有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年5月30日放映の第21話は「いじけたジューサー」です。
英三郎と恵は葬式に参列するため、二人で出かけていきます。楽しそうに葬式饅頭がでるかどうかを気にする恵はちょっと不謹慎ですけど、よほど近しい人の葬式でもなければこんなもんですよね。雪子はいまどき葬式饅頭の出る葬式なんてあるのかなんて言ってますけど、確かに最近はあんまり葬式饅頭って見てないような。葬式饅頭って、美味しいのにね。
二人を送り出した雪子は、鏡を手にして百面相なんかをした後、テーブルの上にあったオレンジに目をつけます。しかし、生オレンジジュースでも作ろうかとジューサーを探しますが、どこにも見当たりません。花子に聞いても知らないとのこと。月子には聞かないんですけど、家にいないのかな?
そこへチャイムが鳴り、篠山、加納、荒木がやってきます。「遊ぼ」という三人に初めは嫌な顔をする花子ですが、カメラ同好会のモデルをやって欲しいという言葉に態度を一変。三人と一緒に出かけてしまいました。出かける際にも雪子にだけ声をかけていったので、やっぱり月子は不在なんですかね?
ジューサーが見つからないので、雪子は仕方なく缶ジュースで我慢します。生ジュースでなくてもそれはそれで美味しいというのはいいんですけど、飲むときに冷蔵庫のドアを開けっ放しにしているのが気になります。ちゃんと閉めろよ。
ワニのぬいぐるみを持って、篠山、加納、荒木に撮影される花子。しかしこの撮影シーンは一瞬で終わり、すぐに花子が「写真、綺麗に写っているといいな」などとつぶやきながら歩いているシーンに移行してしまいます。
そこへ、どこからか泣き声が聞こえてきます。見ると、ボロボロになった自動販売機が涙を流し、それをフライドチキン男が一生懸命慰めているではありませんか。なんなんだ、この絵面。
話を聞いてみると、どうやら自動販売機はジューサーに襲われてしまったらしいのです。フライドチキン男によれば、ジューサーはジュースを作るのに便利そうに思えながら、その実、果物のカスを掃除するのが面倒なのです。そのため、ジューサーを使わずに瓶ジュースや缶ジュースを飲む人が増え、ジューサーは押入れの奥にしまわれてしまっているのです。山吹家にジューサーが見当たらなかったのもそのためなんですね。
しかし問題は、その押入れにしまわれたジューサーです。狭い押入れに閉じ込められたジューサーはすっかりいじけてしまいました。家を飛び出そうとしたジューサーに、ベテラン家電の掃除機が説教しますが、聞く耳を持ちません。同じ境遇のジューサー仲間と徒党を組んで、音楽を鳴らし、タバコをふかし、スケボーを乗り回すなど、町で好き放題に暴れまわるのです。
そんなとき、ジューサーたちは瓶ジュースと缶ジュースのカップルを発見します。自分たちをこんな境遇に追いやった二人に因縁をつけ、仕返しをしようというのです。しかしここで、瓶ジュースと缶ジュースのカップルは、自分たちが助かりたい一心で、悪いのは自分たちを売りまくる自動販売機だと言い出します。「それも一理あるな」と、すっかり丸め込まれたジューサーたちは、今度は自動販売機にターゲットを変更してしまうのでありました。
うーん、こいつら、相当頭弱そうだなぁ。
「あー、ブロッコリーが、食べたい♪」
謎の歌を歌いながら、自動販売機がふらふらと歩いて(!?)います。これ、フライドチキン男と一緒にいた自動販売機ですね。 そこへやってくるジューサーたちが自動販売機に一斉に襲い掛かり、自動販売機をボコボコにしてしまったのです。
自販機には大きく「STAR COFFEE」と書かれているのですが、ラインナップは、「Juice(あまさすっきりはじけるおいしさ)」と書かれている何味か不明な缶飲料と、「世界の名水シリーズ 南極&レモンジュース」という謎の飲料。さらには「百十円ジュース」という更に輪をかけて謎の飲み物もあります。百十円ジュースの缶には100円玉と10円玉が描かれていますが、中身は一切不明です。最後の一つ、「SPORTS DRINK」だけは、まともそうな飲み物ですね。
ちなみに、ジュースが100円から110円になったのは、シュシュトリアンが放送される前年の1992年のこと。消費税に対応するための値上げだったのですが、シュシュトリアンで小ネタとして使いたくなるくらいには大きな出来事でしたね。
泣きじゃくる自動販売機に対してフライドチキン男は、後はシュシュトリアンが何とかしてくれると太鼓判を押します。ついでに、花子こそがそのシュシュトリアンだと紹介してしまいます。正体バレを気にする花子ですが、フライドチキン男は「大丈夫でしょう。口の堅そうな自動販売機ですから」。いや、拡散されなきゃいいってもんじゃないでしょ。
まあ、今までも結構正体バレてるけど、別に問題になっていませんしね。特に人間以外ならノーカンでしょう。
「ジューサー退治?」
花子はまず、何故か屋外でタロット占いをしていた月子に相談します。やっぱり月子、家にはいなかったのか。
しかし、占いの結果、今日の運勢は最低と出てしまいました。ジューサー退治は花子に任せて、月子は「お清めしてこなくっちゃ」と、いずこかへと去ってしまいます。
仕方が無いので雪子を呼ぼうと家に電話しますが、雪子は昼寝の最中で電話に出てくれません。結構近くで電話が鳴っているけど、これで起きないって、かなりの熟睡モードみたいですね。
姉二人に手伝ってもらえそうに無いので、花子は一人でジューサー退治に出かけるのでありました。
どうやって居所を突き止めたのか、花子はとあるゲームセンターにやってきます。そこではジューサーたちが、ナムコの「スズカ エイトアワーズ」に興じています。第11話「なにか妖怪?」でもペペがこれで遊んでいたんですど、同じゲーセンなんですかね。
「お話があります」と、ジューサーたちを空き地に連れてきた花子。シュシュコロンを取り出すと、いきなりジューサーたちに向かって吹きかけます。シュシュコロンの中身がどんな成分なのかは不明ですが、ジューサーたちはコロンを吹き付けられ、苦しみ、のた打ち回ります。話があると言いながら、いきなりの実力行使。花子、乱暴すぎない?
「あんたたちのいじけた根性を叩きなおしてあげるわ」
問答無用で迫ろうとする花子に、背後から「待ってください」と止める声が上がります。振り返ると、そこには大勢の電化製品たちが集まっているではありませんか。その代表は、ジューサーをたしなめようとしていた掃除機です。
「電化製品の問題は、我々電化製品に任せていただけませんか」
掃除機の登場に勇気付けられたジューサーは、掃除機のおじさんに泣きつきますが、「甘ったれるんじゃねぇ!」と一喝されて、張り飛ばされてしまいます。
ちなみに今回、自動販売機を千葉繁が演じているのですが、この掃除機のおじさんも千葉繁が演じています。一応自動販売機と掃除機とでは声とか変えてはいますけど、わかりやすい声をしているのですぐにわかっちゃいますね。兼役自体は仕方が無いけど、せめてメインどころからは外してもらえませんかねぇ。
掃除機のおじさんに叱られたジューサーたちは泣き出してしまいました。その様子を見た花子はちょっと戸惑った様子ですが、元々意味もわからずに巻き込まれた話ですし、掃除機が任せろと言うのなら断る理由もありません。電化製品の問題は電化製品に任せて、花子はその場を立ち去っていきました。
まあ、一応これで一件落着。シュシュトリアンの出番もありませんでしたね。一応事の顛末を報告するため、自動販売機を探す花子ですが、元いた場所には見当たりません。
さらに辺りを探してみると、どこからか笑い声が聞こえてきます。様子を伺ってみると、ボコられていた自動販売機が、仲間の自動販売機となにやら話をしています。
「もうすぐこの世から俺をいたぶったジューサーが消えるぜ。ヘッヘッヘッ」
自動販売機は怪しく笑います。おっと、被害者と加害者が転倒しそうな感じですね。
その頃、ジューサーへの仕置きを任された電化製品たちも、ジューサーたちに過剰な処置をしようとしていたのです。
「こんな電化製品の恥さらしは、動かしちゃおけない」
「分解してしまいましょうよ」
なんと、電化製品たちの決定は、分解処分。しかしこれは、実は自動販売機の陰謀だったのです。
この調子で電化製品を仲間割れさせていけば、人間のわがままで使われたり使われなかったりする他の電化製品もこの世から消えていきます。そうして電化製品が消えた暁には、自動販売機が人間を支配するようになるのです。
人間はお金さえ入れれば何でもする自動販売機を愛する。販売機だけでなく、洗濯でも、料理でも、自動でしてくれる機械があれば、現在の電化製品は使われなくなっていくでしょう。そして終いには、自動販売機を崇拝するようになるというのです。
ナ ナンダッテー!!
Ω ΩΩ
この自動販売機の話を立ち聞きした花子は、便利な自動販売機に流されて、面倒くさいジューサーを押入れにしまいこんでしまったことを、柱に手をつく反省ザルのポーズで反省します。なつかしいな、これ。
しかし、反省している場合ではありません。今にもジューサーが分解されようとしているのです。全会一致で分解処分と決まったジューサーたちを取り囲む電化製品たちの前に花子が飛び出し、自動販売機たちの陰謀を説明します。
案外飲み込みの早い掃除機は、怒りの矛先を自動販売機に向けます。そして電化製品一堂、自動販売機に復讐すべく立ち上がったのでありました。
でも、この件については、別に自動販売機側から特に何かを仕掛けているわけではないんですよね。ジューサーが勝手に暴れて、電化製品たちがジューサーを勝手に糾弾して。自度販売機は具体的に何か悪いことをしたわけじゃなくて、むしろ殴られてボコボコにされただけなのです。花子に電化製品を退治してもらおうと仕向けたというのはありますけど、その件も結局電化製品たちの手に委ねられたわけですし。
まあ、腹に一物抱えていることは間違いありませんけど、だからといって、自動販売機を悪者にする流れになっているのも、ちょっと違和感を覚えるのですが……。
このままでは、電化製品と自動販売機の全面戦争になってしまいます。手の打ちようが無くなった花子は、バルミラクルで雪子と月子を呼び出し、何はともあれ、シュシュトリアンに変身します。
遂に河原で激突しようとしている、電化製品と自動販売機。両陣営とも千葉繁声でしゃべっているのが、やっぱり気になるなぁ……。
今にも全面戦争が始まろうとしたそのとき、地面が爆発し、シュシュトリアンの登場です。
「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」」」
「古人曰く、『同じ穴のむじな』」
今回は登場と共にいきなり諺タイムです。しかしこの諺には、掃除機から抗議の声が上がります。電化製品は自動販売機と同じようなことを企んでなどいない。けして同じ穴のむじなではない、と。
しかし、この場合の同じ穴のむじなとは、そういう意味ではないのです。電化製品も、自動販売機も、電気を使って動いている機械であることに変わりはありません。どちらも同じコンセントの穴にプラグを差し込まないと動作しないので、同じ穴のむじなだと言うのです。
まあ、それ自体はごもっともなのですが、問題はここにいる電化製品も自動販売機も、明らかにコンセントから電力を引いていないのに動いているということなんですよね。ここにいる連中、みんなもう妖怪の類みたいになっているので、今回の諺がかなり台無しになってしまいましたね。
そんな理由からではないでしょうけど、両陣営とも、今さらシュシュトリアンの言葉に耳を貸すつもりは毛頭ありません。全面戦争の勃発です。その間に割って入ろうとするシュシュトリアンですが、そもそも自販機は1体しかいないので、ほとんど電化製品対シュシュトリアンみたいになっていますね。
電化製品たちは基本体当たりばかりなのですが、中にはそれぞれの特技を活かした攻撃をしてくるやつらもいます。冷蔵庫がドアで手を挟んだり、ストーブが熱で攻撃したり、洗濯機が中に月子を入れてぐるぐる回したり。特にヒーターなんかはやけどしてもおかしくなさそうなんですけど、雪子が川に放り投げるときに、普通に熱くなる面を持っていたりするんですよね。シュシュトリアンに変身すると、熱に強くなったりするのかしらん。花子はストーブを熱そうにしてましたけどね。
電化製品たちは数が多いので結構苦戦しますが、月子と花子が割とやられちゃったりしているのに対して、雪子が妙に強くて端から一体一体撃破していきます。
ようやく電化製品を一通り片付けたかと思いきや、今度はそれまで傍観していた自動販売機が襲い掛かってきます。今回自動販売機は具体的な悪さをしていないんだから、ここで開き直ってすべての責任を電化製品に擦り付けちゃうこともできたと思うのですが、それでも結局、シュシュトリアンになんだかんだ言われて説教されちゃうんだろうなぁ。
襲い掛かると言っても、自動販売機はほとんど動けないので、どちらかと言うとシュシュトリアンが周囲を取り囲んで一方的に攻撃しているだけに見えるんですけどね。一応、自動販売機もなにか反撃している風なんですけど、いかんせんそれが動きとして反映されないので、押し合いへし合いをしているだけで、攻防と呼べるようなアクションは特にありません。
最後は三人揃って飛び蹴りをかまして、シュシュファイナルでフィニッシュです。電化製品たちもそうだったけど、派手に火花が飛び散って、今後の使用に影響が出そうなレベルで壊れているんじゃないかと心配になりますね。
辺りに散らばる電化製品たち。しかしそこに、ジューサーの姿はありません。ジューサーは戦いに参加せず、物陰に隠れていたのです。
花子がジューサーを呼び出すと、サングラスを外させ、説教します。元はといえば、ジューサーのいじけた心が今回の元凶なのです。ジューサーも心を入れ替えて今後は立派なジューサーになることを誓い、みんなに謝るのでありました。まあ、ジューサーがどんなに反省したとしても、結局はそれを使う人間次第だと思うんですけどね。
戦いが終わり、三姉妹はパンとコーヒー牛乳で疲れを癒します。戦いの後と風呂上りには、甘くほろ苦いコーヒー牛乳が良く似合いますからね。
花子も改めて、便利な物を使いたがる人間の反省こそが必要だと語ります。雪子と月子も同意見。今回の事件は、単に悪いやつを倒して終わりというわけではなく、いろいろと考えさせられる部分が多いですね。
それはさておき、ジューサーは自分を鍛えなおして立派なジューサーになると言っていたらしいのですが……。何をしていたのかといえば、滝に打たれて修行をしていたのでありました。
三姉妹が帰宅すると、葬式から帰ってきた英三郎と恵がキッチンをいろいろと探し回っていました。たまにはオレンジの生ジュースでも作ろうと、ジューサーを探していたのです。
ジューサーは押入れにしまったのではないかと雪子に言われ、恵は押入れに向かいます。しかし押入れから出てきたジューサーは、何故か修行僧のような格好をしていたのです。
ジューサーは、ちゃんと修行を完遂できたんでしょうかね。今のジューサーなら、きっとただものではない生ジュースを作ってくれることでしょう。
[次回予告]
「お父さん、娘の前でオヤジみたいな真似はやめて! 夢も希望もなくなるわ」
なんて言ってたら、オヤジそのものって感じの妖怪が現れたの。その名はおやじ虫。私たちのパンティ集めて、何か企んでるの。
次回、有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「妖怪おやじ虫 若返りの秘宝」。
今明かされる、フライドチキン男出生の秘密。
「お楽しみに」
英三郎と恵は葬式に参列するため、二人で出かけていきます。楽しそうに葬式饅頭がでるかどうかを気にする恵はちょっと不謹慎ですけど、よほど近しい人の葬式でもなければこんなもんですよね。雪子はいまどき葬式饅頭の出る葬式なんてあるのかなんて言ってますけど、確かに最近はあんまり葬式饅頭って見てないような。葬式饅頭って、美味しいのにね。
二人を送り出した雪子は、鏡を手にして百面相なんかをした後、テーブルの上にあったオレンジに目をつけます。しかし、生オレンジジュースでも作ろうかとジューサーを探しますが、どこにも見当たりません。花子に聞いても知らないとのこと。月子には聞かないんですけど、家にいないのかな?
そこへチャイムが鳴り、篠山、加納、荒木がやってきます。「遊ぼ」という三人に初めは嫌な顔をする花子ですが、カメラ同好会のモデルをやって欲しいという言葉に態度を一変。三人と一緒に出かけてしまいました。出かける際にも雪子にだけ声をかけていったので、やっぱり月子は不在なんですかね?
ジューサーが見つからないので、雪子は仕方なく缶ジュースで我慢します。生ジュースでなくてもそれはそれで美味しいというのはいいんですけど、飲むときに冷蔵庫のドアを開けっ放しにしているのが気になります。ちゃんと閉めろよ。
ワニのぬいぐるみを持って、篠山、加納、荒木に撮影される花子。しかしこの撮影シーンは一瞬で終わり、すぐに花子が「写真、綺麗に写っているといいな」などとつぶやきながら歩いているシーンに移行してしまいます。
そこへ、どこからか泣き声が聞こえてきます。見ると、ボロボロになった自動販売機が涙を流し、それをフライドチキン男が一生懸命慰めているではありませんか。なんなんだ、この絵面。
話を聞いてみると、どうやら自動販売機はジューサーに襲われてしまったらしいのです。フライドチキン男によれば、ジューサーはジュースを作るのに便利そうに思えながら、その実、果物のカスを掃除するのが面倒なのです。そのため、ジューサーを使わずに瓶ジュースや缶ジュースを飲む人が増え、ジューサーは押入れの奥にしまわれてしまっているのです。山吹家にジューサーが見当たらなかったのもそのためなんですね。
しかし問題は、その押入れにしまわれたジューサーです。狭い押入れに閉じ込められたジューサーはすっかりいじけてしまいました。家を飛び出そうとしたジューサーに、ベテラン家電の掃除機が説教しますが、聞く耳を持ちません。同じ境遇のジューサー仲間と徒党を組んで、音楽を鳴らし、タバコをふかし、スケボーを乗り回すなど、町で好き放題に暴れまわるのです。
そんなとき、ジューサーたちは瓶ジュースと缶ジュースのカップルを発見します。自分たちをこんな境遇に追いやった二人に因縁をつけ、仕返しをしようというのです。しかしここで、瓶ジュースと缶ジュースのカップルは、自分たちが助かりたい一心で、悪いのは自分たちを売りまくる自動販売機だと言い出します。「それも一理あるな」と、すっかり丸め込まれたジューサーたちは、今度は自動販売機にターゲットを変更してしまうのでありました。
うーん、こいつら、相当頭弱そうだなぁ。
「あー、ブロッコリーが、食べたい♪」
謎の歌を歌いながら、自動販売機がふらふらと歩いて(!?)います。これ、フライドチキン男と一緒にいた自動販売機ですね。 そこへやってくるジューサーたちが自動販売機に一斉に襲い掛かり、自動販売機をボコボコにしてしまったのです。
自販機には大きく「STAR COFFEE」と書かれているのですが、ラインナップは、「Juice(あまさすっきりはじけるおいしさ)」と書かれている何味か不明な缶飲料と、「世界の名水シリーズ 南極&レモンジュース」という謎の飲料。さらには「百十円ジュース」という更に輪をかけて謎の飲み物もあります。百十円ジュースの缶には100円玉と10円玉が描かれていますが、中身は一切不明です。最後の一つ、「SPORTS DRINK」だけは、まともそうな飲み物ですね。
ちなみに、ジュースが100円から110円になったのは、シュシュトリアンが放送される前年の1992年のこと。消費税に対応するための値上げだったのですが、シュシュトリアンで小ネタとして使いたくなるくらいには大きな出来事でしたね。
泣きじゃくる自動販売機に対してフライドチキン男は、後はシュシュトリアンが何とかしてくれると太鼓判を押します。ついでに、花子こそがそのシュシュトリアンだと紹介してしまいます。正体バレを気にする花子ですが、フライドチキン男は「大丈夫でしょう。口の堅そうな自動販売機ですから」。いや、拡散されなきゃいいってもんじゃないでしょ。
まあ、今までも結構正体バレてるけど、別に問題になっていませんしね。特に人間以外ならノーカンでしょう。
「ジューサー退治?」
花子はまず、何故か屋外でタロット占いをしていた月子に相談します。やっぱり月子、家にはいなかったのか。
しかし、占いの結果、今日の運勢は最低と出てしまいました。ジューサー退治は花子に任せて、月子は「お清めしてこなくっちゃ」と、いずこかへと去ってしまいます。
仕方が無いので雪子を呼ぼうと家に電話しますが、雪子は昼寝の最中で電話に出てくれません。結構近くで電話が鳴っているけど、これで起きないって、かなりの熟睡モードみたいですね。
姉二人に手伝ってもらえそうに無いので、花子は一人でジューサー退治に出かけるのでありました。
どうやって居所を突き止めたのか、花子はとあるゲームセンターにやってきます。そこではジューサーたちが、ナムコの「スズカ エイトアワーズ」に興じています。第11話「なにか妖怪?」でもペペがこれで遊んでいたんですど、同じゲーセンなんですかね。
「お話があります」と、ジューサーたちを空き地に連れてきた花子。シュシュコロンを取り出すと、いきなりジューサーたちに向かって吹きかけます。シュシュコロンの中身がどんな成分なのかは不明ですが、ジューサーたちはコロンを吹き付けられ、苦しみ、のた打ち回ります。話があると言いながら、いきなりの実力行使。花子、乱暴すぎない?
「あんたたちのいじけた根性を叩きなおしてあげるわ」
問答無用で迫ろうとする花子に、背後から「待ってください」と止める声が上がります。振り返ると、そこには大勢の電化製品たちが集まっているではありませんか。その代表は、ジューサーをたしなめようとしていた掃除機です。
「電化製品の問題は、我々電化製品に任せていただけませんか」
掃除機の登場に勇気付けられたジューサーは、掃除機のおじさんに泣きつきますが、「甘ったれるんじゃねぇ!」と一喝されて、張り飛ばされてしまいます。
ちなみに今回、自動販売機を千葉繁が演じているのですが、この掃除機のおじさんも千葉繁が演じています。一応自動販売機と掃除機とでは声とか変えてはいますけど、わかりやすい声をしているのですぐにわかっちゃいますね。兼役自体は仕方が無いけど、せめてメインどころからは外してもらえませんかねぇ。
掃除機のおじさんに叱られたジューサーたちは泣き出してしまいました。その様子を見た花子はちょっと戸惑った様子ですが、元々意味もわからずに巻き込まれた話ですし、掃除機が任せろと言うのなら断る理由もありません。電化製品の問題は電化製品に任せて、花子はその場を立ち去っていきました。
まあ、一応これで一件落着。シュシュトリアンの出番もありませんでしたね。一応事の顛末を報告するため、自動販売機を探す花子ですが、元いた場所には見当たりません。
さらに辺りを探してみると、どこからか笑い声が聞こえてきます。様子を伺ってみると、ボコられていた自動販売機が、仲間の自動販売機となにやら話をしています。
「もうすぐこの世から俺をいたぶったジューサーが消えるぜ。ヘッヘッヘッ」
自動販売機は怪しく笑います。おっと、被害者と加害者が転倒しそうな感じですね。
その頃、ジューサーへの仕置きを任された電化製品たちも、ジューサーたちに過剰な処置をしようとしていたのです。
「こんな電化製品の恥さらしは、動かしちゃおけない」
「分解してしまいましょうよ」
なんと、電化製品たちの決定は、分解処分。しかしこれは、実は自動販売機の陰謀だったのです。
この調子で電化製品を仲間割れさせていけば、人間のわがままで使われたり使われなかったりする他の電化製品もこの世から消えていきます。そうして電化製品が消えた暁には、自動販売機が人間を支配するようになるのです。
人間はお金さえ入れれば何でもする自動販売機を愛する。販売機だけでなく、洗濯でも、料理でも、自動でしてくれる機械があれば、現在の電化製品は使われなくなっていくでしょう。そして終いには、自動販売機を崇拝するようになるというのです。
ナ ナンダッテー!!
Ω ΩΩ
この自動販売機の話を立ち聞きした花子は、便利な自動販売機に流されて、面倒くさいジューサーを押入れにしまいこんでしまったことを、柱に手をつく反省ザルのポーズで反省します。なつかしいな、これ。
しかし、反省している場合ではありません。今にもジューサーが分解されようとしているのです。全会一致で分解処分と決まったジューサーたちを取り囲む電化製品たちの前に花子が飛び出し、自動販売機たちの陰謀を説明します。
案外飲み込みの早い掃除機は、怒りの矛先を自動販売機に向けます。そして電化製品一堂、自動販売機に復讐すべく立ち上がったのでありました。
でも、この件については、別に自動販売機側から特に何かを仕掛けているわけではないんですよね。ジューサーが勝手に暴れて、電化製品たちがジューサーを勝手に糾弾して。自度販売機は具体的に何か悪いことをしたわけじゃなくて、むしろ殴られてボコボコにされただけなのです。花子に電化製品を退治してもらおうと仕向けたというのはありますけど、その件も結局電化製品たちの手に委ねられたわけですし。
まあ、腹に一物抱えていることは間違いありませんけど、だからといって、自動販売機を悪者にする流れになっているのも、ちょっと違和感を覚えるのですが……。
このままでは、電化製品と自動販売機の全面戦争になってしまいます。手の打ちようが無くなった花子は、バルミラクルで雪子と月子を呼び出し、何はともあれ、シュシュトリアンに変身します。
遂に河原で激突しようとしている、電化製品と自動販売機。両陣営とも千葉繁声でしゃべっているのが、やっぱり気になるなぁ……。
今にも全面戦争が始まろうとしたそのとき、地面が爆発し、シュシュトリアンの登場です。
「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」」」
「古人曰く、『同じ穴のむじな』」
今回は登場と共にいきなり諺タイムです。しかしこの諺には、掃除機から抗議の声が上がります。電化製品は自動販売機と同じようなことを企んでなどいない。けして同じ穴のむじなではない、と。
しかし、この場合の同じ穴のむじなとは、そういう意味ではないのです。電化製品も、自動販売機も、電気を使って動いている機械であることに変わりはありません。どちらも同じコンセントの穴にプラグを差し込まないと動作しないので、同じ穴のむじなだと言うのです。
まあ、それ自体はごもっともなのですが、問題はここにいる電化製品も自動販売機も、明らかにコンセントから電力を引いていないのに動いているということなんですよね。ここにいる連中、みんなもう妖怪の類みたいになっているので、今回の諺がかなり台無しになってしまいましたね。
そんな理由からではないでしょうけど、両陣営とも、今さらシュシュトリアンの言葉に耳を貸すつもりは毛頭ありません。全面戦争の勃発です。その間に割って入ろうとするシュシュトリアンですが、そもそも自販機は1体しかいないので、ほとんど電化製品対シュシュトリアンみたいになっていますね。
電化製品たちは基本体当たりばかりなのですが、中にはそれぞれの特技を活かした攻撃をしてくるやつらもいます。冷蔵庫がドアで手を挟んだり、ストーブが熱で攻撃したり、洗濯機が中に月子を入れてぐるぐる回したり。特にヒーターなんかはやけどしてもおかしくなさそうなんですけど、雪子が川に放り投げるときに、普通に熱くなる面を持っていたりするんですよね。シュシュトリアンに変身すると、熱に強くなったりするのかしらん。花子はストーブを熱そうにしてましたけどね。
電化製品たちは数が多いので結構苦戦しますが、月子と花子が割とやられちゃったりしているのに対して、雪子が妙に強くて端から一体一体撃破していきます。
ようやく電化製品を一通り片付けたかと思いきや、今度はそれまで傍観していた自動販売機が襲い掛かってきます。今回自動販売機は具体的な悪さをしていないんだから、ここで開き直ってすべての責任を電化製品に擦り付けちゃうこともできたと思うのですが、それでも結局、シュシュトリアンになんだかんだ言われて説教されちゃうんだろうなぁ。
襲い掛かると言っても、自動販売機はほとんど動けないので、どちらかと言うとシュシュトリアンが周囲を取り囲んで一方的に攻撃しているだけに見えるんですけどね。一応、自動販売機もなにか反撃している風なんですけど、いかんせんそれが動きとして反映されないので、押し合いへし合いをしているだけで、攻防と呼べるようなアクションは特にありません。
最後は三人揃って飛び蹴りをかまして、シュシュファイナルでフィニッシュです。電化製品たちもそうだったけど、派手に火花が飛び散って、今後の使用に影響が出そうなレベルで壊れているんじゃないかと心配になりますね。
辺りに散らばる電化製品たち。しかしそこに、ジューサーの姿はありません。ジューサーは戦いに参加せず、物陰に隠れていたのです。
花子がジューサーを呼び出すと、サングラスを外させ、説教します。元はといえば、ジューサーのいじけた心が今回の元凶なのです。ジューサーも心を入れ替えて今後は立派なジューサーになることを誓い、みんなに謝るのでありました。まあ、ジューサーがどんなに反省したとしても、結局はそれを使う人間次第だと思うんですけどね。
戦いが終わり、三姉妹はパンとコーヒー牛乳で疲れを癒します。戦いの後と風呂上りには、甘くほろ苦いコーヒー牛乳が良く似合いますからね。
花子も改めて、便利な物を使いたがる人間の反省こそが必要だと語ります。雪子と月子も同意見。今回の事件は、単に悪いやつを倒して終わりというわけではなく、いろいろと考えさせられる部分が多いですね。
それはさておき、ジューサーは自分を鍛えなおして立派なジューサーになると言っていたらしいのですが……。何をしていたのかといえば、滝に打たれて修行をしていたのでありました。
三姉妹が帰宅すると、葬式から帰ってきた英三郎と恵がキッチンをいろいろと探し回っていました。たまにはオレンジの生ジュースでも作ろうと、ジューサーを探していたのです。
ジューサーは押入れにしまったのではないかと雪子に言われ、恵は押入れに向かいます。しかし押入れから出てきたジューサーは、何故か修行僧のような格好をしていたのです。
ジューサーは、ちゃんと修行を完遂できたんでしょうかね。今のジューサーなら、きっとただものではない生ジュースを作ってくれることでしょう。
[次回予告]
「お父さん、娘の前でオヤジみたいな真似はやめて! 夢も希望もなくなるわ」
なんて言ってたら、オヤジそのものって感じの妖怪が現れたの。その名はおやじ虫。私たちのパンティ集めて、何か企んでるの。
次回、有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「妖怪おやじ虫 若返りの秘宝」。
今明かされる、フライドチキン男出生の秘密。
「お楽しみに」
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