義務教育の算数。今から使える自宅学習のコツ

学校を出てから使える基礎教養の授業開講予定。でも今は、このブログをご拡散ください。小・中学生個別指導経験7 年。

ゲームだけでは自宅学習は上手くいかない①②

2020-04-25 17:53:15 | おすすめ教材
自宅学習の導入は「ゲームだけ」では苦しいです。親御さんが大人同士の仕事の話を(相談でもなく)簡単に説明するほうが効果があると思います。
以下が理由です。

①コンテンツはアクセスをやめれば終わり

めんどくさいことからは離れたくなりませんか。
離れたくても他人がいると(例えば構ってほしがって子が来ると)本のように閉じてしまうわけにはいきませんよね。
電源も切れない。

私には、2 週間放置しているIQパズルがあります。アタマが足りないと言うなら言えと思ってやめています。
勉強はそれだけでは行き詰まります。現に解けません。

中断しながら何日も考えつづける方法だけでは時間が掛かります。
聞き流しつつ必要な情報だけを聞き覚えるには聞く練習が必要です。
ゲームは中断しながら何日も考えつづける練習には向いています。しかしながら実際には電源を切れない状況ばっかりです。学習の場でも同じです。

②決まりきった結論は見抜かれる
「計算ドリルの縦一列に “1” と書いてから隣に “1” “2” “3” ……と書き連ねて宿題を終わらせる小学校低学年の子」がいます。よくいます。
そして賢いのに勉強で伸び悩みます。
そういう人にとっては選んでいるドリルが簡単すぎるのです。そしてゲームは簡単すぎるドリルで勉強している状態を「強い」と呼びます。

どんな系統のゲームでも簡単な基本操作や分かりやすい仕組みは魅力です。
複雑なコマンド技は
「戦って倒す」というシンプルな仕組みの上で活きます。

その計算ドリルが
「答えが10 以上の数になる計算ページ」で
「早く答えて先生に渡さなければいけない宿題」だから、

最初に10の位に1を書いておく。
「答えが1 ずつ増えていく」から1の位に数字を1から順番に並べる。
そんな簡単なことは言葉にせずすぐに書いてしまったほうが早く済む。
ゲームの感覚だとこういう方法に強くなります。
だから、複雑な問題に弱い。なぜか。

複雑な問題は、バカバカしいぐらい簡単なのでいちいち言葉で説明しない前提 ー たとえば 「最初から1人3個ずつでもいいし全員に1個ずつ3回あげてもいい」 ー でできているから難しいのです。
簡単な話をわざわざ説明してくれないから難しい。
これも生きているとよくあることかと思います。誰もが分かりやすく膳立てをしてくれるわけではない。一度噛み砕いて整理してみなくてはいけない。
しかしゲームは分かりやすい膳立てが基本です。電源を入れる仕組みと意味についてついでに考えさせたりはしません。

長くなったので次回です。
追記、私はゲームの時間を制限する法律に反対です。では。

働きながら子供に教えられること

2020-04-25 02:18:00 | やりがちな失敗
家庭学習(自宅学習)では「自主性を尊重しつつ面倒見のいい指導」を基本に勉強法を考える人が大勢います。

個別の指導をご希望になる方も「自主性を尊重しつつ先生がよく見てくれる指導」を望まれます。

少人数ないし一対一で勉強を教える時の強みはよく面倒を見てくれること。そして自主性を尊重してくれること。
だから家庭学習でも同じことを望みます。そして「子供に勉強を教えられない」と仰る。

面倒見よくしつつ口を出さず、相手を待ちつつ取り付く島があるように少しずつ教え、時には相手を見ないで一人の時間を作り、興味を惹きつつ休憩を挟む作業は片手間にはできません。

自宅学習で勉強を
「より良い家庭学習」のように教えるには、
自宅を生活の場から学習用の空間に換える為の膨大な手間暇も加わります。
手間暇を掛けるからこそ、
一対一の教育は、充実した内容であると同時にとても贅沢でもあります。

「教えない」自宅学習を提唱する人は大勢います。
しかし「教えない」家庭学習の方法を探すと、また凄まじいばかり理想的な話が出てきます。
学びについて語り合ってみようとか。

仕事の話をしてあげてください。
今アタマを占めている仕事上の課題を説明してみてください(守秘義務には気をつけてください)。

説明して
「どうしようか悩んでいる」と言ってあげてください。
汚れの落ちにくい鍋をどう洗おうかという話をしてください。
経費と利益率の話を「働いたらお金が入るけど働くまでにお金が掛かる」と話してあげてください。

何か子供に言われてもイライラしない話題を選ぶようにしてください。
相手の返事が必要ない話題を選ぶようにしてください。
「子供には分からない仕事上の話」は、充分に「普段の生活と違う非日常な学びの経験」です(くれぐれも守秘義務には気をつけてください。)
何も無ければ天気の話をしてください。

今日晴れるか、雨になるかを一言二言話してください。「天気予報はハズレることもある」と言ってあげてください。
趣味があれば趣味の話を。
時事問題があれば自分の考えていることを。
それも難しければ、
「もっと考えなくちゃいけないことが有るけど色々なことが気になって考えられていない。どうしようかと思っている」
と言ってあげてください。

「今この問題があると思う。自分は解決したいので考えている」とただ説明してあげてください。
それも疲れたら塾をご利用ください。
少しだけご利用の上で、
「塾が悪い」と仰ってください。

自宅学習が上手くいかない理由に、
家庭を学習空間にする手間暇が膨大だという点を挙げました。

自宅で集中して勉強や頭脳労働のようなことをしようとすると、こまごましたことが目につきます。
しかも、
家庭で目につくこまごましたことはどれも割に重要です。
大切な家庭の雑事と目の前の「勉強や頭脳労働のようなこと」は一切関係がない。

家庭学習がはかどらずにきょろきょろしている子供は、
とりあえずお茶を淹れて一服してばかりの在宅勤務と、
同じ状態にあります。

だから「今こういう問題がある。解決したいがどうしようか悩んでいる」状態が人にはあるということを、
子供に見せてあげてください。