本の感想。
つぶつぶタンタンに読んだ本の感想を書くのが、今月初めてのようです。もう少しで今月ゼロになるところでした。個展の準備に意識がいっていたり、開催間際に準備に集中しやすくなるのように、毎日のニュースを積極的に見ていたりしたからだとおもう。
これからも本の感想は書きたい。
沼田まほかるさんの小説、「猫鳴り」を読んだ。
沼田まほかるさんの小説は何冊か読んでいる。
独特の世界観で、好きというよりも、沼田まほかるさんの小説に出てくる女性が毛嫌いしているキャラに自分が似ているなとおもって、それで読んでいる。知りたい気持ち。
そうかこういうときにこういう理由で嫌われるのか、というのがわかる。ひとつ前の記事にも書いたけど、知りたがり屋さんなんです。
今まで「ユリゴコロ」「彼女がその名を知らない鳥たち」「九月が永遠に続けば」に続けばを読んだ。
⇒ 読書日記:沼田まほかる『九月が永遠に続けば』 あたしは嫌われるタイプかも
この「猫鳴り」はかなり前に買いました。けれども動物に焦点が当てられた小説は、その動物が死んでしまうことが多い。それはとても悲しく、また猫太陽が心臓病で何度も死にかけたこともあり、普段以上に動物が死ぬ小説は読みたくなかった。
それで一番最後のページを読んでみたら、予想通り猫が死んでいました。これは読めない、と読まずに保管していました。
3月に愛猫太陽が亡くなり、まさかの展開で4月末にもう1匹の愛猫蓮が他界した。喪失感でいっぱいになりました。
だいぶ喪失感が日常になり慣れ、また今読まなければいつ読むのだろうという気持ちもあり、「猫鳴り」を読みました。
小説として面白かったし、また読んでよかったです。
1匹の猫の周りにいる人たちが綴られている小説で、最終的な主人公は猫の飼い主である老齢男性だとおもいます。彼の猫とのつきあいをみていて、おもいました。
猫への愛は、ひょっとしたら傍から見たら偏愛なのかもしれないと。そうかあたしは偏愛していたな、今でも偏愛しているな、そして偏愛でいいじゃないかと。
よく考えてみたら、沼田まほかるさんの小説には共感できないのですが、それでもいつも登場人物たちの偏愛が描かれています。その偏愛にドン引きしていたわけですが、自分だって同じじゃないかと。
そして猫に焦点が当てられたこの小説についてはドン引きせずに、共感もしていました。
人生、偏愛でできていて、人それぞれなんだなとおもえたら、他の人に寛容になれた気がします。そして偏愛する自分も肯定できた気がします。どこかで偏愛している自分を愛せておりませんでした。
これからも太陽と蓮を愛し続けます。
「猫鳴り」は動物好きの方に、タイミングをみて読んでいただきたい小説です。
東京都豊島区池袋で読書交換会を開催しております。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
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※今後の予定は11月13日(金)夜、11月28日(土)夜、です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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