はい、生きてます。
新型コロナのせいで仕事がめちゃくちゃバタバタしていますが、とりあえず生きてます。
なんやかんやいろいろ起きてますけど、とりあえずは落ち着くまでやれることやるしかないですね。
さて、昨日今日と俄かに盛り上がってる検察庁法改正の話題。
Twitterのトレンド見たらタグ(抗議しますってやつね)含むツイートが250万くらいありましたね(俺が見たとき。増減はあるかもね)
あまりに反対のツイートばっかりでちょっとバランスが無くて(普通なら賛否両方あるから)、違和感を覚えるレベルだったので、諸々法律やら昨今の動きやら見たわけですよ。
で、自分の中でざっくり整理してみたんだけど、
1、「三権分立を脅かす」っていうこと
検察庁って「官庁」なんで、大前提は「行政」枠です。
司法的性質も持ってるので、扱いは慎重にすべき部分ですが。
今回話題になっている黒川検事長の定年延長について、現行法&解釈に照らし合わせると厳しいかなと。
・検察官は全員が一般職国家公務員なので、基本的に国家公務員法が適用されますが、
一般法と特別法の関係から、国家公務員のうち、特に検察官に適用されるルールとして検察庁法があり、
特別法優先の原則に則って、検察庁法が優先される。
ちなみに検察庁法:1947年4月(この時点で定年明記されている。)
国家公務員法:1947年10月
ではある。
・1981年の改正国家公務員法で、定年や定年延長の内容が盛り込まれる。
(第八十一条の二、第八十一条の三)
後法優先に照らし合わせると、改正国家公務員法適用されそうなもんですが、そこは特別法である検察庁法との兼ね合いが出てくるぞと。
・第94回国会 衆議院 内閣委員会 第10号 昭和56年4月28日(国会会議録検索システム)の中で、「既に検察庁法で定まってるから適用しない」って答弁がある(これが現在まで活きてる解釈)。
https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=109404889X01019810428
要は「立法府」で提示された解釈について、「行政府」が勝手に解釈変更して検察官の定年延長したってのが問題ってことですね。
ここは確かにきっちりした説明が必要でしょう。
(新旧対照表見たら、検察庁法に盛り込むっぽいっすね→
https://www.cas.go.jp/jp/houan/200313/siryou4.pdf)
2、人事介入して都合よくやる論
検察庁法第十五条が
「検事総長、次長検事及び各検事長は一級とし、その任免は、内閣が行い、天皇が、これを認証する。」
なので、そもそもこれまでだって内閣は関わってます。
これまでだって現与党のやらかした議員に対応はしてるわけで、ちょっと無理やり論な気がしますこれは。
「内閣がどういう基準で定年延長させるかがハッキリしないと怪しい」っていう指摘なら理解できる。
(人事院規則での定めにはならんと思うのよね。任免自体内閣だから、内閣府令ですらないかも。行政にしか影響無い部署なら特段騒がれないだろうけど、司法にも絡むちょっと特殊部署だから騒ぎになってる)
3、黒川検事長の進退について
署名で退任求めるとこまであったけど、そこはちょっと別かなあ。
4、タイミング
日本中がコロナで大変な状況に陥っている中で、これを今やる理由はわかんないですね。
なんというか、コロナでバタバタしだした頃の国会でも延々と桜だモリカケだ言ってた野党と変わらん。
関連する法律があって時限的に決めなきゃマズイとかあるならともかく、それっぽいの無かったしなあ…
引っかかったのはこの辺ですかねぇ。
ちゃんとした議論、調整を経たうえでやるなら異論は無いんだけど、強引さと今のタイミングじゃねぇよなあっていう。
少なくとも、今の国会で無理やり通したら愚策。
今国会で説明すべきことはキッチリ説明は必要でしょうが、施行が2022年4月1日予定なら最悪次の国会でもなんとかなる気がする。
ついでに、芸能人、有名人がタグつけてツイートしてたからそれに乗っかってる感じの人が多そうだなっていう印象を持ってしまったので、そこはうーんっていう。
賛成、反対、それぞれ意見があるのは大事なことで良いと思うんだけど、ベースになる多少の知識の吸収もしていかないとなと思うのです。
(Twitterなんて字数制限がある関係で、ファーストインパクト与える表現にだけ全力出してるの多いし)
参考
・いったい検察庁法改正案の何に抗議しているのか
https://note.com/tonfi/n/n95a2265c6273
・国会会議録検索システム
https://kokkai.ndl.go.jp/#/?back
・Twitter「#検察庁法改正法案に抗議します」タグ