ニンテンドーDS 用の新発想ストーリーパズル「スローンとマクヘールの謎の物語」をプレイしました。
ようこそ、奇妙な「謎の物語」の世界へ
ここは、「謎の物語」の数々をお届けする劇場。
お客様にはこれから、ひとつひとつの物語を解き明かしていただきます。
心配なさることはありません。
「物語」に関するどんな質問にも、館主である私が何度でもお答えいたします。
そう、物語のすべてが姿を現すまでは…
お客様にはまず、物語の結末をご覧いただきます。
常識では考えられないような不思議な結末。
中には顔を覆いたくなるような恐ろしい結末のものもあります。
しかしなぜ、そんな結末になってしまったのか…
それにはもちろん理由があります。
結末から推理して、何が起きたのかを探り出す。
それが「謎の物語」なのです。
示されている結末から、すべての出来事をあきらかにしたとき、
あなたは、その豊かな「物語」に驚かれることでしょう…
「スローンとマクヘールの謎の物語」取扱説明書より
本作は、少し前に流行った、「ウミガメのスープ」に代表される、水平思考ゲームを題材にしています。
水平思考パズルといえば、スローンとマクヘールの共著で「ポール・スローンのウミガメのスープ」など4冊が書籍として出版されているのですが、本作はこれらをネタ本としていて、この中から出題されているようです。
本作では共著のデス・マクヘールもきちんとタイトルに記されていますが、書籍の方ではポール・スローンしかタイトルに記されていないんですね.
水平思考パズルは、一人の出題者と、一人から数人の回答者に分かれて行います。
まず、出題者が短いストーリーを語るのですが、そのストーリーには少し奇妙な部分があります。回答者は「はい」か「いいえ」で答えられる質問を出題者に投げかけ、ストーリーに隠された裏設定を推理して、なぜそのようなことになったのかを当てていきます。
例えば最初のエピソード「残ったリンゴ」ならこんな感じになります。
「部屋の中にはリンゴが6つ入ったかごが置いてあり、女の子が6人いる。
女の子たちは1人1つずつリンゴを取っていったが、かごの中には、リンゴが1つ残っている。
なぜだろう?」
人同士でやる水平思考パズルなら自分で質問内容を考えていくのですが、コンピュータゲームでは自由に質問文を作ることができません。そこで、問題文の中のキーワードをタッチし、さらに続いて表示されるキーワードをつなげて質問文を作っていきます。
「残ったリンゴ」で言えば、本文中の「部屋」「リンゴ」「かご」「女の子」といった単語をキーワードとして使用することができます。「リンゴ」をタッチすると、さらに「6つ」「割る」「順番」「食べる」といったキーワードが出現します。ここで「6つ」をタッチすると、さらに「かご」「増える」「女の子」というキーワードが出現するので「増える」をタッチすると、「リンゴは6つから増えた?」という質問文が出現し、これでよければ質問することができるようになります。
質問には「はい」「いいえ」「関係ない」の3種の答えが返ってきます。それとは別に、問題の本質に近い質問をすると「良い質問です!」「すばらしい質問です!!」といった表示がされ、この良い質問やすばらしい質問は後からでも内容を参照できるようになります。
また、「はい」「いいえ」以外に補足説明のようなものも表示されることもあります。さらに、質問によっては、当初問題文にはなかったシークレットワードが出現することもあります。シークレットワードは真相に近づくための新しいキーワードとして使用することができます。
謎が解けたと思ったら、「かいとうする」を選択します。謎に関するいくつかの問題が出されるので、それに回答していき、すべて正解すれば謎が解けたということで、クリアとなります。
「かいとうする」での問題の選択肢は5~7個なのですが、本編でどんどん質問を重ねていくと徐々に選択肢が減っていって正解しやすくなります。最終的には2択になるので、正解がどうしてもわからなければ、キーワードを総当り的に選択していけばなんとかなると思います。まあ、普通はそこまで質問を重ねなくとも、正解にたどり着けるでしょうけどね。
で、クリアしました。
本作には全部で80問収録されていますが、プレイ時間は9時間くらいでした。
この手のクイズは好きな方なので、楽しくプレイすることができました。一問当たりが短いので、ちょっとした時間でお手軽にプレイできるのも良いところですね。
難易度は問題によって様々ですかね。いくつかの問題は簡単で、質問を一切せずに、いきなり正解した問題もありましたし、逆にちょっと難しいというか、考え方がよくわからない問題もありました。翻訳もののせいか、表現がわかりにくいものもありますしね。
難点としては、質問したいことを導き出すためのキーワード選択が難しいことですかね。聞きたい内容があっても、その質問をするためのキーワードが出てこなかったりして、質問できないことがあるんですよね。あるいは、それっぽいキーワードを入力しても、生成された質問文が思ったものと違ったりするとかね。
また、基本的に質問は「はい」か「いいえ」で答えられるものになるのですが、場合によっては補足説明的に関連事項まで説明してくれることもあります。この補足情報によって新しい情報が得られたり、シークレットワードが出現したりするのですが、質問内容と補足説明が微妙にリンクしていないこともあるので、新しい情報を得るための質問の選び方が難しいこともあったりします。
この辺りは、対人のアナログゲームの方が融通が利いていいですね。
また、ストーリー上の大きな謎についてはほぼわかっているんだけど、「かいとうする」で謎の本質とはあまり関係なさそうな細かい問題が出題されて、正解できなかったりすることもありました。
上記の「残ったリンゴ」で言えば、「かご」がどんなかごだったのかという設問があるのですが、それは確かに質問していけばわかることではあるのですが、「なぜかごの中にリンゴが一つ残ったのか」というそもそもの謎とは、直接関係ないことなんですよね。
「謎が解けた!」と思って回答しようとしたらこの手の問題が出てきて、それを調べるためにまた戻って質問していくというのは、ちょっと面倒ではありましたね。
面白くはあるけど、細かいところがちょっと微妙かな、という印象です。……って、あれ? なんか悪いところばかり書いているような気もしますが、基本的には面白いゲームです。
まだ購入していませんが、続編の「スローンとマクヘールの謎の物語2」もあるので、そっちもそのうちにプレイしたいと思います。
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