日本では、小学生から高校生まで、自分達で教室はもちろんトイレ、庭などを、毎日掃除します。
お昼ごはんを食べたあとや、授業が終わったあとなどに、20分間くらい、掃除の時間が毎日のカリキュラムに組み込まれていて、先生達も一緒に、全校で掃除に取り組んでいますよね。
大学に入学してみたらば、掃除専門の人が働いていて、学生は何もしなくていいことに、しばらくは違和感を覚えました。
大人になってからわかりましたが、あの掃除の時間も授業だったのだと思います。
四角い部屋をホウキで丸く掃いていると、すみにゴミがたまってきれいにならないとか、雑巾はしっかり水を絞ってから使うのだとか、窓を曇りなく綺麗に拭きあげる方法とか、トイレを汚さないように使う方法だとか····
これらの方法は10歳までに習得しました。
学校で掃除をしていたお陰です。
今の子供達は、感染防御という観点からも、より広く学習していることでしょう。
衛生管理の方法を学習し、身のまわりを清潔に保つ方法を学習させることは、そのまま子供達の命を守ることに繋がります。
家庭においても同様です。
私は外から帰宅した時には、何はさておいても、まず洗面所へ行き、手洗いとうがいをする習慣があります。
驚いたことに、洗面所に向かうときはいつも、「まずは手を洗いなさいねー」という母の声が、この年になっても頭のなかに響いています。
これが、真の教育の成果というものでしょう。
海外の学校には、子供に掃除をさせる習慣がないところが多いそうですね。
しかも、子供達に掃除をさせようとするなんてけしからん、と反発する親も多いと聞きます。
教師も、掃除は自分達の仕事ではないと当然のようにとらえているようです。
ですから、トイレや手洗い場が汚いと、掃除係や、その管理者である市町村にクレームをいれるわけです。
海外の人と学校の掃除について話をすると、たいてい学校が汚いのはだれの責任かとかいう方向になるので、そもそも議論の焦点が違うんだよなあと感じます。
それは、きっと、掃除も教育の一貫であるという考え方がないからなのでしょう。