。
 というより、野次は的を射てる気もするおきゃん。この試合、二打席目の初球を足先伸ばす随分派手な空振りをしたからだ。というのも打席に入る前、監督から肘鉄チョップ裏拳掌打&蹴りで打て!と指示。タイミングのとり方や頭の中でイメージしながらバットを振れという意味ではなく実際、バッターボックスの中で肘鉄チョップ裏拳掌打&蹴りの動きをしろというのだ。
 相手投手は小学生離れした剛速球を投げる。一打席目、タイミングバッチリでとらえたとおもった当たりが内野フライに終わっている。力負けしたのはおきゃんだけではない。一巡目でまともに打ち返したのは(本来四番が最近調子を落としてて、この試合の)五番だけ。
 二回り目に入りバットを短く持つなどそれぞれ工夫をするが外角中心の組み立ても加わり、本日四番打者の我がチームのエースでさえ、エラーで出塁するのがやっと。だが幸い、本来四番が今日は五番。とおもったら申告敬遠。ネクストバッターサークルでタイミングを計る機会を逸した六番は一球目の強振で調整を試み、空振りをして若干であるが笑いを誘ったというわけだ。

 ところで、これまで実際の打席で肘鉄チョップ裏拳掌&蹴りをしてこなかったのは蹴りというフォロースルーの動きが大きすぎて、打って走り出すタイミングがひと呼吸遅れたり、当たり損ねの打球が足元に転がった時など危ないからだ。そこで監督は指示に加えて、打ってから走り出すタイミングは遅くていい、打球の行方を見送るつもりで蹴りをフォームに組み入れろ!っとアドバイスを付け足し、新六番をベンチから送り出している。打球の行方を見送るなんて、ひたむきにプレーに反する感じで笑える。しかし、地区大会二回戦。相手はシードされてる前年度準優勝チーム。今のチームメイトと少しでも大きな大会に進みたいこの場面では、もっともひたむきな姿勢だとおもえて来るベースボールガール。
「次もバレエだ・・・・・・」
 またもや誰かが配慮を欠いた声援を言いかけたが近くの大人がそれを制す。そんなことは、おきゃんは知る由もない。

 二球目、外角に際どいコース、打ってもヒットにならない可能性が高いので動きを肘で止める。判定もボール。心の中でしっかり蹴りまでのタイミングを計れた気がする野球娘。相手投手が今の見逃しをどう考えるかは分からない。それにしても、たらいを前に上手くいかないバッティングを非力のせいにしていた自分が恥ずかしい。どん底にいるとき笑えなかった事実を深く反省すると、おまじない様に心が無になる野球大好き娘。
 第三球、内角に高めのストライクゾーンに剛速球。母のスマホ足タッチが最も活きる絶好球が来た!

おしまい
そのうち長めのあとがきを書きたい


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