朱鷺色の天使

ソロモンオウムをはじめ沢山の鳥さんとの日々、を綴ります。また、元エホバの証人の2世です。そのネタ投下もします。

シートン動物記が嫌いおすすめは・・・

2012-12-03 17:10:58 | 日記
私はシートンが嫌いです。あの人のやり方がことごとく冷たくてフェアじゃなくて大嫌い。

意外でしたか?動物好きはシートン動物記が好きというイメージがあるみたいなので。

すずめの巣の卵を盗んでガラス玉を突っ込むシートン。オオカミを欺くためにその妻の足を切り取り足跡を付けるシートン。大っきらい。なんて冷たく汚いんでしょう!

私は椋鳩十を読んで育ちました。シートン動物記を読んだのはずいぶん大きくなってからで、小学生のころは椋鳩十ばっかり読んで、読書感想文の賞を毎年獲得していたのも椋鳩十。課題本なんて大人が決めたのは好きではなく、自由部門で毎年賞をもらっていました。

なんという愛情!温もりに満ちています。彼の作品にはしばしば猟師が登場しますが彼らは動物に対してフェアで紳士的です。猟師たちは動物が大好きで、獲物に対して敬意をはらっているのです。

なかでも心に残っているのが大空に生きるという作品で、鷲の子供が誕生するところから始まります。しかし親が老いていて、巣立つ前に死んでしまいます。雛はミミズを捕ることから狩りを始めます。実はこれは本当のことで、鷲とはいえ巣立ったばかりの若造は、まず虫から狩りを覚えるんです。実に自然に対して造詣が深い。今猛禽に接していて改めて彼に対する尊敬の念を覚えます。

やがて大きくなった鷲は、人につかまります。でもとても良い人で鷲もその人が飼っている犬と狩りのまねの遊びをするようになります。しかし野生の本能は突然芽生え、大空に帰る日が来るのです・・・

私は椋鳩十はもっと評価されるべきと思います。シートン動物記などより何倍も動物を愛する心を教えてくれます。所詮シートン動物記は西洋の「動物は人間に従うべき」というキリスト教精神に基づく冷たいものです。しかし椋鳩十は違います。日本の「動物と人はフェア」という温もりに満ちています。

ぜひ、読み比べてみてください。きっと違いが分かると思います。こんなすばらしい作家が日本にいたことを誇るべきです。知名度がいまいち低いですが、椋鳩十はすばらしい作家です。知らなかったという人もいるかもしれません。シートン動物記が並んでいるところに本当に並ぶべきは椋鳩十の作品です。

ちなみに大空に生きるの感想文も賞をとりました。猛禽類に接している人にもおすすめです。大人でも十分んに楽しめる完成度の高い作品です。