2020年東京オリンピックに野球を含めることを推奨する!
東京オリンピック・パラリンピックの2020年開催に向けての準備が本年から本格的にスタートする。大会開催のコンセプトも8km圏内に会場が集中する“コンパクトなオリンピック”として国際オリンピック委員会にも提示されており、基本的な構図は決まっている。日本は、1964年に東京オリンピックを経験し、成功裏に開催されており、東京はその後飛躍的に発展しているので、成功に向けての準備は円滑に進むものと期待される。
競技種目については最終段階でレスリングが入ったが、北京オリンピック以後対象外とされた野球(ベースボールと女子ソフトボール)も競技種目に加える事が望ましい。理由としては次の2つが挙げられる。
一つは、野球はアジア太平洋地域では、日・米・豪の他韓国、台湾などでもサッカーが盛んになる以前から人気スポーツであると共に、質の高い野球場が各地に存在し、新たな施設は余り必要としていないので、競技種目に入れば実施は容易であることだ。
二つ目は、予選段階などでは東京だけでなく、地方の野球場が利用出来ることである。
コンパクトな大会開催というコンセプトは良いとしても、東京だけがオリンピック・パラリンピックの当事者となり、地方はほとんど直接的な利益を受けず、折角のオリンピック・パラリンピックでありながら、構図としては地方に当事者意識が芽生えないことである。更に今後5~6年間、オリンピック関連の施設やインフラ建設に工事や関係業者が東京に集中することになり、結果として東北被災地の復興加速化の妨げになる恐れもある。東京都民としては、オリンピック・パラリンピックの日本開催についてはもとより賛成ではあるが、折角の国際的なスポーツの祭典であるので、地方、特に被災地とその喜びや感動を共有出来ればこれ程嬉しいことはないであろう。
従ってコンパクトというコンセプトは良いが、地方、特に東北復興地域にも裨益するような工夫が必要であろう。野球が競技種目に入れば、予選から準決勝くらいまでは、仙台や千葉、神奈川、大阪、福岡、札幌などで実施できる。
野球以外でも、例えば団体競技であるサッカー、ゴルフ、バレーボール、バスケットボールやテニス、水泳、体操、レスリングなど一部の種目の予選、及び場合によっては準決勝以上についても、可能な範囲で東北地域などの地方の施設を利用することを検討しても良いであろう。
また選手や観客の移動を容易にするため、臨時の直行シャトルバス、臨時オリンピック列車や羽田からの航空シャトル便を運行するなどを検討し、現地のインフラを整備することも有益であろう。このような発想や努力が被災復興地域を始め、地方の発展にも寄与することになろう。
東北被災地の復興を加速化し、地方のスポーツ振興、発展にも寄与するオリンピック・パラリンピックとする工夫が強く望まれる。
(2014.01.16.)(All Rights Reserved.)
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