きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

質が低い

2021年08月25日 | CORONA
保健所でコロナ関連の業務等についている人と話す機会がありました。

保健所はコロナ陽性となった人の療養・治療先を調整したり、感染経路特定のための聞き取り調査をしたり、濃厚接触者を割り出しをして連絡し、隔離指導するなど、さまざまな仕事を抱えています。

「今日中に帰れるかな?」と毎日思いながら働いているというので、その激務の程は想像を超えるものがあります。

保健所で働いている人たちは、実は色々な職種が混在しています。
薬剤師、保健師、検査技師、放射線技師の資格を持つ医療者のほかに、事務職の人ももちろんいます。

保健所への異動によって本来の専門分野とは違う仕事をしなければならないことも多く、そのうえコロナ禍にあっては、かなりの精神的負担があるのではないかと思います。

「倒れてしまったほうが楽なんじゃないかって思いますけど、丈夫なんですよ」と笑いながら言っていましたが、投げ出したいというのが本音なのだと思います。

以前から「感染経路不明」と公表されているケースのことが気になっていたので、実際に感染した人たちの話を聞いていると感染原因が推測できるようなケースがあるのか聞いてみました。
すると、やはり飲食での感染が最も考えられるということです。

バーベキューなどでは戸外だからという安心感があるのか、マスクをしないで大勢が集って飲食していて感染するケースは少なくないそうです。


「これ以上どう対策すればよいのか?」
「気をつけていたつもりだったのに」

こういう声はよくきかれます。

やはり感染予防対策が本当にきちんとされているかどうかをチェックして、改善していく地道な作業が大切なのではないかと思います。
「自分の身は自分で守る」が現実化しています。
災害時の安全確認と同じです。


こんな研究が発表されていました。

新型コロナウイルス感染症新規患者数増加の裏にある、追えていない感染経路を見いだす質的研究の結果速報

「新たな感染経路が見つかったわけではなく、感染には飲食がやはり多くの場合関係しており、感染防止対策の質の低さや知識の低さが感染拡大を助長していることは十分考えられる」というのです。

これまでよりも感染しやすい変異株だから・・・と言ってあきらめるのではなく、私たち側にスキがないかを今一度確認しましょう。


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お楽しみは先に延ばして倍増させます

2021年08月17日 | CORONA
昨年からの新型コロナウィルスによるパンデミック以降、「集って楽しむ」ということをまったくしていません。


この夏、プロのピアニストに伴奏していただき、音楽ホールのステージの上でチェロを弾くという機会をいただきました。

声楽愛好者が集う演奏会でしたので、オペラのなかで使われている有名なアリアから、とても素敵な曲を選び、時間をみつけては練習に励んでいました。


ところが、この感染状況です。

緊急事態宣言下でも、コンサート自体は中止とはならず、予定通り行われるようでしたが、私は出演するのをやめました。

残念な気持ちがないわけではありませんが、何をどう考えてもネガティブ因子しかなく、「今回はやめる」と判断しました。


演奏会の主催者である友人には、「出演キャンセルは医療者の立場上しかたない、理解する」といった意味合いのことを言われました。


現況に対する受け止め方は人それぞれです。
どう行動するかについても、特に日本においては、「自粛せよ」という言葉だけで、最終的には自主判断にまかせられてきました。
それがいいのか悪いのか、今もってその政策は変わっていません。

けれども、コロナは感染症という病気ですので、自分で決めたことには自分で責任を負ってねと、「自己責任」で片付けてしまうわけにはいきません。
ですから、医療に多大な負担がかかるのです。
そして今は、その医療さえ、十分に提供できないような事態に陥ってしまっています。


本当に理解してもらいたいと思うことは、そういうことです。


たしかに、医療現場に関わっている人とそうでない人とでは、意識と行動に大きな差があります。
意識の変化には、ある程度の知識が必要です。
意識が変わらないと行動も変えにくいのも確かです。

でも、求められている行動自体は、プロフェッショナルな人でないとできないようなウルトラ難度なことではありません。


飲食の前後、トイレ使用後、泡立てた石鹸で手をきれいに洗う。

スーパーやデパートに入店するときは、アルコール消毒をスルーしない。

人としゃべるときは(家族同士であっても)、距離を保って、マスクをつける。


難しいことを考える必要はありません。
とにかく習慣にしましょう。

めんどうくさい?

いえいえ、命と引き換えにするほどのことじゃあ、ありません。

ワクチンの副反応を怖がるくらいなら、感染した場合のつらい日々のことを想像し、怖がったほうがいいです。


国の政策にはモヤモヤやイライラを感じたりしますが、石鹸もアルコールも綺麗な水も、ちゃんと手に入る社会であることには感謝しています。













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まずはギャップを埋めましょう

2021年07月27日 | CORONA
日本人は、悪いニュースを伝えるときなどは相手を思いやるがゆえに、言葉を濁したり、オブラートにくるんだ言い方をしがちなので、肝心なことが伝わらず、誤解を生じてしまうことがあるので気をつけなければいけません。

また、主観的な言葉を使いすぎるのも誤解のもとです。

たとえば、ワクチンの副反応について、「2回目のほうがひどいって聞きましたけど、ほんとうですか?」とよく聞かれますが、一言で「ひどい」といっても、人によって受けとめ方は様々です。
なので、「ひどいとは、具体的にどんなことを想像して心配なさっているのですか?」というふうに聞き返したうえで、説明するようにしています。


一般の方と医療者では、新型コロナウィルスに感染したときの病状の重さの理解にかなりギャップがあると聞きました。


「軽症」というと、普通に日常生活が送れる程度というイメージをもっている方が多いかもしれません。
けれども、発熱やだるさ、からだの痛み、食欲不振、嘔気、下痢、脱水などがあれば、動くのがとても億劫になるでしょう。
通常、数日間続きます。

「中等症」というのは肺炎を合併している状態で、これまで経験したことがないような咳や息苦しさが出現します。
すぐ疲れてしまうので、歩くのが難しくなります。

呼吸というのは普段意識することがありませんから、咳や息ぎれといった呼吸器症状は不安を伴いやすく、精神的ストレスがあります。

入院して酸素吸入や点滴が必要となり、医療者の助けを借りつつ、1日中ベッドですごすことになります。

中等症は数時間~数日で状態が悪化するかもしれない不安定さを持っています。
医療者は気を抜かずに頻回に病状を把握しなければならず、処置や介助で患者と接する時間も増え、人手が必要になります。


「重症」は「瀕死」と言い換えてもいいでしょう。

点滴や呼吸補助装置に繋がれた患者さん一人に対して、何人もの専門医療スタッフが感染のリスクを負いながら関わらなければなりません。

でも、人工呼吸器等に繋がれた本人の意識はもうありません。
二度と目が覚めないかもしれません。

そして医療者は、「死んでしまう可能性がある」と家族に説明しておかなければならないのです。

医療崩壊する前に、知っておいていただきたい事実です。
ちょっとしたギャップでも、つまづくと痛い目にあいますから・・・

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災害対策

2021年07月26日 | CORONA
Tokyo2020が開催されています。

緊急事態宣言下の無観客開催とはいっても、ちょうど夏休みが始まり、4連休ともなり、会場周辺には多くの人が集まっているようです。
県外ナンバーの車が走っているのもよく見かけました。
今後、感染者数が激増するのは避けられないでしょう。

感染者の年代別傾向に変化がみられており、60歳未満の人の感染が増えているのが目立ちます。
これは、高齢者へのワクチン接種効果がみられはじめ、そのいっぽうで未接種の若い世代が活発に動いているからでしょう。

ワクチンをしても感染は完全には防げないため、まだまだ感染予防対策が必要ですし、未接種であればなおさらです。

若いと重症化しにくい・・・とは言えないのが最近の傾向でもあります。

働き盛りであったり、子供がまだ小さい親世代が感染した場合、いろいろと面倒くさいことが増えます。

もし感染してしまったら、子供や高齢の親の面倒はどうしますか?
家庭内隔離の具体的方法を含め、しっかりと想定しておかないと、いざという時に路頭に迷います。

同居家族や職場の同僚は濃厚接触者となり、2週間の外出制限を強いられます。
台風の際の巣ごもり準備どころの話ではありません。

子供と一緒に入院できる医療施設は非常に少なく、自治体による配慮や整備もそこまで追いついていないのが現状です。

ウィルス感染は災害と同じです。
居住地域や自分の周囲の感染状況を把握するようにしましょう。
ハザードマップを確認するのと同じですね。

オリンピックを安全に楽しみながら、そのあとの大災害への備えも忘れずに!



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Breakthrough infection

2021年07月19日 | CORONA
米国では、ほぼ50%の人が新型コロナウィルスワクチンを2回接種完了したそうです。

そんななか、米国人の知人が新型コロナウィルスに感染したと知らされました。
彼は4月にワクチンを接種完了しています。

発熱や全身の痛み、痰のからんだ咳が出始めた数日前、ワクチン未接種者を含む音楽仲間が集まってリハーサルをした時に感染してしまったようです。
リハーサル室は換気が不十分だったようで、彼の他にも接種を完了していた6人が感染・発症してしまいました。

ワクチン接種して免疫を獲得したあと、変異したウィルスに感染することを英語では「Breakthrough infection」と言います。

現在接種が進められている新型コロナウィルスに対するワクチンは、発症や重症化を抑える効果が明らかにされていますが、だからといって安心はできません。

接種によってからだのなかに作られた抗体は時間の経過とともに減っていきますし、ウィルス自身も生き残るために、変異を繰り返しているからです。

専門家が「もう大丈夫!」と公言するまで、人込みや換気の悪いところへ行くのは避け、マスクもきちんとつけ、これまでどおり、しっかりと手洗いをするように心がけましょう。

決して他人事と思ってはいけません。

オリンピック開催が近づいています。
すでに感染者が増加傾向にあり、より一層気を引き締めていかなければ、悲惨な状況に陥ることは明らかです。
そうなった場合、責任を擦り付け合っても、どうにもなりません。
ひとりひとりが、今やるべきことをやるしかないんです。


Thank you so much for sharing, Tony!
Hope you get better soon.


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誘い文句

2021年07月13日 | CORONA
1か月おきにフリーペーパーに医療コラムを書いています。
「TonTon」
http://www.sakata-net.com/tonton/
https://www.facebook.com/tonton.sakata/

毎月1日に発行され、宇都宮市内に配布されています。
7月は私の担当でした。

若い方のなかには、新型コロナウィルスのワクチンを受けることに不安がある方が少なくないようなので、今月号はワクチンのことを話題にしました。

けれども、字数制限内で語れることは限られていますし、ワクチンについてはすでに色々な媒体で様々な情報が発信されています。

なので、推敲に推敲を重ねた結果、最終的にはこんな感じになりました。
以下、一部を転記します。

「(前記略)医療従事者である私は、皆様よりも一足先に新型コロナウィルスのワクチン接種を済ませました。ワクチンは今まさに世界平和のために必要不可欠なことです。昨今は様々な情報があふれすぎています。人は情報が多すぎると、心に迷いが生じ、決定を先延ばしにしたり、考えることをやめてしまったりする傾向があります。ワクチン接種をすべきかどうか判断に迷っている、不安だ、という方もきっといらっしゃるでしょう。でも、保健の専門家達が率先してやっていることですので、どうぞ安心してくださいね。(以下略)」


私は本当に心からそう思っているので、こんなふうに書いたのですが、その後、同じような言い方の新聞広告やテレビコマーシャルを目にしたので、おや?!と思いました。

宣伝文句はズバリ、「わたしも打ちました!」です。

新聞広告がこちら。

コロナ禍で活躍している感染症専門の高名な医師の方々が、笑顔で出演され、最後に「わたしも打ちました」と笑顔で決め台詞を言うのです。

テレビコマーシャルがこちら。

つまりこれは、広告のプロも使うところの正当戦略のひとつだったのですね。
わたしってすごい(笑)


けれども、ところ変われば方法もずいぶんと変わります。

聞くところによると、人々にワクチン接種を広く推進するために、アメリカではまったく違う戦略がとられました。

ワクチンを打つと、スーパーマーケットの割引券がもらえたり、ジムや商業施設などの使用料が安くなったり、はたまた、高額な宝くじの抽選券がもらえたりするというのです。

実際、これまでどちらかというとワクチン否定派だった米国在住の友人が、「ワクチンパスポート」に惹かれ、ついに接種を受けました。
2回目の接種翌日、解熱剤のお世話になったそうですが、おかげで今は久しぶりの旅行休暇を楽しんでいるようです。


国民の半数以上の人が接種をすませると、感染者数や重症者数が減少し、行動制限が緩和され、人々の心の持ちようがずいぶんと軽くなっているようです。

とはいえ、サッカーユーロ大会の観客がほとんどマスクをしていないのは衝撃的な光景です・・・戦慄を覚えます。

とにかく、日本ではワクチン接種の開始が遅れたぶん、みなが安心して旅行したり集ったりするには、もうしばらく時間が必要です。
実際、職員全員の接種をすませた職場においては、私達医療者の感染対策行動は接種前となんら変わりなく、お昼も密にならないようにしながら、無言で食べています。

完全無観客開催したとしても、オリンピック・パラリンピックの影響は公衆衛生上、決して無視できません。

でも、パンデミックは必ず終息します。
ですから、明るい気持ちで、これからも引き続き、習慣となった清潔行動をやっていきましょう。










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副反応の原因

2021年06月29日 | CORONA
新型コロナウィルスのワクチンは職場での集団接種も行われるようになって、高齢者だけでなく、若い世代にも接種がすすめられつつあるようですね。

会社で1回目の接種をした都内に住む友人がメールで報告してきました。

「昨日モデルナ打ちました」

「モデルナアームを覚悟してたけど、それほどでもなく!」


も、モデルナアーム?

コロナワクチンの副反応で最も頻度が高いところの、接種した腕の筋肉痛のことかと思いきや、そうではないようです。

少し調べてみましたら、接種部に見られる数日間の赤い腫れのことを海外では「COVID Arm」と呼んでいるようです。

また、かゆみや熱感を伴った赤い腫れはファイザー社よりもモデルナ社のほうが出現頻度が高いと言っているものもあり、そのことをモデルナアームという名で、都内の情報通の人たちのあいだで言われているのでしょうか。


ワクチンの接種部が赤く腫れて、熱くなって、かゆみをともなうようなことは、インフルエンザワクチンでは、よく経験します。
皮下注射では出現しやすい症状ですが、数日でおさまります。

でもコロナワクチンは筋肉注射なので、あまりないと思っていましたし、実際にこれまであまり例を知りません。

おそらくアメリカなどでは、皮下脂肪が厚い方が多いので、筋肉内に注射針が届かず、皮下注射になってしまって、その結果、腫れが見られる人が多いのかもしれません。
その影響はじゅうぶんあり得ると思います。


先日、集団接種会場での注射の様子を見ていましたら、皮膚をギュッとつまんで針を刺している看護師さんがいました。
そういうやり方をすると、太った人では皮下注射となってしまう可能性がありますよと注意してあげました。
(注射器を持っていない側の)左手は、三角筋の位置を確認するために軽く手を添えるだけでいいんです。
そして針は皮下注射の場合と違って、腕に対してほぼ直角に刺入します。

痩せた人などは、針の先が骨にこつんと当たることがありますが、そのときはほんの少しだけ(1~2mmの感覚)手前に引いて針先を筋肉内に戻してから薬液を注入するようにします。

集団接種会場での医師の仕事は問診業務ですが、注射の仕方もきちんとできているか、見てあげる必要がありますね。


さて、今回の友人の Good Job! なところは、「覚悟していた」というところです。

若い世代の方は、不安が先立って、ちょっとしたことでドキドキしたり、めまいを感じたり、気分が悪くなったりしてしまっている人も、少なくない印象を持ちました。

納得したうえで、心の準備をしてのぞめば不安は軽くなって、それで案外、副反応も軽減されます。










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クラスター発生!

2021年06月24日 | CORONA
我が家でクラスターが発生しました。

とはいっても、新型コロナウィルスではなくて、カイガラムシ。

今朝、大切なクチナシちゃんに、見覚えのある白いベタベタしたものが付着しているのを見つけ、すぐにカイガラムシだとわかりました。
正式には、イセリアカイガラムシという名前のようです。

春に購入した沈丁花に寄生しているのがわかったのは、かなり後になってからでした。
害虫なんてアブラムシくらいしか知らず、症状が明らかにあったのに、わかりませんでした。
無知であることが、いかに恐ろしいことであるか、思い知らされましたね。

花の根元や枝の分かれ目のくぼみに寄生していて、大胆に枝そのものを剪定したり、ライターでやけどしながら焼却したりして駆除したつもりだったのですが、可愛いクチナシちゃんに感染してしまっていたのがわかって、かなりショックです。

一匹だけ固くて茶色い成虫を見たことがあったので、そいつが親玉で子孫繁栄させていたのかもしれません。

クチナシは花がまだまだ咲き終わっていませんが、かなり多くの枝に病巣を見つけたので、思いきって剪定して害虫駆除することにしました。

カイガラムシは風で幼虫が飛んだり、あるいは服について人間が運んで、拡がることもあるようです。
人間には無害なムシだそうですが、自分が拡げてしまっていたのかもしれないのですね・・・
そう考えると、悔しいやら悲しいやら。
帰ったら、すぐに服を洗濯しなくっちゃ!
剪定した枝を捨てたゴミ袋も、しっかりと口を縛って捨てなくっちゃ!

駆除剤もしっかりと使って、我が家から絶対に根絶させると心に誓いました。

我が家のベランダにはカイガラムシが付きやすいバラやサツキもあるので、毎日よく観察して、早期発見、早期駆除するようにします。


感染を拡げないためには、早めにガッチリ対策することです!
拡がって、スーパースプレッダーである成虫が多くなってしまってからでは、駆除するのも大変ですし、損害も大きくなってしまいます。
昨年はアオムシ、今年はカイガラムシ・・・

植物が増えると、害虫との戦いも増えるのだわ・・・嗚呼!!

あんなに香しく、きれいにたくさん咲いていたのになあ・・・

悔しいけれど、来年また花を楽しむためには、ある程度の犠牲はしかたないです。












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三角筋とワクチントップス

2021年06月10日 | CORONA
医学生時代、解剖学が大嫌いでした。

教授の好みで、教科書はすべて英語。
そして、何百もの骨や筋肉、神経や血管の名前をすべて、英語、ラテン語、日本語で覚えなくてはなりませんでした。
若いからこそ、乗り越えられたんですね・・・

「筋肉」でめんどうだったのが、名前だけでなく、「起始と停止」も覚えなくてはいけなかったことです。
筋肉の両端は固い「腱」となっていて、関節をまたぐように、骨にくっついています。
筋肉がどこから始まってどこで終わるかという、筋肉の骨の付着部分を理解することは、筋肉の動きを知るうえでとても重要なポイントなのです。

たとえば、新型コロナワクチン接種をする三角筋は前・中・後部の3つの筋肉の束に分かれており、起始部はそれぞれ違います。
前部が鎖骨の外側3分の1、中部が肩峰、後部が肩甲棘となっており、停止部は上腕骨中部外則の三角筋粗面・・・といったぐあいです。

学生時代は丸暗記していたからでしょう、苦痛でしかありませんでした。

大人になってからは、からだのあちこちが痛むようになり、自然と痛いところをさすったり、マッサージをしたりすることが増え、学生時代よりも筋肉に興味がわきました。

マッサージは、筋肉の「スジ」がどこからどこまで、どんな方向に走っているのか、具体的にイメージしながら行ってください。
そうすると、いわゆる「もみかえし」をおこさずにすみます。

そんな理由で、私は解剖図譜を見る機会が増えましたし、整形外科医ではないのに案外筋肉の名前を知っていると、医者仲間から驚かれます(笑)

さあ、いまいちど三角筋がどこにある筋肉なのか、自分でも触って確かめてみてください。
そうすれば、モタモタせずにスムーズにワクチンを受けるには、当日どんな服を着ればいいか、わかりますね。

キャサリン妃がフレンチスリーブのカットソーを着て、スマートにワクチンを打ってもらっている写真がネット上にあがりました。
さっそく目ざといファッション業界がそのカットソーのことを「ワクチントップス」なんて言っているのには、笑っちゃいましたけどね。



















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コロナワクチン副反応:筋肉痛

2021年06月09日 | CORONA
新型コロナワクチンについて、もしも不安や疑問があるならば、接種を受ける前に解決しておきたいですね。

私も機会があれば友人や知人に「なにか心配なことがありますか?」とたずね、わかる範囲内で答えるようにしています。

ご存じの方も多いと思いますが、新型コロナワクチンは腕の外側にある三角筋という筋肉に注射をします。

三角筋は、主に腕を持ち上げるための筋肉です。

筋肉注射は皮下注射に比べると痛くないので、接種を受けたみなさんは「えっ?!もう終わり?痛くない!」と驚かれていましたが、副反応として、ほぼ全員に数時間後から翌日にかけて筋肉痛がおこります。


重いものを持ち上げたり、スマホいじりする時間が長かったり、あるいはデスクワークが中心の仕事だったりすると、実はこの三角筋がこり固まってしまっていることが多いのです。

ですから、そういう人は、ワクチン後の筋肉痛がよけいにひどく感じられる可能性がありますから注意が必要です。

ふだんから、ストレッチをしたり、マッサージでリンパの流れをよくしたり、筋肉をほぐすようにしておくとよいと思います。

筋肉のほぐし方を動画サイトで検索するときは、「三角筋」に「ストレッチ」とか「筋膜リリース」というワードを組み合わせて探してみてください。

「40肩や50肩の治し方」のなかには、三角筋をほぐすやり方が示されていることもあります。

ワクチン接種の直後に、肘から下にしびれを感じたり、胸や首の周りに違和感や痛みを感じた人がいました。

筋肉は筋膜という薄い膜で覆われており、注射の針を刺したことによる刺激が、この筋膜の繋がりを介して、他の場所に影響するのかもしれません。
専門家によれば、三角筋の痛みが原因の頭痛もあるそうですから、ワクチン接種後の副反応としての頭痛には、発熱によるものだけでなく、三角筋の筋肉痛の影響もあるのかもしれません。

肩こり解消にもなることが多いので、三角筋ほぐしはやってみる価値がありますよ!


















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