内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

首都東京、生かされていない東日本大震災の教訓!

2022-05-28 | Weblog

首都東京、生かされていない東日本大震災の教訓!

 2021年3月11日、東日本大地震・津波災害から10年を迎えた。東京電力福島原発事故への対応を含め、政府関連予算は2020年度までの10年間で約38兆円にのぼり、また日本各地からの応援や寄付等を受け、地元の人々により懸命に復興活動がなされた結果、地区差があるものの、復興はかなりの進展を見せている。地元の方々や支援活動をされた各方面の方々のご苦労に心から感謝し、称えたい。またこの災害により、命を失った方15,899人、行方不明者2,528人となっており、心からのご冥福と行方不明者が1日も早く家族の元に返ることをお祈りしたい。

 復興は進んでいるものの、10年経っても42,685人が避難者にのぼり、当時の巨大地震と津波、そして福島原発の炉心メルトダウンなどの状況を振り返ると、改めてその被害の甚大さを痛感する。

 政府の関連行事やメデイアの報道は、どうしても追悼と被災地の復興活動の継続に焦点が当てられる。しかし大震災は、東日本だけでなく、関東でも首都直下地震や東海、近畿、四国地方では南海トラフ地震による被害が今後30年前後に発生する可能性が高いと伝えられている。日本列島を巻き込む大災害は、その他火山の噴火や異常気象による大洪水などの恐れがあるので、東日本の復興継続と共に、その他の地域、特に諸機能が集中し、人口密度の高い首都東京の震災への備えがこれで良いのかに注目しなくてはならない。

 1、教訓が未だ活かされていない首都東京

 東京を中心とする首都圏については、東日本大地震の教訓を受けて、道路・歩道の渋滞、帰宅難民などへの対策として、一時避難所や備蓄、耐震補強のほか、緊急対応のための道路規制、ハザード・マップの作成など、一定の対応が行われている。しかしこれらの措置は、多くの努力を要しているものの、東日本大地震規模の巨大災害にはほとんど無力とも予想される。

 東京には、1,300万の人々が生活し、近隣から数百万の人々が東京に往来している。また日本経済の中枢部門をはじめ、学校、文化・スポーツなど多くの民間機能が集中している。更に、国会、裁判所の中枢機能に加え、緊急時には東京都などと共にその対応に当たるべき全ての中央官庁が集中している。また国民統合の象徴として皇居があり、その安全を確保しなくてはならない。

 大災害が発生した際には、行政はこれら全ての安全を確保するために膨大な救援、救出活動を集中的、同時並行的にしなくてはならない。シュミレーションなどするまでもなく、とても手が回らないと予想される。何かを守り、何かを座視するしかない。相手は、「経験したことがない大災害」であるので、旧来の常識や既成概念では対応し切れないことを、福島原発事故を含む東日本大災害から学ぶべきであろう。

 政府による『東京一極集中解消』2020年目標は断念された。ある意味で東日本大地震の教訓の風化の象徴とも言えないだろうか。

 2、政府委員会が大規模災害に警鐘

 2014年、政府の地震調査委員会は首都直下地震が「今後30年で70%」との予測を公表している。その後この予測は繰り返し述べられる毎に発生確率は高くなっており、首都直下地震はもはや過去のものや遠い将来のものではなく、今生活している国民の生涯において起こりうる現実となっていることを示している。

 首都圏を中心としたマグニチュード7相当以上の過去の地震は、1703年の「元禄関東地震」(M8.28)と1923年の「関東大震災(大正関東地震)」(M7.9)を挟んで次のように発生している。

1703年12月   「元禄関東地震」(M8.28)

1855年11月 安政江戸地震      (M6.9)

1894年 6月 明治東京地震       (M7.0)

同年10月   東京湾付近の地震   (M6.7)

1895年 1 月茨城県南部の地震   (M7.2)

1921年12月茨城県南部の地震   (M7.0)

1922年 4月 浦賀水道付近の地震(M6.8)

1923年9月  「関東大震災」  (M7.9)

  関東地方は、東西に太平洋プレートとユーラシア・プレート、これを挟んで南北に北米大陸プレートとフィリピン海プレートがあり、元禄関東地震と関東大震災はフィリピン海プレートの境目の相模トラフで発生した大地震とされている。首都圏に関係する地震、津波の誘因としては、この他に東日本大震災に関係する日本海溝や東海地方から四国沖に伸びる南海トラフなどがある。

 関東、東海地方については火山爆発も注意を要する。

 3、政府組織・制度においてシンボリックな抜本的措置が必要

 民間組織・団体や東京都及び市区町村において、それぞれ対策を検討し備えることは不可欠であろう。それは誰のためでも無い、自分達や家族、関係者の安全、安寧のためだ。

 しかし東日本大震災レベルの直下地震等が首都圏で発生し、大型津波が発生すると、1995年1月の阪神・淡路地震を上回る被害、混乱が起こるものと予想されている。2011年3月の東日本大地震の際にも首都圏で震度6を超える揺れを経験したが、道路は車道、歩道共に渋滞し、公共交通は止まり、電話・携帯による通信は繋がらず、多数の帰宅難民が発生し、その状況は翌朝まで続いた。電気、ガス、水道などのライフラインが被害を受けていれば被害は更に拡大し、回復には更に時間を要することになる。

 最大の問題はライフラインの確保であるが、大災害に対応し、司令塔となるべき中央官庁の機能をどの程度確保出来るかである。物理的被害は予想もつかないが、災害が深夜や早朝、祝祭日に発生した場合、必要な人的資源の確保は困難で時間を要することになっても仕方が無いであろう。‘経験したことがない大災害’に遭遇し、‘経験したことがない混乱等’が起こったとしても、自然のなせること、誰も責めることは出来ない。それぞれの立場で被害に備え、耐え、命を守る努力が求められるであろう。それも相当期間に及ぶ可能性がある。

 (1)そうなると危険の分散を図ることが最も効果的となる。政府はこれまで幾度となく、東京一極集中を避けるため、中央省庁や大学の地方移転を試みてきたが、部分的な専門部局の分散に留まり、一極集中解消にはほど遠い。

 米国の他、ブラジルや豪州などのように、政治・行政機能を密集地域から切り離し、新たに政治・行政都市を造ることも考えられるが、日本にはそれにふさわしい安全な地域を確保することは難しそうだ。しかし1つの有効な選択肢ではある。

 もう1つの選択肢としては、日本独特の国民統合の象徴機能である皇居を宮内庁と共に京都など近畿地方に戻すことであろうか。天皇の象徴機能については憲法に明記され定着しており、皇居を移転しても機能自体に何ら影響しない一方、ご公務については憲法上国会の召集など10項目に限定されているので、移転は相対的に容易と見られる。更に、京都等に戻ることは歴史的に理解されやすく、また地方に新たな息吹をもたらし、地方活性化にも繋がる可能性がある。

 憲法上公務とされる10の業務については、現在では交通・運輸、通信が飛躍的に便利になっており、国会召集時など限られた折りに東京に行幸されることは可能であろう。宿泊が必要な場合には、年数回しか使用されていない迎賓館(赤坂離宮)に所要の宿泊施設をご用意するなど、対応は可能のようだ。また外国使節(各国大使等)の接受等については、京都の御所にて行うこととすれば、京都や近畿地方の歴史や文化等を外国使節に紹介する機会ともなろう。

 また考えたくはないが、もし将来首都圏がミサイル等で攻撃されると、政治・行政機能と象徴機能が同時に被害を受ける恐れがあるので、これを分離しておくことが安全保障上も意味があろう。

 無論どの選択肢にしても、現状を変更することには困難があろう。しかし、政府地震調査委員会が東京直下地震など経験したことがない大災害が現実に起こりうると考えているのであれば、これまでのような対応では不十分と見られるので、これまで実施されたこともないような措置を本気で検討、実施する必要があるのではないだろうか。

 (2)江戸城趾の活用方法については、城趾内の「江戸の自然」の保護を図りつつ、可能な範囲で復元を行い、歴史観光施設として整備し、また一部を国民の憩いの場として開放すると共に、大災害時や緊急時の避難場所となるよう整備するなどが考えられよう。特に江戸城趾には四方に門があるので、災害時、緊急時には門を開放し、四方から城趾内に避難が出来る。また緊急車両が災害時、緊急時に通行できるよう、城趾内の通路等を整備しておけば、渋滞が予想される一般道を通らずに迅速に移動できるなど、災害時、緊急時への活用も期待できる。

(2021.3.31. All Rights Reserved.)

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Ukraine and Russia should agree on a neutrality of Ukraine with immediate truce !

2022-05-28 | Weblog

Ukraine and Russia should agree on a neutrality of Ukraine with immediate truce !

 While admiring the courage of Ukrainian people to stand against Russian troops, it seems to be imperative for Ukraine and Russia together with France, Germany, and the United States to start negotiating over a neutrality of Ukraine at the top level to avoid further death tolls and damages in Ukraine and avert a total war in Europe.

Neutrality of Ukraine is a commendable solution to avert a total war in Europe

 Russian President V. Putin demands a “Neutrality of Ukraine”, furiously opposing Ukraine’s request for a NATO membership. President Putin does not ask for a pro-Russian Ukraine. In the light of the Ukraine historical and geopolitical position as a former core country of the Soviet Union and a neighboring country of Russia, a neutrality of Ukraine, which will not join the NATO group nor the Russian camp, could be a practical alternative for the Ukrainian people as well as European countries and Russia.

 Under the circumstances, most countries in the World cannot tolerate the Russian military invasion in Ukraine and its occupation if so happened. On the other hand, if Ukraine would become a member of NATO, Russia could not tolerate either. In either case, severe feud and hatred will persist for a long time between Ukraine and Russia, and between NATO Europe and Russia. Ukrainian people will be always uneasy and feared with a sudden attack.

 Although the security of Ukraine must be guaranteed jointly by Russia and NATO in an agreed way, it seems that President Putin’s demand for neutral Ukraine is realistically calculated to balance the security requirement of each party, namely, Russia, Ukraine, and NATO.

Initiatives of U.S., France, and Germany are welcome for a top-level meeting with Russia and Ukraine with an immediate cease-fire.

 It is President V. Putin who strongly opposed to Ukrainian President’s intention to become a NATO member and ordered to invade in Ukraine asking for its neutrality on top of his demands. Therefore, it is President Putin who could stop fighting and order to withdraw Russian troops from Ukraine.

  And it is Ukrainian President V. Zelenskyy who could avoid further deaths of his fellow Ukrainians and decide the fate of his country as a neutral country withdrawing a NATO membership bit.

 Russia is blamed for its military attacks in Ukraine, and President Putin as well as Russia itself faces severe economic and financial sanctions together with personal punishment. At the same time, Ukrainian President Zelenskyy may be blamed for his inability to materialize the Minsk Protocol of 5th September, 2014, in particular, the “local self-government” issue of two eastern districts, namely, Donetsk and Luhansk and the observation of no armed campain against the two districts, by the time of its expiry date which was 21st February, 2022. Russia started its military operations on 24th February, 2022, about one month after the expiry of the Protocol. President Zelenskyy must have known the expiry of the Protocol, after which there would be a recurrence of armed conflicts so that he would risk lives of Ukrainian nationals. At the moment, he has no clear prospect for winning, but waiting for a total attack in Kiev by Russian troops.

 It is Imperative to avoid further death toll in Ukraine, while averting a war in Europe.

 To facilitate a meeting between President Zelenskyy and President Putin, it would be necessary for three leaders of U.S., France and Germany to ask both Presidents to meet with a view to realizing a truce immediately to be followed by a withdrawal of the Russian troops from Ukraine, and also working out a neutrality of Ukraine. Nobody else could this but the tree leaders above who are able to talk with both President Zelenskyy and President Putin. Time is really pressing. Prompt initiatives are needed before it’s too late. (2022.3.12.) (All Rights reserved.)

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Immediate Truce and a Peace Settlement in Ukraine !

2022-05-28 | Weblog

  Immediate Truce and a Peace Settlement in Ukraine !

  The Russian military invasion in Ukraine started on February 24, 2022, are not tolerated by any means, as 141member countries of the United Nations strongly condemned in the General Assembly resolution on March 2, 2022. Russia deserves such a strong condemnation.

  Immediate truce should be made and Russian troops should be withdrawn from Ukraine.

 There is no justification for the Russian invasion in Ukraine. At the same time, we should give ears to the persistent anxiety of Russian President V. Putin over the constant east- bound expansion of NATO after the collapse of the Soviet Union and the Warsaw Pact Organization.  Against the background of this move, President Putin has been expressing strong objection to the possible participation of neighboring Ukraine in NATO because of the obvious security reason. Now in Romania, there are U.S. bases and Thaad medium range interceptor missiles. It is known that Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy has intention to join NATO as well as EU.

 1、NATO’s stance on possible acceptance of Ukraine is at stake

 NATO should express not to accept Ukraine as its member on the condition that all the Russian troops would be withdrawn from Ukraine immediately and preserve truce and urge Russia to settle the issue through negotiations to avoid further devastation and death in Ukraine.

  It is clear that President Putin feels threaten if Ukraine, a neighbor to Russia, becomes a member of NATO. Like or not, we should recognize that it is any country’s right, including Russia, to take appropriate security measures, as long as the World is willing to co-exist with Russia and others.

  The United States is invited to take initiatives in announcing NATO’s intention not to accept Ukraine as its member, and ask Russia to sit down at a negotiating table. Negotiations would not be realized if both parties stick to its own demands.

 


 2、Both Russia and Ukraine sit at negotiating table with immediate truce

  If Ukrainian President Zelenskyy wants to avoid further death of its own people including civilians and children, he should reconsider his position regarding the membership of NATO, and should have courage to discuss with Russian President Putin, possibly with the presence of some facilitator such as U.N. Secretary General. Although it may affect his position, or pride as President of Ukraine, it would be much more important to save people’s lives and bring about their peaceful life.

  Russia is blamed for its military attacks in Ukraine, and President Putin as well as Russia itself faces severe economic and financial sanctions together with personal punishment such as the dismissal from Honorary President of International Judo Federation. At the same time, Ukrainian President Zelenskyy may be blamed for his inability to materialize the Minsk Protocol of 5th September, 2014, in particular, the “local self-government” issue of two eastern districts, namely, Donetsk and Luhansk a by the time of its expiry date which was 21st February, 2022. Russia started its military operations on 24 February, 2022, about one month after the expiry of the Protocol. President Zelenskyy must have known the expiry of the Protocol, after which there would be a recurrence of armed conflicts so that he would risk lives of Ukrainian nationals.

 


 3、A need for a new security arrangements in Europe

  It is much appreciated that the United States and NATO as a whole together with EU decided not to send troops to Ukraine to avoid a war in Europe. It is a founding objective of EU to avoid a war in Europe.

  While I admire their wisdom, it may be relevant to review whether further expansion of NATO, which is composed of 30 countries now including most of ex-Warsaw Pact countries. The Warsaw Pact Organization was dissolved after the collapse of the Soviet Union and democratization of most of East European countries. While the East- West Cold War was over, NATO not only continues to exist but also expand from 16 member countries to 30 countries encompassing most of the ex-Warsaw Pact countries. That is causing a security problem on the part of Russia, especially in the mind of President Putin.

 For the sake of peace and stability in Europe and in the World, it may warrant consideration whether further expansion of NATO is necessary and whether there is a need for a new security arrangement in the post-Cold War era in Europe, which may meet a security requirement of Russia as well. (2022.3.6.) (All Rights Reserved.)

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