2~3%のベースアップで消費増を望めるか? (その2)
政府は、4月1日からの8%への消費増税による消費の減少を懸念して財界に対し賃金引き上げを要請し、財界も一部産業の収益改善を反映して賃金ベースの引き上げ(ベア)を検討していると伝えられている。ベアの幅は、企業により異なるが、2~3%程度とも言われている。
1.2~3%程度の賃上げ(ベア)で消費増を図れるか?! (その1で掲載)
2. 公共事業の予算増の経済効果は限定的
2014年度予算の政府原案では、公共事業費が5.9兆円強と増加しているが、最近の数年間、公共事業は、4.5兆から7兆円内外で推移して来ており、2013年度には公共事業費(当初予算)は約5.3 兆円、補正予算約5.5 兆円であり、通年合計10.8兆円であるので、前年度対比では経済成長に追加的な押上げ効果があるのは当初予算ベースでは0.4兆円分程度である。従って次年度においても補正予算という声が出ることになろうが、“第3の矢”の中核を担っている公共事業予算の成長への効果は非常に限定的になると言えよう。また公共事業を全国規模で余り増加すると、地方に工事が発注され、各地の土木産業は地元の工事の受注を優先するので、人件費を含む単価も上がり、また東北復興事業に関与するメリットが少なくなるなど、副作用として復興活動の抑制要因になる恐れがある。
他方新規国債は若干減少するものの国債費は41兆円規模となっており、いずれ国民が税金等の形で返済しなくてはならないものであるので、国債を発行して公共事業を増加するという手法には限界が出始めている。
3. 大胆な肉付けが望まれる’第3の矢’経済成長戦略 (その3に掲載)
(2014.1.22.)(All Rights Reserved.)
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