がん予防教室後に小学6年生から寄せられた質問に答えました。
将来は医師になりたいという子が多いクラスだそうです。
① 「がん」という名前の由来は?
がんは触ってみると、まるで岩のように固いので、岩を意味する文字に、病気を意味するやまいだれを付けた「癌」と書いて、「がん」と呼ぶようになったといわれています。英語では「cancer」、ドイツ語では「Krebs」といいますが、どちらもカニのことです。
② がんになってからの生活はどうしたらいいのか?
それまでの普通の生活を続けていくために、治療をします。
③ がんと判断する条件は,どのようなものか?
CTやMRIなどの検査による画像診断技術が進歩していますが、最終的には顕微鏡を使った組織学的診断で、がんかどうかを確定します。
④ 免疫力はどうやって高めるのか?
もともと私達には免疫力がありますから、その力を下げないように気をつけましょう。そのためには、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動をして太りすぎたり、やせすぎたりしないことです。また、ストレスをためこまないことも大切です。
⑤ がんが取り除きにくいのはどんな時か?
がん細胞がまわりにしみこむように拡がっていっている場合や、血液やリンパ液に乗って他の内臓に転移しているときです。
⑥ がんになった場合の,死ぬ確率は?
がんによる死亡率は、ふたつのことが影響します。ひとつは、がんの種類。もうひとつは、がんが発見されたときの進みぐあい(拡がりぐあい)です。早い時期に見つかれば、なおりやすいです。
⑦ がんで一番,重いがんは何?また,一番めずらしいがんは?
なおりにくいがんとして有名なのは、すい臓がんです。からだの奥のほうにあって見つかりにくく、まわりに拡がりやすい場所にあるからです。筋肉や脂肪、神経などの細胞から発生するがん(専門的には肉腫といいます)はめずらしいです。
⑧ がんは遺伝するのか?
多くのがんは遺伝しませんが、大腸がんや乳がんのなかには、遺伝するがんがあることが、最近の研究でわかってきました。
⑨ がんは何歳ぐらいがかかりやすい?
女性は20代からだんだんとがんにかかる人が増え、男性は60歳をすぎるといっきに増えます。かかりやすいがんの種類は年齢によってちがいます。白血病や脳腫瘍は小児がかかりやすいことで有名です。
⑩ 医者や看護師なるために行くと良い(おすすめの)大学はどこ?
大学を卒業するだけでは医師や看護師、薬剤師、検査技師などの医療従事者にはなれません。国家試験に受からないと仕事につくことができません。ですから、国家試験の合格率というのは、ひとつの目安になるかもしれません。
医療は色々な職種の人たちが協力しあって行うことなので、いまから色々なことに興味を持ったり、色々な経験をしたり、色々な人と話をしたりすることが、どこの学校に行くかということよりも大切なことじゃないかなと思います。