小説の感想。
最初に書いておく。あたしにとっては読むのがしんどかった。お勧めできないけど、たぶんSFを知る上では読んでおいたほうがよい本。素養がないと読めない本ってあるわね。
今日泊亜蘭著「光の塔」(ちくま文庫)を読んだ。
光の塔 (ちくま文庫) | |
今日泊 亜蘭 | |
筑摩書房 |
今日泊亜蘭は、きょうどまり・あらんと読む。1910年(明治43年)生まれ、2008年(平成20年)没。
1962年に出版された本の復刻版。
内容はひょっとしたら面白いのかもしれないけれど、設定や言葉遣いが古くて難しくてついていけなかった。
会話文章の語尾の「ヨ」「ネ」だけがカタカナにされている。
「そうだよネ」「またネ」「いこうヨ」。短い文章だとそうでもないな。でもなんか会話の最後だけカタカナになっているとゾワゾワしてしまって、小説に集中できない。
きっと世代的なものヨ。うー明治生まれだからな。
それゆえ登場人物にはほとんど感情移入ができず、ほぼ流し読み。
主人公は火星から帰ってきた専門家。昭和100年ごろに地球に帰ってきたという設定。たぶん昭和100年とは今頃だよね。だから最初は、そのときの100年後はこんなふうにイメージしていたんだなと興味深く読んだ。
地球ではいきなり停電になる現象が発生して、事故が起こりまくる。その停電の謎、宇宙人の侵略など、もりだくさんの内容。
最初はそうか、こうやって未来を想定していたんだと面白く読んだ。けれども、460ページという長さのため、途中でそれに飽きてしまい、読みにくさだけが残ったのであった。。。すいません。
読み終わった後、どっぷり頭が疲れていた。
たぶん、SFの素養があれが楽しめるんだと思う。きっとツウ好みだね。良書は、読むのに教養を必要としているとも多い。そして、SFについては、まったくもってわからない。
でもSF好きの方って本当SF好きで、楽しそうにしている。だからその楽しそうにしている様子がうらやましかったりする。うーでもあたしにはちょっと無理みたい。残念。そのうちわかるようになったらいいなー。
ではまた
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