きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

認知症施策

2024年09月03日 | ヘルスリテラシー
今朝、病院での出来事。

車椅子でご来院の高齢女性を、付き添ってこられていたご家族に代わって、ご案内したときのことです。
その患者さんは病気が進行して、体力・気力がだいぶ落ちてしまっている様子で、あまり体調は良くないようでした。

順番がきて採血室に入る際、患者さんの夫と思われる方が、「たくさん血採っちゃってやって!(頭をくるくる指さしながら)これだからさ!」とおっしゃるので、ビックリしてしまいました。

つまり、「こいつ、頭が変になっちゃってるから、たくさん血を抜いて、もっと弱らせてしまってくれ」みたいな意味でおっしゃっているのでした。

冗談にしたって、かなりキツイ・・・


ご自身も高齢である夫君は、介護で心身ともに疲れてしまっているのかもしれません。

それで思わず、憎まれ口をたたいてしまったのかもしれません。

でも、ちょっと聞き捨てならないなあ・・・と心配になりました。

私の両親も数年前、老々介護で共倒れは時間の問題・・・という状況になりました。
認知機能が低下気味で忘れっぽくなったり、怒りっぽくなった母に対して、父がイラついたり、父自身も精神的に不安定になることが多くなっていました。

核家族化の進んだ高齢化社会では、こういう状況は決して珍しいことではありません。

実際に、介護疲れで、殺人や無理心中などといった事件も世間では起こっています。

病気になって体が言うことをきかなくなるだけでなく、認知機能が低下して、コミュニケーションがうまくとれないとなると、精神的ストレスが大きくなり、よけいに状況は悪化します。


今日のニュースから・・・
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認知症施策推進基本計画の重点目標
①新しい認知症観の理解促進
②認知症の人の意思尊重の促進
③周囲と支え合い、地域で安心して暮らせる環境の整備
④認知症をめぐる新たな知見や技術の活用
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