内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

シリーズ 被災地の復旧、復興に一つになろう、日本! (その3)

2011-04-21 | Weblog
シリーズ 被災地の復旧、復興に一つになろう、日本! (その3)
2、福島原発被災事故への対応と今後の電力政策
福島原発被災事故は、東日本大震災による被災対策を非常に複雑且つ危機的なものにすると共に、首都圏の経済社会活動に大きな影響を与え、それへの対応が長期化する様相を呈している。同時に、今後原子力政策や電力供給政策の再検討を余儀なくされている。
基本的に「想定を越えた災害」が起こったとは言え、福島原子力発電所における大規模地震や津波災害への備えが十分でなかったことが明らかになったと共に、原子炉に危機的な異変が起こった後の対応振りや備えがハード、ソフト双方の面で十分でなかったように思われる。これまで検出されている放射能レベルから原子炉内の核燃料や冷却されている使用済み核燃料が融解、損傷し始めていることは明らかであり、強い放射能の漏出のため冷却装置の復旧作業を一層困難にしている。その安定化には相当の長期を要するものと予想される。
この状況は、核融解の瀬戸際という国家危機とも言えるところであるので、東京電力1企業の能力を超える段階に来ていると言えよう。これのような状況を受けて政府(原子力安全・保安院)は、4月12日、国際的な核安全基準の暫定評価を最高レベルの7「危険な状態」に引き上げた。この評価についても、86年のチェルノブイリ原発事故と比較して放射能レベルは低い、或いは公表が遅すぎた、今後更に何が起こるのかなど、様々な意見が出されている。
放射能防護などについては、日本だけではなく、核先進各国の核防護スペシャリストや軍の核防護スペシャリスト、或いは放射能防護のための資機材の提供など、あらゆる可能な方法を総動員する必要があろう。
3月11日に発電施設が地震と津波で被害を受け、原子炉等の冷却装置が作動しなくなって以来、東電の職員、関係者や消防、自衛隊等が昼夜に亘り事態に対処しているが、放射能の危険の中で免震重要棟において寝泊りし最悪の事態を回避するため原子炉の安定化に努力している姿は、日本人の責任感の強さと士気の高さとして多くの国でも賞賛されている。後手に回っている、情報伝達が遅いなど各方面からの批判はあるが、過酷な状況で健康を掛けて沈静化作業に当たっている現場の作業員を激励し、支援することも重要なのであろう。少なくても寝具、食料や放射線防護用品などを十分に供給すると共に、放射線量なども勘案してローテンションを組み、休憩組みは少し離れた適当な宿舎で休ませるなど、作業員の健康保持に留意することが強く望まれる。
今後原子力政策は再検討を余儀なくされ、また原子力発電所建設に関する途上国援助についても安全性の向上や危機時の対応の必要性を含め慎重に再検討する必要があろう。そして今後の電力供給については、電力消費の節減を図る一方、原子力発電の安全性向上のための更なる研究はもとよりのことであるが、基本的に原子力に依存しない体制を築いて行くことが望まれる。例えば高層ビルや工場については、屋上や屋根に太陽光パネルを敷設し、或いは太陽光フイルムを窓ガラスに張るなどして太陽発電をもっと組織的に利用するなど、技術力を発揮すべきであろう。また水力発電についても今一度国レベルだけではなく、地域レベルでも再検討して良いのであろう。若干コスト高になるが、地域、コミュニテイ・レベルでの中規模水力発電なども検討の価値があろう。また東日本と西日本とで電気の周波数を統一するか互換性を持たせることが急務だ。
 危機時にはシナリオはない。どのような危機も、想定外の災害や事故が重なり危機的な状況となって行くので、どうしても芋ずる式対応になりがちだ。それを事象が分ってから批判することは簡単であるが、大切なことは現場の者を鼓舞し、対応の仕方を示して挙げることであろう。現場の者は全て各々真剣に事態に対応しており、事態の収束を最も強く願っているのも現場の者である。
しかし行政組織を一つにまとめるためのリーダーシップが必要だ。リーダーシップとは、判断の上決断し、その結果に責任を取るということであろう。行政執行の専門集団である行政各部は、責任を共有する組織であるので、どうしても責任が分散されることは避けられない。また従来築かれた制度、ルールに従って行動している以上、どうしてもそれを擁護する意識が働くことは自然な流れであろう。それだけに大きな政策判断や危機時などには政治的リーダーシップの下での決断が重要になって来るのであろう。
 各種の批判等があるが、旧来の政治・行政では想定していなかった大震災に遭遇しているので仕方がないのであろう。東電福島原発自体が被災者でもある。大災害への備えが十分でなかったとの批判があり、これらの制度を築いて来た人達を含め誰も予想し得なかったとしても、結果論としては批判は避けられないのであろう。過去の安全・保安体制に不備があったことは明らかであり、再検討を余儀なくされよう。しかしそれは当面の危機を回避し、6基の原子炉が安定状態となったからでも遅くはない。
当面の国民や世界の関心は、危機の回避、原子炉の安定化、放射能の封じ込めである。小異を越えて政府、与野党が一つになりこの国家危機を回避して欲しいものだ。(2011.04.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2、福島原発被災事故への対応と今後の電力政策
福島原発被災事故は、東日本大震災による被災対策を非常に複雑且つ危機的なものにすると共に、首都圏の経済社会活動に大きな影響を与え、それへの対応が長期化する様相を呈している。同時に、今後原子力政策や電力供給政策の再検討を余儀なくされている。
基本的に「想定を越えた災害」が起こったとは言え、福島原子力発電所における大規模地震や津波災害への備えが十分でなかったことが明らかになったと共に、原子炉に危機的な異変が起こった後の対応振りや備えがハード、ソフト双方の面で十分でなかったように思われる。これまで検出されている放射能レベルから原子炉内の核燃料や冷却されている使用済み核燃料が融解、損傷し始めていることは明らかであり、強い放射能の漏出のため冷却装置の復旧作業を一層困難にしている。その安定化には相当の長期を要するものと予想される。
この状況は、核融解の瀬戸際という国家危機とも言えるところであるので、東京電力1企業の能力を超える段階に来ていると言えよう。これのような状況を受けて政府(原子力安全・保安院)は、4月12日、国際的な核安全基準の暫定評価を最高レベルの7「危険な状態」に引き上げた。この評価についても、86年のチェルノブイリ原発事故と比較して放射能レベルは低い、或いは公表が遅すぎた、今後更に何が起こるのかなど、様々な意見が出されている。
放射能防護などについては、日本だけではなく、核先進各国の核防護スペシャリストや軍の核防護スペシャリスト、或いは放射能防護のための資機材の提供など、あらゆる可能な方法を総動員する必要があろう。
3月11日に発電施設が地震と津波で被害を受け、原子炉等の冷却装置が作動しなくなって以来、東電の職員、関係者や消防、自衛隊等が昼夜に亘り事態に対処しているが、放射能の危険の中で免震重要棟において寝泊りし最悪の事態を回避するため原子炉の安定化に努力している姿は、日本人の責任感の強さと士気の高さとして多くの国でも賞賛されている。後手に回っている、情報伝達が遅いなど各方面からの批判はあるが、過酷な状況で健康を掛けて沈静化作業に当たっている現場の作業員を激励し、支援することも重要なのであろう。少なくても寝具、食料や放射線防護用品などを十分に供給すると共に、放射線量なども勘案してローテンションを組み、休憩組みは少し離れた適当な宿舎で休ませるなど、作業員の健康保持に留意することが強く望まれる。
今後原子力政策は再検討を余儀なくされ、また原子力発電所建設に関する途上国援助についても安全性の向上や危機時の対応の必要性を含め慎重に再検討する必要があろう。そして今後の電力供給については、電力消費の節減を図る一方、原子力発電の安全性向上のための更なる研究はもとよりのことであるが、基本的に原子力に依存しない体制を築いて行くことが望まれる。例えば高層ビルや工場については、屋上や屋根に太陽光パネルを敷設し、或いは太陽光フイルムを窓ガラスに張るなどして太陽発電をもっと組織的に利用するなど、技術力を発揮すべきであろう。また水力発電についても今一度国レベルだけではなく、地域レベルでも再検討して良いのであろう。若干コスト高になるが、地域、コミュニテイ・レベルでの中規模水力発電なども検討の価値があろう。また東日本と西日本とで電気の周波数を統一するか互換性を持たせることが急務だ。
 危機時にはシナリオはない。どのような危機も、想定外の災害や事故が重なり危機的な状況となって行くので、どうしても芋ずる式対応になりがちだ。それを事象が分ってから批判することは簡単であるが、大切なことは現場の者を鼓舞し、対応の仕方を示して挙げることであろう。現場の者は全て各々真剣に事態に対応しており、事態の収束を最も強く願っているのも現場の者である。
しかし行政組織を一つにまとめるためのリーダーシップが必要だ。リーダーシップとは、判断の上決断し、その結果に責任を取るということであろう。行政執行の専門集団である行政各部は、責任を共有する組織であるので、どうしても責任が分散されることは避けられない。また従来築かれた制度、ルールに従って行動している以上、どうしてもそれを擁護する意識が働くことは自然な流れであろう。それだけに大きな政策判断や危機時などには政治的リーダーシップの下での決断が重要になって来るのであろう。
 各種の批判等があるが、旧来の政治・行政では想定していなかった大震災に遭遇しているので仕方がないのであろう。東電福島原発自体が被災者でもある。大災害への備えが十分でなかったとの批判があり、これらの制度を築いて来た人達を含め誰も予想し得なかったとしても、結果論としては批判は避けられないのであろう。過去の安全・保安体制に不備があったことは明らかであり、再検討を余儀なくされよう。しかしそれは当面の危機を回避し、6基の原子炉が安定状態となったからでも遅くはない。
当面の国民や世界の関心は、危機の回避、原子炉の安定化、放射能の封じ込めである。小異を越えて政府、与野党が一つになりこの国家危機を回避して欲しいものだ。(2011.04.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2、福島原発被災事故への対応と今後の電力政策
福島原発被災事故は、東日本大震災による被災対策を非常に複雑且つ危機的なものにすると共に、首都圏の経済社会活動に大きな影響を与え、それへの対応が長期化する様相を呈している。同時に、今後原子力政策や電力供給政策の再検討を余儀なくされている。
基本的に「想定を越えた災害」が起こったとは言え、福島原子力発電所における大規模地震や津波災害への備えが十分でなかったことが明らかになったと共に、原子炉に危機的な異変が起こった後の対応振りや備えがハード、ソフト双方の面で十分でなかったように思われる。これまで検出されている放射能レベルから原子炉内の核燃料や冷却されている使用済み核燃料が融解、損傷し始めていることは明らかであり、強い放射能の漏出のため冷却装置の復旧作業を一層困難にしている。その安定化には相当の長期を要するものと予想される。
この状況は、核融解の瀬戸際という国家危機とも言えるところであるので、東京電力1企業の能力を超える段階に来ていると言えよう。これのような状況を受けて政府(原子力安全・保安院)は、4月12日、国際的な核安全基準の暫定評価を最高レベルの7「危険な状態」に引き上げた。この評価についても、86年のチェルノブイリ原発事故と比較して放射能レベルは低い、或いは公表が遅すぎた、今後更に何が起こるのかなど、様々な意見が出されている。
放射能防護などについては、日本だけではなく、核先進各国の核防護スペシャリストや軍の核防護スペシャリスト、或いは放射能防護のための資機材の提供など、あらゆる可能な方法を総動員する必要があろう。
3月11日に発電施設が地震と津波で被害を受け、原子炉等の冷却装置が作動しなくなって以来、東電の職員、関係者や消防、自衛隊等が昼夜に亘り事態に対処しているが、放射能の危険の中で免震重要棟において寝泊りし最悪の事態を回避するため原子炉の安定化に努力している姿は、日本人の責任感の強さと士気の高さとして多くの国でも賞賛されている。後手に回っている、情報伝達が遅いなど各方面からの批判はあるが、過酷な状況で健康を掛けて沈静化作業に当たっている現場の作業員を激励し、支援することも重要なのであろう。少なくても寝具、食料や放射線防護用品などを十分に供給すると共に、放射線量なども勘案してローテンションを組み、休憩組みは少し離れた適当な宿舎で休ませるなど、作業員の健康保持に留意することが強く望まれる。
今後原子力政策は再検討を余儀なくされ、また原子力発電所建設に関する途上国援助についても安全性の向上や危機時の対応の必要性を含め慎重に再検討する必要があろう。そして今後の電力供給については、電力消費の節減を図る一方、原子力発電の安全性向上のための更なる研究はもとよりのことであるが、基本的に原子力に依存しない体制を築いて行くことが望まれる。例えば高層ビルや工場については、屋上や屋根に太陽光パネルを敷設し、或いは太陽光フイルムを窓ガラスに張るなどして太陽発電をもっと組織的に利用するなど、技術力を発揮すべきであろう。また水力発電についても今一度国レベルだけではなく、地域レベルでも再検討して良いのであろう。若干コスト高になるが、地域、コミュニテイ・レベルでの中規模水力発電なども検討の価値があろう。また東日本と西日本とで電気の周波数を統一するか互換性を持たせることが急務だ。
 危機時にはシナリオはない。どのような危機も、想定外の災害や事故が重なり危機的な状況となって行くので、どうしても芋ずる式対応になりがちだ。それを事象が分ってから批判することは簡単であるが、大切なことは現場の者を鼓舞し、対応の仕方を示して挙げることであろう。現場の者は全て各々真剣に事態に対応しており、事態の収束を最も強く願っているのも現場の者である。
しかし行政組織を一つにまとめるためのリーダーシップが必要だ。リーダーシップとは、判断の上決断し、その結果に責任を取るということであろう。行政執行の専門集団である行政各部は、責任を共有する組織であるので、どうしても責任が分散されることは避けられない。また従来築かれた制度、ルールに従って行動している以上、どうしてもそれを擁護する意識が働くことは自然な流れであろう。それだけに大きな政策判断や危機時などには政治的リーダーシップの下での決断が重要になって来るのであろう。
 各種の批判等があるが、旧来の政治・行政では想定していなかった大震災に遭遇しているので仕方がないのであろう。東電福島原発自体が被災者でもある。大災害への備えが十分でなかったとの批判があり、これらの制度を築いて来た人達を含め誰も予想し得なかったとしても、結果論としては批判は避けられないのであろう。過去の安全・保安体制に不備があったことは明らかであり、再検討を余儀なくされよう。しかしそれは当面の危機を回避し、6基の原子炉が安定状態となったからでも遅くはない。
当面の国民や世界の関心は、危機の回避、原子炉の安定化、放射能の封じ込めである。小異を越えて政府、与野党が一つになりこの国家危機を回避して欲しいものだ。(2011.04.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2、福島原発被災事故への対応と今後の電力政策
福島原発被災事故は、東日本大震災による被災対策を非常に複雑且つ危機的なものにすると共に、首都圏の経済社会活動に大きな影響を与え、それへの対応が長期化する様相を呈している。同時に、今後原子力政策や電力供給政策の再検討を余儀なくされている。
基本的に「想定を越えた災害」が起こったとは言え、福島原子力発電所における大規模地震や津波災害への備えが十分でなかったことが明らかになったと共に、原子炉に危機的な異変が起こった後の対応振りや備えがハード、ソフト双方の面で十分でなかったように思われる。これまで検出されている放射能レベルから原子炉内の核燃料や冷却されている使用済み核燃料が融解、損傷し始めていることは明らかであり、強い放射能の漏出のため冷却装置の復旧作業を一層困難にしている。その安定化には相当の長期を要するものと予想される。
この状況は、核融解の瀬戸際という国家危機とも言えるところであるので、東京電力1企業の能力を超える段階に来ていると言えよう。これのような状況を受けて政府(原子力安全・保安院)は、4月12日、国際的な核安全基準の暫定評価を最高レベルの7「危険な状態」に引き上げた。この評価についても、86年のチェルノブイリ原発事故と比較して放射能レベルは低い、或いは公表が遅すぎた、今後更に何が起こるのかなど、様々な意見が出されている。
放射能防護などについては、日本だけではなく、核先進各国の核防護スペシャリストや軍の核防護スペシャリスト、或いは放射能防護のための資機材の提供など、あらゆる可能な方法を総動員する必要があろう。
3月11日に発電施設が地震と津波で被害を受け、原子炉等の冷却装置が作動しなくなって以来、東電の職員、関係者や消防、自衛隊等が昼夜に亘り事態に対処しているが、放射能の危険の中で免震重要棟において寝泊りし最悪の事態を回避するため原子炉の安定化に努力している姿は、日本人の責任感の強さと士気の高さとして多くの国でも賞賛されている。後手に回っている、情報伝達が遅いなど各方面からの批判はあるが、過酷な状況で健康を掛けて沈静化作業に当たっている現場の作業員を激励し、支援することも重要なのであろう。少なくても寝具、食料や放射線防護用品などを十分に供給すると共に、放射線量なども勘案してローテンションを組み、休憩組みは少し離れた適当な宿舎で休ませるなど、作業員の健康保持に留意することが強く望まれる。
今後原子力政策は再検討を余儀なくされ、また原子力発電所建設に関する途上国援助についても安全性の向上や危機時の対応の必要性を含め慎重に再検討する必要があろう。そして今後の電力供給については、電力消費の節減を図る一方、原子力発電の安全性向上のための更なる研究はもとよりのことであるが、基本的に原子力に依存しない体制を築いて行くことが望まれる。例えば高層ビルや工場については、屋上や屋根に太陽光パネルを敷設し、或いは太陽光フイルムを窓ガラスに張るなどして太陽発電をもっと組織的に利用するなど、技術力を発揮すべきであろう。また水力発電についても今一度国レベルだけではなく、地域レベルでも再検討して良いのであろう。若干コスト高になるが、地域、コミュニテイ・レベルでの中規模水力発電なども検討の価値があろう。また東日本と西日本とで電気の周波数を統一するか互換性を持たせることが急務だ。
 危機時にはシナリオはない。どのような危機も、想定外の災害や事故が重なり危機的な状況となって行くので、どうしても芋ずる式対応になりがちだ。それを事象が分ってから批判することは簡単であるが、大切なことは現場の者を鼓舞し、対応の仕方を示して挙げることであろう。現場の者は全て各々真剣に事態に対応しており、事態の収束を最も強く願っているのも現場の者である。
しかし行政組織を一つにまとめるためのリーダーシップが必要だ。リーダーシップとは、判断の上決断し、その結果に責任を取るということであろう。行政執行の専門集団である行政各部は、責任を共有する組織であるので、どうしても責任が分散されることは避けられない。また従来築かれた制度、ルールに従って行動している以上、どうしてもそれを擁護する意識が働くことは自然な流れであろう。それだけに大きな政策判断や危機時などには政治的リーダーシップの下での決断が重要になって来るのであろう。
 各種の批判等があるが、旧来の政治・行政では想定していなかった大震災に遭遇しているので仕方がないのであろう。東電福島原発自体が被災者でもある。大災害への備えが十分でなかったとの批判があり、これらの制度を築いて来た人達を含め誰も予想し得なかったとしても、結果論としては批判は避けられないのであろう。過去の安全・保安体制に不備があったことは明らかであり、再検討を余儀なくされよう。しかしそれは当面の危機を回避し、6基の原子炉が安定状態となったからでも遅くはない。
当面の国民や世界の関心は、危機の回避、原子炉の安定化、放射能の封じ込めである。小異を越えて政府、与野党が一つになりこの国家危機を回避して欲しいものだ。(2011.04.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2、福島原発被災事故への対応と今後の電力政策
福島原発被災事故は、東日本大震災による被災対策を非常に複雑且つ危機的なものにすると共に、首都圏の経済社会活動に大きな影響を与え、それへの対応が長期化する様相を呈している。同時に、今後原子力政策や電力供給政策の再検討を余儀なくされている。
基本的に「想定を越えた災害」が起こったとは言え、福島原子力発電所における大規模地震や津波災害への備えが十分でなかったことが明らかになったと共に、原子炉に危機的な異変が起こった後の対応振りや備えがハード、ソフト双方の面で十分でなかったように思われる。これまで検出されている放射能レベルから原子炉内の核燃料や冷却されている使用済み核燃料が融解、損傷し始めていることは明らかであり、強い放射能の漏出のため冷却装置の復旧作業を一層困難にしている。その安定化には相当の長期を要するものと予想される。
この状況は、核融解の瀬戸際という国家危機とも言えるところであるので、東京電力1企業の能力を超える段階に来ていると言えよう。これのような状況を受けて政府(原子力安全・保安院)は、4月12日、国際的な核安全基準の暫定評価を最高レベルの7「危険な状態」に引き上げた。この評価についても、86年のチェルノブイリ原発事故と比較して放射能レベルは低い、或いは公表が遅すぎた、今後更に何が起こるのかなど、様々な意見が出されている。
放射能防護などについては、日本だけではなく、核先進各国の核防護スペシャリストや軍の核防護スペシャリスト、或いは放射能防護のための資機材の提供など、あらゆる可能な方法を総動員する必要があろう。
3月11日に発電施設が地震と津波で被害を受け、原子炉等の冷却装置が作動しなくなって以来、東電の職員、関係者や消防、自衛隊等が昼夜に亘り事態に対処しているが、放射能の危険の中で免震重要棟において寝泊りし最悪の事態を回避するため原子炉の安定化に努力している姿は、日本人の責任感の強さと士気の高さとして多くの国でも賞賛されている。後手に回っている、情報伝達が遅いなど各方面からの批判はあるが、過酷な状況で健康を掛けて沈静化作業に当たっている現場の作業員を激励し、支援することも重要なのであろう。少なくても寝具、食料や放射線防護用品などを十分に供給すると共に、放射線量なども勘案してローテンションを組み、休憩組みは少し離れた適当な宿舎で休ませるなど、作業員の健康保持に留意することが強く望まれる。
今後原子力政策は再検討を余儀なくされ、また原子力発電所建設に関する途上国援助についても安全性の向上や危機時の対応の必要性を含め慎重に再検討する必要があろう。そして今後の電力供給については、電力消費の節減を図る一方、原子力発電の安全性向上のための更なる研究はもとよりのことであるが、基本的に原子力に依存しない体制を築いて行くことが望まれる。例えば高層ビルや工場については、屋上や屋根に太陽光パネルを敷設し、或いは太陽光フイルムを窓ガラスに張るなどして太陽発電をもっと組織的に利用するなど、技術力を発揮すべきであろう。また水力発電についても今一度国レベルだけではなく、地域レベルでも再検討して良いのであろう。若干コスト高になるが、地域、コミュニテイ・レベルでの中規模水力発電なども検討の価値があろう。また東日本と西日本とで電気の周波数を統一するか互換性を持たせることが急務だ。
 危機時にはシナリオはない。どのような危機も、想定外の災害や事故が重なり危機的な状況となって行くので、どうしても芋ずる式対応になりがちだ。それを事象が分ってから批判することは簡単であるが、大切なことは現場の者を鼓舞し、対応の仕方を示して挙げることであろう。現場の者は全て各々真剣に事態に対応しており、事態の収束を最も強く願っているのも現場の者である。
しかし行政組織を一つにまとめるためのリーダーシップが必要だ。リーダーシップとは、判断の上決断し、その結果に責任を取るということであろう。行政執行の専門集団である行政各部は、責任を共有する組織であるので、どうしても責任が分散されることは避けられない。また従来築かれた制度、ルールに従って行動している以上、どうしてもそれを擁護する意識が働くことは自然な流れであろう。それだけに大きな政策判断や危機時などには政治的リーダーシップの下での決断が重要になって来るのであろう。
 各種の批判等があるが、旧来の政治・行政では想定していなかった大震災に遭遇しているので仕方がないのであろう。東電福島原発自体が被災者でもある。大災害への備えが十分でなかったとの批判があり、これらの制度を築いて来た人達を含め誰も予想し得なかったとしても、結果論としては批判は避けられないのであろう。過去の安全・保安体制に不備があったことは明らかであり、再検討を余儀なくされよう。しかしそれは当面の危機を回避し、6基の原子炉が安定状態となったからでも遅くはない。
当面の国民や世界の関心は、危機の回避、原子炉の安定化、放射能の封じ込めである。小異を越えて政府、与野党が一つになりこの国家危機を回避して欲しいものだ。(2011.04.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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福島原発被災事故は、東日本大震災による被災対策を非常に複雑且つ危機的なものにすると共に、首都圏の経済社会活動に大きな影響を与え、それへの対応が長期化する様相を呈している。同時に、今後原子力政策や電力供給政策の再検討を余儀なくされている。
基本的に「想定を越えた災害」が起こったとは言え、福島原子力発電所における大規模地震や津波災害への備えが十分でなかったことが明らかになったと共に、原子炉に危機的な異変が起こった後の対応振りや備えがハード、ソフト双方の面で十分でなかったように思われる。これまで検出されている放射能レベルから原子炉内の核燃料や冷却されている使用済み核燃料が融解、損傷し始めていることは明らかであり、強い放射能の漏出のため冷却装置の復旧作業を一層困難にしている。その安定化には相当の長期を要するものと予想される。
この状況は、核融解の瀬戸際という国家危機とも言えるところであるので、東京電力1企業の能力を超える段階に来ていると言えよう。これのような状況を受けて政府(原子力安全・保安院)は、4月12日、国際的な核安全基準の暫定評価を最高レベルの7「危険な状態」に引き上げた。この評価についても、86年のチェルノブイリ原発事故と比較して放射能レベルは低い、或いは公表が遅すぎた、今後更に何が起こるのかなど、様々な意見が出されている。
放射能防護などについては、日本だけではなく、核先進各国の核防護スペシャリストや軍の核防護スペシャリスト、或いは放射能防護のための資機材の提供など、あらゆる可能な方法を総動員する必要があろう。
3月11日に発電施設が地震と津波で被害を受け、原子炉等の冷却装置が作動しなくなって以来、東電の職員、関係者や消防、自衛隊等が昼夜に亘り事態に対処しているが、放射能の危険の中で免震重要棟において寝泊りし最悪の事態を回避するため原子炉の安定化に努力している姿は、日本人の責任感の強さと士気の高さとして多くの国でも賞賛されている。後手に回っている、情報伝達が遅いなど各方面からの批判はあるが、過酷な状況で健康を掛けて沈静化作業に当たっている現場の作業員を激励し、支援することも重要なのであろう。少なくても寝具、食料や放射線防護用品などを十分に供給すると共に、放射線量なども勘案してローテンションを組み、休憩組みは少し離れた適当な宿舎で休ませるなど、作業員の健康保持に留意することが強く望まれる。
今後原子力政策は再検討を余儀なくされ、また原子力発電所建設に関する途上国援助についても安全性の向上や危機時の対応の必要性を含め慎重に再検討する必要があろう。そして今後の電力供給については、電力消費の節減を図る一方、原子力発電の安全性向上のための更なる研究はもとよりのことであるが、基本的に原子力に依存しない体制を築いて行くことが望まれる。例えば高層ビルや工場については、屋上や屋根に太陽光パネルを敷設し、或いは太陽光フイルムを窓ガラスに張るなどして太陽発電をもっと組織的に利用するなど、技術力を発揮すべきであろう。また水力発電についても今一度国レベルだけではなく、地域レベルでも再検討して良いのであろう。若干コスト高になるが、地域、コミュニテイ・レベルでの中規模水力発電なども検討の価値があろう。また東日本と西日本とで電気の周波数を統一するか互換性を持たせることが急務だ。
 危機時にはシナリオはない。どのような危機も、想定外の災害や事故が重なり危機的な状況となって行くので、どうしても芋ずる式対応になりがちだ。それを事象が分ってから批判することは簡単であるが、大切なことは現場の者を鼓舞し、対応の仕方を示して挙げることであろう。現場の者は全て各々真剣に事態に対応しており、事態の収束を最も強く願っているのも現場の者である。
しかし行政組織を一つにまとめるためのリーダーシップが必要だ。リーダーシップとは、判断の上決断し、その結果に責任を取るということであろう。行政執行の専門集団である行政各部は、責任を共有する組織であるので、どうしても責任が分散されることは避けられない。また従来築かれた制度、ルールに従って行動している以上、どうしてもそれを擁護する意識が働くことは自然な流れであろう。それだけに大きな政策判断や危機時などには政治的リーダーシップの下での決断が重要になって来るのであろう。
 各種の批判等があるが、旧来の政治・行政では想定していなかった大震災に遭遇しているので仕方がないのであろう。東電福島原発自体が被災者でもある。大災害への備えが十分でなかったとの批判があり、これらの制度を築いて来た人達を含め誰も予想し得なかったとしても、結果論としては批判は避けられないのであろう。過去の安全・保安体制に不備があったことは明らかであり、再検討を余儀なくされよう。しかしそれは当面の危機を回避し、6基の原子炉が安定状態となったからでも遅くはない。
当面の国民や世界の関心は、危機の回避、原子炉の安定化、放射能の封じ込めである。小異を越えて政府、与野党が一つになりこの国家危機を回避して欲しいものだ。(2011.04.) (All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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被災地の復旧、復興に一つになろう、日本! (その2)

2011-04-21 | Weblog
被災地の復旧、復興に一つになろう、日本! (その2)
 3月11日午後に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0という予想外の大規模地震と津波であったことから、岩手、宮城、福島の3県を中心として東日本全域に及ぶ甚大な被害を与えた。更に福島原発事故による放射能被害の拡散と電力供給不足が問題を複雑化、長期化させる様相を呈して来ており、影響が首都圏のみならず日本経済全体に及ぶ緊急事態となっている。被災された皆様、関係者の皆様に心からのお見舞いをお伝えしたい。
今回の災害対策は、広域、多岐に亘る。重点は地震・津波被災地の復旧・復興であり、津波対策を含む「防災」と安全な生活を軸にして、計画的に進めることが望まれる。
同時に福島原発の放射能封じ込め対策、原子炉の安定化が急がれる。それと平行して電力供給対策、放射能汚染食物対策、飲料水対策などが検討、実施されなくてはならない。
1、急務の復旧と計画性が求められる復興
当面の急務は、被災者の生活の場の復旧と地場産業の復活と誘致であろう。仮設住宅など当面の生活の場の提供には各種の制約はあろうが、最大の問題は出来るだけ安全な場所、又は速やかに退避出来る避難地の確保だ。今後も余震等が起こる可能性がある。土地の確保が前提だが、各国に仮設住宅や仮設用建材の提供乃至廉価での販売を要請しても良いのだろう。
2004年12月26日にスマトラ沖で発生したマグニテユード9.3の巨大地震と広範な巨大津波は大きな被害を残したが、翌2005年3月28日にその震源から250キロほど南東沖でマグニテユード8.6の地震が発生し、近隣諸島に津波被害が出ている。必ずしも連動した地震ではないと言われおり、今回そのような地震が再発するとは言えないものの、いわば無防備の被災地であるので留意する必要があろう。
被災地の復興においては、長期の防災が最も重要な点となろう。しかし津波に備えて高さ20m、30mの防波堤を構築することは生活環境からしても現実的ではない上、いずれ地震と津波で破られる恐れがある。従って、住居や幼稚園、学校、病院などは出来るだけ安全な高台とし、場合により避難所を備えた集合建築とするなど工夫が必要だろう。
従来の海に近い区域は、産業、商業、行政など活動の場を中心とするが、緊急に対応できる避難所を備えた集合ビルや強固な避難所を一定間隔で設置するなど十分な防災対策を行うことが望まれる。
生活の場の復旧と並んで、地域の事業の復旧とその後の本格的な地域産業の復興、再生が不可欠であろう。内外からの義捐金や補正予算を含む国家予算が当面の資金源となり需要を喚起するが、地域産業の復興、再生に親元企業や関連企業、団体が積極的に支援して行くことが不可欠だ。被災地から調達出来るものは少しでも良いから調達し、生産が再開出来る企業、団体を実質的に支援して行くことである。それが持続的な復興を可能にすると共に、被災地に復興への希望を与える。地域産業復旧、復興のための親会社や関係企業、団体の支援については、単なる産業の「復元」ではなく、中・長期の企業戦略、世界戦略に基づいた支援が必要となろう。それは震災前の生産・消費モデルの「復元」を目標にするのではなく、中・長期に電力、エネルギーに制約があることを勘案すると共に、国際的課題である地球温暖化防止、温室効果ガスの削減にも沿うような適量消費・適量生産モデルを考慮した復興、再生が期待される。親会社や関係企業、団体がそのための融資や出資を実質的に行うことが期待されると共に、国際協力銀行を含む政府系金融による無利子又は年率1%内外の超低金利での融資が強く望まれる。
同時に親会社や関係企業、団体の事業活動を抑制せず継続するためには、被災地域で生産されていた部品や代替品等を被災地外からの調達に当面振り替えたり、一部の事業、生産を電力不足の関東地方から西日本に振り替える必要があるが、それは西日本経済を押し上げることになる。東日本の生産が低下する分西日本が補完し、東日本を支える関係となるが、西日本にとってもビジネス・チャンスとなる。
 重要なことは過剰な自粛、抑制ではなく、立ち上がり始めた被災地の活動を実質的に官民双方で支援することである。
また復興に当たっては、従来の市や村の復元ではなく、地域の特徴を生かしつつも計画性を持って安全な街作りとすると共に、節電やエネルギー効率を考えた将来に向けた街作りが望まれる。(2011.04.11.) 
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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2011-04-21 | Weblog
被災地の復旧、復興に一つになろう、日本! (その2)
 3月11日午後に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0という予想外の大規模地震と津波であったことから、岩手、宮城、福島の3県を中心として東日本全域に及ぶ甚大な被害を与えた。更に福島原発事故による放射能被害の拡散と電力供給不足が問題を複雑化、長期化させる様相を呈して来ており、影響が首都圏のみならず日本経済全体に及ぶ緊急事態となっている。被災された皆様、関係者の皆様に心からのお見舞いをお伝えしたい。
今回の災害対策は、広域、多岐に亘る。重点は地震・津波被災地の復旧・復興であり、津波対策を含む「防災」と安全な生活を軸にして、計画的に進めることが望まれる。
同時に福島原発の放射能封じ込め対策、原子炉の安定化が急がれる。それと平行して電力供給対策、放射能汚染食物対策、飲料水対策などが検討、実施されなくてはならない。
1、急務の復旧と計画性が求められる復興
当面の急務は、被災者の生活の場の復旧と地場産業の復活と誘致であろう。仮設住宅など当面の生活の場の提供には各種の制約はあろうが、最大の問題は出来るだけ安全な場所、又は速やかに退避出来る避難地の確保だ。今後も余震等が起こる可能性がある。土地の確保が前提だが、各国に仮設住宅や仮設用建材の提供乃至廉価での販売を要請しても良いのだろう。
2004年12月26日にスマトラ沖で発生したマグニテユード9.3の巨大地震と広範な巨大津波は大きな被害を残したが、翌2005年3月28日にその震源から250キロほど南東沖でマグニテユード8.6の地震が発生し、近隣諸島に津波被害が出ている。必ずしも連動した地震ではないと言われおり、今回そのような地震が再発するとは言えないものの、いわば無防備の被災地であるので留意する必要があろう。
被災地の復興においては、長期の防災が最も重要な点となろう。しかし津波に備えて高さ20m、30mの防波堤を構築することは生活環境からしても現実的ではない上、いずれ地震と津波で破られる恐れがある。従って、住居や幼稚園、学校、病院などは出来るだけ安全な高台とし、場合により避難所を備えた集合建築とするなど工夫が必要だろう。
従来の海に近い区域は、産業、商業、行政など活動の場を中心とするが、緊急に対応できる避難所を備えた集合ビルや強固な避難所を一定間隔で設置するなど十分な防災対策を行うことが望まれる。
生活の場の復旧と並んで、地域の事業の復旧とその後の本格的な地域産業の復興、再生が不可欠であろう。内外からの義捐金や補正予算を含む国家予算が当面の資金源となり需要を喚起するが、地域産業の復興、再生に親元企業や関連企業、団体が積極的に支援して行くことが不可欠だ。被災地から調達出来るものは少しでも良いから調達し、生産が再開出来る企業、団体を実質的に支援して行くことである。それが持続的な復興を可能にすると共に、被災地に復興への希望を与える。地域産業復旧、復興のための親会社や関係企業、団体の支援については、単なる産業の「復元」ではなく、中・長期の企業戦略、世界戦略に基づいた支援が必要となろう。それは震災前の生産・消費モデルの「復元」を目標にするのではなく、中・長期に電力、エネルギーに制約があることを勘案すると共に、国際的課題である地球温暖化防止、温室効果ガスの削減にも沿うような適量消費・適量生産モデルを考慮した復興、再生が期待される。親会社や関係企業、団体がそのための融資や出資を実質的に行うことが期待されると共に、国際協力銀行を含む政府系金融による無利子又は年率1%内外の超低金利での融資が強く望まれる。
同時に親会社や関係企業、団体の事業活動を抑制せず継続するためには、被災地域で生産されていた部品や代替品等を被災地外からの調達に当面振り替えたり、一部の事業、生産を電力不足の関東地方から西日本に振り替える必要があるが、それは西日本経済を押し上げることになる。東日本の生産が低下する分西日本が補完し、東日本を支える関係となるが、西日本にとってもビジネス・チャンスとなる。
 重要なことは過剰な自粛、抑制ではなく、立ち上がり始めた被災地の活動を実質的に官民双方で支援することである。
また復興に当たっては、従来の市や村の復元ではなく、地域の特徴を生かしつつも計画性を持って安全な街作りとすると共に、節電やエネルギー効率を考えた将来に向けた街作りが望まれる。(2011.04.11.) 
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 3月11日午後に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0という予想外の大規模地震と津波であったことから、岩手、宮城、福島の3県を中心として東日本全域に及ぶ甚大な被害を与えた。更に福島原発事故による放射能被害の拡散と電力供給不足が問題を複雑化、長期化させる様相を呈して来ており、影響が首都圏のみならず日本経済全体に及ぶ緊急事態となっている。被災された皆様、関係者の皆様に心からのお見舞いをお伝えしたい。
今回の災害対策は、広域、多岐に亘る。重点は地震・津波被災地の復旧・復興であり、津波対策を含む「防災」と安全な生活を軸にして、計画的に進めることが望まれる。
同時に福島原発の放射能封じ込め対策、原子炉の安定化が急がれる。それと平行して電力供給対策、放射能汚染食物対策、飲料水対策などが検討、実施されなくてはならない。
1、急務の復旧と計画性が求められる復興
当面の急務は、被災者の生活の場の復旧と地場産業の復活と誘致であろう。仮設住宅など当面の生活の場の提供には各種の制約はあろうが、最大の問題は出来るだけ安全な場所、又は速やかに退避出来る避難地の確保だ。今後も余震等が起こる可能性がある。土地の確保が前提だが、各国に仮設住宅や仮設用建材の提供乃至廉価での販売を要請しても良いのだろう。
2004年12月26日にスマトラ沖で発生したマグニテユード9.3の巨大地震と広範な巨大津波は大きな被害を残したが、翌2005年3月28日にその震源から250キロほど南東沖でマグニテユード8.6の地震が発生し、近隣諸島に津波被害が出ている。必ずしも連動した地震ではないと言われおり、今回そのような地震が再発するとは言えないものの、いわば無防備の被災地であるので留意する必要があろう。
被災地の復興においては、長期の防災が最も重要な点となろう。しかし津波に備えて高さ20m、30mの防波堤を構築することは生活環境からしても現実的ではない上、いずれ地震と津波で破られる恐れがある。従って、住居や幼稚園、学校、病院などは出来るだけ安全な高台とし、場合により避難所を備えた集合建築とするなど工夫が必要だろう。
従来の海に近い区域は、産業、商業、行政など活動の場を中心とするが、緊急に対応できる避難所を備えた集合ビルや強固な避難所を一定間隔で設置するなど十分な防災対策を行うことが望まれる。
生活の場の復旧と並んで、地域の事業の復旧とその後の本格的な地域産業の復興、再生が不可欠であろう。内外からの義捐金や補正予算を含む国家予算が当面の資金源となり需要を喚起するが、地域産業の復興、再生に親元企業や関連企業、団体が積極的に支援して行くことが不可欠だ。被災地から調達出来るものは少しでも良いから調達し、生産が再開出来る企業、団体を実質的に支援して行くことである。それが持続的な復興を可能にすると共に、被災地に復興への希望を与える。地域産業復旧、復興のための親会社や関係企業、団体の支援については、単なる産業の「復元」ではなく、中・長期の企業戦略、世界戦略に基づいた支援が必要となろう。それは震災前の生産・消費モデルの「復元」を目標にするのではなく、中・長期に電力、エネルギーに制約があることを勘案すると共に、国際的課題である地球温暖化防止、温室効果ガスの削減にも沿うような適量消費・適量生産モデルを考慮した復興、再生が期待される。親会社や関係企業、団体がそのための融資や出資を実質的に行うことが期待されると共に、国際協力銀行を含む政府系金融による無利子又は年率1%内外の超低金利での融資が強く望まれる。
同時に親会社や関係企業、団体の事業活動を抑制せず継続するためには、被災地域で生産されていた部品や代替品等を被災地外からの調達に当面振り替えたり、一部の事業、生産を電力不足の関東地方から西日本に振り替える必要があるが、それは西日本経済を押し上げることになる。東日本の生産が低下する分西日本が補完し、東日本を支える関係となるが、西日本にとってもビジネス・チャンスとなる。
 重要なことは過剰な自粛、抑制ではなく、立ち上がり始めた被災地の活動を実質的に官民双方で支援することである。
また復興に当たっては、従来の市や村の復元ではなく、地域の特徴を生かしつつも計画性を持って安全な街作りとすると共に、節電やエネルギー効率を考えた将来に向けた街作りが望まれる。(2011.04.11.) 
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