小説の感想。掟上今日子シリーズが3冊連続したので、今度は他のを書く―。
ねじまき片想い (創元推理文庫) | |
柚木 麻子 | |
東京創元社 |
柚木麻子さんの「ねじまき片想い」 (創元推理文庫) を読んだよ。面白かった。気持ちが明るくなった。
柚木麻子さんの小説を拝読するのは「ランチのアッコちゃん」「伊藤くんA to E」に引き続き3冊目。
どの本も、そこ抜けのキャピキャピ感が、自分にはない、あるいは忘れてしまった感覚を思い出させてくれて好き。
とはいえ柚木さんの読者層ってなんとなくキャピキャピ女性ではない気がする。うー、どうなんだろう?
読書交換会の常連の男性が柚木さんの大ファンだからそういう印象を持っているのかもしれない。その方がいうには柚木麻子さんにはクロ柚木とシロ柚木がいて、作風が小説によってかなり異なるとのこと。きっと今のところまだシロ柚木にしかお目にかかったことがないのかもしれない。
ほかの本も拝読するのが楽しみだな。
「ねじまき片想い」の主人公は大手おもちゃ企業でおもちゃ開発を担当する売れっ子プランナー・宝子。
子どもたちに夢を与えるヒットおもちゃを連発している凄腕女性。冴えないフリーランスデザイナーに長い間片想いをしていて、職場の仲間たちがそんな彼女を暖かく見守っている。彼が何かトラブルに巻き込まれるたびにこっそりと手助けをしている宝子。
けれども、彼にはまったく振り向いてもらえない。それどころか、彼はほかの女性と恋愛まで始めた。
けれども、宝子はずっと好きでい続ける。ネタバレになってしまうのだけれど。宝子は最後の最後までそのデザイナーが好き。途中に魅力的な男性が出てきたりするけど、気持ちがぶれない。
だから宝子はずっと変わらない。夢見がちな恋愛小説。と、決めつけて読んでいたら、最後にパカンと世界を開かれ、とても刺激された。
なんかすごいよかった。
ピュアさを持ったまま、冒険して脱皮した感じ。いいなあ、こういうの可能なんだ。忘れていた感覚を思い出させてもらった気がする。
なんというかパカンも気持ちよかったし、こういうキャピキャピ感に憧れがあるんだろうな。いくつになってもキャピキャピしている女性、うらやましかったりする。
そもそも昔からそんなにキャピキャピしていないから、ないものねだりなのかもしれないね。また柚木さんの小説で味合わせてもらうのを楽しみにしよう
。。。とおもっていると、いつか突然、クロ柚木の小説にぶちあたってしまうのだろうか。
それはそれで楽しみー
ではまた
月2回、東京都豊島区池袋で、読書交換会をやっています。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は9月6日(金)夜、9月28日(土)夜です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
思考していることを投稿しています。