きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

銃と刀

2022年12月27日 | 教育
先日、小児のワクチン接種の際に、ちょっと怖い思いをしました。

8歳くらいの男の子で、2回目の接種だったかと思います。
ショックで正確なことは忘れてしまいました。
動揺して、確認し忘れたのかもしれません。

右手に銃、左手には大きな刀を持っていて、診察室に入ってきて、いきなり銃を乱射されました。

もちろん彼が持っていたのはおもちゃですが、刀は50cm以上もあって、振り回されたらケガをしそうなもので、手元のスイッチを押すと、刀が光ってうるさい音が出ます。

「痛かったら、これで殺す!」

彼と会うのは初めてでしたが、前回の注射は痛かったので、今日は武装してきたということらしいです。

お母様がやんわりと「やめなさい」とおっしゃっていましたが、それに対して彼は強く、「だって俺は痛いことされるんだぜ!」と反発して、武器を離そうとはしません。

看護師さんがなだめて、注射するときだけは、左手に持っていた刀を置いてくれましたが、右手には銃を持ったまま。
私が痛くないように注射しても、そのあと何発も撃たれました。


子供のやることだからと、自分をなだめ、落ち着いて対処するようにしましたが、内心はちょっと怖かったです。
さらに不安を強く感じたのは、彼が注射を嫌がる子供らしく、ワーワー騒いでいるのではなく、終始、冷静な態度でいたからかもしれません。
心療内科クリニックの殺人放火事件が頭をよぎりました。

もしも彼が、人を攻撃することでしか自分を守る方法はないと、このまま信じて疑わないまま成長してしまったら、この子の将来は一体どうなってしまうんでしょうか?



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カッコいい医者

2022年12月22日 | 教育
小学6年生にがん予防教室をリモートで行いました。

色々と質問が出て楽しいのですが、先日は、こんなことを聞かれました。


「ブラックジャックのようにオペがうまい人だったら、がんが進行していてもオペで治せますか?」

「いや、限界はあるね。」

子供たちの夢を砕くようで、少々胸が痛まないわけではなかったですが、学習の場なので、正直に真実を伝えました。


ブラックジャックに憧れて医者になった・・・という話は、案外よくききます。
男性医師に多いですね。

質問をしてくれたのも、男の子でした。

医者のなかでは外科医が一番カッコいい的なものの見方をしてほしくないという思いというか、外科医に対する対抗意識みたいなもの?も実は私の中に少々あって、「限界はある」とバッサリ(笑)答えてしまいました。

最近は、子供のための職業紹介学習の場があり、病院では外科医たちが子供たちに手術衣を着せて、手術用具を触らせてあげるなんていうことをやっています。
職業勧誘には楽しくて手っ取り早い方法かもしれませんが、私達内科医からしてみたら、どう見ても子供だましとしか思えません(笑)

子供たちには、最初から外科的治療は選択肢に入っていないがんもあることや、医者は外科医だけじゃないこと、医療現場には様々な専門家がいて活躍していることを教えてあげました。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

動画アップしていまーす!

2022年07月27日 | 教育

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アサガオ育てながら色々考えた

2022年07月14日 | 教育
選挙が行われる際には、自宅から徒歩5分の距離にある小学校が、投票会場になります。
校舎の脇を通って、会場である体育館へ行く途中、グリーンカーテンが育っているのを見つけました。

黄色い花が咲いているのはゴーヤー。
小さな実がすでについていました。
近年は、ゴーヤーは小学校のグリーンカーテンの定番になっているようです。

校舎の2階までネットが張られていたので、最盛期は見事でしょうね。

ゴーヤーの隣に、違う植物も植えてありました。
葉っぱが可愛らしいハート型をしています。
これって何ですかね?

うちのベランダでも、アサガオを育てており、今夏の一番のお楽しみになっています。

これは1週間ほど前の写真。
陽に当たっている側です。
根元の陰になっているところの葉の成長が遅いので、ネットを斜めにして、日当たり良くしてみているところです。
もさもさと、すごい数の葉が茂っていて、うれしいです。

昨年買った西洋アサガオの一鉢から取った種を蒔きましたが、街中のコインパーキングのフェンスに自然に茂っていたところからいただいてきた種が、かなり混じっています(笑)


これは今朝の写真。
物干し竿を利用してネットを張ったので、1mくらいでしょうか。
毎日観察して、蔓を網にうまく誘導させて、一番上まで来ました。
グリーンカーテンって、裏側からの眺めは、表とはだいぶ違うんですね・・・

まだまだ延びそうな勢いがありますが、さて、この後はどうしたらいいんでしょうか?
ちょうど段違い平行棒のように、物干し竿がもう一本設置してありますが、あとは自然に彼らが絡むのを見守ってみましょうか?

朝晩水をあげないと、葉がシンナリしてしまうので、毎日水やりをしながら観察しています。
蔓は、あまりにもこちらの都合だけで誘導しすぎると、ひょろひょろと先細りしてしまうことがあります。
それに比べて、ある程度進みたい方向に放置している蔦は、太くて丈夫に育っているものが多いようです。

きっと、子供の教育もそうかもしれません。
大人があまり誘導しすぎると、子供が持っている無限の可能性を狭めてしまいかねません。
命の危険が無い限り、人に迷惑をかけない限り、行きたいように(生きたいように)いかせるのが、一番幸せなんじゃないでしょうか。

子供の人生が親の人生の一部であるのは、おそらく3歳くらいまで、と考えたほうがいいのではないかという気がします。

「子供は3歳までに一生涯分の親孝行をしてくれる」という言葉もあります。

そんなこんなで、アサガオを観察しながら、あれこれと意外なことに考えが及んで、小学生の頃には体験できなかった面白さを、いま味わっています。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

道具と頭は使いよう

2022年06月07日 | 教育
子供の頃、祖母によく言われた気がします。
「道具と頭は使いようだよ」

人間は進化の過程で、道具を使うことを覚えました。
チンパンジーくらいになると、小枝を使ってアリをとって食べたりしますね。

趣味で10年ほど前から帯の仕立てを習っています。
楽器の演奏もそうですが、職人技というのは、目の前で見せてもらいながらご指導いただくのが一番です。

帯に入れる木綿の三河芯は寸法を測って、ハサミではなく、専用の包丁でザクザクと切ります。
この芯切り包丁の扱いが案外難しく、膝も痛くなるので、帯芯切りは仕立ての工程の中で一番嫌いでした。

アイロンがけの際の霧吹きの上手な使い方も、帯の師匠に教わりました。
ゆっくり、深くレバーを引くと、きれいな細かい霧が出ます。
ぜひ、アルコール消毒の際に試してください。
足踏み式のスプレーも、ゆっくり深く踏むと、細かい霧が出て、不必要に手をビシャビシャにせずにすみます。

職場の病院ではPCR検査役を受け持っています。
鼻に入れたあとの綿棒を試験管に入れてハサミで切る作業は、ペアを組んでいる検査技師さんがやってくれますが、ハサミの使い方ひとつとっても、上手な人と、そうでない人がいます。
ちょっとしたコツを教えてあげると、切れが悪いと思っていたハサミが、とたんに切れの良いハサミに変わるので、びっくりされます。
道具は使いようです。

そういう意味では楽器も道具のひとつですが、なかなかハサミのように簡単にはいきません。
長年の鍛錬が必要です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

じどり

2022年05月19日 | 教育
パソコンで「じどり」と入力したら、「地鶏」と変換されました。

でも話し言葉では「自撮り」と理解される場合のほうが断然多い気がします。

子供の頃、テープレコーダーに録音した自分の声を聞いて、いつも聞いている自分の声とは大違いなので、びっくりした記憶があります。

でも今は、スマホで誰でも簡単に動画が撮れるような時代です。
私はまだあまり慣れませんが、子供や若い人たちは、動画の中の自分の姿や声を、何の違和感もなく受け入れているのでしょうね。

先日、小学校の先生とリモートで、喫煙防止教室の打ち合わせをしました。
子供達には学校からタブレットが各自に配布されているそうで、授業で徐々に活用され始めているようです。
先生方には、ITを使いこなすという新たな課題が求められており、大変なご苦労があるとは思いますが・・・

コロナ禍で合唱ができなくなってしまっています。
先日テレビで、6年生だけによる卒業式の校歌斉唱の際、「心の中で歌いましょう」と、CD演奏が体育館に響き渡っている様子を見たときは、涙が出てきました。

授業の打ち合わせをした学校の最近の音楽の授業では、タブレット端末が有効利用されているというお話を聞きました。
歌やリコーダーのテストの際に、児童それぞれが自分の演奏動画を撮り、提出しているのだそうです。
子供達は、自分が納得できる演奏が撮れるまで繰り返しトライできるし、採点する側の先生にとっても、児童たちひとりひとりの演奏をチェックしやすいので、好評だということです。

これには、なるほど、と思いました。
昨今は、有名なコンクールでも、動画予選が行われているそうですからね。

自分を客観的に見るということは、案外難しいものです。
現実を直視することが自分にとって辛いということも、よくありますから。

でも上手にツールを使えば、自分磨きに役立てられるかもしれません。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜウィルスは変異するのか?

2021年12月26日 | 教育
先日、がん予防教室を行った小学6年生たちから、追加の質問がきましたので、お返事を書きました。


①膵臓は沈黙の臓器と言われますが,膵臓ガンは見つかってからだと治せないのですか?


一般的に沈黙の臓器と言われているのは肝臓です。なぜなら、肝臓は大きい臓器なので、すぐには機能に影響が出ず、かなり悪くなるまで症状も出ないからです。
すい臓はお腹の一番奥のほう(背中に近い方)にあって、小さい臓器なので検査で見つけづらく、症状が出た時には、がんがすでにまわりに広がってしまっていることが多いです。
そうすると手術ではがんを取り除くことができないので、放射線治療や抗がん剤治療を行います。


②医師になる時に大変だったことは?嬉しかったことは?どうして医師になろうと思ったのですか?


人の役に立ち、やりがいのある仕事として医師を選びました。
専門的な免許(国家資格)を持っていると、社会で生きていくのに、とても頼りになります。
医学部に入るための勉強も大変でしたが、大学に入ってからも覚えることがたくさんあって、落第しないように、いつもがんばって勉強していました。
でも同級生達と一緒に勉強するのは楽しかったですし、部活動も一生懸命やりました。


③人間以外の動物が運んだり作ったりした病気で代表的なものを具体的に教えてください。


人と脊椎動物、両方がかかる感染症を「人畜共通感染症」といいます。
身近なものに「アニサキス症」があります。サバなどにいる寄生虫が原因です。お刺身を食べる時には注意が必要です。
豚肉もよく焼かずに食べると、寄生虫に感染したり、食中毒をおこしたりします。
「狂犬病」は狂犬病ウィルスが原因の人畜共通感染症です。予防接種が義務づけられています。コウモリが狂犬病ウィルスを持っていることもあるので、かまれたりしないようにしましょう。


④どうしてウイルスは変異するのですか?(変異とはなんですか?)


細胞が分裂したり増えたりするときには、遺伝子という設計図が必要です。細胞が増えるときに、この設計図も繰り返しコピーされていきます。そうしているうちに、この設計図が間違ってコピーされることがあります。これを変異といいます。
ウィルスはヒトや動物に入り込むことで、遺伝子コピーを行いながら、増殖しています。そうしてたまたま起こった遺伝子コピーの間違い、つまり変異が、ウィルスの生存に都合がいいと、その変異ウィルスが世の中に広く出回るようになるのでしょう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『はたらく細胞BLACK』

2021年12月14日 | 教育
自分が興味を持っていないことについても、ある程度アンテナをはっていないといけないなあ・・・と思ったことがありました。

今日、小学6年生にリモートでがん予防教室を行いました。
4年生のときに喫煙防止教室を行った子供たちです。

喫煙防止教室の授業は「タバコの本当の話」という題をつけていますが、がん予防教室のほうは「さあ、がんの話をしよう」といいます。

養護の先生にスライドで授業を行っていただいてから、リモートで子供たちの質問に答えました。


「一番致死率が高いのは、何がんですか?」

ずいぶんと難しい言葉を知っているなあと、びっくりしました。


あとで、養護の先生から聞いたのですが、「はたらく細胞」というマンガが、子供たちにとても人気があるのだそうです。

普段、マンガはまったく読まないので、ぜんぜん知りませんでしたが、検索してみましたら、すぐに色々と出てきました。

養護の先生のおすすめが「Blackシリーズ」ということでしたが、たしかに面白そうです。
さすが、マンガ大国日本ですね。
登場人物の名前がそのまま赤血球や白血球というのがいいいですね。

あ~、なるほど!

先日の喫煙防止教室で、「白血球や赤血球への影響」について質問されたのですが、きっと彼もこの漫画を読んでいるのですね!!

【漫画】飲酒、喫煙、睡眠不足…過酷な労働環境に赤血球白血球たちは何を思う…『はたらく細胞BLACK』| English sub【公式】

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トロイメライと白鳥

2021年10月22日 | 教育

T小学校で、5年生の喫煙防止教室と、6年生のがん予防教室をリモートで行いました。
10年くらい前から毎年講師として招いてくださっている学校です。


前年度は学校のIT環境も十分整っているとはいえませんでしたから、小中学校では、昨年の秋以降、感染予防をしながらの対面授業が通常のようです。

今年度、喫煙防止やがん予防教室のご依頼をいただいていている学校は、訊けば、外部講師と学校をリモートでつないで授業をするのは初めてというところばかりです。

長年、多くの学校で喫煙防止教室を行ってきたおかげで、養護の先生方とは旧知の仲で、ざっくばらんに話ができます(私の性格かもしれませんが・・・)。
なので、感染が落ち着いてきた状況ではありますが、リモート授業でやってみませんかと積極的に提案しています。

今はちょうどITの技術革新が進み、新しい時代へ移り変わっている最中です。
教育にも、どんどん新しい技術が取り入れられていくでしょう。
デジタルネイティブなZ世代の子ども達にとっては、パソコンやスマホ、タブレットの扱いは慣れたものです。
オバサン・オジサンたちも、苦手意識を払拭し、使いこなしていかないと、老後の生活に支障が生じるのでは?という心配があるのも事実です。

リモートであれば、職場にいながら講話ができるので、講師側にとっては、時間と経費の節約にもなります。

また、わたし個人としては、喫煙防止教育は「後進育成」の段階にあるので、学校の先生方にどんどんやってもらって、引き継ぎをしていきたいと思っているところでもあります。


以下は今回のT学校の課外授業本番当日までの流れのメモです。

1.Google Meet 接続環境確認
2.学校側とオンラインミーティング(5年)
3.授業前アンケート実施
4.学校の先生による授業実施(私が作成したスライドや資料を使用)
5.授業後アンケート実施・児童各自が感想や質問を提出
6.オンラインミーティング(児童全員で感想や質問を共有する時間を持ってもらい、本番当日に直接質問したいことをまとめておくことにした)
7.本番(オンラインでの質疑応答)

45分間授業のすべての時間を、各学年4クラスと保健室、そして私をオンラインでつなげ、質疑応答を行いました。

今回使ったのはGoogle Meet。

Google acountを持っていると、アンケート資料なども共有しやすく、音声や画像の接続具合もストレスなくスムーズで、ZOOMよりも好印象でした。

学会や講演会はオンライン配信され、ハイブリッド形式で行われたりしていますが、そもそも医療職はリモートワークができない業種ですので、おそらく他の職種の方達よりも、「リモート」には不慣れかもしれません。
学校にはIT専門補助担当の方がいらっしゃり、色々と助けてくださっていました。

学校へ直接伺って授業をする時は、最初に校長室に通され、校長先生とご挨拶を交わし、授業後も、校長室で少しお話をしてから帰るというのが通例です。

今回は、授業の開始前と二授業の終了後に、養護のA先生が保健室からタブレットを持って校長室に行ってくださり、校長先生にご挨拶することができました。

授業の締めには、チェロで1曲披露。

6年生にはシューマンの「トロイメライ」、5年生にはサン・サーンスの「白鳥」を弾きました。
宇宙ステーションから授業をする時代なんですから、医者が病院でチェロ弾きながら授業するのもアリですよね。


今後は、リモートで、児童対象の職場見学や院内ツアーとか、職場内の他の医療職との一問一答交流などもやってみたい・・・と妄想を膨らませています。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タバコの本当の話2021(中学生版クイズ編)

2021年06月04日 | 教育
タバコの本当の話2021(中学生版クイズ編)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする