創元推理文庫のスーパーアドベンチャーゲーム、デイヴ・モーリス著のゲームブック「吸血鬼の洞窟」をプレイ開始。
<アドベンチャーシート>
体力ポイント(23):19
PSIポイント(5):5
敏捷ポイント(6):6
金貨:9
持ち物:剣、鎧(鋲を打った皮製)、ザック、十字架、ランタン、銀の燭台、骨の形をした青白い大理石、ビショップの護符
あたし、レイン・デシンセイ。18歳ながら、歴戦の冒険者やってます。
旅の途中、雨に降られて狼に吼えられ、ようやくたどり着いたのが古びた館。しかしそこは、邪悪な吸血鬼・テネブロン卿が支配する恐怖の館だったのです。
そんなわけで、成り行きとはいえ、テネブロン卿を倒すことを決意したのでありました。
通廊を進んでいくと、アーチ型の戸口が。その中は丸天井の小さな部屋で、中央の台座の上には剣を持った鎧が一式置いてあります。
万が一にも動くと嫌だなぁと思いつつ、警戒しながら部屋の向こうの扉から出て行きます。あ、別に鎧は何ともないみたい。ほっ。
扉の向こうは通路になっていて、その先にはまた部屋が。
部屋の奥には虫食いででこぼこになった樫の扉があって、右側にはもう少し小さな扉もある。部屋の中央には大きな箱があって、箱の上には黒くて太いロープが載っている。
この箱、怪しいよなぁ……。でも、おばあちゃんが言っていた。「液体は飲まなくてもいいが、箱はなるべく開けるべし」、と。
箱に手を伸ばすと、不意にロープがあたしの首に巻きついてきた! そいつはあたしの首をぐいぐいと締め付けてくる。
くぅ。早く何とかしないと、窒息しちゃう!
あたしは剣でロープを切ろうと試みる。剣は首に巻きついたロープを切るためには長すぎるけど、落ち着いて、慎重に剣を操り、なんとかロープを切断した。
ふぅ。地下道のかび臭い空気だけど、ホント、吸えるだけでもありがたいわぁ。
あたしは改めて箱の中身を確かめる。中には灰色のロウで封をした巻物と、青い液体の入った瓶が入っていた。
巻物を開いてみると、そこには『ネスール』と書かれている。なんのこっちゃ。今は特に飲む必要もなさそうな青い液体の瓶と一緒に、とりあえずザックに放り込んでおこう。
あたしは2つある扉のうち右の扉を開けようかと思ったんだけど、扉の向こうからなにか不思議な音楽が聞こえてきた。なんだろう、今までに聞いたこともないような音楽だ。
……。なんか、すごく嫌な予感がする。ザックの中を漁ってみるけど、どうも今つかえそうなものは見当たらない。あたしはこの扉を開けることをあきらめ、もうひとつの樫の扉を開けることにした。
扉の先は石壁の部屋だ。その壁は以前には壁画か何かが描かれていたみたいだったけど、磨耗してしまっていて何が描かれていたのかは判別できない。
正面の壁に穴が開いていて、出口らしいものはそこしか見当たらない。そこに行くしかないのかな。
その穴をよく見てみようと部屋を横切ったそのとき、床がきしんで大きな音をたてた。あたしは驚いて足を止める。床はきしむほどボロイようには見えないけど……。って、あたしは動いてないのに、音、止まらないじゃない!
音をよく聞いてみると、どうやら床下を何かがいて、蠢いているような感じだ。
ガツ。
あたしは思い切って、床板に剣を差込み、板を剥ぎ取ってみた。床下は乾いた土になっていて、特になにもいないみたいだけど、それでも音はまだ続いている。
他の部分の板もどんどん剥がしていったところ、不意に、血も凍るような不気味なうめき声が聞こえてきた。それはとてつもない悪意に満ちた、とても人間のものとは思えない怨嗟の声だった。
と、周囲の床板が弾け飛び、薄緑色のもやが部屋を包んだ。そして地面の下から、痩せて骨ばったアンデッドが這い出してきた。ワイトだ。
もしかしたらこいつ、普通に殴ってどうにかなる相手じゃないかもしれない。あたしはくるっと頭をめぐらせて、ザックの中にあるものをチェックする。
えーと、銀の燭台か。これ、使えるかも。
その燭台をぶんぶんと振ってみる。うん、棍棒の代わりになりそうだ。あたしは銀の燭台を手に、ワイトに立ち向かった。
ボカ、スカ。
どうにかワイとを殴り倒したものの、あたしは疲労で壁に寄りかかる。あぁ、しんどかったー。
ふと、あたしはワイトの腕に金の腕輪が嵌められていることに気が付いた。持っていこうかとも思ったけど、あんまり碌なもんじゃなさそうなんで、放置しとこう。
一息つくと、あたしは穴をくぐって先を急いだ。
狭いトンネルを這い進んでいくと、左右に伸びる通廊に出た。右を見ると、奥に戸口があるのが見える。左は暗くて見えなくなるくらいずっと先まで通廊が伸びている。
何かに使えるかと思って、あたしは天井にぶら下がっているオイルランプに手を伸ばした。それは今まであたしが持っていたランタンよりもずっと明るかったので、ランタンは火を消して温存して、オイルランプを掲げていくことにしようっと。
きょろきょろと左右を見渡す。せっかく明るいランプを入手したんだから、暗がりになっている左を目指そう。
ランプを掲げながら進んでいくと、通廊は右に折れていた。何の気もなしに曲がり角に近づいていくと、不意に角から2人の射手が飛び出してきたじゃないの!
そいつらの顔が不気味に微笑んだ。そいつらがあたしを射るために矢を番えようとするのとほぼ同時に、あたしは手に持っていたオイルランプを投げつけた。ランプは上手いこと命中し、そいつらは慌てふためいて足についた火を消そうとしている。
その隙を突いて、あたしはそいつらの横をすり抜ける。わはは、バカめ。
ランタンに火をつけなおして、あたしは通廊を進む。やっぱりオイルランプを使った後だと、なんか暗いなー。
ドンガラガッシャーン。
ぬあぁ。
あたしはなにかに躓いてしまい、派手に転倒した。そしてそれに連動して、天井から岩だのなんだのがあたしに降りかかってきたじゃないですか!
いててててて……。
あちこち打ったものの、幸いやたらでかい岩はあたしを避けてくれたみたい。これが直撃してたら、ちょっとやばかったかな。
あたしは暗いランタンを灯して通廊を進んだ。慎重に、慎重にね。
(つづく)
<アドベンチャーシート>
体力ポイント(23):8
PSIポイント(5):5
敏捷ポイント(6):6
金貨:9
持ち物:剣、鎧(鋲を打った皮製)、ザック、十字架、ランタン、銀の燭台、骨の形をした青白い大理石、ビショップの護符、『ネスール』と書かれた巻物、青い液体の瓶
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