原田マハさんの小説「まぐだら屋のマリア」を読んだ。
原田マハさん、好き。
原田マハさんは元美術キュレーターだから美術をテーマにした小説が多い。あたしは絵を描くけれど、実はまだ原田マハさんの美術小説を1冊しか読んだことがない。今後美術小説を読むのを楽しみにしている。今までは「キネマの神様」「ランウェイ・ビート」「旅屋おかえり」「本日は、お日柄もよく」「暗幕のゲルニカ」の順番で読んで、「まぐだら屋のマリア」が5冊目になる。
⇒原田マハ著「旅屋おかえり」 (集英社文庫) 旅行に行きたくなるー 読書感想
⇒原田マハ「本日は、お日柄もよく」(徳間文庫)/小説、感想 パフォーマンス力政治の未来
⇒原田マハ「暗幕のゲルニカ」、ピカソやキュレーターの生き方に感情移入中
では、原田マハさんのどこが好きなのかというと、とにかく あったかいの。
あったかい。人があったかい。自身もこうありたいなという魅力的な人物が出てくる。
「まぐだら屋のマリア」の主人公は、老舗料亭の元見習い板前。とある理由で単身、最果てにある港に流れ着く。そこで大衆向けの定食店を営むのがマリアという名前の女性だった。
詳細は不明(物語のなかで徐々に解き明かされていきます)だが、マリアはニコニコと料理屋を営んでおり、そこへ労働者男性たちがいつも食事をしに来る。マリアはただ日常を生きている。
なぜ彼女がそうなったのか? を知ると100%は肯定できないなとおもったけど、でもそもそも肯定否定なんてあたしが決めることじゃないんだよね。スイマセン。
食事の大切さを感じさせてくれる小説。食事には、料理には人を元気にするパワーがあるんだなあとおもわせてもらえる。しあわせな気分になりました。
うじうじと流れ着いてしまう主人公や、もうひとりの男性に、あたしは共感してしまった。
わかっていてもついうじうじしてしまい、ちょっと懐かしい気がいたしました。
感情移入したのが、マリアのほうじゃなくて残念(苦笑)。
小説そのものからは話がそれますが、現在、「まぐだら屋のマリア」の文庫本カバーが行方不明です。文庫本カバーを外して読んで、読み終わったら再びカバーを装着することがときおりある。少し腰を入れて掃除をしないと出てこないだろうな。
せっかくだから読書交換会にはカバーをかけた状態で持っていきたいと思っております。
ではまた
東京都豊島区池袋で読書交換会を開催しております。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は2020年2月7日(金)夜、2月22日(土)夜です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
思考していることを投稿しています。