内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

地球温暖化対策で米国はリーダーシップを取れるか       (その1)再掲

2021-02-17 | Weblog

 地球温暖化対策で米国はリーダーシップを取れるか       (その1)再掲

 はじめに  厳戒態勢下のパリで開催されていた地球温暖化への対応に関する国連会議(COP21)は、12月12日、新たな枠組みを規定する「パリ協定」を採択した。温暖化の原因とされる炭酸ガス排出大国である米国や中国始め、先進工業国及び発展途上国を含む全ての国連加盟国が温室効果ガスの削減に取り組むことに同意した初めての枠組みなる歴史的な合意と言えよう。パリ協定は、米国等の不支持により形骸化した京都議定書を18年振りで塗り替えるもので、‘気温上昇を産業革命前に比べて摂氏1.5度の上昇に抑えるよう努力するとし、世界全体の温室効果ガスの排出量を減少させ、今世紀後半には実質的にゼロにするよう削減に取り組む’こととすると共に、‘途上国も含めた全ての国が5年毎に温室効果ガスの削減目標を国連に提出し、対策を進めることが義務付けている。’

 しかしこの協定は、今後世界が温室効果ガス削減、温暖化抑制に向けての出発点でしかなく、炭酸ガス排出大国である米・中両国やEU、日本などの先進工業国、インド、ロシア、ブラジルなどの新興工業国などの主要炭酸ガス排出国がどのような削減計画を策定し、現実に実施するかに掛かっている。その観点からは、G20諸国が具体的にどのようにこの協定を具体化して行くかが注目される。その上で炭酸ガス排出大国である米国や中国が重要な役割を果たすことが期待されるが、今後の動向を見る参考として、今回の合意前から掲載している本稿を引き続き掲載したい。

 

 現在、世界の気候は不安定な動きをする共に荒々しさと破壊力を強めている。温暖化の速度、原因などについては議論が分かれている。どの説を取るかは別として、着実に進んでいる事実がある。このブログでも述べてきたが、北極海の氷原が夏期に融けて縮小していることだ。北極海で起きていることは、南極大陸でも同様に大陸を覆う氷原や氷河が急速に融けている。それが海流の動きを変化させると共に、水温が上がり、上昇気流となり、気流に大きな変化とエネルギーを与えるのだろう。現在、日本はもとより世界各地で気流や海流の動きや温度がこれまでのパターンでは予測できない荒々しい動きを示しており、巨大なエネルギーとなって東アジアでの台風やカリブ沿岸でのハリケーン、そして南太平洋のサイクロンとして猛威を振るっている。また局地的な豪雨や突風・竜巻、日照りや干ばつ、豪雪や吹雪などにより従来の想定を越えた被害を出している。そして国連の専門家グループ(気象変動に関する政府間パネルーIPCC)により、干ばつなどによる食糧生産の減少、大都市部での洪水、異常気象によるインフラ機能の停止など、温暖化が進むリスクが指摘されている。地球環境は、近年経験したことがない局面に入っていると言えよう。

 

 オバマ大統領は、就任以来地球温暖化問題に積極的に取り組む姿勢を示しているが、7月30日、“きれいな発電計画(Clean Power Plan)”を発表し、発電所から排出される“二酸化炭素を2030年までに2005年を水準として32%削減”することを表明した。オバマ大統領は、この削減目標を設定する一方、“きれいな発電計画”の枠組みの下で各州が独自の実施計画を進めることが可能であるとしつつ、これまで進められている太陽電池や風力発電などの再生可能エネルギー、エネルギー効率の促進をベースとして、‘きれいなエネルギー’を更に進めるための長期的な投資などの諸措置を掲げ、米国の気候変動への対応におけるリーダーシップを継続するとしている。

 

 米国はブッシュ共和党政権以降、温暖化ガス削減に向けての数値目標設定に消極的であったことから、“二酸化炭素を2030年までに32%削減”する数値目標を掲げた“きれいな発電計画(Clean Power Plan)”は野心的で歴史的であるが、米国がこの計画を達成出来るのか、そして地球温暖化に対する国際的な取り組みにリーダーシップを発揮できるのかが注目されるところである。

 

 2015年12月、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)がパリで開催予定であり、2020年以降の新しい温暖化対策の枠組みにつき審議されることになっている。温暖化ガス削減に向けての数値目標に合意している米・中両国、そして環境先進国とも言える欧州連合(EU)が中心となって新たな枠組みに合意点を見出せるのか。地球の将来は、米国をはじめとする各国のこの問題の重大性への理解と解決努力に掛かっていると言っても過言ではない。

 

 1、米国は“きれいな発電計画”を実施に移せるか

 

 オバマ政権のこのような二酸化炭素削減目標に対し、主として電力・石炭業界や共和党を中心として根強い反対がある。オバマ大統領の本件目標が発表された直後に、共和党系のウエスト・ヴァージニア州の検事総長から強い異議が唱えられており、共和党系の15州は共同して反対する姿勢が示されている。またブッシュ政権において米国環境保護庁の法律顧問を務めたR. マーテラ・グループなども活動を開始している。

 

 既に2014年には、30余りの関係企業法律顧問やロビイスト、共和党戦略担当がワシントンにある米国商工会議所で定期的に会合し、オバマ政権から提案されるであろう温暖化防止規制の廃止に向けて法的戦略を検討して来ているようだ。オバマ政権は、2016年11月の大統領選挙まで残すところ1年数か月となっており、新たな法案を実現する期間が限られている上、米国議会は上下両院とも共和党が多数を占めているので“二酸化炭素を2030年までに32%削減”する数値目標を具体化するのは容易ではない。

 

 もっとも、環太平洋経済連携協定(TPP)の大統領への交渉権限付与につき、民主党内で労働組合支持勢力が反対の姿勢を示していたのに対し、オバマ政権は共和党の支持勢力を取り込んで実現しているので、同大統領がリーダーシップを発揮する余地はある。この点は日本の国会運営においても、両院協議会などの弾力的な活用によって与野党間の協議を通じ対立点を調整することが望まれるところであり、学ぶべき点がありそうだ。

 

 明年の米国の大統領選挙で共和党候補が勝利し、共和党政権が誕生することになれば地球温暖化問題への取り組みは振り出しに戻る可能性が強いので、オバマ大統領が残る1年強の任期において、どこまでリーダーシップを発揮できるか注目されるところである。

 

 他方、温暖化防止規制に反対する業界や共和党グループとしても、激甚化する気候変動やその原因とされる地球温暖化への対応策を示す社会的責任があると共に、恐らく2016年11月の米国の大統領選挙の現実的な争点の一つとなって行くと見られるので、共和党としても対応が迫られることになろう。

 

 2、二酸化炭素削減に関する米・中合意の行方      (その2に掲載)

 

 3、注目される日本の環境対策             (その3に掲載)

 

(2015.8.27.)(All Rights Reserved.)

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地球環境保護、日本の真価が問われる

2021-02-17 | Weblog

 地球環境保護、日本の真価が問われる

‎ 10月26日開催された臨時国会において、菅義偉首相は就任後初めての所信表明を行い、「温室効果ガスの排出量を2050年までに全体としてゼロにする」との目標を表明した。 そして「グリーン社会の実現」を成長戦略の柱と位置付けた。‎

 「温室効果ガス排出量の2050年までの実質ゼロ」目標は、前政権当時の「50年までに80%削減」を一歩進めたもので、管政権の温室効果ガス削減の促進を期待したい。

 しかし、その目標は30年も先のものである上、EUな主要各国が2030年までの目標を設定しており、これに比して削減速度が遅い。

 1、温室効果ガス実質ゼロ目標に向け2030年、2040年の中間目標設定が必要

(1)不可欠な温室効果ガス削減と激甚化する気候変動への対応

‎ 地球温暖化により、北極圏の氷海や南極を覆う氷原・氷河、ヒマラヤやアルプスなどの氷河が融け、海温と共に大気温が上がり、大量の水蒸気を空中に巻き上げ、地球温暖化が進み、世界各地で今までにはないような荒々しい気候変動に見舞われている。 更にこのまま温暖化が進み臨界点に達すれば、止めることの出来ない極限的な激しい気候に見舞われる恐れがある。 これは理論でも学説でもなく、現実に体験している現実なのである。‎

 それを止めるためには、産業革命以来増え続けている温室効果ガスを削減し、地球温暖化を止めなくてはならない。

‎ 30年先は長すぎる。 加速努力が必要のようだ。 地球が壊れてからでは遅い。‎

 (2)具体的な中間目標設定とそれぞれの指針が不可欠

‎ 温暖化効果ガスについては、世界の主要国が2030年までの削減目標を設定している。 EUは40%削減(1990年比)、インド33~35%削減(GDP当たりのCo2排出、2005年比)、中国60~65%削減(同、2005年比)と具体的な目標を設定している。 特にEUは1990年比での削減目標であり、今日に比べて炭酸ガスなどの排出量の少ない時代との比較であり、問題意識の高さを示している。 中国についても目標達成を期待したい。‎

‎ これに対し日本は、これまで2030年までの削減目標を26%としており、その上2013年比と問題が深刻化し始めてからの基準で、基準年自体を甘くしており、2005年比では25.4%削減となる。 この目標も断念されている。 因みに、米国はオバマ政権時代に2025年までに26~28%削減(2005年比)として行政府の目標を設定しており、バイデン候補が新大統領となり民主党政権となれば、このラインで推進されるであろう。 またロシアは同年までに70~75%抑制(25~30%削減、1990年比)としている。‎

 日本は2050年までの実質ゼロが表明され、その実現に期待したいが、2030年、2040年の中間目標が具体的に示されると共に、どの分野でどのように進めるかの指針が示されることが期待される。

 2、福島原発解体処理による放射能汚染水の海洋放流は望ましくない

‎ 2011年3月に発生した東北大地震の津波により炉心融解を含む爆発事故を起こした福島原発の解体処理が長期化する中、放射能汚染水が貯水槽に大量に貯蔵され、限界を迎えていることから、その放出が検討されている。 放射能はほぼ取り除かれ、濃度の薄いトリウム残っているものの放射線レベルは低いので、海洋への放水が検討されている。 放射能は「飲んでも健康に影響はない」とされているが、福島の漁業関係者は風評被害などを懸念し、海洋投棄反対を表明している。‎

‎ これに対し行政当局は、賠償等を検討するなどとしているが、この問題は賠償や風評被害だけの問題ではない。 国際的信頼、国家としての信用の問題となろう。‎

‎ 日本は、国際環境グループに毎年のように「化石賞」を受けている。 発電等に石炭、石油などの化石燃料が使われているからだ。 失礼な話ではあるが、不名誉なことだ。 韓国が、福島産の野菜や魚類を放射能汚染の恐れありとの風評を流し続けたが、今回は国全体に関わることになる。‎

 もしこの放射線汚染水が処理をされ「飲んでも大丈夫」なレベルとなっているのであれば、日本国内で処理できるし、そうすべきであろう。

‎ 確かに海洋は広い。 だから海洋投棄も良いということにはならない。 領海内でも海は続いており外洋に広がる。 現在、海洋のプラステイックごみの問題が深刻化している。 世界中で投棄されてきたプラステイックごみは、毎年増えると共に、風化し微粒子化し世界の海洋を漂い、海底に蓄積し続けており、それを魚類が食べ、人間の口にも入るようになる。 十分希釈されたとしても放射線汚染水が放流され、これが世界で常態化する恐れもあり、その悪影響は計り知れない。‎

‎ 放射線汚染水の処分は、日本国内で行うことを前提として真剣に検討されるべきであろう。 例えば、国立公園内の人里離れた場所や硫黄島などの離島に貯水池を作り、適正に管理するなどを検討してはどうだろうか。 それが国家としての責任ではなかろうか。 (2020. 11. 4. )‎

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台湾の独立実現に転換すべき時

2021-02-17 | Weblog

台湾の独立実現に転換すべき時
 1月末以来、中国武漢から世界に拡大したコロナウイルスは、既に680万人以上の感染者、40万人近くの死者を出し、世界レベルでの感染は未だに収まっていない。
 このような中、5月18日、世界保健機関(WHO)の年次総会を開かれ、焦点に1つであった非加盟の台湾のオブザーバー参加について、中国が「1つに中国」を主張して反対したため、見送りとなり、年内にも開かれる次回総会で協議されることになった。
 米国は、台湾のオブザーバー参加を支持する一方、WHOは中国寄りであり、改革を求めると共に、改革されなければ脱退も辞さないとした。
1、コロナウイルス問題は世界77億人の健康、存続に関する問題
コロナウイルス問題は、単に2,700万人の台湾の人々の健康、安全の問題ではなく、世界の77億人の健康、安全の問題であると共に、世界の健全な経済・社会・文化活動の回復、維持に影響する問題であり、いわば人類全体の健全な存続に関する問題である。
 武漢型コロナウイルスは、その発生源については別として、武漢から世界に拡散し、40万人を超える死者を出す拡散源となったことは確かである。習近平中国主席は、武漢を中心とする中国国内で感染が拡大したことを詫びたが、世界に対してはそのようなお詫びをしていない。確かに中国も新型コロナウイルスの被害者であるが、世界に拡散させた責任の一端はあり、世界に何らかの言葉があっても良いのではなかろうか。それどころか、世界が密接に協力してコロナウイルスを克服していかなくてはならない時期にWHO年次総会への台湾のオブザーバー参加を阻み、コロナウイルス克服へ向けての世界的努力から除外し、空白地帯を造っているに等しい。世界のどこかに空白地帯があれば、この問題の中・長期的な解決は難しい。
 2、台湾の独立を推進する時
 次のWHO総会でも、中国はかたくなに台湾が中国に帰属するとの原則を主張し、台湾の参加に反対するか、厳しい条件を課すであろう。台湾について中国が何かできるわけでもなく、台湾は国際的なコロナウイルス撲滅努力の外に置かれる。
 領土問題については、香港の問題がある。1997年6月に英国の99年間香港租借が終了し、50年間は香港の「高度の自治」が認められる1国2制度に移った。領土としては中国であり、香港での民主化運動の激化に対し、中国は香港に「国家安全法」を適用することを2020年5月の全人代で決めた。
米国等は香港の自由と民主主義を抑圧するものとして強く反発している。しかし中国は、香港は中国の一部であり、内政干渉として取り合う姿勢を示していない。中国は「領土」という原則は曲げないであろう。現在の国境を前提とする国家関係ではやむを得ないことだろう。そのことは香港を去った英国が一番よく知っている。
台湾については、戦後中華民国として中国共産党下の中華人民共和国とそれぞれが中国を代表するものとして対峙していたが、東西冷戦下の1971年に、アメリカ合衆国をはじめとする西側諸国と、ソビエト連邦(当時)をはじめとする東側諸国との間で政治的妥協が計られた結果、国際連合における「中国代表権」が中華人民共和国に移され、中華民国(台湾)は国連とその関連機関から脱退を余儀なくされ、「地域」として扱われてきた。
 台湾と外交関係を有する国も現在中南米、カリブ諸国を中心として15カ国に減少している。日本も外交関係を持っていない。
 台湾が国連を脱退して50年ほどになるが、中国は「1つの中国」を主張し、台湾をその1地域としている。台湾においては、台湾独立派と中国大陸派とが存在するが、自由と民主主義は根付いており、同じ中華系も多いが、高雄系などの台湾独自の人口も多いので、中国共産党とは相容れない社会経済体制となっている。双方とも、それぞれが中心となって中国統一を願っているようであり、それが双方国民の選択であれば良いが、差が縮まるどころか広がっている。
 これ以上待っても物事は動かないし、武漢型コロナウイルス問題など地球規模の問題への対応、健全な人類の存続を考えると、台湾を国連の外に置いておくことは望ましくない。今や東西冷戦はなくなっており、その時の東西両陣営の妥協の産物である中国の代表権問題はその役割を終えたと考えられるので、今や台湾の独立を推進すべき時代になっていると言えよう。台湾独立後、双方の国民が統一中国を希望するのであれば、それは双方の国民の選択に委ねれば良いことであろう。
(2020.6.8.All Rights Reserved.)

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学校の新学年9月開始を推奨する 

2021-02-15 | Weblog

学校の新学年9月開始を推奨する 
 2010年年初よりの新型コロナウイルスの伝染被害が広がり、予防のため3月の小・中・高校の休校に続き、4月7日の約1ヶ月間の緊急事態宣言により、大学、専門学校を含め入学式が延期されるなど、教育の場が長期に休校状態になっている。5月6日までの緊急事態宣言は、全面的に解除される見通しは無く、休校状態が延長される可能性もある。
 これから夏までの教育をそれぞれのレベルでどうするかは工夫の余地があるが、知事の間にグローバリゼイションの中で、この際新学期を9月にしてはとの提案が出されている。
 学校の新学年9月開始については大学レベルでも検討されており、これを支持する大学も少なくないが、小・中・高、専門学校等についても、次の理由で新学期の9月開始を早急に検討し、実施の方向で学校改革を行う絶好のチャンスではなかろうか。それが出来れば、大学の新学期9月開始への障害はほとんど無くなるであろう。
1、 教育の場の国際化
 現在人的な国際交流が一般的となり、日本人の海外留学、外国人の日本留学なども頻繁になっているが、新学期が9月の諸国が多いため、留学するにも、また母国に帰り教育を続ける場合にも、円滑な継続が困難となっており、これが日本の教育の国際化の妨げになっている。それは日本の大学の国際的な水準の低さの原因ともなっている。最近の世界大学ランキング100校には、日本の国立大学が2校入っているだけであり、一人当たりのGDPを加味すると実質的に世界第2位の経済大国である日本にとっては少し寂しいところだ。新学年の開始時期が国際的な基準に沿っていなければ、それだけで国際的評価は得れないであろう。
 現在、小学校から大学まで、進入学はストップしており、再開の見通しは立っていない。小中学校から大学まで新学期を9月に揃えるチャンスと言えよう。それまでの間をどう活用するかは別途考えれば良い。
 新学年開始を9月とすれば、日本の学校から海外の学校への転出、転入が円滑となるので、海外留学や外国人の日本への留学等も障害が少なくなり、日本からの海外留学、外国人の日本留学を促進し易くなろう。
 入試試験は7月中・下旬から8月に実施可能であり、また高校野球も維持できる。

 2、学年途中の長期の夏季休暇は非効率で子供に負担
1か月半前後の夏休み中に、多くの宿題、課題が課されているが、学習の継続性を保つためなどと思われ、旧来から行われている。しかし最近では宿題、課題の種類や量が多いため、「宿題代行業」が全国に普及している状況のようだ。このような状況では、学年途中での長期の休みによる学習中断の弊害は補い切れていない。それどころか、9月の学期初めに宿題、課題を学校に提出しなくてはならないので、夏休みの終盤は子供たちにプレッシャーやストレスを与えている。夏休み後の新学期を前にして子供の自殺が一番多いと言われているが、楽しく、自由に能力を伸ばせる夏休みが、悲劇の種ともなっているようだ。個人レベルで学習塾などを利用している生徒も多いようだが、それは夏季休暇が学年途中の学習中断になっているからに他ならない。
 9月に新学年開始とすれば、子供たちは夏の間は学校から課される宿題などから解放され、自由に能力を伸ばせるし、家族とゆっくりと過ごし、また新学年に向けてそれぞれの準備や新しい習い事なども始められるだろう。少なくても子供たちにプレッシャーやストレスを与えることは少なくなろう。他方、休みの間の生徒への指導や安全対策などは必要となろう。

3、新卒者の就職活動と採用試験や予算編成などの時期の調整は可能
 新卒者の就職試験については、3年終了後の8月頃採用広報開始、翌年1月に選考(面接)開始とすることは可能であろう。
 また予算編成については、米国同様10月1日を新予算年度開始とすると、翌年度の政府予算につき各省庁の概算要求案の予算当局への提出を10月か11月までとし、翌年4月下旬までに政府原案の決定、4月下旬国会提出、5月の連休明けに国会での予算審議開始、9月下旬までに国会(8月は原則国会休会)での予算採択を軸に行政府と国会の間で調整、検討することは可能であろう。
このスケジュールで行くと、国会の予算審議は1か月間の夏季休会を挟んでほぼ3か月間取ることも可能となるので、十分な審議が出来るようになる。日本の場合、議院内閣制のため、指名された政権が予算の政府原案を作り国会での承認を求めるが、政府原案が修正されることはほとんどない。衆議院で採択されたものが参議院で否決されても、30日ルールで衆議院が優越することになり、両院協議会で修正協議されることもない。国家、国民の生活に大きな影響を与える予算であり、また有権者の4割前後は無党派層であるので、政府原案は政府原案として、国会での審議を通じ、或いは参議院で異なる要請を出した場合などには両院協議会を通じる衆・参両院の調整が行えるようにし、広く国民の関心が反映出来るようにすることが望まれる。そのために一元的に予算を検討できるよう、国会内に衆・参合同の予算管理局のような組織を設置する必要が出て来よう。
 10月1日が新会計年度となると、諸法令を修正しなくてはならず、行政事務当局や国会事務局の手間は掛かると予想されるが、決めればそれに従って対応する問題であろう。世界が更にグローバル化し、諸国間の交流もボーダーレスになって行くと共に、少子化の中で就労者の確保、学生の確保等の上で年長者や女性の就労機会の拡大と共に、外国人の人材や学生の受け入れがよりスムーズに行えるようにすることが望ましいので、9月新学年制が望ましい。環太平洋経済連携取り決め(TPP)が11カ国で発足しているのでなおさらのことであろう。
但しグローバル化は、今回の新コロナウイルス問題で明らかになったように、伝染病なども伝播し易くし、危険も孕んでいるので、このような場合には、グローバルな動きを一時止めるメカニズムも必要になっている。(2020.4.29.)(All Rights Reserved.)

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日・ロ平和条約締結への交渉加速を期待する (再掲)

2021-02-15 | Weblog

日・ロ平和条約締結への交渉加速を期待する (再掲)
                             2018年11月26日
 日・ロ平和条約締結に向け、シンガポールで開催されたASEAN関連首脳会議に際し、2018年11月14日、安倍首相はロシアのプーチン大統領と会談した。この会談は2016年に持たれた両首脳の日本での会談において、「新しいアプローチで問題を解決する」との方針の下で、北方4島での共同経済活動を促進することで合意したことを受けて行われたものである。
 日本外務省が公表した会談概要では、事務当局を含めた全体会合(45分)の他、通訳のみでの両首脳の個別会談(40分)が行われた。全体会合では、平和条約問題の他、2国間経済関係の促進、国際的な安全保障分野での協力、北朝鮮非核化問題など幅広い分野で意見交換が行われている。
 日・ロ平和条約締結問題については、全体会合においては、北方4島における共同経済活動の促進につき協議されると共に、日本側より元島民の問題について提起されたが、北方4島返還問題を含む平和条約締結問題については突っ込んだ話し合いは行われず、両首脳による個別会談で行われた。
 首脳間個別会談の後、安倍首相は記者団に対し、「1956年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる。そのことをプーチン大統領と合意した。」と述べ、これが公表された会談概要にも記載されている。1956年に調印された日・ソ共同宣言においては、外交関係を回復し、平和条約締結交渉を継続することとし,‘条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡しする’旨記されている。
 日本は従来、4島一括返還を主張し、領土問題解決が平和条約締結の前提条件としていた。しかし1956年の共同宣言から62年、歴代政権が交渉を重ねてきたものの見通しが立っていない今日、長年の膠着状態を打破するため平和条約締結に向け1956年の共同宣言を基礎として条約交渉を実質的且つ具体的に加速することを支持する。
 日本としては、老齢化する旧島民や地権者の精神的負担を軽減すると共に、急速に存在感を増す中国との関係においても海を隔てた隣国ロシアとの平和条約を締結することがタイムリーと言えよう。他方ロシアにとっては、強大化する中国との関係において、クリミア半島併合以来米・欧との関係が悪化し、制裁を科され、G8(主要先進8カ国)からも外され、孤立感を深めているので、政治的にも経済的にも日本との平和条約締結は望ましいものと言えよう。
 1、ロシアは北方領土返還により日本の信頼を回復出来る
 プーチン大統領は、今回の首脳会談後、‘同宣言には、ソ連が2つの島を引き渡す用意があるということだけ述べられ、それらがどのような根拠により、どちらの主権に基づくかなどは述べられていない。慎重な議論が必要だ’と述べたと伝えられている。しかしロシア側は、北方4島を奪取した経緯と旧島民のみならず日本国民にとっての北方領土返還の意味を理解すべきであろう。それは北方領土の権益等の経済的な価値などではなく、日本のロシアに対する信頼性回復の問題なのである。
 プーチン大統領は、日本の北方領土は‘戦争の結果得たものである’と述べていたところであり、日本の領土であることは認識していると思われる。従って、‘日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡しする’ということは、2島を日本の主権下に‘引き渡す’と言うことに他ならない。無論、ロシア、その前身であるソ連がこれらの島に投じた資金や現実にロシア人が生活をしているので、それらに対する代償については、プーチン大統領が示唆している通り‘議論が必要’であろう。
日本人にとっては、北方領土は‘経済的代償’以上の意味合いがある。
 日本は、第2次世界大戦前の1941年4月、ソ連と中立条約を締結している。しかしソ連は、中立条約の破棄通告もなく(1年前の事前通告が規定)、1945年8月8日、突如日本に対し宣戦布告し、北方4島を奪取、占領した。
 ソ連は日本との重要な国際約束を破ったのである。従って、ロシアが平和条約を締結しても、北方4島をどのような形であろうと日本に返還しないということは、ソ連、従ってそれを継承しているロシアは、国際約束を遵守しない、都合により一方的に破棄することがあるということを意味し、日本人は、また世界は‘ロシアは信頼できない’という認識を持つであろう。平和条約を締結しても、‘信用できないロシア’との貿易・投資が積極的に進められるとも思えない。
 プーチン大統領は、北方領土問題は‘経済的代償’の問題以上に‘信頼性’の問題であることを十分に理解すべきであろう。他方‘経済的代償’については、日本側は可能な限り知恵を出すべきであろう。

 2、北方領土問題につき1956年の共同宣言を越えられるかが鍵
 今後平和条約交渉が実質的に加速し、条約締結の段階に至っても、北方領土に
ついては歯舞、色丹の2島返還だけに終わると、1956年の日・ソ共同宣言以来の62年間に亘る歴代政権の交渉努力は何だったのかとの批判に晒される恐れがある。
 従って今後の最大の鍵は、残る択捉、国後2諸島の取り扱いとなろう。同時に、歯舞、色丹の2島が返還されることになれば、この両島の地権者の問題は解決するが、択捉、国後2諸島において‘共同経済活動’が継続するとしても、この両島の地権者の地権回復が問題となろう。
 (1)残る択捉、国後2諸島の取り扱い
 択捉、国後2諸島については、‘1956年日・ソ共同宣言’の外になるので、今回の交渉で結論を出すことは困難と予想され、何らかの形で継続協議となる可能性がある。そのような可能性があるとしても、歯舞、色丹2島の返還を前提とした条約締結交渉を支持する。
 しかし択捉、国後について一定の方向性を出すことが望まれる。例えば次のような選択肢が考えられる。
 イ)現状のまま‘共同経済活動’を継続し、帰属につき代償を含め協議する。
 ロ)領有権は日本側に引き渡すが、ロシア側に一部を実質上無償で無期限租借する。
 ハ)択捉、国後2諸島については、‘日・ロ自由貿易地域’(仮称)として日・ロ両国の共同管理 
  する、など。
 いずれにしても両国が、両国国民の理解と信頼が得られるよう知恵を出すことが不可欠であろう。

 3、地権者の権利を認め、帰還を認めるか、補償が支払われるべき
 ソ連による北方4島占領当時、島民は3,124世帯、17,291人ほど(独法北方領土問題対策協会資料)であり、その生活や権利は回復しない。両国による領有権問題は別として、日・ロ共同経済活動と並行して、或いはその一環として、それら島民が故郷に住む権利を回復すべきであろう。また住むことを希望しないものに対し補償がなされるべきであろう。国家の領土権問題は、国家と国家の間の問題であり、シビリアンである個人の地権、所有権は個人の土地・財産所有権の問題であるので、責任ある国家としてはそれを尊重する義務がある。国家間の戦争において、戦闘に関与していない一般市民の生まれ育った故郷に平穏に住む権利を奪うことは、今日の国際通念において人道上も、人権の上でも容認されて良いものではない。
 旧島民による墓参活動が進展しているが、ロシア側、或いはロシア人在住者が日本人の墓地や鳥居などの旧跡を破壊、撤去せず、維持していることは日本人のルーツ、心情を認識、理解しているものとして評価できる。プーチン大統領も、ロシア人の生活だけでなく、日本の旧島民の気持ちは十分に分かるであろう。
 日・ロ間には‘平和条約’こそないが、事実上の平和が維持されている今日、4島に住んでいた日本の旧島民及びその家族が故郷に住む権利、そして地権の回復か代替地の提供、或いは補償が早期に行われることが強く期待される。多くの家族が土地登記をしている。
(2018.11.26.)(Copy Rights Reserved.)

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新型コロナウイルス、中国の国際社会での姿勢が問われる

2021-02-15 | Weblog

新型コロナウイルス、中国の国際社会での姿勢が問われる

                                                                       2021年1月15日

 中国武漢を発生源とするコロナウイルス伝染病が世界に拡大する中、国連保健機関(WHO)は、発生源である武漢への調査団を中国政府に再三に亘り求めていたところ、1月11日になってやっと中国国家衛生健康委員会が、「WHOのコロナウイルス発生源専門家チームが同月14日に訪中して調査を行う」旨公表した。調査団は同日武漢に到着し、やっと武漢での調査が中国側と協力して進められるようだ。

 WHO調査団は、その前の週にも武漢入りする予定だったが、中国側がメンバーへのビザを交付しなかったため延期された。調査団にはオーストラリアの専門家など各国専門家が入っている。オーストラリアと中国の関係は、アフガニスタンにおいて多国籍軍に参加している豪州兵がアフガニスタンの少年をナイフで威嚇している写真を中国側がツイッターに載せたことから、豪州側が激怒し、相互の貿易制限にも発展し、悪化しているなど、政治外交的理由とみられている。

 1、国際協力を阻む中国

 新型コロナウイルスは、2019年12月に武漢で発生し、翌1月に武漢市で感染拡大が始まった。中国政府が市民への情報公表が遅れたことが対応の遅れとなった。新華社通信によると、同年2月3日、習主席は、感染拡大への対応について共産党政治局常務委員会を開き、患者やその家族に対しお見舞の言葉を述べる一方、政府の対応の欠陥や至らなかった点を教訓として、党、政府ともに国を挙げて予防対策に取り組む考えを示した。

 中国の国内的対応の遅れが、世界への情報提供、公表の遅れとなった。世界が無防備の中で、武漢に滞在していて外国人や中国人が同地を去りそれぞれ本国に戻ることを黙認したことが、コロナウイルスの世界的拡大の要因となった。1月15日現在、世界全体の感染者数 9,243万人、 死者198万人以上となっている。更に増え続けており、世界経済への影響も甚大で、職を失い、困窮する者も多い。中国はこの現実を他人事のように発言しているが、中国は情報の遅れを世界に謝罪すべきであろう。

 しかも中国は、WHO調査団による発生地武漢での調査を1年以上遅らせ、コロナウイルス対策の上で重要な発生源や伝染経路などの調査を遅らせた。感染源は、コウモリ又はこれから伝染した動物とされており、武漢の生鮮市場が媒体とされている。また武漢にはウイルスを研究する中国科学院武漢病毒研究所があり、ここで長年に亘りコウモリを研究している専門家がおり、コウモリを媒体とするウイルス等については可なりの研究がなされているとみられている。従って、生鮮市場や武漢病毒研究所の研究状況、及び現在の伝染状況や変異種の存在と中国側の対応などを調査し、その結果を速やかに世界が共有することが、コロナウイルスへの効果的な対応には不可欠だ。

 その調査を1年以上引き延ばし、更に調査団の武漢入りを遅らせることは、パンデミックに取り組む世界への協力の意志の欠如としか言いようがない。これは単に中国だけの問題では無く、世界の人々の健康の問題であるので、中国の真摯な協力と情報の速やかな公開を望みたい。

 中国政府は、コロナウイルスが世界的に拡大し始めた際、一方で途上国に対しマスクの供給など支援するとし、また最近では中国でワクチン開発を行い、ワクチン供給などにより‘健康のシルクロード’を作るとしているが、他方でコロナウイルス撲滅への鍵となる発生源の国際調査を1年以上も遅らせ、国際協力を阻んでいる。

 中国はまた、2020年5月に開催された国連保健機関(WHO)の年次総会に際し、台湾のオブザーバー参加を「1つの中国」政策に反するとして反対し、更に同年11月の総会においても台湾の参加を阻止した。コロナウイルスは台湾だけで無く、国境を越えて世界70億人の健康に関するものであり、台湾のオブザーバー参加に反対することは世界の健康、国際協力を軽視する姿勢と言えよう。中国はコロナウイルスの発生源であり、国、地域を問わず世界70億人の健康に責任がある。

 

 2、問われる国際社会での中国の姿勢と情報公開

 中国は、香港において民主化運動が活発になっている情勢を受けて、反政府活動や香港独立活動などの取り締まりを強化するため、香港に対し香港国家安全維持法を導入することを決定し、2020年6月30日、交付された。

 同法に基づき、2020年7月以降30人程度が逮捕され、その他多数が拘束などされたが、2021年1月6日には、国家や政権転覆をねらった同法違反の疑いがあるとして、香港立法会の民主派の前議員や区議会議員など53人が警察に逮捕された。

 香港は、1997年6月30日に99年間の英国の租借期限を迎え、翌7月1日より中国の領土、主権となった。その際香港住民の要請を背景として、英国と中国との交渉の結果、同年より50年間、香港特別行政区として「高度の自治」を許され、1国2制度となった。その後香港はある程度の自治を許され、一定の政治的自由、民主的制度を得ていたが、徐々に中国化が進み、中国本土より多数の中国人が流入し、また香港人の自由や民主主義に制約が課されるようになった。多くの富裕層等は、事業は香港に残し、自らは英国、豪州、米国などに移住する一方、若い世代を中心として民主活動が活発に行われるようになった。

 自由で民主的だった香港が中国の主権下に戻り、中国化が進み、中国的な制約や仕組みが課され、自由が失われて行くことは非常に残念なことだ。しかし、現在の国家制度においては、香港は中国の領土、主権の下に服せざるを得ない。

 中国に対し香港の自治権、自由と民主主義を維持せよと言っても、中国にとってそれは「内政問題」であり、応じることはないであろう。中国は、将来の国家転覆、反政府活動を防ぐために「香港国家安全維持法」を施行したのだ。香港の返還時に高度の自治を認める英国との国際約束についても、中国としては、安全維持法は香港行政府も承認したものであり、いずれにしても内政干渉などと反論するであろう。

 中国自体が変わらない限り香港の状況を改善することは困難と思われるが、香港は中国の本質を世界の前に映し出しており、正に中国本土内では香港で行われているような政治的抑圧・強制が行われていることを示している。新疆ウイグルやチベットでも同じようなことが行われているのだろう。それは世界の誰の目でも分かることである。

 中国はまた、南シナ海にある南沙諸島などについて領有権を主張しているが、ベトナムやフィリピンなど6か国が領有権を主張しているにも拘わらず、軍事転用できる施設などを構築している。ベトナムなどの訴えに対し、2016年7月、ハーグの常設仲裁裁判所は、中国が南シナ海のほぼ全域で領有権を主張し独自に設定した境界線(いわゆる「九段線」)には、国際法上「歴史的権利を主張する法的根拠はない」と認定した。しかし中国はこれに応じず、逆に南沙諸島に人工島や滑走路など、軍事使用出来る施設等を増設し、南シナ海及びその周辺海域での軍事活動を強化している。

 中国は、香港の自由は認めない、台湾の国際活動は認めない、国際仲裁裁判には従わない。それで多国間主義や国際協力などと言えるのだろうか。中国至上主義、拡張主義としか映らない。

 

 3、中国が真に国際社会の良き構成員となることを期待

 しかし中国を外部から変えようとしても無理があろう。今日の国際秩序は、領土、領海で区切られた国家群、地域群で構成され、各国家には主権が付与されており、内政への干渉は行わないこととされ、それで秩序が保たれている。

  それを破れば戦争に発展する恐れがあるが、戦争は避けなくてはならない。

 中国が自ら変わることを期待したいが、それまでは各国は、中国の各種の規制・制約、国営企業等への優遇措置、国際協調拒否などに応じ、中国の国外の活動を規制・制限等する権利を留保すると共に、国際場裏の場で粘り強く訴えることが必要であろう。中国が国際社会の良き構成員となることが望ましい。

 また軍事面では、北東アジア地域における軍備拡充競争のこれ以上の激化を抑えるため、軍備縮小交渉と信頼醸成措置の協議を早急に開始することが望ましい。対象国は、中国、南・北朝鮮及び米国、ロシアが中心となろう。

(2021.1.15. All Rights Reserved.)

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新型コロナウイルス克服には検査と医療体制の拡充・整備が基本 (再掲)

2021-02-15 | Weblog

新型コロナウイルス克服には検査と医療体制の拡充・整備が基本 (再掲)
 現在世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス肺炎は、感染力と致死率が高く、世界の感染者総数は215万人超、死亡者は14万人超(4月17日現在)に達している。日本も、国内感染者9,297人、死亡者136人(同日現在)となっている。
 このような伝染病を克服するためには、2つの対応が必要だ。
 1つは、伝染病の罹患者(陽性者)を早期に特定した上、隔離し、治療することが基本であろう。
 第2は、伝染病が急速に広がり、罹患者が急増し、死者が増えることにより、社会活動、経済活動全般が停滞し、国民生活に大きな影響を与えるので、そのための救済、救援処置が必要となることである。
1、新型コロナウイルス肺炎の封じ込めに何が必要か
(1)早期発見と情報の迅速な伝達、共有
 新型コロナウイルス肺炎は、中国武漢市で発生が確認され伝染が拡大したが、武漢市を初めとする中国の対応と情報の内外への発信の遅れが、中国国内での対応ばかりではなく、世界への伝染拡大を招いたと言えよう。
 また国連の専門機関である世界保健機関(WHO)の世界的伝染病(パンデミック)とする宣言が遅かったと言えよう。
 今回のコロナウイルス肺炎は、「新型」であったので未知なことも多く、対応が遅れたとしても誰の責任でもなく、仕方が無いことと思われる。しかし中国の地方組織を含め、情報統制を行っていることが遅れの一因であり、遺憾であるが、中国が猛省し、今後発生源の特定や何故対応が遅れたかの検証、病原菌の特性などにつき、国連はじめ関係各国への迅速な情報や資料の提供を望みたい。
 (2)検査の充実と罹患者(陽性者)の特定、隔離、治療が対応の基本
 このような感染力の強い伝染病への対応については、速やかに罹患者を特定し、隔離、治療するのが基本中の基本であろう。少なくてもそのように学んだ。
 今回の場合、新型であったため、検査キットの準備がなく、1月下旬の初期段階では1日800件程度しか検査できない状況であったので、武漢等への渡航経験者などを除き、検査は受けられず、‘自宅療養’の状態となったことは仕方なかったとしても、その後迅速に検査体制の拡充・整備、陽性者を症状を選別した上で隔離・治療体制の拡充、整備を優先的に進めるべきであった。そのために予備費などを含め予算を優先的に充てるべきであったと思われる。
 一部に、検査して陽性患者が増えると病院が受け入れられないようになり、イタリアなどのように「医療崩壊」を起こすとの意見があった。何もしなければそうであろう。検査を前提として、陽性者の症状に応じ、症状がないか軽微な者の隔離場所(第1次隔離)、重度でないが治療を要する患者(第2次隔離)、及び重度者(第3次隔離)などに分けて、収容場所を新・増設する。場所は、廃校となった学校や施設や場合により適当場所に簡易施設を建設するなど対応は出来るはずだ。また医療用マスク、防護着衣や人工呼吸器類を拡充・整備すると共に、検査キットやワクチン、治療薬等の開発を図る。そのために予算を優先的に使用すべきだ。
 医師、看護師等の人材については、まず医療従事者が感染しないよう配慮する一方、OBの再リクルート、研修医の動員や、必要に応じ医大生をボランテイアー・ベースで募り、緊急・危険手当を含め然るべく報酬を支給して手当てするなど、対応は可能であろう。予備費を当てると共に予算手当を優先的に行うべきであろう。
 現在のように、無症状の保菌者が自由に行動できる状態ではコロナウイルスの伝染を克服することは出来ない。コロナウイルス禍は長期に残存する可能性が高いが、将来、緊急事態宣言を解除、緩和する時には、無症状の保菌者への対応が必要となろう。そのためにも検査の充実は不可欠だ。
 2、経済社会活動、国民生活への影響をどう緩和、救済するか
 経済的被害については、個人にせよ企業・団体にせよ、誰もが被害者であるので、まずはそれぞれの経済的能力に従って耐え、対応し克服する努力が必要だろう。そのような個々の意識と努力がなければ克服は難しい。財源が限られている以上、政府や地方自治体が行えることには限度がある。
 公的な経済的支援を必要とするのは、職業が安定していない人や解雇される人であり、企業・団体では中小零細企業・団体や観光・飲食・娯楽・サービス業などの分野で、コロナウイルス禍で著しく影響、被害を受けるところが中心となろう。仕事を失った者に対しては、雇用保険によるセーフテイーネットがあるものの、その対象となっていない人々や地域、分野によって被害は一律ではない。重要なことは、経済・社会活動が制限、縮小され、生活が困窮し、被害を受けている人々に支援が迅速に届くような措置が望まれる。
(2020.4.17.)
 現在世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス肺炎は、感染力と致死率が高く、世界の感染者総数は215万人超、死亡者は14万人超(4月17日現在)に達している。日本も、国内感染者9,297人、死亡者136人(同日現在)となっている。
 このような伝染病を克服するためには、2つの対応が必要だ。
 1つは、伝染病の罹患者(陽性者)を早期に特定した上、隔離し、治療することが基本であろう。
 第2は、伝染病が急速に広がり、罹患者が急増し、死者が増えることにより、社会活動、経済活動全般が停滞し、国民生活に大きな影響を与えるので、そのための救済、救援処置が必要となることである。
1、新型コロナウイルス肺炎の封じ込めに何が必要か
(1)早期発見と情報の迅速な伝達、共有
 新型コロナウイルス肺炎は、中国武漢市で発生が確認され伝染が拡大したが、武漢市を初めとする中国の対応と情報の内外への発信の遅れが、中国国内での対応ばかりではなく、世界への伝染拡大を招いたと言えよう。
 また国連の専門機関である世界保健機関(WHO)の世界的伝染病(パンデミック)とする宣言が遅かったと言えよう。
 今回のコロナウイルス肺炎は、「新型」であったので未知なことも多く、対応が遅れたとしても誰の責任でもなく、仕方が無いことと思われる。しかし中国の地方組織を含め、情報統制を行っていることが遅れの一因であり、遺憾であるが、中国が猛省し、今後発生源の特定や何故対応が遅れたかの検証、病原菌の特性などにつき、国連はじめ関係各国への迅速な情報や資料の提供を望みたい。
 (2)検査の充実と罹患者(陽性者)の特定、隔離、治療が対応の基本
 このような感染力の強い伝染病への対応については、速やかに罹患者を特定し、隔離、治療するのが基本中の基本であろう。
 今回の場合、新型であったため、検査キットの準備がなく、1月下旬の初期段階では1日800件程度しか検査できない状況であったので、武漢等への渡航経験者などを除き、検査は受けられず、‘自宅療養’の状態となったことは仕方なかったとしても、その後迅速に検査体制の拡充・整備、陽性者を症状を選別した上で隔離・治療体制の拡充、整備を優先的に進めるべきであった。そのために予備費などを含め予算を優先的に充てるべきであったと思われる。
 一部に、検査して陽性患者が増えると病院が受け入れられないようになり、イタリアなどのように「医療崩壊」を起こすとの意見があった。何もしなければそうであろう。検査を前提として、陽性者の症状に応じ、症状がないか軽微な者の隔離場所(第1次隔離)、重度でないが治療を要する患者(第2次隔離)、及び重度者(第3次隔離)などに分けて、収容場所を新・増設する。場所は、廃校となった学校や施設や場合により適当場所に簡易施設を建設するなど対応は出来るはずだ。特に、現在無症状者や軽症者は自覚のないまま活動し、また1人暮らしや片親だけで幼児のいる家庭は別として、複数家族での陽性者の家庭内隔離は非常に困難であるので、陽性者は症状に応じ原則として隔離施設で療養させることが感染防止の鍵となろう。企業や団体等で不安無く活動を継続したいのであれば、原則として全員を検査し、陽性者は速やかに隔離施設で療養させることが出来れば、感染を防止と組織活動の継続が両立出来る。ワクチンと併行して検査の民間への拡大と第1次隔離施設の拡充が不可欠と言える。

 また医療用マスク、防護着衣や人工呼吸器類を拡充・整備すると共に、検査キットやワクチン、治療薬等の開発を図る。そのために予算を優先的に使用すべきだ。
 医師、看護師等の人材については、まず医療従事者が感染しないよう配慮する一方、OBの再リクルート、研修医の動員や、必要に応じ医大生をボランテイアー・ベースで募り、緊急・危険手当を含め然るべく報酬を支給して手当てするなど、対応は可能であろう。予備費を当てると共に予算手当を優先的に行うべきであろう。
 現在のように、無症状の保菌者が自由に行動できる状態ではコロナウイルスの伝染を克服することは出来ない。コロナウイルス禍は長期に残存する可能性が高いが、将来、緊急事態宣言を解除、緩和する時には、無症状の保菌者への対応が必要となろう。そのためにも検査の充実は不可欠だ。
 2、経済社会活動、国民生活への影響をどう緩和、救済するか
 経済的被害については、個人にせよ企業・団体にせよ、誰もが被害者であるので、まずはそれぞれの経済的能力に従って耐え、対応し克服する努力が必要だろう。そのような個々の意識と努力がなければ克服は難しい。財源が限られている以上、政府や地方自治体が行えることには限度がある。
 公的な経済的支援を必要とするのは、職業が安定していない人や解雇される人であり、企業・団体では中小零細企業・団体や観光・飲食・娯楽・サービス業などの分野で、コロナウイルス禍で著しく影響、被害を受けるところが中心となろう。仕事を失った者に対しては、雇用保険によるセーフテイーネットがあるものの、その対象となっていない人々や地域、分野によって被害は一律ではない。重要なことは、経済・社会活動が制限、縮小され、生活が困窮し、被害を受けている人々に支援が迅速に届くような措置が望まれる。
(2020.4.17.2021.2.5.一部加筆)

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国勢調査2020、1票の格差解消に反映されるか!

2021-02-15 | Weblog

国勢調査2020、1票の格差解消に反映されるか!

 5年に1度の「国勢調査」が実施されている。特に2020年は10の倍数の年で、本格的な国政調査となっている。国勢調査は統計法に基づき実施される国の最も重要な調査とされ、60~70万人の調査員を雇い、多額の予算を割いて実施される。重要な国の調査であるから、その結果が行政や政治に有効に活用、反映されることが期待される。

  2016年2月、安倍晋三首相(当時)は衆院総務委員会において、衆議院議員選挙における「一票の格差」是正をめぐる質疑において、「県を越える大規模な定数是正は、10年ごとの国勢調査で行うべきだ。2015年の調査は簡易調査であって、5年後には大規模国勢調査の数字が出る。・・・」などとして、抜本的な格差是正を先送った経緯がある。

 1、国民の平等を形にするものとして、「一票の格差」是正が必要

2019年7月の参院選において、選挙区で最大3倍の「一票の格差」があったことに対し、弁護士など市民グループが全国14の裁判所に違憲として訴えていた。高松高裁は、10月16日、国民の平等を定めた憲法に違反するとして「違憲状態」と判決した。

「違憲状態」との表現は、事実上「違憲」の意味であることには変わりがない。高松高裁は、香川、愛媛、徳島・高知(合区)の3選挙区の選挙無効の訴えは棄却したが、無効とすると社会的な混乱を起こすことが懸念され、3権の一つである国会の権限を尊重し国会に対応を委ねたのであろう。しかし「違憲」は「違憲」である。裁判制度は、3権分立の中で独立の機能を持つので、本来であれば、違憲と判断するのであれば、違憲状態として対応を国会に委ねるのではなく、司法の立場から違憲は違憲とすべきであり、その上で国会の対応に委ねるべきなのであろう。

 いすれにしても、国会は3権の一つであり、同等の重みを有する司法(裁判所)の判断を厳正に受け止め、抜本的解決策を次の選挙までに出すべきであろう。これは国民の平等に立脚する基本的な権利である投票権に関するであり、基本的な政治制度であるので、衆・参両院ともに最優先事項として取り組むことが望まれる。

 国勢調査2020の調査結果が公正、適正に活用されることが望まれる。それは、与党だけの責任ではなく、野党各党の責任とも言えよう。また国勢調査は今後の日本の方向性を示す指標となるので、政府としても、その結果を内閣が一丸となって評価、共有し、就労制度、年金・医療などの福祉政策、地域行政制度、交通を含む町造、都市造りなど、行政各部の政策に反映して行くことが望ましい。

 

 2、国民の平等を前提とする民主主義、男女平等などが遅れている日本

 ところで、「平等」とは基本的には1対1の関係に近づけることが期待されるが、選挙区割り等の技術的な制約から若干の幅は仕方ないものの、原則として1.5倍以下で極力1.0に近い数値に収まるよう努力すべきだろう。1.9倍なら良い、1.6倍ならよいなど、恣意的に判断されるべきことではない。特定の選挙区が4捨5入で2倍以上の格差となることは平等概念に反すると言えよう。人口の多い地域の1票の重みが半人前になるようではもはや平等などとは言えない。また人口の少ない地方の有権者がいつまでも投票権において過度に保護される状態では、地方はいつまで経っても自立できないのではなかろうか。また議員の質を維持する上でも公正、公平な競争を確保することが望ましい。いずれにしても人口の少ない地域への若干の上乗せは残り、配慮されるが、地方の自立があってこそ発展があり、それを支援することによる効果も大きい。

  裁判所は、これまで選挙毎に争われてきている1票の格差問題で、衆議院では2倍以上、参議院では3倍以上(つい最近まで5倍以上)を違憲、違憲状態として来ているが、格差を原則1対1に近づけてこそ平等と言える。

 世界の政治民主化度 国別ランキング(出典:世銀2018年)では、世界204国・地域中で日本は41位、G-7(主要先進工業国)中最下位となっている。因みに、世界の「男女平等ランキング2020(2019年時点の数値)」では日本は121位で史上最低となっている。また2019年の労働生産性ランキングは、「経済大国」と言われながら世界187国・地域中で36位、世界の報道の自由2020では、世界187国・地域中で66位でしかない。

 世界でこのように見られていることは残念だが、戦後75年、視野を広げ、公正、公平な民主主義の構築に向けて一層の努力が必要なのだろう。(2020/10/1)

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国際司法裁判所のロヒンギャ虐待への対応を評価 (その2 )―国際難民問題に一石を投じる―

2021-02-12 | Weblog

  国際司法裁判所のロヒンギャ虐待への対応を評価 (その2 )
     ―国際難民問題に一石を投じる―
 ミャンマーのバングラデシュ国境付近に居住するイスラム系少数民族ロヒンギャの抑圧問題について、国際司法裁判所(ICJ、本部オランダ)は1月23日、少数民族ロヒンギャに対するミャンマー軍による集団虐殺(ジェノサイド)が存在したとして、ミャンマー政府に対し、「迫害を防ぐあらゆる手段を講じる」よう指示する仮保全措置命令を出した。
この問題は、ガンビア政府がイスラム諸国で構成されるイスラム協力機構を代表してICJに提訴したものだ。国際司法裁判所は「ロヒンギャは依然として危険にさらされている状況にある」と認定し、ミャンマー政府に対し、「対策」の実施状況を4ヶ月以内に報告するよう命じた。

 1、難民排出国・源泉国の責任が問われ、改善措置が求められた意義は大きい (その1で掲載)

 2、今後難民問題解決には排出国・源泉国の責任と負担の明確化が不可欠 
 国連傘下の専門機関である難民高等弁務官事務所が対象としている内戦や迫害、地域紛争から逃れた難民や避難民は、2018年、世界中で約7,080万人に達している。このうち、国内避難民が4,130万人であるが、国外に避難した難民が2,590万人、庇護申請者が350万人となっている。戦後、内戦や武力紛争、政治的迫害、地域紛争などが世界各地で発生している一方、難民排出の根源となっているこれら紛争等が長期化し、解決のめどが立たないケースが多いことから、避難民・難民の数はこの20年間で2倍を超え、激増している。難民キャンプが長期に維持されるとキャンプ内で自然増が起こり、規模の問題だけではなく、子供の教育やキャンプ内での閉鎖された将来という人権上の問題も生ずる。
 因みに難民全体の3分の2以上の67%が、シリア(670万人)、アフガニスタン(270万人)、南スーダン(230万人)、ミャンマー(110万人)、ソマリア(90万人)などの発展途上国で発生しており、その内難民申請で許可され第3国定住となったのは902,400人に過ぎない。難民排出国が途上国に集中しているため、世界の難民の84%が途上国で受け入れているが、先進国も全体16%を受け入れている。
 多くの場合、難民等は難民キャンプに収容され不自由な生活を強いられるため、シェルターや食料、衣料、薬品などの必需品は主に難民高等弁務官事務所が支援しており、年間予算額は約80億ドル(2018年、8,800億円規模)にも及び、これらは日本を含む国連加盟国による拠出金(各国の税金)や寄付金等で賄われている。更に、長期に亘る中東紛争の根源となっているパレスチナ難民を含めると、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA) の年間予算7.5億ドル(2018年、825億円規模)、その他世界食糧計画(WFO)による食糧支援などの国連機関によるによる支援を加えると、年間1兆円内外の支援を続けていることになる。
 難民の根源である武力紛争や内戦、地域紛争を解決して行かなければ、難民問題は解決せず、コストは増加し、これを各国の税金で支えて行かなくてはならない。人道上仕方がない面があるが、このようなことを何時までも長期間続ければ、難民総数は膨らみ、世界の負担が増え続ける一方であり、また難民の環境に置かれている人々にとっても自由な生活は奪われ、長期化は不幸であろう。
 難民の根源である内戦や紛争を解決する努力を優先すべきだ。その上でも、難民の源泉国、排出国に費用分担や国連の保護下に置く区域の提供などを義務付けると共に、国内抗争や地域紛争の平和的解決を強く求めるべきであろう。それを怠る場合は、人道援助を除く、国連や2国間の援助の削減を行うと共に、大量虐殺(ジェノサイド)や迫害等については近隣国や域内組織、或いは国連が国際司法裁判所に提訴し、関係国に公正な措置を求めるなどすべきであろう。
 現在の状況は、難民の源泉国、排出国のフリーライドとなっており、これがまた抗争や紛争の早期解決へのインセンテイブを失わせているのではないか。(2020.2.17.)
 ミャンマーのバングラデシュ国境付近に居住するイスラム系少数民族ロヒンギャの抑圧問題について、国際司法裁判所(ICJ、本部オランダ)は1月23日、少数民族ロヒンギャに対するミャンマー軍による集団虐殺(ジェノサイド)が存在したとして、ミャンマー政府に対し、「迫害を防ぐあらゆる手段を講じる」よう指示する仮保全措置命令を出した。
この問題は、ガンビア政府がイスラム諸国で構成されるイスラム協力機構を代表してICJに提訴したものだ。国際司法裁判所は「ロヒンギャは依然として危険にさらされている状況にある」と認定し、ミャンマー政府に対し、「対策」の実施状況を4ヶ月以内に報告するよう命じた。

 1、難民排出国・源泉国の責任が問われ、改善措置が求められた意義は大きい (その1で掲載)

 2、今後難民問題解決には排出国・源泉国の責任と負担の明確化が不可欠 
 国連傘下の専門機関である難民高等弁務官事務所が対象としている内戦や迫害、地域紛争から逃れた難民や避難民は、2018年、世界中で約7,080万人に達している。このうち、国内避難民が4,130万人であるが、国外に避難した難民が2,590万人、庇護申請者が350万人となっている。戦後、内戦や武力紛争、政治的迫害、地域紛争などが世界各地で発生している一方、難民排出の根源となっているこれら紛争等が長期化し、解決のめどが立たないケースが多いことから、避難民・難民の数はこの20年間で2倍を超え、激増している。難民キャンプが長期に維持されるとキャンプ内で自然増が起こり、規模の問題だけではなく、子供の教育やキャンプ内での閉鎖された将来という人権上の問題も生ずる。
 因みに難民全体の3分の2以上の67%が、シリア(670万人)、アフガニスタン(270万人)、南スーダン(230万人)、ミャンマー(110万人)、ソマリア(90万人)などの発展途上国で発生しており、その内難民申請で許可され第3国定住となったのは902,400人に過ぎない。難民排出国が途上国に集中しているため、世界の難民の84%が途上国で受け入れているが、先進国も全体16%を受け入れている。
 多くの場合、難民等は難民キャンプに収容され不自由な生活を強いられるため、シェルターや食料、衣料、薬品などの必需品は主に難民高等弁務官事務所が支援しており、年間予算額は約80億ドル(2018年、8,800億円規模)にも及び、これらは日本を含む国連加盟国による拠出金(各国の税金)や寄付金等で賄われている。更に、長期に亘る中東紛争の根源となっているパレスチナ難民を含めると、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA) の年間予算7.5億ドル(2018年、825億円規模)、その他世界食糧計画(WFO)による食糧支援などの国連機関によるによる支援を加えると、年間1兆円内外の支援を続けていることになる。
 難民の根源である武力紛争や内戦、地域紛争を解決して行かなければ、難民問題は解決せず、コストは増加し、これを各国の税金で支えて行かなくてはならない。人道上仕方がない面があるが、このようなことを何時までも長期間続ければ、難民総数は膨らみ、世界の負担が増え続ける一方であり、また難民の環境に置かれている人々にとっても自由な生活は奪われ、長期化は不幸であろう。
 難民の根源である内戦や紛争を解決する努力を優先すべきだ。その上でも、難民の源泉国、排出国に費用分担や国連の保護下に置く区域の提供などを義務付けると共に、国内抗争や地域紛争の平和的解決を強く求めるべきであろう。それを怠る場合は、人道援助を除く、国連や2国間の援助の削減を行うと共に、大量虐殺(ジェノサイド)や迫害等については近隣国や域内組織、或いは国連が国際司法裁判所に提訴し、関係国に公正な措置を求めるなどすべきであろう。
 現在の状況は、難民の源泉国、排出国のフリーライドとなっており、これがまた抗争や紛争の早期解決へのインセンテイブを失わせているのではないか。(2020.2.17.)

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国際司法裁判所のロヒンギャ虐待への対応を評価 (その1) ―国際難民問題に一石を投じる―

2021-02-12 | Weblog

国際司法裁判所のロヒンギャ虐待への対応を評価 (その1)
―国際難民問題に一石を投じる―
 ミャンマーのバングラデシュ国境付近に居住するイスラム系少数民族ロヒンギャの抑圧問題について、国際司法裁判所(ICJ、本部オランダ)は1月23日、少数民族ロヒンギャに対するミャンマー軍による集団虐殺(ジェノサイド)が存在したとして、ミャンマー政府に対し、「迫害を防ぐあらゆる手段を講じる」よう指示する仮保全措置命令を出した。
この問題は、ガンビア政府がイスラム諸国で構成されるイスラム協力機構を代表してICJに提訴したものだ。国際司法裁判所は「ロヒンギャは依然として危険にさらされている状況にある」と認定し、ミャンマー政府に対し、「対策」の実施状況を4ヶ月以内に報告するよう命じた。
 1、難民排出国・源泉国の責任が問われ、改善措置が求められた意義は大きい
 ミャンマー政府はこの決定を不服としており、また「ジェノサイド条約」に基づき禁止されている特定集団の抹殺行為、ジェノサイドの有無をめぐるICJの最終的な判決までには数年掛かるとも見られており、今後も紆余曲折が予想される。しかし国際司法裁判所が、仮保全措置命令としても、ロヒンギャ迫害、難民流出の源泉であるミャンマー政府の責任を認め、状況改善のためあらゆる措置をとることを命じた意義は大きく、難民問題解決に向けて一石を投じたと言えよう。
 なおロヒンギャは、もともとバングラデシュ地域等にいたイスラム系少数民族で、ブッダ教徒が支配的なミャンマーの国境付近に住みついたもので、国籍も認めたれず、厳しい生活を強いられていた。特に2016、17年にロヒンギャ系武装集団がミャンマー治安施設を襲撃したのを契機に、ミャンマーの治安部隊が村落への掃討作戦が活発化し、70万人以上が隣国バングラデシュに逃げるなど、難民が増加した。2019年9月、国連人権理事会の調査団は多数の住民が殺害されたり村が焼かれたりした旨報告している。

 2、今後難民問題解決には排出国・源泉国の責任と負担の明確化が不可欠 (その2に掲載)
(2020.2.17.)

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台湾の独立実現に転換すべき時

2021-02-12 | Weblog

台湾の独立実現に転換すべき時
 1月末以来、中国武漢から世界に拡大したコロナウイルスは、既に680万人以上の感染者、40万人近くの死者を出し、世界レベルでの感染は未だに収まっていない。
 このような中、5月18日、世界保健機関(WHO)の年次総会を開かれ、焦点に1つであった非加盟の台湾のオブザーバー参加について、中国が「1つに中国」を主張して反対したため、見送りとなり、年内にも開かれる次回総会で協議されることになった。
 米国は、台湾のオブザーバー参加を支持する一方、WHOは中国寄りであり、改革を求めると共に、改革されなければ脱退も辞さないとした。
1、コロナウイルス問題は世界77億人の健康、存続に関する問題
コロナウイルス問題は、単に2,700万人の台湾の人々の健康、安全の問題ではなく、世界の77億人の健康、安全の問題であると共に、世界の健全な経済・社会・文化活動の回復、維持に影響する問題であり、いわば人類全体の健全な存続に関する問題である。
 武漢型コロナウイルスは、その発生源については別として、武漢から世界に拡散し、40万人を超える死者を出す拡散源となったことは確かである。習近平中国主席は、武漢を中心とする中国国内で感染が拡大したことを詫びたが、世界に対してはそのようなお詫びをしていない。確かに中国も新型コロナウイルスの被害者であるが、世界に拡散させた責任の一端はあり、世界に何らかの言葉があっても良いのではなかろうか。それどころか、世界が密接に協力してコロナウイルスを克服していかなくてはならない時期にWHO年次総会への台湾のオブザーバー参加を阻み、コロナウイルス克服へ向けての世界的努力から除外し、空白地帯を造っているに等しい。世界のどこかに空白地帯があれば、この問題の中・長期的な解決は難しい。
 2、台湾の独立を推進する時
 次のWHO総会でも、中国はかたくなに台湾が中国に帰属するとの原則を主張し、台湾の参加に反対するか、厳しい条件を課すであろう。台湾について中国が何かできるわけでもなく、台湾は国際的なコロナウイルス撲滅努力の外に置かれる。
 領土問題については、香港の問題がある。1997年6月に英国の99年間香港租借が終了し、50年間は香港の「高度の自治」が認められる1国2制度に移った。領土としては中国であり、香港での民主化運動の激化に対し、中国は香港に「国家安全法」を適用することを2020年5月の全人代で決めた。
米国等は香港の自由と民主主義を抑圧するものとして強く反発している。しかし中国は、香港は中国の一部であり、内政干渉として取り合う姿勢を示していない。中国は「領土」という原則は曲げないであろう。現在の国境を前提とする国家関係ではやむを得ないことだろう。そのことは香港を去った英国が一番よく知っている。
台湾については、戦後中華民国として中国共産党下の中華人民共和国とそれぞれが中国を代表するものとして対峙していたが、東西冷戦下の1971年に、アメリカ合衆国をはじめとする西側諸国と、ソビエト連邦(当時)をはじめとする東側諸国との間で政治的妥協が計られた結果、国際連合における「中国代表権」が中華人民共和国に移され、中華民国(台湾)は国連とその関連機関から脱退を余儀なくされ、「地域」として扱われてきた。
 台湾と外交関係を有する国も現在中南米、カリブ諸国を中心として15カ国に減少している。日本も外交関係を持っていない。
 台湾が国連を脱退して50年ほどになるが、中国は「1つの中国」を主張し、台湾をその1地域としている。台湾においては、台湾独立派と中国大陸派とが存在するが、自由と民主主義は根付いており、同じ中華系も多いが、高雄系などの台湾独自の人口も多いので、中国共産党とは相容れない社会経済体制となっている。双方とも、それぞれが中心となって中国統一を願っているようであり、それが双方国民の選択であれば良いが、差が縮まるどころか広がっている。
 これ以上待っても物事は動かないし、武漢型コロナウイルス問題など地球規模の問題への対応、健全な人類の存続を考えると、台湾を国連の外に置いておくことは望ましくない。今や東西冷戦はなくなっており、その時の東西両陣営の妥協の産物である中国の代表権問題はその役割を終えたと考えられるので、今や台湾の独立を推進すべき時代になっていると言えよう。台湾独立後、双方の国民が統一中国を希望するのであれば、それは双方の国民の選択に委ねれば良いことであろう。
(2020.6.8.All Rights Reserved.)

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Remarks by U.N.S.G. Guterres on the online Conference with Chinese President Xi are  questionable!

2021-02-12 | Weblog

Remarks by U.N.S.G. Guterres on the online Conference with Chinese President Xi are                                             questionable!

                                                                                                            October 7th, 2020

 Celebrating the 75th Anniversary of the United Nations, United Nations Secretary-General Antonio Guterres had an online conference with Chinese President Xi Jinping on September 23, 2020.

The remarks by Chinese President Xi show marked differences between its external posture and the actual domestic reality in China
  President Xi Jinping of People's Republic of China (PRC) expressed the following points during the on-line meeting with UNSG, based on the report by Chinese News Xinhua:

He reaffirms to the international community to uphold multilateralism and abide by the commitments to the UN Charter.
Noting that COVID-19 is still rampant in the world, China firmly supports the key initiatives of the UN system, especially the World Health Organization.  China also firmly supports the UN system in strengthening international           cooperation in COVID-19 prevention and containment. It will make COVID-19     vaccines a global public good after putting them into use, and also contribute  to the vaccine accessibility and affordability in developing countries.
 (3)Noting the emergence of many new problems amid the pandemic, these problems are related to peace and development in one way or another.

 In this regard, the UN Security Council should play the role of a collective security mechanism, and the Security Council permanent members should play an exemplary role.

 Pursuing unilateralism and seeking hegemony are unpopular and will surely be rejected.

 The COVID-19 pandemic has magnified the problems of maladaptation and mismatch in the global governance system.

 There is only one system in the world, namely the UN-centered international system, and only one set of rules — the basic norms of international relations based on the UN Charter.

 China never pursues ideological confrontation, advocates 'decoupling' or seeks hegemony.

China will not sit idly by and allow its national sovereignty, dignity and development space to be undermined. Instead, China will firmly safeguard its legitimate rights and interests and uphold international equity and justice.
 All countries are called on to rise above differences between countries, nationalities, cultures and ideologies so as to promote efforts in building a community with a shared future for humanity.

 

  Although his remarks may be well received basically by the international community including the United Nations, most of them sound to be quite different from the actual situation inside China, which adopts One-Party Democracy and a Socialism Market Economy among other things.

 

 2、Courteous yet accommodating response by UN Secretary-General Guterres

 United Nations Secretary-General Antonio Guterres, while listening cheerfully to Chinese President Xi, stressed the importance of multilateralism, international cooperation, and a powerful United Nations as the world faces challenges, including the COVID-19 pandemic and climate change.

 He expressed his gratitude to China's consistent and firm support for multilateralism. And he welcomed a series of important initiatives and measures President Xi announced at the UN General Assembly in September, 2020, in such spheres as the  practice of multilateralism, coping with climate change and promoting sustainable development.

 He also expressed his support for China's efforts to promote jointly in building ‘a Silk Road of Green Development’.

 He highly appreciated China's role in safeguarding the world peace.

 UN Secretary-General Guterres said that the United Nations would support China in deepening cooperation with Africa and other developing countries, and expressed the UN’s willingness to strengthen cooperation with China and he expected that China would play a leading role.

 

 It is quite natural for the UN Secretary-General to appreciate China’s role and his willingness to strengthen relations and cooperate with China, especially when the United Nations celebrates the 75th anniversary. But if we realize the clear differences between what Chinese President Xi was telling to the World and what the Chinese Government is actually doing inside China, including Tibet and Xinjiang Uygur, some of the remarks made by UN Secretary General Guterres are questionable and inappropriate. Or a lack of knowledge about actual China.

 3、China’s external posture differs from its reality inside China

 Although most of the remarks above made by Chinese President Xi are appreciated from the widely-shared international standard based on democracy, freedom, human rights, and free market economy, what he is saying to the World  is different from what China has been doing inside China, including Tibet and Xinjiang Uygur, and, in part, Hong Kong.

Delay of China’s detailed notice to the World, in particular, WHO on the Buhan-originated Corona Virus
 While Chinese President Xi said that China would support the UN system in strengthening international cooperation in COVID-19 prevention and containment, it failed to provide to WHO accurate information immediately after the detection of Corona Virus in Buhan in January, 2020. Also it failed to stop the outgoing of foreign nationals and Chinese people from China, while it quickly restricted the movement of Chinese people from Buhan. Such delayed measures on the part of China let the Corona Virus spread outside China, and prevented WHO to recommend the World to take preventive measures as quick as possible, especially the closure of airports and others, and declare it as COVID-19 Pandemic.

 The very swift and world-wide spread outside China of the Buhan-originated Corona Virus itself proves that there was certainly such a delay. In fact, President Xi apologized to the people in Buhan for the delay of prompt measures after the Chinese Government imposed the lockdown there. It seems, to a greater degree, that he owes an apology to the rest of the World for causing the worldwide spread of Buhan-originated corona virus, instead of denying it and criticizing other country. 

 The World community wants to know the fact first so that we could take measures as quick as possible. Denying it only magnifies doubt and distrust over the Chinese sincerity.

 China’s governing system is based on One-Party (Communist Party) Democracy and the Socialism Market Economy
  Although we welcome China’s external posture to uphold multilateralism and abide by the commitments to the UN Charter, it firmly adopts One-Party-  Democracy and the Socialism Market Economy internally.  We don’t call One-Party -Democracy based on Communist Party a Democracy. Because it denies plural political parties and freedom of belief and speech, We don’t call the Socialism Market Economy, which is centrally managed and restricted, a Free Market Economy.

 Therefore, the movement and activities inside China by not only Chinese people themselves but also foreign nationals are restricted in one way or another, while Chinese people are permitted free access to the international market and  free movements within any countries in the world.

  If China wants to keep such freedom of activities and movement externally, it should allow foreign people similar freedom in the spirit of reciprocity. If not, it is fair to say that all countries have the right to take similar restrictive measures to Chinese activities there to the extent their nationals’ activities are restricted in China.

 While we certainly welcome China to be a member of the international community in principle, UN Secretary-General Guterres should also have invited China to accord to foreign nationals inside Chine similar freedom of activities and movement in the spirit of reciprocity and fairness.

China’s massive military buildup and accelerated military activities especially in the East China Sea
 Chinese President Xi claimed that “the UN Security Council should play the role of a collective security mechanism, and the Security Council permanent members should play an exemplary role.”

 We are puzzled. Isn’t it China who made difficult for the Security Council to take prompt security measures by vetoing on many cases?

 Isn’t it China who occupies the Spratly and Paracel Islands by force, whose territorial rights are claimed by as many as 6 neighboring countries, and were building militarily usable facilities on those islands? Isn’t it China who rejected the ruling of the Permanent Court of Arbitration (PCA) in 2016 that “there was no evidence that China had historically exercised exclusive control over the waters or resources, hence there was no legal basis for China to claim historic rights over the nine-dash line (the Spratly Islands area),” advocating unanimously the claim made by the Philippines. The tribunal also criticized China's land reclamation projects and construction of artificial islands in the Spratly Islands, destroying the vast coral reef. We don’t call such acts “exemplary.” On the contrary.

  President Xi also urged that “pursuing unilateralism and seeking hegemony are unpopular and will surely be rejected.” If he really thinks so, he is invited to show a good example by accepting the ruling and settling other disputes with the countries concerned. 

  In this regard, I should like to propose a negotiation on Disarmament and Confidence Building in East Asia.

 

  UN Secretary General should have asked Chinese President to settle those issues as quick as possible, while appreciating China’s positive role to be played on other issues as well. And he should not have expressed his support for China's efforts to build ‘a Silk Road of Green Development,’ which is in line with China’s  recent strategy of “One Belt One Road,” stretching from China to Europe on the Eurasian Continent and the Sea, because it appears to be somewhat expansionistic and hegemonistic.

  (4) China’s bothering human rights records and oppression of self-determination

  Chinese President Xi called on all countries “to overcome differences between countries, nationalities, cultures and ideologies so as to promote efforts in building a community with a shared future for humanity”. We agree what he was saying in principle, but we are largely puzzled. We are largely puzzled because China has notorious records contrary to human rights and self-determination in Tibet and Xinjiang Uygur, and, in part, Hong Kong. There is a clear disparity in words and deeds.

 Secretary General Guterres of the United Nations should have drawn President Xi’s attention that the United Nations was worried about the human rights situation in those areas. Without saying any of these, he must have given a wrong message to Chinese President Xi. (2020/10/07  M.K.)

Global Policy Group

                                                                                                       

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アジア地域包括的経済連携(RCEP)、中国への条件付与が不可欠  (再掲)

2021-02-12 | Weblog

アジア地域包括的経済連携(RCEP)、中国への条件付与が不可欠  (再掲)

 2011年11月にASEAN諸国の提唱により協議が始まったアジア地域包括的経済連携(RCEP)は、2019年11月4日、バンコクで開催され首脳会議において、インドを除く15カ国が2020年中の協定署名に向けた手続きを進めることで合意した。
 アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、ASEAN10カ国に加え、日本、韓国中国、インドとオーストラリア、ニュージランドの16カ国を対象として関税の自由化、サービス分野における規制緩和や投資障壁の撤廃を目的として協議が行われて来た。しかしインドは、中国の市場アクセスへの懸念につき対応されておらず、自国の農業・酪農、消費部門が影響を受けるとして参加を見送った。インドのモディ首相は、今回のRCEP合意について、関税の違いや貿易赤字、非関税障壁など、「インド国民の利益に照らし合わせ、肯定的な答えは得られなかった」との考えと伝えられている。
 中国、インドを含むRCEPが実現すれば、世界の人口の約半分に当たる34億人、世界のGDPの約3割の20兆ドル、世界の貿易総額の約3割10兆ドルを占めるメガ地域経済圏となる。
インドを除く15カ国は、インドの参加を期待しつつも、2020年中の15カ国での発足を模索しているが、基本的に次の問題が内在しており、慎重な対応が求められる。
 1、「社会主義市場経済」を標榜する中国との差は埋められるか
 中国は「社会主義市場経済」を標榜しており、自由主義市場経済と異なり、基本的に中央統制経済を維持している。従って石油ガス、銀行その他の戦略性や公共性のある多数の基幹産業が政府(国務院)か共産党管理下の「国有企業」であり、補助金を含め政府や党からの実質的な支援を受けている。政府や党が100%株式を所有する中央企業などのように、その下に中央企業が持ち株会社として管理監督する子会社が多数存在する。従って表面上‘株式会社’となっていても国が保有或いは統制している企業体が存在する。
 このように国家や共産党に補助金や直接管理で保護されている企業や産業が存在し、国内産業は保護、規制しつつ、海外市場や海外投資については自由貿易、多国間主義を求めるのは、衡平を著しく失する。このような企業、産業からの輸出については、輸入国側、投資受け入れ国が、輸出国側の補助金等の保護の度合いにより相応の関税を課す事を含め、一定の防護措置をとることを認めるべきであろう。そうでなければフェアーな競争とは言えない。スポーツに例えれば、筋肉増強剤を使用している選手と競争しているようなものだ。
 この観点からすると、米国による中国に対する関税措置や貿易交渉姿勢は‘保護主義’などではなく、公正な要請と言えよう。
 1990年代に入り急速に経済成長した中国は、2001年12月、世界貿易機関(WTO)に加入した。当時のおおよその見方は、13億人の巨大市場である中国貿易が自由化され、世界市場が拡大する一方、中国経済自体も国際経済秩序に組み込まれ、市場経済化を加速させるものと期待された。
その期待の一部は達成されたが、WTOへの加入により最も利益を得たのが中国であり、いわば独り勝ちの状況となっている。
 中国は、WTO加入に際し金融の自由化、諸法制の整備などの是正が求められ、若干の改善は見られている。しかし中国は、体制上『社会主義市場経済』を標榜しそれを堅持しているので、先進工業諸国が採用している‘自由主義経済’や‘市場経済’とは異なり、上記の通り、国営基幹産業を含め、基本的に国家統制経済であり、国家の統制や国家補助、国家管理が強い。また実体上、元の為替レートや株価への統制や管理も行われ得る体制となっている。中国は、米国の通商交渉姿勢について、国際会議や記者会見等において、‘米国は保護主義的であり、自由貿易を支持する’などとしているが、国内で中央統制経済を維持しつつ、世界では自由貿易とは身勝手と言える。ASEAN諸国も、当面は中国経済の恩恵を受けているが、RCEPが発足すると国内産業が圧迫され、不利益の方が際立つ可能性がある。現在、世界貿易機関(WTO)の改革が検討されているが、国家補助を受けている企業や産業が世界市場に参入する場合の条件、外国為替や株式市場への直接的国家介入の節度、技術や特許など知的財産の国際的保護などが課題と言えよう。
 中国は、国民総生産(GDP)において、既に米国に次ぐ世界第2位の経済大国となり、成長率が低下したと言っても年率6~7%の成長を維持し、2019年の世界経済成長率3.2%(OECD予測)の倍以上の成長率が予想されている。しかし中国は、国内で中央統制経済を維持する一方、世界での自由貿易を主張している。第2次世界戦争後の世界経済は、米国の経済力を軸とするものであり、70年代後半以降多極化の動きが見られるものの、基本的には米国経済が牽引力となって来た。しかしこのままでは、『社会主義市場経済』を採用している中国が、相対的に高い成長率を維持し続け、世界第1の経済大国となり、世界経済の中心となる可能性が高い。米国を中心とする国際経済秩序に、異質の経済体制を採る中国が加わり、単純化すれば、中国と米国という2つの経済圏による秩序に変容することになろう。
 トランプ政権はその変化を認識し、経済分野のみならず、‘安全保障と外交政策’上の脅威ともなるとして、目に見える短期的な利益を模索しつつも、中・長期の国際経済秩序を見据えて中国に対応し始めていると言えよう。日本を含め世界は、この流れを見逃してはならない。
 アジア地域の自由貿易地域となろうとしているRCEPを発足させるためには、本来であれば社会主義市場経済という特異な体制をとっている中国に対する参加条件を検討することが不可欠のようだ。中国を国際社会につなぎ止めて置くことは必要だが、WTOの過ちを繰り返してはならない。
 2、インド不参加のRCEPは‘閉ざされた地域グループ’を生む
インドのモディ首相は、RCEP合意について、関税の相違や貿易赤字、非関税障壁などへの対応において「肯定的な答えは得られなかった」とし、合意出来ないとの姿勢である。特に、中国の安価な製品のほか、オーストラリアやニュージランドからの安価な農産品などが国内産業を圧迫することを懸念している。
 中国への懸念は、補助金を含む産業保護という中央統制経済から発生することであるので、体制上の変化が無い限り、インドはRCEPに参加することはないであろう。RCEPがインド抜きで発足すると‘排他的な地域グループ’を生むこととなるので好ましくない。
 他方インドの参加を促すためには、中国の補助金その他の産業保護の状況に応じて関税や投資規制等と設けることを認めることとするか、それとも中国が自由主義市場経済への転換を図るかあろう。それ無くしてRCEPを発足させることは時期尚早と言えよう。(2019/12/23)

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バイデン米民主党新政権で円高ドル安再燃か!?

2021-02-12 | Weblog

バイデン米民主党新政権で円高ドル安再燃か!?

 米国の大統領選2020は2期目を目指すトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領との間で州毎の熾烈な選挙人争奪戦を展開し、ペンシルベニア、ジョージアなど残された4州の郵便投票数の票読みに絞られた。郵便投票の開票が進むにつれ、バイデン候補が2016年にトランプ側に制されたウイスコンシンとミシガン両州を制し、更に残る4州でも僅差ではあるが優勢が伝えられ、ペンシルベニア州を制し、過半数を超える279の選挙人を獲得したことから、2020年11月7日夜、地元デラウエア州において勝利宣言を行った。

  トランプ大統領は、落胆の色は隠せず、共和党支持者からの支援も受け、投票、特に約6,500万票に及ぶ郵便投票に不正があったとして裁判で争うことを表明している。この点は今後法廷で争われることになろうが、2021年1月20日にはバイデン新大統領のもとで民主党政権が発足する見通しとなった。

  1、オバマ民主党政権時代の政策への回帰

  バイデン新大統領が就任すれば、29歳から上院議員として活動し、オバマ大統領の下で8年間副大統領を務め、国際的にも各国要人に幅広い知己を持つベテラン政治家として、安定した政策運営を行うものと予想される。国内的には、当面コロナウイルス対策と経済の維持が最大の課題となり、国内融和と共和党との協調を念頭に置きつつ、オバマケアーや環境重視の‘グリーン経済’政策などオバマ政権時代の政策が進められると共に、経済活力維持の軸として、脱温暖化効果ガス削減を目指すグリーン経の済推進(グリーン・ニューデイール)と1929年の世界大恐慌対策として進められたニューデイールで建設された米国全土のインフラ施設の更新などが進められ、経済の牽引を推し進めるものと予想される。しかしこれらに必要な予算措置は、米国議会、特に共和党勢力が強い上院の承認を必要とするため、調整が必要となろう。

  また外交面では、対立から国際協調路線に回帰することが予想され、既に新政権発足後に世界保健機構(WHO)に復帰する方針が示唆されており、気候変動に関するパリ条約やイランとの核合意への復帰などが検討されることになろう。しかし一旦国家、行政府として脱退等したものであり、また上院との関係もあるので、復帰に当たり何らかの注文を付ける場合もあろう。

  主要国・地域との関係においては、特に中国、ロシア、そして中東、北朝鮮などとの関係、特に中国とロシアとの関係修復が当面の外交上の最大の課題となろうが、国際協調路線が事なかれ主義に陥れば、問題解決にはならず、米国のリーダーシップを発揮することにはならない可能性がある。

 

  2、日米関係は経済分野では利害調整の必要性

 日米2国間関係において、外交・安保分野での同盟関係は基本的に良好に維持されよう。民主党は自由、民主主義、人権においてリベラルな立場であり、多くのアフリカ系、ヒスパニック、アジア系の支持を得ており、日本人にとってはなじみやすい政党であるが、台湾問題、対中、対ロ関係のほか、特に貿易分野や温暖化ガス削減等の経済関係では利害の調整が必要になる可能性が高い。

 オバマ前民主党政権のもとでは、次の通り1ドル80円を割る大幅で急激な円高となり、日本経済を圧迫した。

 オバマ政権時代(2008年―2016年)の円/ドル為替相場の推移

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

103.36

            

単位円

93.57

87.78

79.81

79.79

97.60

105.94

121.04

108.79

112.17

                         (各年中央値 出典:IMF)

同時期の人民元/ドル為替相場の推移

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

0.1440

単位元

0.1464

0.1477

0.1548

0.1584

0.1614

0.1628

0.1606

0.1506

0.1480

                         (各年中央値 出典:IMF)

 円/ドル レートは、当時やや円高傾向にあったが、208年1月にオバマ大統領が就任後、急速に円高が進み、2011年及び2012年秋には1ドル80円を割る大幅な円高となった。日本は、2011年3月11日に東日本大地震とそれに伴う巨大津波により東北地方に甚大な被害があり、加えて福島原発の爆発、炉心融解によって大きな被害が出て、この地方からの部品、物資供給が途絶えるなど、日本経済に大きな影響を与えていた時期であっただけに、この時期の急激な円高は輸出に大きく影響し、日本経済の停滞に拍車を掛けた。この円高は翌2012年秋頃まで2年間続いた。因みに、中国の人民元はこの間、対ドルでやや元安になっており、円の独歩高の様相を呈していたと言えそうだ。

 そしてこの間、中国の対米輸出、米国の対中直接投資は増加し、中国経済の成長を加速させる一方、米国市場には中国製品が溢れ、難民や移民の受け入れ増と相まって、米国労働者層の職の機会を縮小させ、このような背景がトランプ共和党政権を生み、対中貿易抑制策や国境管理強化等を推進した要因となった。しかし大統領選挙の年、2020年1月、中国武漢発のコロナウイルスが米国を含む世界各国に伝染し、米国で3千万人を超える罹患者を出し、経済活動を大幅に阻害し、トランプ大統領敗退の大きな要因となったことは皮肉とは言える。もっともトランプ大統領は、約7,100万票(バイデン候補約7,400万票、郵便票集計中にて暫定値)を得ており、拮抗した根強い支持を得ていると言えよう。バイデン新大統領の下で厳しい政策運営が予想される。

 東日本大地震後、バイデン副大統領(当時)や米軍が東北地方を訪問し、復旧支援活動を行い、‘トモダチ作戦’として称えられ、心温まる日米友好の表明として記憶に残っている。しかしそれは軍事的政治的判断からであり、経済が疲弊した日本にとっては急速な円高は望ましくなかった。2012年10月に筆者は急激な円高は日本の経済には望ましく無く、早急に是正すべきことを指摘した。同年11月よりやや円安傾向とはなったが、目に見える円安は2012年1月から日銀が「異次元の金融緩和」策を実施して後であり、2013年には1ドル97.6円に回復した。

 その後トランプ政権の下では、ほぼ1ドル100円から115円の間で推移しているが、米大統領選でバイデン候補優勢との情報が流れると1ドル104円台の円高に振れる場面もあり、104、5円台で推移している。

 2021年1月にバイデン民主党政権が発足すると、コロナウイルス対策と併行して経済活動の維持・回復、雇用の確保が最大の課題となろうが、日本も程度の差こそあれ同様であり、経済問題で調整を要する局面があることを認識しつつ対応することが必要となろう。(2020.11.12.All Rights Reserved.)

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国勢調査2020、1票の格差解消に反映されるか!

2021-02-12 | Weblog

国勢調査2020、1票の格差解消に反映されるか!

 5年に1度の「国勢調査」が実施されている。特に2020年は10の倍数の年で、本格的な国政調査となっている。国勢調査は統計法に基づき実施される国の最も重要な調査とされ、60~70万人の調査員を雇い、多額の予算を割いて実施される。重要な国の調査であるから、その結果が行政や政治に有効に活用、反映されることが期待される。

  2016年2月、安倍晋三首相(当時)は衆院総務委員会において、衆議院議員選挙における「一票の格差」是正をめぐる質疑において、「県を越える大規模な定数是正は、10年ごとの国勢調査で行うべきだ。2015年の調査は簡易調査であって、5年後には大規模国勢調査の数字が出る。・・・」などとして、抜本的な格差是正を先送った経緯がある。

 1、国民の平等を形にするものとして、「一票の格差」是正が必要

2019年7月の参院選において、選挙区で最大3倍の「一票の格差」があったことに対し、弁護士など市民グループが全国14の裁判所に違憲として訴えていた。高松高裁は、10月16日、国民の平等を定めた憲法に違反するとして「違憲状態」と判決した。

「違憲状態」との表現は、事実上「違憲」の意味であることには変わりがない。高松高裁は、香川、愛媛、徳島・高知(合区)の3選挙区の選挙無効の訴えは棄却したが、無効とすると社会的な混乱を起こすことが懸念され、3権の一つである国会の権限を尊重し国会に対応を委ねたのであろう。しかし「違憲」は「違憲」である。裁判制度は、3権分立の中で独立の機能を持つので、本来であれば、違憲と判断するのであれば、違憲状態として対応を国会に委ねるのではなく、司法の立場から違憲は違憲とすべきであり、その上で国会の対応に委ねるべきなのであろう。

 いすれにしても、国会は3権の一つであり、同等の重みを有する司法(裁判所)の判断を厳正に受け止め、抜本的解決策を次の選挙までに出すべきであろう。これは国民の平等に立脚する基本的な権利である投票権に関するであり、基本的な政治制度であるので、衆・参両院ともに最優先事項として取り組むことが望まれる。

 国勢調査2020の調査結果が公正、適正に活用されることが望まれる。それは、与党だけの責任ではなく、野党各党の責任とも言えよう。また国勢調査は今後の日本の方向性を示す指標となるので、政府としても、その結果を内閣が一丸となって評価、共有し、就労制度、年金・医療などの福祉政策、地域行政制度、交通を含む町造、都市造りなど、行政各部の政策に反映して行くことが望ましい。

 

 2、国民の平等を前提とする民主主義、男女平等などが遅れている日本

 ところで、「平等」とは基本的には1対1の関係に近づけることが期待されるが、選挙区割り等の技術的な制約から若干の幅は仕方ないものの、原則として1.5倍以下で極力1.0に近い数値に収まるよう努力すべきだろう。1.9倍なら良い、1.6倍ならよいなど、恣意的に判断されるべきことではない。特定の選挙区が4捨5入で2倍以上の格差となることは平等概念に反すると言えよう。人口の多い地域の1票の重みが半人前になるようではもはや平等などとは言えない。また人口の少ない地方の有権者がいつまでも投票権において過度に保護される状態では、地方はいつまで経っても自立できないのではなかろうか。また議員の質を維持する上でも公正、公平な競争を確保することが望ましい。いずれにしても人口の少ない地域への若干の上乗せは残り、配慮されるが、地方の自立があってこそ発展があり、それを支援することによる効果も大きい。

  裁判所は、これまで選挙毎に争われてきている1票の格差問題で、衆議院では2倍以上、参議院では3倍以上(つい最近まで5倍以上)を違憲、違憲状態として来ているが、格差を原則1対1に近づけてこそ平等と言える。

 世界の政治民主化度 国別ランキング(出典:世銀2018年)では、世界204国・地域中で日本は41位、G-7(主要先進工業国)中最下位となっている。因みに、世界の「男女平等ランキング2020(2019年時点の数値)」では日本は121位で史上最低となっている。また2019年の労働生産性ランキングは、「経済大国」と言われながら世界187国・地域中で36位、世界の報道の自由2020では、世界187国・地域中で66位でしかない。

 世界でこのように見られていることは残念だが、戦後75年、視野を広げ、公正、公平な民主主義の構築に向けて一層の努力が必要なのだろう。(2020/10/1)

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