社会思想社刊、イアン・リビングストン著のゲームブック「盗賊都市」をプレイ開始。
以下、猛烈な勢いでネタばれしてますのでご注意ください。
<現在の状況>
技術(9):7
体力(22):5
運(11):10
食料:2
金貨:21
宝石:0
装備:銀のフルート、眼帯、黒真珠×6、ニンニク、ドドメ色のろうそく、銀の矢、魔女の髪
あたし、レイン・デシンセイ。19歳。か弱い女の子兼、凄腕の剣士やってます。
シルバートンにしのびよるザンバー・ボーンの魔の手を何とかするために、悪名高き『盗賊都市』、ポート・ブラックサンドに住む魔術師ニコデモスさんを呼びにいってくるという依頼を、市長のオウエンさんから受けました。
いろいろ必要物品も集まりながら、あたしの身体の方も結構ぼろぼろでして……。
でもまあ、あきらめないぜ、投げ出さないぜ、最後の最後の最後まで負けないぜ、って感じで頑張っていこうかと思います。
あたしはマンホールの蓋を元に戻して、通りを先に……と、その前に腹ごしらえ、腹ごしらえっと。うーん、食料は残りわずかだけどしょうがない、全部食べちゃおう。
もしゃもしゃと食事をして、しばらく休息し、あたしは再び<鍛冶屋通り>を東へ進みます。
しばらく行くと、辺りが妙に静まり帰っていることに気が付きました。まあ物理的にはあり得る話ではあるけど、いくら何でもかすぎるような気がするんですよね。天使が通り過ぎたみたいっていうか……。
で、<鍛冶屋通り>は鋭く北の方角へ折れ曲がっていました。
チリチリ、チリチリ。
なんだか首の後がチリチリします。
嫌な感じ。すごく嫌な感じ。
今までも嫌な感じは何度かあったけど、今回は本当にシャレにならないくらい嫌な感じ。
あたしは通りに立ち尽くしてしまいました。その曲がり角を曲がることだけはできない。
あたしは踵を返し、<鍛冶屋通り>を西に戻り、<塔通り>を北に進むことにします。
<塔通り>を進むと、なにやら前の方で騒いでいる連中がいます。よくよく見てみると、二人の若い男が一人の老人をボコっているみたい。
……火のないところに煙は立たぬって言うけど、まあこの老人も殴られるだけのことはしたんじゃないかと思うんだけど、義を見てせざるは勇無きなり、と昔のえらい人も言っています。ちょっくら助けてやりましょうかね。
近づいてみると、そいつらは老人のかばんを持って逃走しようとしていました。
あれ? こいつらただの追いはぎ?
ならば構うことはない。たたっきってやるだけだ。
「待て!」
あたしが声をかけると、その2人はくるっと振り返ります。
「なんだ、てめえ」
「そのかばんを返せ」
「てめえには関係ねぇだろ。怪我したくなけりゃすっこんでな」
チン。あたしは剣に手をかける。
「素直にかばんを返せば見逃してやる」
しかしやつらはそんな脅しで引き下がるタマじゃない。
「やる気か? いい度胸じゃねぇか」
ボカ、スカ。
む、こいつら、意外とやるじゃない。
あたしはなんとか1人を倒し、後1人に立ち向かう。
ボカ、スカ。
ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ。あたしは多くの傷をもらいながらも、残った追いはぎを切り捨てました。
あたしは後ろを振り返り、腰を抜かしている老人を立たせました。その人はまたえらく感謝してくれまして、お礼にその辺で一杯おごると言ってくれました。ああもう、喜んでゴチになります。
連れていかれたのは<ブタガエル>という居酒屋。そこは薄暗くて何人か先客がいましたが、特にあたしたちに関心を払う人はいないようです。
老人が飲みものを持ってきてくれて、それで乾杯したんですけど、いっしょに白い塗り薬を取り出しました。その薬を自分の傷に塗りこむと、あたしにも使うように言ってきました。その老人は薬剤師だそうで、その薬をつけてみたら効果覿面、痛みが引いていきました。
あたしと老人はお互いに礼を言い交わし、その居酒屋を後にしました。あたしは<塔通り>を北へ進みます。
<塔通り>は東へと折れて行きます。
通りの名の通り、両側には高い塔が連なっています。ふと頭上を見上げると、二つの塔を結ぶ鉄の橋がかかっていて、そこを黒い覆面をした小柄な男が何人か、急ぎ足で大きな袋を運んでいっています。
ちょっと興味を惹かれたので、あたしはその人に声をかけてみます。するとその人は慌てた様子で周囲を見回すと、なんといきなりあたしに向かって矢を射掛けてきたじゃないですか!
ドス。
矢は幸運にもあたしを避けて足元に突き刺さります。
何すんだよう! っと思ったのですが、そいつはもうどこかへと逃げ去っていました。ちぇ。
<塔通り>を東へ進んでいくと、北に折れていた<鍛冶屋通り>と交差していました。そこを南に行っても仕方がないので、あたしは北へと進路を取ります。
え、東? リビングストンが行くなっていうから……。
通りの左に、ちょっと引っ込んだ大きな納屋がありました。その納屋には変な形の煙突が突き出していて、煙がもくもくと吐き出されています。外には馬が2頭。
煙が出ているっていうことは、誰かがいて何か作業しているのかしらん。いずれにしろ探検するんだけどね。
中を覗いてみると、そこには上半身裸の大男がいました。
ああ、鍛冶屋さんか。なにやら鉄をガンガン叩いて整形しています。作っているのは、馬蹄かな? 吹き出る汗がかっこいいわぁ。
あたしは彼に声をかけ、何が作れるのかたずねてみました。すると彼は、趣味で甲冑なんかも作っているとのこと。ここポート・ブラックサンドでは結構需要もあるそうです。まあ、そうなんだろうなぁ。
甲冑かぁ。欲しいなぁ。
価格を聞いてみると、金貨20枚。いい値段するけど、あたし結構傷だらけなんで、命を左右するかもしれません。有り金はたいて購入しちゃおう。
金貨を支払うと、加治屋さんは積んであった藁の束をほどくと、中から甲冑を取り出しました。あら、そんなところに隠してたのね。
装着してみると、まるであたしのために作られたかのようにピッタリフィット。これなら今までよりもずっと戦いやすくなるよ! 大金をはたいただけの価値はありそうです。
(つづく)
<現在の状況>
技術(9):9
体力(22):8
運(11):9
食料:0
金貨:1
宝石:0
装備:銀のフルート、眼帯、黒真珠×6、ニンニク、ドドメ色のろうそく、銀の矢、魔女の髪、甲冑(技術点+2)


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