雑居空間
趣味のあれこれを、やたらめったらフットスタンプ




 社会思想社刊、イアン・リビングストン著のゲームブック「盗賊都市」をプレイ開始。

以下、猛烈な勢いでネタばれしてますのでご注意ください。




<現在の状況>
技術(9):7
体力(22):16
運(10):10

食料:7
金貨:44
宝石:2

装備:ツキ薬、ガラス玉



 あたし、レイン・デシンセイ。19歳。か弱い女の子兼、凄腕の剣士やってます。
 シルバートンにしのびよるザンバー・ボーンの魔の手を何とかするために、悪名高き『盗賊都市』、ポート・ブラックサンドに住む魔術師ニコデモスさんを呼びにいってくるという依頼を、市長のオウエンさんから受けました。
 勇んでやってきた『盗賊都市』では早速酷い目にもあったりしましたが、それでもあたしは、元気です。



 オーガーの家を出て、通りを北へと進んでいきます。しばらく進んでいくと、通りの右側に大きな樽と、そのそばに腰掛けている少年を発見。今のところ、ポート・ブラックサンドでは碌な連中に出会ってないんだけど、さすがに少年ならなんとかなるでしょ。
 あたしがその少年に近づいて行くと、彼はあたしにブリキのジョッキを押し付けてきました。なんでも、その樽の中には病気や傷を治す魔法の水が入っているそうで、値段は1杯金貨3枚。
 冷静に判断すると、これは絶対に怪しい。だって、こんな子供がそんな便利な水を、ただ漫然と所有できるわけないじゃない。ポート・ブラックサンドだよ、ここ。
 でもあたしは好奇心に勝てず、ついつい金貨3枚を支払ってしまうのでありました。一応怪我してるし、金貨にも余裕はあるしね。
 ゴブ、ゴブ、ゴブ。
 プハー。あたしはジョッキを一気に飲み干す。スカッと爽やか、喉ごしすっきり。意外と美味いじゃん、これ。
 ただ、コイツが言うような魔法のシロモノじゃあないね。ま、わかっていたことではあるんだけど。調子に乗ると教育上良くないので一応怒ったフリなんかしてみて、再び通りを北へ進みます。



 通りはまたまた左に折れて、今度は西へ伸びています。否も応もないのでそっちに歩を進めるわけですが、そのとき不意に怪しい3人組がわき道から襲い掛かってきた!
 2人のドワーフがあたしの足を抑え、残りの1人が棍棒で殴りかかってくる。
 ブン。
 寸での所であたしは棍棒をかわすと、棍棒を持ったドワーフの鼻っ面に思いっきりパンチをぶち込む。
 手ごたえ、あり。
 その一撃であたしに恐れをなしたのか、その3人組は路地の向こうへと逃げ出していった。
 逃がすかっちゅうねん。あたしはそいつらを追いかけて細い路地へと入っていったんだけど……。あれ? 行き止まりにぶつかっちゃった。あいつらは見当たらないし、おっかしーなー。
 仕方なく通りに引き返そうかと思ったところで……、って、なによこれ? 気が付くとあたしは頭上から降ってきた網に絡め取られちゃっていました。周りには、さっきのドワーフ連中。にたにたと笑いながら、そいつらはあたしのザックに手を伸ばす。
 あ、やめろー! なんて叫びが通じるはずもなく、そいつらはあたしの財布から一切の金貨を抜き取ってしまいましたとさ。
 あたしはどうにか網から抜け出すと、地べたに腰を下ろしてさめざめと泣いた。あたしって、世界一不幸な美少女かも……。



 気を取り直して通りを西へ。今度は通りの左側に花屋がありました。今のあたしは無一文。どうせなんにも買えませんよう。ま、冷やかすだけ冷やかしていこうかな。これ以上損することもそうそうないでしょ。
 花屋の店番をしているのは、パイプ夫人というおばあちゃん。ちょうど黄金の花という不思議な花を摘んだらしいです。それは10枚の花びらがついていて、犬の血にひたして地面に投げると、花びらが金貨に変わるとか。
 あたし金もってないんすよー、って断ろうとしたんだけど、どうやら食料でもいいみたいなんで、食料2つと引き換えに購入してみました。犬の血って条件が、やたら厳しそうなんですが……。



 さらに通りを西へ、西へ。通りの左側にもう一軒、店がありました。窓に鉄格子がはまっているので、何の店だかよくわかんないけど……。もうこの際だから突撃あるのみですよ。
 その店は宝石店。それで鉄格子がはまってたんだ。こんな治安の悪いとこだしねぇ。
 店にいたのは左眼に眼帯をした、ゴツイ体格の禿げ男。あたしに微笑みかけてくるんだけど、えらく不気味で怖いっす。
 あたしはそんな男は無視して、ショーケースに並ぶ宝石に目をやります。エメラルドに、ルビーに、ダイヤモンド。はぁ、やっぱ、こっちの方がいいわよねぇ。って、そういえばあたし、宝石持っていたんだっけ。今無一文だし、とりあえず金貨に変えておこうかな。
 男に宝石を見せると、まるで本職みたいに拡大鏡で調べ始めました。それで鑑定の結果、2つで金貨9枚だそうです。
 うーん、なんか、安くない? ちょっとうさんくさいので、ここで現金化するのはやめておくことにします。
 ドン!
 突然その男がカウンターを叩きました。
「ここは安売りの屋台じゃないんだ! おれの言い値が気に入らないんなら、どこなりと品物を持って行け。さあ、ぶった切られないうちにさっさとおれの店から消えろ」
 ほう、言ってくれるじゃないのさ。
 あたしは剣に手をかけかけたけど、ここはあたしが大人になっておきましょう。どうせこんな店、すぐに潰れちゃうだろうしね。
「うっさいわ、ボケ」
 あたしは満面の笑みで悪態をつくと、さっさとその店を後にしました。

 通りを西に進むと、今度は四辻にでました。
 しかしこれまで、酷い目に遭うばっかりで、何も収穫がないような……。


(つづく)



<現在の状況>
技術(9):7
体力(22):17
運(10):7

食料:5
金貨:0
宝石:2

装備:ツキ薬、ガラス玉、黄金の花


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