被爆者、スペイン国会で訴え
被団協と原水協 欧州遊説始まる
【マドリード=加來恵子】ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中重光代表委員と、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の土田弥生事務局次長らの代表団によるスペイン・フランスでの被爆者遊説が16日、始まりました。同日、スペイン国会議事堂内で国会議員と共に討論会「核の脅威のない世界を目指して」に参加し、「核なき世界」の実現を呼びかけました。主催はスペイン核軍縮同盟です。
エンリケ・サンティアゴ議員(スペイン共産党書記長)は、ウクライナ侵略や中東の紛争にふれ、「戦争が広がる可能性が高まっているからこそ、スペイン政府は核兵器禁止条約に署名し、核なき世界を目指すべきだ」と語りました。
地域政策・民主的記憶省のソライダ・イホサ局長は、全ての国が核兵器により何が引き起こされるかを知らねばならないと指摘し、「二度と核兵器が使われないよう被爆者の話に耳を傾けよう」と呼びかけました。
会場からスペインは禁止条約に参加しないのかと質問がだされ、サンティアゴ議員は「時間がかかるだろう。核兵器廃絶に向けて働きかけることが重要だ。下院で議論する」と答えました。
土田事務局次長は、スペインで禁止条約に参加する世論を広げるために来たとして、日本政府に禁止条約の批准を迫る運動を行っていると語りました。
田中代表委員は、4歳の時に長崎で被爆した体験を証言。「人類が核兵器で自滅することのないよう核兵器も戦争もない世界を求めて共に頑張ろう」と呼びかけました。
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