雑居空間
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 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。先週の休みを挟んで、1993年8月1日放送の第29話は「嘆きのスイカ」です。



 夏休みに入り、七面町町会の主催で、スイカ割り大会が開催されます。どうやら町会長が無類のスイカ割り好きで、やたらと気合が入っているようです。
 しかしもう一人、スイカ割りに異常なまでに意気込んでいる人がいました。誰あろう、カメラ同好会の加納です。スイカ割り大会のポスターを見た加納は、「うぉー! 今年こそ絶対に、スイカを割るぞー!」といきなり路上で叫びだすのでありました。

 一方、夏休みなのをいいことに、すっかりだらけきっているのが山吹家の三姉妹。雪子と月子が借りてきたビデオが面白かったからと、夜更かしをしていた花子は、昼頃になってようやく起きてきます。ちなみに、雪子と月子はまだ睡眠中。うーん、いけませんね。猫姫との激闘を終え、一週間休みがあったとはいえ、この体たらくは……。
 恵がスイミングスクールに出かけてしまうので、食事は「適当に」と言われてげんなりする花子ですが、流しに冷えたスイカがまるごと1個置かれているのを発見。喜んで「いただきまーす」と包丁で一刀両断するのですが、その断面に、フライドチキン男の顔が浮かび上がります。
 お酉様からの指令は、「スイカの霊を退治せよ」というもの。スイカ割りされるスイカの霊が怨念となって、暴れているというのです。

 八百屋に並べられているスイカが、スイカ割りのシーズンが到来したことを嘆いています。メロンやイチゴといった他のフルーツたちも、そんなスイカを笑っています。しかしスイカ割りする人間を恨む心が極限まで達したとき、遂にスイカは人の姿を取ったのです。まあ、見た目は頭にスイカの被り物をしたおっさんなんですけどね。
「お前たちも、スイカ割りされるスイカの痛みを、教えてほスイカ!?」
 まずは手始めに、手にした木刀で、八百屋に並べれられている他のフルーツたちを打擲。さらには人間に復讐するため、スイカ割り大会の会場に乱入すると、片っ端からスタッフを襲撃したのであります。木刀を振り回すのって、単純にかなり危険な行為だよなぁ。

 その頃、加納は篠山、荒木に手伝ってもらって、スイカ割りの特訓をしていました。加納はこれまで、一度もスイカ割りを成功させたことが無かったのです。加納は「1回くらい成功させないと、これからの人生、何言われるかわからない」なんて言ってますけど、スイカ割りしたことがないと、何か言われちゃうものなんだろうか? 私は割ったことあるから、特に何かを言われたことはないけど……。
 しかしながら、加納にはスイカ割りのセンスがまったく無く、練習でも割れそうな気配がまるでありません。そんな様子に、篠山も荒木も半分諦めてしまっているようです。
 そこへ飛んでくる1個のスイカ。そう、スイカの霊です。「スイカの痛み、教えてほスイカ!?」と、三人組に襲い掛かります。

 ここで場面は、再び山吹家へ。スイカ割りされるスイカの痛みを想像して、ややスイカに同情気味の花子。しかしその隙に、フライドチキン男が割られたスイカを半分平らげてしまっていました。
 もっと話を聞こうとする花子ですが、フライドチキン男はスイカの霊を軽く見ていて、さっさと退散してしまいます。しかたなく雪子と月子を起こそうとしますが、近くで怒鳴っても、二人とも目を覚まそうとしません。どんだけ熟睡しているんだよ。
 そこへチャイムが鳴り、加納がやってきます。花子に、篠山と荒木がスイカの霊に襲われたと知らせに来たのです。まあ、結果的に間違いではないんだけど、なんで花子に助けを求めるんだろう? 他に頼れそうな大人とか、いないのかな?

 何はともあれ、花子と加納は現場となった神社の境内へと向かいます。そこには倒れている篠山と荒木の姿が。どうやら二人も、気を失っていただけで、なんとか無事だったようです。いや、気絶させられたのなら、無事とは言えないか。でも、木刀で襲い掛かられたということを考えれば、なんとかうまくやり過ごしたとも言えるかもしれませんけどね。
 二人の話では、スイカの霊は海へ向かったとのこと。人間をスイカ割りする気分にさせる海がにくいのだそうです。怒りの対象は、海という漠然としたものに向いてしまったようで、八つ当たりもいいところだよね。しかもその八つ当たりの方法が、海におしっこする、というものなのですが……、って、元々はスイカなのに、おしっこできるの?
 しかしこれに驚いたのは加納です。明日家族で海に行く予定なので、おしっこされたらたまらないと、スイカの霊を追って海へと駆けていったのです。花子は加納がスイカの霊に襲われるかもしれないと心配しますが、篠山と荒木は「加納なら大丈夫」と落ち着いています。そう、加納は生まれてこの方、一回もスイカ割りに成功したことが無いので、スイカに恨まれていないのです。だから一人だけ、スイカの霊から逃げ出すことができたんですね。

 スイカの霊を追って、海にやってきた加納。走ってきたような描写になっていますけど、「有言実行三姉妹シュシュトリアン写真集 雪月花」によれば、七面町の所在地は練馬区にあるそうなので、走って海岸まで行くのは大変そうですけどね。どこの海岸なんだろう?
 その海岸には、一応、パラソルの付いたテーブルに椅子、ビーチチェアなんかが置いてありますけど、辺りには人っ子一人いません。今日って、8月1日だよね? 日曜日のはずだし、海水浴客でにぎわっていそうなものだけど……。と思ったのですが、周辺には岩が多くて、海水浴にはあんまり向いていないような感じです。こんなところならどうせ海水浴には来ないだろうから、別におしっこされても問題ないんじゃない? 海は全部つながっているから、それでも気になっちゃうんでしょうか?
 辺りを探すと、岩場をひょこひょこあるいているスイカの霊を発見します。
「海なんか、海なんか嫌いだー!」
 そう叫んで、海に向かっておしっこをしようとするスイカの霊を、加納が止めようとします。邪魔をするならスイカの痛みを教えてやるぞと凄むスイカの霊に対して、海を汚されるくらいならスイカの痛みを教えられるほうがマシだと、加納も啖呵を切り返します。おお、なんかかっこいいな。
 スイカの痛みを教えるべく木刀を振り上げるスイカの霊ですが、加納に対してスイカの恨みを感じることができず、木刀を下ろしてしまいます。スイカ割りをしたことがない加納を、どうしても襲うことができないのです。……まあ、行為としてのスイカ割りをしたことがないのは確かだけど、加納本人はスイカを割る気満々で特訓までしているくらいなので、恨みを抱いたとしても問題なさそうですけどね。スイカの霊にはまだ、テロ等準備罪的な概念は無いようです。



 ようやく目を覚ました雪子と月子。スイカの霊と加納のことを必死に説明する花子ですが、二人はまるで話を聞いていません。スイカの霊のことは花子に任せて、新しいビデオを借りにいこうかなんて相談をしています。
 「シュシュトリアンに夏休みなんてないんだからね!」と花子は憤慨しますが、そもそも以前のエピソードでもよくあったことなんですけど、三人揃わないとシュシュトリアンに変身できないんだから、誰か一人に捜査を任せちゃうっていうのは無理があるんだよなぁ。

「やまぶきぃ~」
 そこへふらふらとやってきた加納。そのほっぺたには、スイカのマークが描かれています。なんとスイカの霊は、今まで一度もスイカを割ったことが無い加納に恋をしてしまったのです。スイカのマークは、スイカの霊の愛の印、キスマーク。加納は這う這うの体で、山吹家まで逃げてきたのです。
 スイカの霊につきまとわれてしまい、なんとかならないかと花子に相談する加納。花子がひねり出したアイディアは、食べ合わせを利用すると言うものでした。スイカと食べ合わせの悪いものを思い出せなかったので、英三郎に電話して尋ねるのですが、ちょうどそのときうな重を食べていた英三郎は、「うなぎ」と答えてしまいます。正しくは、「スイカ」と「てんぷら」、「うなぎ」と「梅干」なわけですが、食べ合わせの例としては圧倒的に有名なこの二組、たしかに混同しがちではありますよね。

 さっそくうなぎの蒲焼を買いに行く花子。今のご時勢、うなぎの価格も高騰しているのですが、当時は小学生でも買えるくらいの値段だったのかしらん?
 蒲焼を買って帰宅すると、スイカの霊に居場所を突き止められてしまった加納が、今まさにスイカの霊に迫られているところなのでありました。
「スイカとうなぎはね、食べあわせが悪いのよ!」
 すぐに花子はうなぎの蒲焼を突き出します。それを見たスイカの霊も、もんどりうって倒れてしまいます。別に食べあわせが悪いわけでもないのに、効いちゃうんですね。つーか、両方一緒に食べると、食べた人の体調が悪くなるというだけで、別にスイカがうなぎを苦手とするというわけでもないと思いますけど……。まあ、元々迷信ですからね。鰯の頭も信心から、といったようなものです。

 横になった加納の顔の上に、うなぎの蒲焼を乗せる花子。こうすればスイカの霊には襲われないというのです。
 しかしスイカの霊も負けていません。うちわであおいで、うなぎの匂いを外へ拡散させます。するとその匂いに誘われた篠山と荒木が入ってきて、その蒲焼を食べてしまったのです。
 すかさず窓から入ってくるスイカの霊。邪魔なうなぎの蒲焼はなくなったので、心置きなく加納に迫ることができます。

 外へ逃げ出す加納と、それを追うスイカの霊、そしてそれをさらに追いかける花子。小さな公園で追い詰められた加納ですが、追跡中にうなぎの蒲焼を追加購入した花子がなんとか間に合い、スイカの霊は再び苦しみ出します。
 しかし、それをさらに追いかけてきた篠山と荒木が、余計な一言を漏らします。
「山吹、スイカと食べあわせ悪いのは、天ぷらだぞ」
 もうね、本当に余計な一言。勘違いに気付き、すっかり息を吹き返したスイカの霊は、スイカの種を飛ばして花子を攻撃します。
 再び逃げ出す加納と、追いかけるスイカの霊。しかしちょうどそのとき、レンタルビデオ屋から出てくる雪子と月子が、その逃走劇を目撃したのでありました。この二人、今回、全然活躍してないよね。
 スイカの霊を追いかけてきた花子と合流して、三人はシュシュトリアンに変身するのでありました。

 ひたすら逃げる加納ですが、とうとうスイカの霊に追い詰められてしまいます。加納にゆっくりとにじり寄る、スイカの霊。しかしその前に、爆炎が上がります。

「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」

 今回は遊具の上に立ちながらの名乗りで、足場があまり良くなかったので、ベールを放り投げるアクションがいつもより小さめですね。本人アクションはちょっとヒヤヒヤしますよ。

「古人曰く、『沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり』」
 良いことがあれば、悪いこともある。スイカ割りされるだけがスイカの人生ではない、ということなのですが……。スイカ割りされたスイカにとっては、そこでスイカの人生終わりだしなぁ。スイカの霊は、「痛み」を重要視していましたしね。最終的には食べられてしまうわけだけど、スイカ割りは痛いけど、包丁で切られるのなら問題ないのかなぁ? それとも、食べられるのはいいけど、「スイカ割り」という遊戯に供されるのが不服なんでしょうか。スイカ割りしたスイカも基本的には食べますけど、どうしても無駄になっちゃう部分も出てきますしね。

 スイカの霊も、「お前たちに、スイカ割りされるスイカの気持ちがわかってたまるかー!」と、開き直って攻撃してきます。うーん、やっぱりスイカの気持ちは、よくわらからないっす。
 木刀を振りかざしてシュシュトリアンに襲い掛かるスイカの霊ですが、その攻撃はまるで当たりません。3対1なこともあって、戦況ははっきりとシュシュトリアン有利で進んでいきます。
 自身の不利を悟ったスイカの霊は、スイカのお友達を呼び出します。そこへポンポン! と現れたのは、4個のスイカ。4個のスイカは花子に襲い掛かると、抑え込んで完全に動きを封じ込めてしまいます。
 高笑いをするスイカの霊ですが、動けなくなったのは花子のみ。雪子と月子は健在です。さすがに3対1のときよりはマシな戦いぶりですが、やはり不利なことに変わりはありません。スイカの霊がすこし距離を置いた隙に、紅のバトンを組み合わせて「スイカはずし」というそのまんまな技を使うと、花子を押さえ込んでいたスイカがはずれ、花子が解放されました。
 花子が復活して、再び3対1。3人で戦っているときはやっぱりシュシュトリアンが優勢……と思いきや、なぜか花子がほぼ一人で戦っているような場面になり、スイカの霊に苦戦してしまいます。雪子と月子はなにやってるのさ?

 しかしそこへ、篠山、加納、荒木の三人組がやってきます。
「スイカと食べあわせが悪いの、天ぷらだぞ」
 さっきは余計なことを言った篠山ですが、今度は貴重な助言となりました。シュシュトリアンに変身している花子に対して、まるで山吹花子に言うような口調で喋っているのは気になりますけどね。
 シュシュトリアンが紅のバトンを合わせると、「シュシュファイナル」ならぬ、「シュシュ精進揚げ」を発動。れんこんやししとう、しいたけといった野菜の天ぷらが現れます。それを投げつけると、スイカの霊の身体に張り付き、スイカの霊は苦しみ出します。
 最後は加納に向かって腕を伸ばしながら、「加納くん……、恋しい……」とつぶやきつつ、スイカの霊は1個のスイカへと戻っていたのです。そしてスイカが宙に浮かんで消えると共に、加納のほっぺたに残っていたスイカマークも消滅したのでありました。

 シュシュトリアンは町会長に対して、スイカ割りされるスイカの痛みをわかってあげてくださいと告げます。町会長も理解を示し、スイカ割り大会の前に、みんなでスイカの霊に黙祷を捧げます。
 そして始まるスイカ割り大会。さっそく目隠しをして木刀を握る加納ですが、あにはからんや、見事にスイカを真っ二つに叩き割ります。つくりものじゃなくて、本当にスイカを割っているのですが、実に綺麗に割れていますね、これ。

 そして山吹家では、家族揃ってスイカを食べています。スイカの切り方を見るに、フライドチキン男が食べ残した半分のスイカを、5等分しているようですね。
「え? スイカと食べ合わせの悪いのは、天ぷらだったっけ?」
 辞書を引きながら英三郎が尋ねますが、最初に英三郎が間違えていなければ、もっと早く事件は解決していたんですよね。
「かぼちゃじゃなかったっけ?」
「あ、かぼちゃ今日、おかずにしよ」
「あ、そうよね、そぼろにね」
「え? アイスー」
「かぼちゃアイス?」
「うん」
「なに、それー」
 などなど、山吹家の女性陣は、食べ物の話題で盛り上がるのでありました。



[次回予告]

 蒸し暑くてどうしようもない夏。そんな日々を、涼電話の涼しげな音色を聞いてすごしましょ。
 え? 音色なんかじゃ全然涼しくならない? そんなこと言ったら、涼電話だって怒るわよ、ホラ。
 次回、有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「涼電話の夏」。お楽しみに。



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