データベースの話をして,シソーラスの使いみちはあるのかないのかという疑問に答えず4稿目を終えたが,これは必要ということを証明したい。インターネット上の博物館や美術館を訪ねると背景に美しい画像や写真が動いたりする。どこに文化財や美術品があるのかわからない。大抵,催し物の案内やら交通アクセスが目立つだけである。 |
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よくよく調べてメニューをクリックして探して歩くと,研究という項目にぶつかる。その中にデータベースという言葉がでてきた。やっと目的地に着いた。その中の検索画面という案内をクリックして出てきたものが以下の画面である。これは「国立歴史民俗博物館」の検索画面である。
 何ともいい難い砂を噛むような気持ち。無味乾燥。我慢して見ていくと,順に「フリーワード検索」ボックス内に検索語をいれ検索ボタンを押してください。その下も同じく,資料名称,コレクション名称をいれ,検索ボタンを押してください。しかし入れるものがわからない。 |
唯一の頼みは「検索語例」である。開いてみると,ひとつの資料のページのフィールド(項目)の言葉が出ている。 【資料番号】 A-24
【資料名称(漢字)】 朱印状
【資料名称(カナ)】 フクゲンモケイ
【コレクション名称(漢字)】中国古鏡
【コレクション名称(カナ)】モノガタリ
【指定】 国宝
【数量】 27
【法量】 13.30
【材質】 土
【実物・模造】 模造
【尺度】 模1 : 1原
【製作年代】 弥生時代
【使用地】 村上遺跡
【備考】 差出
ここから得られる助けは「朱印状」「古鏡」「弥生時代」「村上遺跡」の4語くらいである。これだけではイメージに合う「宝物」は発見できそうにない。 |
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シソーラスというのは同義語を集めたものである。普段その道に通じていなければ出てこない言葉の集大成である。博物館を見学するには言葉を用意して出かけなければ収穫はない。美術館もしかり。それぞれに合う用語の辞典がシソーラスである。必要性を感じている。 |