「ちまちま」のゲーム日記。

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レトロゲーマーへの道~X1Cカセットデッキ修理-中間まとめ

2017年03月12日 09時21分43秒 | レトロゲーム

本体の動作がホボ完動状態になったとは言え、トラブルが全く無くなった訳ではありません。
この辺りは経年劣化と考えて、メンテナンスして行くしか無さそうです。
今回の追加項目以降、トラブルは出ずにチョコチョコ使いながら2か月ほど経ったので、少しだけまとめてみました。

以下の内容は全てX1Cシリーズのカセットデッキの内容です。
マニアタイプ(CZ-800C)、X1G(CZ-811C)、X1F(CZ-820C)、データレコーダー(CZ-8RL1)の様な
縦型のシャープのカセットデッキとは構造が違う為、ご注意下さい。

まずは2,3点追加になった項目から。



●テープエンド判定機構の修理-その2

前回バラバラになった機構ですが、テグザーやザナドゥなど
なかなか激しいテープ制御のソフトを使いだしたので、またバラけてしまったようです。
症状は同じで、テープを入れても少しだけ読んですぐ止まってしまいます。
これはテープエンド判定スイッチが入ったままで起こる症状です。

 
このピンが抜け落ちてスイッチがロックされてしまう訳ですが
ピンを完全に接着してしまうのは問題が出てくる可能性があるので
芯の部分を気持程度潰して(傷つけて?)、抜けにくくしてみます。

今回は2度目と言う事で、また落下する可能性がある事から
部品が外れた時に落ちてショートしない様に、受け皿を作ってみました。

ジャンクから取り出した、薄い絶縁プラ板です。
このプラ板を曲げて、デッキのネジ2か所と共締めします。
受け皿になるようにグルーガンで囲って、落下の弾みで跳ねない様に、適当にグルーガンで糸を引きます。
   

実際に落ちる所は見れませんが、そのうち落ちる気がするので
その時に、このガードが機能しているかワクワクしながら開けてみましょう。
(蓋を開ける時にひっくり返して結局落ちる気がしないでもありませんが電源を切る猶予が出来ます)



●カセットテープのカタカタ音

一旦収まっていましたが、時々鳴る様でロードエラーにも繋がると思い原因を調べてみました。
 
この金具がカセットをヘッド側へ押し下げて固定しています。
テープデッキのベルトを交換したり修理する時、この金具を外さずに裏返していたのが原因と思われます。
しかし裏返した時、この金具が丁度良い具合に土台になってたりもするんですよね...
金具を外して裏返すと次に当たるのがカセットを巻き取る軸な気がするので少し心配な為、土台として働いて頂いてます。

ネジで止まってるだけなので一度外して押さえ側に少し曲げました。
微かに音が鳴っている時もありますが、概ね改善されたと思います。
曲げ過ぎるとカセットが飛び出そうとしてスロットに入れにくくなったり、イジェクトで引っかかるので注意が必要です。
(つまり、自分は一度曲げすぎたと言う事...)



●不具合個所追加

またまたヘッドが戻らない症状に遭遇しました。
頭まで巻き戻したあと、さらに巻き戻そうとすると自動停止しない上に普通の停止も出来ない為に
ヘッドが戻らず無理やりカセットを出すしか手がなくなりました。

カセットテープを無理やり出したら元に戻りましたが、
カセットテープが入ったままの状態ではヘッドが戻らなかったのが心配です。

その時の挙動として、電源を入れ直すと早送りや巻き戻しのランプが勝手についたり
ストップを押しても停止せずに早送りしようとしたり、かなり怪しい挙動をしていました。

2度もバラけているテープエンド判定機構が怪しいですが、
テープエンド状態から更にエンド方向へ送らなければ起こらない症状なので、今の所は保留中。
分解して調べていないので詳細は不明ですが、後々直したい不具合です。



●X1Cカセットデッキ修理、中間まとめ

X1Cのカバー&カセットデッキの外し方

個体差はあると思いますが、ツメが硬いのでネジを外して「パカッ」とは簡単に外せません。
カバーを付ける時もバキバキ鳴るほどなので、慣れが必要かもしれません。
関連記事を参考に、外しやすい方法を見つけて下さい。

関連記事:~X1Cカセットテープデッキ修理
     CZ-801C(X1C)の延命処置

電源は入ってカセット操作ボタンも反応するが、カセットが回らない(ベルト問題)

ほぼ全ての人が最初に直面する問題でしょう。
ベルトが切れているか滑っている可能性があり、カセットが正常に回らない原因の一つです。

修理品を購入された方でも、年を重ねる毎に修理が必要になる事も多い箇所です。
「モーター~フライホイール」間、「右巻き取り軸~カウンター」間のベルトは
保存状態が良ければ純正初期ベルトのままでも使える可能性はあり、代替品を探すことも難しくは無さそうですが
「フライホイール~テープエンド~駆動プーリー」間のベルトは、純正品がブチル系ゴムであるため溶けている可能性が高く
使っていない補修部品ですら溶けている可能性があります。
テープエンド判定時に高い負荷がかかるのか、最適なサイズと最適なグリップ力のベルトを用意する必要があり
代替品を探すのに苦労するかもしれません。
グリップ力が低いとテープエンド機構が正常に働かなかったり、再生速度が安定せずロードエラーになる可能性があります。

正常に動く状態のベルトの長さを把握しておくと修理が楽かもしれません。
ベルトの長さの参考値は過去記事を御参照下さい。

関連過去記事:~X1Cカセットテープデッキ修理
       ~X1C専用ゴムベルトの作製
        CZ-801C(X1C)の延命処置

カセットテープを巻き込む、テープの端が折れてしまう

ピンチローラー機構に不具合がある可能性が高い様です。
ただし、駆動用のベルトが弱い場合も巻き込む可能性があるようで、最初にベルトの確認は必要です。
自分の場合はピンチローラー機構そのもののガタと、ピンチローラーのヘタリが原因だったと思います。
ピンチローラーがしっかりしていれば、ワカメ化したテープもある程度までなら巻き込まずに読める事が判明しました。

・簡易修理方法
テープが上下にズレる場合はピンチローラーのゴムがヘタっている可能性が高いです。
ピンチローラー自体の交換が可能ならば話は早いのですが、レトロ機器はそれも難しく代替品が見つかるまで修理して凌ぐ他ありません。
まずは硬化したゴム部分の面全体を削って、さらに
:上に流れる(上半分が折れるorシワシワ)場合はローラー上側がヘタってるので下を削る
:下に流れる(下半分が折れるorシワシワ)場合はローラー下側がヘタってるので上を削る
最後に上下が丸みを帯びないように、真ん中のみ削って平らにする。

極端に言うと円錐になっていると、尖がった方にテープが流れてしまうので円柱にしましょうって事ですね。
ピンチローラーは基本的にテープを押さえて真っ直ぐ送るだけのゴムなので、精度さえあれば代用品でも問題無いと思われます。

関連過去記事:~X1Cカセットテープデッキ修理~その3
       ~X1Cカセットテープデッキ修理~その4
           

磁気ヘッドが出ない、戻らない

稼働機械部分の油切れやグリスの固着が原因である可能性が高いです。
ヘッドを出す時は駆動モーターの力を利用してギアを回して出す仕組みなので、ベルトが滑っていないかも重要。

自分のカセットデッキは最初は何度か動いていたのですが急に動かなくなりグリスアップする事で直りました。
1度動いたからと言ってそのままずっと動く訳ではなく、掃除やグリスアップは必要な様です。
モーターに負荷が掛かり過ぎると、モーターの寿命を縮める事にもなると思うので
動いているからと言って、そのまま使い続けるのも考え物かもしれません。

その他、電磁ソレノイド(コイルの電磁力でピンを動かす機構)が働かなかったり弱っている場合や
カセットデッキが停止状態にならない場合も、ヘッドが戻らない時がある様です。


関連過去記事:~X1Cカセットデッキの命日?


テープは回るがロードエラーになる(読み込み不良、データ位置問題)

カセットテープ自体が問題なのか、X1Cのカセットデッキ自体が問題なのか、
データの書き込み位置が問題なのか、読み込み位置が問題なのか判断が難しいです。

カセットテープが劣化した場合、ノイズや音量低下によりロードエラーになります。
その場合、なんらかの方法で音量を上げてやる事で、読める様になる可能性はあります。
実際に、実機でインフォメーションブロックすら読まなかったソフトが
ミニコンポ「DENON D-07」で再生した音声をX1Cで読むことによりロードが可能になりました。

データの書き込み位置は、カセットデッキのヘッド位置とカセットテープの巻き位置によってデータの位置に若干の誤差が出る様です。
その誤差と読み取りヘッド位置の誤差が広くなるとロードエラーになり、Wラジカセのダビングで安定しない原因である可能性があります。
その他のデッキの場合、再生速度やノイズフィルタ等、一概にデータ位置だけの問題とも限らないのが問題を複雑化させる要因でもあります。

自分の場合、X1Cカセットスロットの蓋に物を挟む「斜めロード戦法」が有効だった事から
テープ自体の位置や録音位置がおかしいと思い込んでいましたが
実際は、ピンチローラーが若干ズレた状態でテープを引っ張るために、読み取り位置が正しくなかった可能性が高いです。
なので、問題なくテープを巻き取っているにも関わらずデータを読まない場合は、ピンチローラーが正常に送っているかを確認をする必要がありそうです。

一応アジマス(磁気ヘッドの傾き)を調整する事も可能ですが、そうそう狂うものでも無いと思うので
まずは他の箇所を完璧にしてから、どうしても読み込まない場合は調整してみると良いかもしれません。
音楽デッキの場合、これらの調整に基準音声のカセットテープを再生して、パソコンで音声を解析して調整する方法がある様ですが
今回はX1Cをどの様に調整すれば良いのか分かりませんでしたので、勘に頼ったトライ・アンド・エラーによる調整となってしまいました。

再生速度の低下によるロードエラーは、自分のカセットデッキでは今の所ありませんが
古くなってくるとモーターが劣化してくる可能性だけは、頭の片隅に入れておいた方が良いかもしれません。

カセットテープの位置が安定せずカタカタ鳴る場合もロードエラーの原因になります
カセットテープの押さえが弱い為に起こる様で、カセットの頭からヘッド側で抑える金具か、
カセットスロットにある蓋側からデッキ側へ抑えるバネに問題がある可能性があります。
カセットアダプターの逆転ロック装置もカタカタ鳴る事が多いので、不要なら外してしまうのも手でしょう。
ただし、カウンターが高速で回る様になるで、気になる方はご注意下さい。

関連過去記事:~X1Cカセットテープデッキ修理~その3
       ~X1ソフトのバックアップ最終調整
       
~X1Cカセットテープデッキ修理~その4


○テープエンド判定機構の不良

・テープエンドで止まらない(止まるまで時間がかかる)
テープエンドプーリーにベルトが掛かっていないか、ベルトが滑っている可能性があります。
その他テープエンド機構に不具合があると、スイッチが入らず自動停止しない事もありそうです。
ベルトの長さと弾力とグリップ力によって停止までの時間が変わってくる様なので、最適なベルトを探すのに時間がかかりそうです。

・再生、早送り、巻き戻しなど反応はするが、すぐに止まってしまう。
テープエンド判定スイッチを押す機構のピンが抜けてしまうと
1度テープエンド判定を行った後はスイッチが入りっぱなしになる為、再生しても即停止する様になります。
刺さりが浅くロック機構も無しで逆さ向きにピンが刺さっている為、振動で抜けてしまう事がある様です。
経年もあるでしょうが、注油には細心の注意を払って油分がかからない様にしましょう。
   

関連過去記事:~X1Cカセットテープデッキ修理~その4



●まとめ

○X1C(CZ-801C)カセットデッキの構造と動き(仮)
 
    


現在、解決していないMyカセットデッキの問題点は

○テープエンド判定が遅い

:放置すればいつかは自動で止まりますが、時間のバラつきは大きいです。
○テープエンドからさらにエンド方向へ送るとバグる
:基本的にボタンを押し間違えなければ起こりませんが、テープエンド判定後にFILES等のコマンドを入れるとどうなるか?
試してみると、HuBASIC起動終了後の巻き戻しで自動停止した直後の ” FILES ” は「NG」でした。
つまり2連続のテープエンド判定が上手く行っていない様です。1度目のエンド判定で何かがリセットされていなのかもしれません。

以上、テープエンド判定関係のみとなっています。
エンド判定が遅いのはベルトに問題がある可能性が高いですが、この機構は素人にとっては複雑な動きで難しいです。
テープエンドプーリーが回ってスイッチを押すのは間違いないのですが
駆動用ベルトは1本なので「カセットの駆動ギアが停止すると、テープエンドプーリーも止まってしまうのでは?」
と言う疑問があります。
荷が掛かった状態でテープエンドプーリーを回そうとする為に、ベルトのグリップ力が低いとフライホイールで滑ってしまい
グリップ力が高すぎても全体が回らなくなり、テープエンド判定に遅延が発生するのでしょうか?

その他、電磁ソレノイドがいくつかあって、カセットの上蓋のロックを外す電磁ソレノイド、ヘッドを戻す電磁ソレノイド、
送り方向を切り替える電磁ソレノイドは分かるのですが
動作不明の小さ目の電磁ソレノイドがあるので、追々確認して行きたいと思います。



以上、まだまだ問題が出てきそうですがX1Cのカセットデッキ修理の中間まとめでした。

 

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