雑居空間
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 有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年9月5日放送の第34話は「ETおばさんの帰省」です。



「息の臭い人に悪い人はいない」
 そう言いながら、自分の息を袋につめていくETおばさん。何やってるんだろう。
ETおばさんはよく「息の臭い人に悪い人はいない」って言うけど、これもう、自己暗示みたいな状態になってるんじゃないですかね。

 ETおばさんのアパートでは、テレビでJリーグの試合が流れていました。その試合は、横浜フリューゲルス対サンフレッチェ広島。ちゃんと本物の試合映像使っていますね。
 その試合が終了した頃、スタジアム内の通路では、篠山、加納、荒木の三人組が、カメラを手に選手を待ち構えていました。三人は選手と密接するくらい近くに寄って写真を撮りまくっているのですが、一般客がこんなに選手に密着できるものなの? それから、両チームの選手が同じ通路を歩いているんですけど、スタジアムってこんな構造になっているの? ついでに、フリューゲルスもサンフレッチェも本物と同じデザインのユニフォーム使っているんですけど、なんで今回ばかりこんなに凝っているんだろう? 適当なオリジナルチームでも良さそうなもんですけどね。

 そんな三人の前に花子がやってきて、ここは関係者以外立ち入り禁止だからと、三人を制止。やっぱりこれ、ダメだったんだ。三人は花子の言うことなんでまるで聞こうとはしませんでしたが、そこへスタジアムのスタッフがやってきて、三人を追い出しにかかります。花子の言うことは聞かなくても、流石にスタッフに見つかってはどうにもなりません。花子もこれで一安心、かと思いきや、ロッカールームにこっそり侵入しようとしているETおばさんを発見してしまいます。

 ロッカールームへやってきたETおばさんは、一人の選手に声をかけます。
「ちょっといい臭い息があるのよ、ホラ」
 臭い息の入った袋をゴール前の混戦で相手選手にかがせれば、あまりの臭さに相手は倒れて簡単に抜くことができるのです。これを一袋300円で売りつけようと言うのですが……、明らかに反則な上、周囲の人たちにもバレバレじゃないですかね。この話を持ちかけられているフリューゲルスの選手も、なんか喜んでいるみたいなんですけど、いかんでしょ。
 そこへ花子がやってきて、ETおばさんのビジネスを阻止しようとします。ETおばさんVS花子の一騎打ちが勃発か、と思われたのですが、ここはロッカールーム。フリューゲルスの選手たちにジロジロ見られているので、場所を変えることになりました。ETおばさんも、そのくらいの常識はあるのね。

 ロッカールームから出てきた花子とETおばさんですが、篠山、加納、荒木の三人組に見つかってしまいます。さっきスタッフに捕まったと思ったのですが、普通に放免されてますね。いいのか、それで?
 三人組を撒いて、花子とETおばさんはスタジアムの裏へと移動。改めてバトル開始です。花子は一人なので、当然シュシュトリアンに変身できず、ちょっと苦戦します。ETおばさんいつかまって、臭い息を吐きかけられ、このままだと勝ち目はなさそうです。
 そこへやってきたのがフライドチキン男。助けに来てくれたのかと喜ぶ花子ですが、さにあらず。既に9月ではありますが、ようやく夏休みが取れたので、一週間ほど田舎に帰るのだそうです。ちなみに、フライドチキン男の田舎とは、鳥取の養鶏所。たくさんのニワトリがケージに入れられて、首だけ出してえさをついばんでいる映像が流れるのですが……。第22話「妖怪おやじ虫 若返りの秘宝」では、それなりに良さそうな家で育ての母に面倒を見てもらっているんですよね。あんまり気にするようなことでもないんでしょうけど、ホント、フライドチキン男の出自ってどうなっているんだろう?

 フライドチキン男が去り、改めてバトル再開と思いきや、ETおばさんはぼんやりとした表情で、どこか遠くを見つめています。フライドチキン男の話を聞いていたETおばさんは、宇宙の田舎を思い出し、すっかり里心がついてしまったのです。
 宇宙の田舎に帰りたいと泣き崩れるETおばさんに、花子も同情して、帰省を勧めるのでありました。……まあ、今回のタイトルにもなっているように、ETおばさんが帰省するという展開になるんですけど、既に第18話「ETおばさんのカーネーション」でも、宇宙の田舎に帰省しているんですよね。前回は5月だったし、実際の生活ではまた帰省するいいタイミングかもしれませんけど、シリーズものの番組としては帰省エピソードは初めてではないので、ことさらに特別視することもないような気もするんですけどね。このあたり、既に何回か盗まれたことがありながら、改めてサブタイトルに「盗まれた~」と持ってくる、ウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラ・アイ」を彷彿とさせますね。

 帰省するETおばさんに何かお土産を持たせてあげたいと、花子は雪子と月子に相談します。しかし、雪子と月子はトランプの「スピード」に興じていてあまり興味もなさそうです。
 ETおばさんがどうやって帰省するのかというと、宅配便で送るのだとか。「スペース便」というのぼりの立っているスーパーで、ETおばさんを荷物として透明な袋に梱包していきます。梱包は店の人も手伝っていますし、人を宅配便で送ること自体は合法なんでしょうかね。それとも単に、倫理感が無いから不法行為でも平気でやっているだけなんでしょうか。第24話「ETおばさんと扇」でも、拉致してきた人たちだと知りながら、お立ち台で踊る女性たちを宇宙へ送ろうとしていたくらいだし、後者なんでしょうかね(そのときの店とは別みたいですけど、ETおばさんと付き合いのある宇宙人周辺の倫理的にね)。
 そこへやってきた花子は、ETおばさんに、旦那用と子供用のお土産を手渡します。花子の心遣いに、ETおばさんも思わず涙ぐみます。花子とETおばさんの間に謎の友情みたいなものが芽生えているのですが、なんなんでしょううね、これ。この二人、割と似たもの同士だったりするんですかね。
 そんなんこんなで、ETおばさんはスペース便のトラックに載せられて、宇宙の田舎へと旅立ったのでありました。

 造花を作る内職をしていたET父ちゃんの元へ、ETおばさんが帰ってきました。子供たちはみんな眠っていましたが、一人ひとりの寝顔を、ETおばさんは愛おしそうに見つめるのでありました。ETおばさんは悪いことしちゃう宇宙人だけど、家族の前ではやっぱりいい母ちゃんなんですよね。
 翌日、ETおばさんたちは一家でピクニックに出かけます。ET父ちゃんと弁当を食べながら、今の出稼ぎ生活を考え直して、家族と一緒に宇宙の田舎で暮らすほうがいいのかと相談するのですが……。辺りには空き缶が散乱しています。最近は宇宙人もマナーが悪くなってきて、空き缶をポイ捨てする連中が増えているようです。ET父ちゃんによれば、それには宇宙の田舎政府も苦慮していて、空き缶対策に多くの予算を投入しているのですが、どうにも人手が足りないと言うのです。
 空き缶を蹴飛ばす子供たちの様子を見て、ETおばさんの脳裏には大きくボールを蹴り出すJリーガーの姿が浮かびました。この空き缶を掃除するいい方法がある、と、ほくそ笑むETおばさん。この空き缶をなくし、政府の組んだ大幅な予算をぶんどり、大儲けしてやろうと言うのです。
 うーん、単に空き缶を片付けようというだけなら立派な話なんですけど……。関係ないJリーガーを巻き込んじゃいけませんわなぁ。



 日にちかわって土曜のお昼。三姉妹が揃って帰宅します。シュシュトリアンはこの土曜の昼のシーンが結構多いですよね。
 しかし英三郎が、ゴルフクラブを握りながら、険しい顔で電話をしています。どうやらJリーガーが次々と行方不明になるという事件が発生したようです。うーん、間違いなく、ETおばさんの仕業ですね。
 すぐにでも仕事に行こうかという勢いだったのですが、三姉妹が帰宅したので、まずは昼食をとってからということになりました。しかしそこへチャイムが鳴り、篠山、加納、荒木の三人組がやってきます。花子と一緒にサッカーを観に行こうというのです。彼らは信用が無いので、花子と一緒でなければサッカーを観にいく許可が下りないのだとか。それに付き合わされる花子も大変ですよね。

 試合は横浜フリューゲルス対サンフレッチェ広島。え? またこのカードなの? まあ、撮影の都合と言うのはわかりますけど……。
 試合のシーンではフリューゲルスの選手が多く映るのですが、その背中には「BANDAI」の赤い文字が光ります。ああ、フリューゲルスなのはスポンサーに対する配慮でしたか。じゃあ、サンフレッチェは何故?
 また前回のように、試合の終わった選手に群がり、写真を取り捲る三人組。花子は「サッカーなんてどこが面白いのかしら」とつまらなそうです。そこまで興味ないのに、ほんと、花子は三人組に対してよく付き合ってますよね。
 そこへ、リヤカーに大きなダンボールを積んだETおばさんが通り過ぎます。それを発見した花子が後をつけると、その段ボール箱には「宇宙行き」のラベルが貼られ、スペース便で宇宙へと送られていきます。ついでにETおばさん自らも、前回同様、透明な袋に入って一緒に宇宙へと向かうようです。
 帰省中のはずのETおばさんがなぜ地球にいるのか。怪しんだ花子は調査のため、自分も宇宙へ行くことにしました。こう見えて宇宙人だから宇宙へ行きたいと告げると、店長はいぶかしみながらも承諾し、花子を袋に入れて宇宙へと送るのでありました。ずいぶんお手軽に宇宙旅行ができるもんですなぁ。

 ETおばさんの家では、子供たちが造花を作る内職をしています。ET父ちゃんは食事の支度。そこへ花子が、「ETおばさんはいませんか?」と入ってきます。ETおばさんの家までは、無事にたどり着けたんですね。
 ET父ちゃんに聞いたところ、ETおばさんは今、高原で空き缶の掃除をしているのだとか。花子が行ってみると、そこではさらわれたJリーガーたちが、空き缶を蹴って片付けているところでした。さらわれたのは、フリューゲルスとサンフレッチェの選手たちですね。
「はい、宇宙掃除、休憩!」
 そこへホイッスルを鳴らし、ETおばさんがやってきました。休憩の合図で、Jリーガーたちは横になって休みます。
 その様子を見た花子。掃除をするのは大切だけど、Jリーガーたちを使うことは無いと憤慨しますが、こっそり近づいてきていたETおばさんは、Jリーガーのキック力を使えば空き缶を宇宙のかなたまで飛んでいくのだと説明します。そんなことをしたら宇宙のかなたが空き缶だらけになってしまうのですが、ETおばさんとすれば、今住んでいる宇宙の田舎がきれいになればそれでOK。宇宙のかなたのことなんて、まるで気にしちゃいないのです。

 ETおばさんはJリーガーたちに、花子をやっつけるよう命令します。彼らはETおばさんのくさい息を浴びて、ETおばさんの意のままに操られているのです。Jリーガーたちはあたりに散乱する空き缶を、花子めがけて蹴りまくります。映像ではそんなに強くは当たっていませんけど、プロにやられたらたまらないよなぁ。
 しかし、その空き缶のひとつが、偶然花子のバルミラクルに命中。その衝撃で、雪子と月子に花子のピンチが伝わります。花子はいま宇宙の田舎にいるんだけど……、と思いきや、二人は突然ワープして、宇宙の田舎までやってきました。おお、こんな力もあるのか。いつも家から現場まで時間をかけて走ってくることが多いんですけど、できるのなら普段からもっとワープすればいいのに。

 花子の元に駆け寄りながら、それぞれ「雪」「月」「花」のポーズを取り、シュシュトリアンに変身です。

「乙女盛りに命をかけて」
「風に逆らう三姉妹」
「花と散ろうか、咲かせよか」
「「「有言実行三姉妹、シュシュトリアン!」」」

「古人曰く、『大根を正宗で切る』」
 大根を切るために名刀正宗を使うように、空き缶を片付けるのにJリーガーを使うのはおかしい。という主張かと思うのですが、この場合おかしいのはJリーガーを空き缶処理に使うことじゃなくて、Jリーガーを拉致して強制的に働かせていることと、空き缶を宇宙のかなたに放り出すだけで済ませちゃうことだと思うんですけど……。本人たちが納得の上で、適切な方法で空き缶を処理するのなら、別にJリーガーが空き缶を片付けようと、正宗で大根を切ろうと、問題ないですよね。

 まあ、そんな説教をETおばさんが聞くはずもなく、バトル開始です。
 ETおばさんのホイッスルを合図に、Jリーガーたちはシュシュトリアンに向かって空き缶を蹴り出します。これを岩陰に隠れてやり過ごすと、空中回転して一気に距離を詰めていきます。
 相手は操られているだけの一般市民なのですが、容赦なく叩きのめしていくシュシュトリアン。まあ、手加減してもしょうがないと言えばしょうがないですけど……。
 ETおばさんがホイッスルを吹くと、Jリーガーたちは1列に整列。そしてまるでラグビーのフリーキックのように、巨大な缶をシュシュトリアンに向かって蹴り出します。しかしそれを雪子が受け止めると、月子と花子が蹴り返して、最初に蹴ったサンフレッチェの選手の頭に命中し、昏倒してしまいます。ホントに容赦していないけど、大丈夫かいな。
 次のホイッスルで、さらに三人のJリーガーが缶を蹴り出しますが、これもまたシュシュトリアンの三人が蹴り返し、それぞれ頭に命中させてノックアウト。ピンポイントで蹴り返せるシュシュトリアンが凄いのか、ピンポイントで飛んでくる缶をよけられないJリーガーたちが情けないのか。残ったJリーガーも軽く片付けると、シュシュトリアンはETおばさんににじり寄ります。
 得意の臭い息で対抗するETおばさんですが、シュシュトリアンは遠くから缶を蹴ってETおばさんを攻撃。いつもならもっと臭い息に苦戦するんですけど、今回は飛び道具を使ってうまく戦っていますね。あせったETおばさんはホイッスルを吹きますが、頼みのJリーガーたちはみんな、地面の上でのた打ち回っています。
 最後は紅のバトンを組み合わせ、必殺の「有言実行紅つむじ風」でフィニッシュ。ETおばさんをぐるぐる回してKOしました。それと共に、Jリーガーたちも消え去ります。……って、特撮のお約束とは言え、物理的に宇宙の田舎までつれてきたJリーガーが、ETおばさんを倒したからといって地球にワープしちゃうというのは、さすがにおかしくない?

 地球ではスペース便で送られてきた荷物が、乱雑に店の前に放り投げられます。中から出てきたのは、さらわれたJリーガーたち。あ、別に地球にワープしたわけじゃないんだ。だとすると、宇宙の田舎の宅配便の発送所に、箱詰めされた形でワープしたんですかね。それでも充分、変なんですけどね。

 目を醒ましたETおばさんの前に、シュシュトリアンが歩み寄ります。
「地球は地球人の力で美しくします。宇宙は宇宙人の力で美しくしてください」
 そこへETおばさんの家族がやってきます。シュシュトリアンは、「では」とジャンプし、ワープして去っていきました。これは多分、地球までワープしていそうですね。
 ETおばさんは家族一緒に夕飯を取るため、家へ帰っていきました。ホント、家族といるときだけはいい母ちゃんなんだけどなぁ。やっぱり出稼ぎはやめて、このまま宇宙の田舎で家族一緒に暮らすのがいいじゃないの?

 一方山吹家では、Jリーガーの行方不明事件が勝手に解決したので、英三郎がぼやいています。確かに人騒がせではありましたが、まあ、解決したのが何よりですね。
 ただ、Jリーガーたちはさらわれていた間の記憶を失っているようです。これ、ETおばさんの超能力じゃなくて、シュシュトリアンが頭に空き缶をぶつけまくったからじゃないの?
 それはさておき、英三郎は明日、署長とゴルフに行くようです。恵が新聞で天気予報をチェックすると、今夜から明日にかけて所により一時空き缶、とのこと。
 なにそれ? と思いきや、突然山吹家の庭に、大量の空き缶が降ってきます。これ、宇宙の田舎からJリーガーが蹴り出した、あの空き缶ですかね? すると地球は、実は宇宙のかなたにあったのか。ま、いずれにしても、はた迷惑なことですね。
 空き缶は、くずかごへ。



[次回予告]

「うるせーな、静かにしろよ!」
「お姉ちゃん、何すんの?」
「うへへへへへ」
 有言実行三姉妹シュシュトリアン、「怪奇! C型仮面」。お楽しみに。



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