ジャイアンツの江藤選手が、ライオンズからジャイアンツへFA移籍した豊田投手の補償選手としてライオンズに移籍することになりました。
江藤選手といえばカープからジャイアンツへFAで移籍したわけですが、ジャイアンツというカープの対極にあるチームへの移籍であることや、結局金銭的な理由が大きそうなことこから、カープからFAで出て行った他の選手と比較しても特に非難の声が多い選手でした。かくいう私も、元カープの選手なので立派な成績を残してもらいたいと思う一方で、どうしても素直に応援できないところがありました。
FA移籍1年目となる2000年は打率.256、本塁打32本、91打点、2001年には打率.285、本塁打30本、87打点とまずまずの成績を残しましたが、それ以降は成績も低下し、小久保選手やペタジーニ選手などポジションのかぶる選手の加入などもあり、出番は減少の一途を辿っていました。ジャイアンツでの出番の減少については不幸な点もありましたし、必ずしも実力を発揮し切った結果でもないと思います。ですが、江藤選手がFA移籍したときのコメントとして、当時のジャイアンツ監督の長島さんから言われた「荒波に向かってきなさい」という言葉が決め手だったと言うものがありました。現在の状況も本人が望んだ「荒波」にもまれた結果なわけですから、しかたがないでしょう。それはそれでひとつの選択ですからどうこう言うつもりはありませんが、はっきり言って優秀なプロ野球選手江藤智の無駄遣いともいえる状況だったと思います。
多くの要因から江藤選手には複雑な思いを抱いていましたが、しかしこれでようやく純粋に、1人の選手として江藤選手を応援することができるようになりました。今回のライオンズ移籍による様々な環境の変化は、江藤選手にとってはプラスの方向に作用することが多いと思います。ここ数年の成績を見ればライオンズでもどれだけの出番を勝ち取れるかはわかりませんが、それでもカープの4番を張ったスラッガーとして、これから訪れるであろう本当の「荒波」に立ち向かう姿を見せてもらいたいと思います。
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