きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

禁煙に取り組もう

2021年05月31日 | 教育
本日5月31日は世界禁煙デーです。
WHOが毎年スローガンを掲げています。
https://www.who.int/campaigns/world-no-tobacco-day

今年のスローガンは、「Commit to quit」、「禁煙に取り組もう」です。

WHOのサイトを見ると、「タバコをやめるべき100以上の理由」などが書いてあり、冒頭に掲げられているのが「新型コロナに感染した場合、喫煙者は重症化しやすく、死亡リスクが高くなる」ということ。

昨年、志村けんさんが亡くなった時に受けた衝撃を、思い出してほしいです。


さて、コロナ禍で、なかなか学校へ出かけて行って喫煙防止教室ができない状況にあるため、音声付きスライドショーを作りました!
2021年中学生版としてYouTubeにアップしました。

中学校で喫煙防止講話を行うときは、体育館などに大勢の生徒を集めてやることが多く、なので、全員参加型のクイズ大会をまずやって、集中できるようにします。
毎回とても盛り上がるので、私も楽しかったです。

今回作成したスライドショーは、新たに2021年版として、がん教育やウィルス感染などの話題も盛り込んだ問題も作り、最初から最後までクイズ形式で進みます。

そしてなんと、挿入してある音楽は実際に私が演奏しています!
そのへんのところも、どうぞお聞き逃しなく!

タバコの本当の話2021(中学生版クイズ編)






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ワクチン騒動

2021年02月26日 | 教育
昨今のワクチン騒動で思い出したことがあります。
中学生のときの英語の暗唱大会のことです。

英語の教科書から好きな文章を選んで暗記し、みなの前で諳んじるのです。

私はたしか2年生の時、クラス選抜、学年選抜を経て、最終的に学校を代表する3人のうちの1人に選ばれ、市の大会に出場しました。
3人とも女子でした。

今では英語を母国語とする外国語指導助手(ALT)が小中学校にいることはめずらしくないですが、その頃は外国人が吹き込んだスピーチ練習用教材のカセットテープだけが頼りでした。

市の大会に向けては、放課後に私たち3人は、英語の先生の特別指導を受けました。

他の2人はすでに大会出場経験があり、とても上手でした。
私はというと、先生から「君の声は、とおりが悪いんだよね・・・」と半ばあきらめ顔で言われたのを覚えています。

実は、学校の先生から自分の声のことを悪く言われたのはそれが初めてではありませんでした。
小学校の音楽の時間に、楽しくて一生懸命歌っていたら、音楽の先生から「ひどい声だ」と言われたこともありました。
親にそのことを伝えたら、母親のおなかのなかでへその緒が首の周りにまきついていたせいだと、ダメだしをされました。
まあ、だからといって特に落ち込んだりはしませんでした。
今考えれば、あの頃はメンタルが強かったんですね。

市の大会までどのくらいの期間があったのかは覚えていませんが、教科書に載っていた発音記号の解説まで深く読み込んで、鏡を見ながら口の開け方、舌の使い方までも練習したりして、自分なりに練習を工夫して、市の大会に臨みました。

会場となったのは市役所の会議室でした。
他校から出場している生徒たちは、みな強敵に見えました。
あのときの緊張した空気感は、何十年たった今でも忘れられません。

そして結果はなんと優勝。
「The first prize is・・・」のあとに自分の名前が呼ばれたときは、本当に信じられませんでした。

審査委員長はイギリス人で、表彰式で彼と握手したときの手の感触や、賞状に書かれたWilliam Wallaceという彼のサインの字面まで思い出せます。

このことはその後の自分にとって、とても大きな自信となりました。
ですから、チャンスをもらえたことには、とても感謝していますが、大人たちは子供たちが持っている可能性を潰すようなことを言ってはいけない・・・と大人になった今は強く思います。

さて、この話のどこがワクチンに関係しているのか?(笑)

実は、この暗唱大会で私が選んだ文章というのが、生化学者パスツールが狂犬病ワクチンを開発したときの逸話だったのです。


新型コロナワクチンについて、医療従事者から優先的に接種が始まっています。
私は医療従事者としての責任から、毎年インフルエンザのワクチンを受けていますし、コロナワクチンについても、順番が来れば迷わず接種を受けます。

ですが、先に接種を受けた(男性)医師達が「ちょっと怖かったけど、だいじょうぶだった」とか、「ぜんぜん痛くなかった」みたいな感想を言っているという報道をみると、幼稚園児じゃあるまいし、もっとましなことを言えないのか?!と思ってしまいます。

報道する側の切り取り方にも問題はあるでしょう。

こんなふうに、最近はこの国の成熟度の低さを実感することがあまりにも多く、そのたびに心がざわついてしまいます・・・

200年以上前、最初に狂犬病ワクチンを受けた少年たちが今の状況を見たら、どんな感想をもらすでしょうかね?




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死んでしまっているわけではない

2020年10月05日 | 教育

TEDですばらしい講演に出会いました。
感動で泣けてきました。

お時間のあるときに、ゆっくり、何度でも、ご覧ください。
最後の3分間くらいに、彼のメッセージが凝縮されています。

死の谷は、死んでしまっているわけではない。

花開くには、良い環境が必要・・・

教育分野に限らず、多くの人に受け取って欲しいメッセージです。

創造性豊かな人々がのびのびと生きられる社会となれば、未来は明るいはずです。

大変残念なことに、ロビンソン氏はすでに亡くなっています。
けれども、彼の素晴らしい理念は、これからもきっと引き継がれていくに違いありません。


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仲間は必要

2020年07月14日 | 教育
禁煙治療やタバコ対策への取り組みは情熱と忍耐が必要です。
ですから、長くやればやるほど、孤立感に苛まれやすい。
それは、がん治療の最前線の医療現場にいても(残念ながら)感じていることです。

私が対峙しているなかで最も悩ましい相手は、依存に苦しむ喫煙者たちではなく、今や必死に生き残ろうとしているタバコ販売組織ですらもなく、「たかがタバコ」「タバコは個人の嗜好・思考問題」「自分は吸わないから関係ない」「医者による喫煙防止教育は趣味・副業」といった考えの人たちなのではないか・・・最近はふと、そんなふうに思うようになりました。
そのせいか、少々心が疲れ気味です。

そんな状況で、同じ方向を見ている仲間がいる、そういう人たちと繋がっていると感じられることは、自らの存在価値を確認でき、とても心強く、励みになります。

医療者のみならず、さまざまな職業のかたがオンラインで繋がり、社会の禁煙化推進のための建設実行的な勉強会が開かれている場があり、参加しています。
ご興味のあるかたは、どうぞ下記サイトをご覧下さい。


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オンライン授業

2020年04月22日 | 教育
数年前から通っているフランス語会話教室で、昨日、オンライン授業を経験しました。

在日仏人であるG先生は、当然のことながら本国フランスの救援対策を受けられません。
個人経営者にとっては切羽詰まった状況です。

彼は首都圏に緊急事態宣言が出されたときから、メールで宿題提出ができるようにしたり、授業を休んだ人のためにYouTubeでのビデオ配信を開始していました。

感染症対策というのは、危機管理対策です。
3密を避け、手洗いやうがい・マスク着用などで感染を拡げないための対策をするのはもちろんのこと、そうしていても最悪の状況になってしまったときのことを想定した対策も平行して十分行っていく必要があります。

私は先月、個人的に、Zoomを使ったオンライン会議の研修会に参加しました。

ですから、仏語クラスのオンライン授業でも同じアプリを使うことになったとき、クラスメートを誘って「着物コーディネート会」と称して、お遊び体験もしていましたので、昨日の本番ではそれほど戸惑うことなく授業を受けることができました。

実際に使ってみると、良い点、悪い点、工夫すべき点、課題等が見えてきます。
オンライン診療となったら、導入は慎重に検討しなければなりませんし、入念なリハーサルも必要となるでしょう。
でも、とにかく、余裕があるうちに(!)、やってみることが大事だと実感しました。

昨日の経験で「一時的・補助的手段としては意外といけそうだね」と感じられたのは、大きな収穫でした。
でも、これがずっと・・・というのは、楽しくないです。

今朝、散歩の途中で、学童保育へ行くところだという同僚医師とその子どもたちとすれ違いました。
RちゃんとNくんとは、年末に会ったきり。
会えばいつも元気に挨拶してくれる可愛い姉弟ですが、マスクをしているせいで表情がわかりにくかったせいか、それとも単に早朝だったせいかわかりませんが、心なしか元気がないように見えました。

お互い足を止めることもなく、距離を保って挨拶を交わしただけでしたが、子どもたちには「しっかり手洗うのよ~!がんばろうね~。いってらっしゃい!」と声をかけてバイバイしました。

そうか、私たちはいま、がんばっているんだ・・・
ふと、そう気づかされた朝でした。








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生徒諸君!

2020年04月16日 | 教育
医療者をめざしている生徒諸君。

真新しい教科書を手に、希望にあふれて勉学に励む春・・・のはずですが、コロナの影響で学校が閉鎖され、君たちは今、どんなふうにすごしているのでしょうか?

オンライン授業の導入は、スマホとWi-Fi環境さえあれば、いまや無料で手に入る便利なアプリがありますから、簡単ですね。

でも、オトナたちは色々と大変なんです。

デジタル技術の扱いに慣れている君たちならば、自分達で学習環境を整えることだってできるはずです。
どうか、オトナたちを助けてください。

医療者をめざしている君たちには、いまいちどじっくりと、「健康」とは何かについて考えてほしいと思っています。
私たちの大切な命を守るために、もっとも大切なこと、必要なことはなんでしょうか?

いま私たちは、このことを考えるチャンスを与えられているのだ・・・日々、繰り返し、そんなふうに思っています。

さあ、今日からでも、電話や各種アプリを使って、クラスメートとコミュニケーションをとり、一緒に勉強し、議論しあってください。

ただし、議論するうえでのお約束。
お互いを尊重し、表面的な「いいね」ではなく、真に認めあい、相手のことを理解し、みんなで一緒に学習するという姿勢を大切にしましょう。

講義ではいつも言ってきたことですが、君たちが学習したことは、医学や医療の知識がない人たちにも、やさしい言葉で、わかりやすく説明してみましょう。

自分がほんとうに理解できていないと、それって難しいってことがわかるでしょう?

頭ではわかったつもり・・・で終わりにしては、なにも変わらない。変えられない。
じっさいに行動できるようにしなくっちゃ。

この時代を乗り越えた先の自分の姿を、希望をもって思い描いていますか?
私たちならできるはずです。
やりましょう!






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