情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

「ピースボート護衛受ける ソマリア沖」を笑うを笑う

2009-05-14 19:58:33 | メディア(知るための手段のあり方)
 産経新聞(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090514/plc0905140140001-n1.htm)によると、【海賊対策のためアフリカ・ソマリア沖に展開中の海上自衛隊の護衛艦が、民間国際交流団体「ピースボート」の船旅の旅客船を護衛したことが13日、分かった】そうで、なんとこのことが、【ピースボートは海賊対策での海自派遣に反対しており、主張とのギャップは議論を呼びそうだ。】とのこと。ふ~ん、何が議論を呼ぶんだろう?分からない。

 ピース・ボートは団体として、海賊対策で【自衛隊】を派遣することに反対している。それは確かだ。

 そして、今回、旅客の安全を期するために、護衛を受ける選択をし、その護衛は【自衛隊】が関与していた。

 矛盾でも何でもない。もし、反対した結果、【自衛隊】の派遣を止めることができていたら、【海上保安庁】の護衛を受けることができただけだ。

 反対したけれど、残念ながら、海上自衛隊が派遣されてしまい、護衛を受けるとすると自衛隊の参画はまぬかれない。でも、乗客の安全のためには、護衛を受けないという判断はできない。それだけのことでしょう。

 議論を呼ぶって、うぷぷって感じだね。
 
 こういう批判をする人って、警察批判をしたら、じゃぁ、警察に頼らないんだなっとか言ってそうで…うぷぷっ

 それって、権力を褒めたり有難がらないと権力の恩恵を被ることができないってことで、そういうことをもしメディアが言うのならば、そりゃ、権力監視なんか無理なわけで…ぞぞぞっ









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ストリートビューはプライバシー侵害?~どこまで自主規制すればOKか?

2009-05-14 18:46:26 | メディア(知るための手段のあり方)
 グーグルは、13日、プライバシー侵害という批判が相次いでいるストリートビューについて、今後は撮影カメラの高さを40センチ下げ、2メートル5センチで撮影し、すでに撮影したところも、撮影しなおすことを発表した。確かに、従来の高さでは、蒲団(ならまだいいが)を干したりしているところが丸見えとなるため、人間の歩く高さに近づけたというのは悪くはない。しか~し、果たしてこれで問題がないといえるのか、この自主規制のままでよいのか、少し考えてみよう。

 ストリートビューのプライバシー侵害については、実際に発表されている画像だけでなく、撮影段階、発表段階、保管段階という3つのレベルで考える必要がある。

 まず、撮影段階では、従来のような通常人が見えないような高さからの撮影方法にはやはり問題があったというほかない。今回は、2.05メートルという中途半端さが残念。いっそのこと、1.70メートルくらいにすれば、よかったのだが…。まぁ、2.05メートルの人は散歩できないというわけではないし、ぎりぎりという感じか?


 次に発表段階だが、特定できないように顔にぼかしをいれたりするだけでなく、ラブホテルに入ろうとしている人のように特殊な状況が写っている人については、全身をぼかしたり、画像処理で削除する必要があろう。特定できなければ、プライバシー侵害の問題はクリアできるが、センシティブな情報はあえて掲載する必要はない。もちろん、建物内についても、羞恥心を感じるようなものが写っていたら、ぼかしか削除が必要だ。

 さらに、今回の自主規制で表札については、自動ぼかしは技術的に無理だったようで、希望があれば削除するということになった。すでに戸別の氏名(氏のみもある)が掲載された住宅地図が発行されていることからすると、希望に応じてぼかしをいれることでまぁ、仕方ないか?

 車のナンバーも問題だが、これは、今回、ぼかしを入れることになったようだ。


 最後に保管段階。これは、元の顔などをぼかしていない生データを所持してよいかという問題だ。情報が漏れたりする危険もあるし、そもそも所持する必然性はない。これはもうアップしたプライバシー侵害のない情報以外は、削除してしまうしかあるまい。

 どうでしょう。仮にグーグルが、ここまで自主規制をしたら、それでも、ストリートビューはプライバシー侵害だと問題視する声があがるだろうか?

 逆に言うと、このくらいしないとなかなか商売として認めてもらえないのでは?

 そうそう、建物自体の問題もあるが、建物は外から見ることがきるし、それを地図情報と結びつけたからと言って違法だとは言い難いのではないのではだろうか?

※写真:http://googlejapan.blogspot.com/2009/05/blog-post_5855.html

 

 








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銃規制もできないような国が核廃絶のリーダーになるなんて出来っこない-橋本勝の政治漫画再生計画167回

2009-05-14 00:15:52 | メディア(知るための手段のあり方)
【橋本勝さんのコメント】
オバマ米大統領が核廃絶を言明したことが
たいへん歓迎すべきニュースとして世界中の人から受けとめられている
とくに唯一の被爆国である日本にとっては
オバマが原爆を落とした米国の道義的責任について言及したことへの評価が高い
だがへそ曲がりの風刺漫画家としての私はこれを素直に喜べない
大量殺戮の究極の兵器が核兵器、だが日常の生活の中にある殺戮兵器といえば銃
その銃が2億丁もある銃社会の国がアメリカ、銃により要人が暗殺され
無残な大量殺人事件が起こり、子供が誤って銃を発射する悲劇も多発している
銃による悲惨な事件が起こるたびに、銃規制の法を作る動きがでるが
そのたびに頓挫し、実現にはいたっていない
全米ライフル協会、兵器産業界からの圧力といったこともあるが
それ以上にアメリカの精神風土に、根ざしていることに問題の深刻さがある
西部劇でおなじみ「自分の身は自分で守る」自立の精神の証が銃なのである
それがアメリカの個人の自由の原点であり、建国の精神である
その個人にとっての銃を、国家のレベルに拡大したのが核兵器である
冷戦が終わったから、核はなくせるというのは幻想にすぎない
銃には銃で対抗し、自分の身を守ろうとするように
核には核で対するという核抑止力という、国家としての自衛権
オバマは単純な理想主義者ではないし、アメリカの利益を優先する
したたかな現実主義者である、対国家なら通用する核抑止力も
「テロ集団」のような非対称の敵に対しては効き目がない
「彼らが」核を手にするそれはアメリカにとっての悪夢の現実化
ならば世界から核を廃絶するしかない!ということからの核廃絶である
でもそれまではアメリカは、核を減らすことはあっても核を持ち続ける
そう、個人としてのアメリカ人が、銃を持つ権利を手放さないように。


【ヤメ蚊】
 核兵器は廃絶できる、必ず。





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委縮効果ということ~公権力や広告主からの独立を意識した仕組みを考えよう!

2009-05-13 05:22:07 | メディア(知るための手段のあり方)
 前回のエントリーに対し、道新の高田さんからお答えをいただきました。編集部門の独立性を高める仕組みに頼るのではなく、まずは、内部で声を上げようというのがお答えの趣旨だと思う。私もまず声を上げることが重要であることには異論はない。しかし、その背景に仕組みがあるとないとでは声を上げる人の数が圧倒的に変わってくるのではないか、と考えているだけだ。


 高田さんは、まず、私のエントリーについて、【労組や団体の力をもっと強めよう、と云っているが、これはまさしく、その通りだ。異論はない。】とされたうえで、

【ただ、私が言う「闘い」は、日々のニュースが作られる現場でのことを言っている。例えば、何かの事件取材において、「こういう報道はできない・すべきではない」と現場記者が考えたとしよう。そういう場合は、その記者本人が、前面に立って、キャップなりデスクなりに意見する(=闘う)しかないのではないか。自分ではモノが云えないから、労働組合に出てきてもらう? 締めきり時間を目前に控えた取材者に、たぶん、そんな時間の余裕はない。それに、刻々と事態が変化するニュースにどう対処するかは、いちいち、組合がどうのこうの、という性質のものでもあるまい。それらをまとめて、あるべき姿を語るなどする場合は、組合も有効だろうが、多忙な取材現場では、そんなことをやっている暇はない。】と述べられている。

 ここは、そのまま「うん」とはいえない。というのは、少し誤解があると思うのだ。

 私も、自分が言えないから、労組に代わって言ってもらえるような仕組みを設けるべきだと言っているのではない。たとえば、その人が言ったことが無視された時に、後ででもかまわないので、経営部門と編集部門で協議できるような場を設けておいたり、経営部門の指示内容が不当だった場合に、そのことを外部に公表できるようなシステムが必要ではないだろうか、あるいは、声を上げたことで不当な扱いを受けた場合にそのことを問題にできる場が必要ではないだろうか、と言っているだけなのだ。もちろん、編集内部での問題でも、経営の意向を受けた編集トップと現場記者間での意見対立という問題もあるだろうから(現実にはそのほうが多いだろう)、そのようなことについても取り上げることできるような場を設ける必要があると思う。

 私がなぜ、そういうことを言うのかというと、委縮効果(チリング・イフェクト)を考慮することが重要だと考えるからだ。外部からの公権力や広告主の圧力だけでなく、その圧力を受けた内部の経営スタッフからの圧力がいかに、現場を委縮させるか、それは高田さんがよくご存じのとおりだ。

 たとえば、報復的人事などを目の前にすると、筆が鈍るのは当然だし、内部で声を上げようという気力も萎えてしまうだろう。
 
 そこで、そのような報復的人事などを防ぐような仕組みが必要だと思う。

 もちろん、私も仕組みですべてが解決するとは思っていない。しかし、日本ではあまりに、仕組みが軽視されていることが問題だ。

 たとえば、審議会が政府の政策決定の「道具」「言い訳」となっている問題は長年指摘され続けてきた。

 英国では、それを防ぐために、少なくとも防ごうとするための仕組みが設けられている。何度も紹介している「公職コミッショナー制度」だ。

 審議会に採用された人が、その職務のあり方を貫けばよいのは当然だが、そのように主張をしても、結局、ものごとは変わらない。
 
 なにがしかのシステムが必要で、それについて議論をはじめなければならない。

 警察の不祥事にしても、内部で第三者がチェックする「オンブズマン」の存在は不可欠だろう。日本では、警察に労働組合がないのだから、その存在の必要性は通常のよりも大きいはずだ。

 自衛隊でもオンブズマンは必要だ。

 取り調べの可視化も放置されてきた。

 内部告発の保護も、法はできたが、まったく不十分で、法ができた後も、内部告発するためには、自分が犠牲になる覚悟が必要だ。たとえば、米国では、内部告発によって税金の無駄遣いなどが抑制できた場合、そのうちの一部を内部告発者に還元する制度がある。内部告発者は一生、働かなくても食べていける。  


 高田さんはいう。

【私はウサギだから、現場では闘えないと云っているうちに、おそらくは、旧来と同じく、官依存・発表依存の報道は、どんどんどんどん、拡大再生産されていくはずだ。】

 私も、ウサギであることを口実にしてよいとは思わない。でも、一歩踏み出そうとしたときに、始めて、虎かウサギかが問われるわけで、最初から、ウサギだと自覚している人はいないと思う。

 一歩踏み出そうとするときに、ハードルを少しでも低くするような仕組みを考えることは、ハードルを越えようという呼びかけとセットにしておく必要があると思う。

 そうでなければ、「ウサギであることを口実にするな」というスローガンだけで終わってしまう可能性があるからだ。このスローガンを叫ぶだけでは制度改革はできない。

 繰り返すが、システムがあっても、個人がどうふるまうかは個人の判断にゆだねられる。そういう意味で、高田さんが言う、

【要は、個人として、どう振る舞うか、ということなのだと思う。強弱はあっていい。行動に差はあっていい。しかし、日々の現場で、「全くモノを言えない人」がいたとしたら、やはり、少なくとも、この商売には向いていないと思う。】
 
 とう指摘は正しい。

 でも、おそらく、報道機関に入社するときに、モノを言えないと自覚して入る人はいないだろう。

 しかし、いま、現に働いている記者のうち、本当に自分が思っていることがそのまま職場で話すことができていると感じる人が何人いるだろうか?

 高田さんのいう【毎回モノ申すのが辛かったら、3回に1回でもいい。】という、その頻度をあげることができる仕組みづくりを考える必要性を高田さんのように影響力のある人に呼び掛けてほしい、そういう思いで、前回のエントリーを書き、このエントリーも書きました。

 





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道新高田さんへの質問~孤高の虎でなければならないのでしょうか?

2009-05-12 01:49:16 | メディア(知るための手段のあり方)
 北海道新聞で、北海道警察裏金疑惑キャンペーンを仕切った高田昌幸さんが、そのブログ「ニュースの現場で考えること」で強烈なメッセージを送っている。きれい事をいうだけでなく、それを実現するように職場で実践することが重要だ、というメッセージだ。もしかしたら、先日の道警幹部による敗訴について、きちんと伝えることのなかったメディア全体に対する怒りがにじみ出たのかもしれない(違っていたらごめんなさい)。

 いずれにせよ、事件報道を売り物とする新聞社内で、事件報道のネタ元である警察を徹底的に敵に回す記事を書くことが歓迎されていたとは思えず、実際に、社内でけんかし続けてきたであろう高田さんでなければ、書けないようなメッセージだ。

 高田さんは言う。

【日本で一番言論が不自由なのは、会社組織の内部において、である。そして、一番、モノを云うのが難しい場所は、会社組織の内部である。新聞社やテレビ局はかなり緩やかだとは思うが、それも比較級の問題でしかないように思う。過去、例えば、新聞労連は、何度も何度も、記者クラブ問題を取り上げてきた。そして、その是正を訴えてきた。しかし、その主張をリードしていたはずの新聞労連幹部は、組織に戻り、職場の中において、記者クラブの開放をどう主張、実践してきたのだろうか。堂々と、モノを言いつけたのだろうか。その主張を組織内部で貫こうとすれば、時には、すさまじいばかりのケンカも起きようが、それを恐れず、堂々と主張を続けただろうか。

 一番難しいのは、足元、すなわち、日々の仕事の場で、堂々と意見を言い続けること、日々の自分の現場で闘うことなのだ、と思う。誤解を恐れずに云えば、例えば、労連委員長としてシンポジウムなどに出席し、そこで「あるべき姿」を語るのは容易い。内部の人が、匿名でメディア批判を行うのも容易い。

 「言論の自由」は、対権力との関係において語られるが、しかし、言論の自由を実践する場所は、「対権力=メディア企業の外側」ではなく、メディア企業の内部にこそある。メディア企業内部の日常的場面にこそ存在するのだと思う。われわれが「権力のポチ」であるならば、それは、まず第一に、「会社の・組織のポチ」となって体現されているはずなのだ。】

 私自身、耳が痛くなるが、果たして、この強烈な檄文だけでよいのだろうか。

 孤高の虎は、この檄文に応えることができよう。しかし、この世の中、虎ばかりじゃぁない。ウサギもいれば、猫もいるし、それこそ犬もいよう。それらの人に、虎になれといっても難しい。

 これは、マスメディアの世界だけのことではない。普通の会社でも、会社の不正などを質すことを虎だけに期待してはいけない。だからこそ、労働組合があるのだと思う。団結することで、自らの待遇を守るとともに、社内の不正に対峙する。マスメディアであれば、不当な圧力に対し、立ち上がるということだ。団結すれば、比較的ハードルが低くなる。

 そう、私は、高田さんに、ただ、檄文を書くだけでなく、マスメディアが世の中の労働組合を守り切れなかったことを反省するとともに、今後労働組合を強化し、あるいは、別の方法で団結を強化し、マスメディアでも編集部が社内的に少しづつ独立を獲得できるようにすることも呼びかけてほしいと願っているのだ。

 先日、BPOの放送倫理検証委員会が発表したNHK番組改編事件に対する意見書(http://www.bpo.gr.jp/kensyo/decision/001-010/005_nhk.pdf)の末尾に付されたフランスにおける内部的自由の制度は一つの検討材料のはずだ。

 雇用者に対して、団結することができれば、ポチでなくなることだってできるかもしれない…。

 先の意見書には、次のような一節が書かれている。


【NHKの「放送倫理の確立に向けて」(1999年)は、次のように述べている。

「放送は、ジャーナリズムの一つとして、表現の自由のもとに、国民に多様な情報を提供するという民主主義にとって欠かせない役割を担っている。このため、制度的に番組編集の自由が保障されている。この番組編集の自由を実質的に支えるのは、番組編集に関する放送事業者の自律であり、その自律の根底にあるのが、取材・制作に携わる者一人ひとりの『放送倫理』である。なかでも公共放送であるNHKは、国民の受信料によって成り立っていることから、その存立には視聴者との信頼関係が不可欠であり、とりわけ高い放送倫理が求められる」。

 ここでは、放送事業者の自律、取材・制作者の放送倫理、視聴者の信頼が三位一体であることの自覚が語られている。しかし、取材・制作者一人ひとりの放送倫理が、放送事業者の自律を根底から支えているとすれば、これと業務命令との関係はどういうことになるのだろうか。放送倫理を根拠に、業務命令を拒否することができる、ということか。それとも、それとこれとは話が別、ということか。
 NHK内で、あるいは放送界やマスメディア全体でも、放送倫理と業務命令との関係をどう考えるか、という問題はまだ十分には議論されていない。通例、事業体の最終的な意志決定の権限は経営者や上司に属すとされているが、果たして言論・報道・表現活動に関わる組織において、それをそのまま当てはめることができるのか。
 私たちはここに、ひとつのアイロニーを見ないわけにはいかない。『ETV2001シリーズ戦争をどう裁くか』が問題視したのは、まさにこのような問いであった。
 20世紀の戦争や紛争の世界を支配した命令の絶対性とそれへの服従が、世界各地で、無数の非人間的な行為を生んだ、21世紀はそれを克服するためにある、とシリーズ全体が説いていたのではなかったか。命令と倫理の関係はいまもアクチュアルな問題として、身近に存在しつづけている。】
 






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小沢辞任が日本の民主主義の歴史の汚点とならないことを願って…

2009-05-12 01:05:29 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 どうも、今年度、つまり4月になってから、調子が悪くっていけねぇ。腰痛、風邪、下痢、やっと、5月になって落ち着いたかと思ったら、再度強度の下痢。小だか、大だか、分らんような状態が3日以上続いた。なんとか、今日で完全復活と思ったら、小沢辞任だ。

 このニュースにもはやコメントは不要だろう。単に自分のブログの記録として残しておくことにする。2009年5月11日、小沢辞任、この日が日本の本格的な政権交代の目をつぶした歴史の汚点とならないことを願いつつ…。


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住宅性能評価機関の責任も問うべきでは?~欠陥があったときは忘れずに…

2009-05-10 16:44:25 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 いや、何も問題ない家にお住まいの方には、関係ないんだけど、住宅性能評価制度って知っていますか?平成11年に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)でつくられた制度で、国に登録した住宅性能評価機関が、住宅の耐火、防音、耐震などの10分野について、国が示す一定の基準にしたがって、性能をランク付けるものだ。国は、この制度によって、住宅の品質を比較することができるという。まぁ、確かに、ランク付けが正確に行われている限りはそうだが、ランク付けが正確に行われているかどうかなんて、買った素人には分からない。そうだとすると、どういうことが起こりうるか、想像つきますよね。そう、ランク偽装、これまでに何例か発覚しているようだが、私自身の相談例にもあった。

 と、ここで、疑問に思う人もいるはずだ。ランク付けが間違っていたならば、当然、評価機関が責任をとるのだろうから、故意の偽装はしないのではないか?と。

 ところが、性能評価機関が行った評価が虚偽だった場合に、その機関に責任を負わせるような条文は品確法にはないのが実態だ。

 それどころか、品確法上は、登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを、新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付などすると、住宅性能評価書の記載内容を契約したものとみなされるとはいうものの、「ただし、契約書面で、契約内容としないことを明記した場合はこの限りではない」とされている。

 しかも、性能評価機関は、建築会社との間で契約をしているだけで、注文者との間で契約を結んではいないため、保証するような契約もない。


 というわけで、建築業者側が性能評価機関側に強く偽装を求めたら、場合によっては、評価機関はそれに応じるかもしれない。以前に同じようなこともあったとおりに。

 では、実際に、裁判になったらどうなるか?

 住宅性能評価機関等連絡協議会らが作成したQ&A(http://www.hyouka.gr.jp/teikyo_joho/qa_list.php)によると、 

【耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)について等級3と評価された住宅が等級1の地震により倒壊した場合のように、性能評価された等級を満足しない結果が生じた場合の責任は誰に帰するか。】という質問に対し、

【一概には言えませんが、請負契約の内容と異なった施工の場合は請負人の責任、評価ミスならば評価機関の責任もあるなど、ケースバイケースで判断すべきものと考えます。】と回答しており、裁判で争われた場合には、責任を取らざるを得ない場合があることを認識しているようだ。

 とはいえ、裁判で争われるケースは少ないだろう。というのも、第一義的な責任は建築会社にあるため、訴える相手は、建築会社となることが多いだろうからだ。

 しかし、それでは、なかなか、偽装をランク付けをする悪質業者を駆逐することはできない。

 そこで、住宅の欠陥で訴訟を考えている皆さん、もし、住宅性能評価のランク付けにも問題があるならば、建築業者のみならず、住宅性能評価機関も訴えよう。同時に、国土交通省に対し、こんな評価機関がいる、なぜ、法律で評価機関の責任を定めないのか、こんな業者がいるようでは国家的詐欺だ~、と申告し、悪質業者駆逐と法改正を実現させよう。

 一生に一度の買い物で、泣く人をこれ以上増やさないためにも…。

【追記】
 ペンネームあゆさんから、次のようなコメントをいただきました。

【先日偶然別の件でしりたくなり何人かの建設業者にききました。住宅の通知簿で第三機関がやってきてあれこれ検査するそうです。申請には何十万もかかるそうです。
「とってもいいけどそれは販売価格に上乗せされますよ。」
と言う事でした。
何十万かかり責任不明瞭???!!】

きっちりと責任を負うなら、何十万円はかかることもあるかなとは思うんです。でも、なかには、極めて安価なのもあるそうで、それこそ、本当に調べているのか、という疑問もわいてきます。もちろん、安価だからだめとか、高いから安心とかいうつもりはまったくなく、ぼられているかもしれないし、リーゾナブルだけかもしれないし…。ホンに、建築の世界は不思議ワールドですね(悪徳業者を相手にすることが多いから特にそう感じるのかもしれませんが…)。




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新型インフルエンザで問題にすべきは感染だけではなく、なぜ発生したかということ

2009-05-09 22:27:22 | メディア(知るための手段のあり方)
 ついに日本にも新型インフルエンザの患者が発生したと発表された。国内感染の取り上げ方も含め、メディアは新型の感染について大きく取り上げるが、発生原因とその対策については、きちんと取り上げていないように思う(そういう記事やニュースがあったら教えてください)。そう、工業的畜産の問題だ。すでにヨーロッパでは、対策がとられており、ドイツ全土から、2007年1月1日よりゲージ飼いのニワトリ達がすっかり消え、全ては大地の上で飼育され、ヨーロッパ全体では2012年から実施するという(http://lavo.jp/kakinotane/lavo?p=log&lid=125750)。

 今回の新型インフルエンザについても、工業的畜産の問題について、フランスでは、attacフランスと農民連盟が以下のような声明を発したという(http://www.france.attac.org/spip.php?article9914)。


◆◆◆引用開始◆◆◆

インフルエンザA型:農工業のインフルエンザ!
2009年5月6日
Attacフランス、農民連盟


問われる農工業モデル
インフルエンザA(H1N1)型という名称によって着手される取組みは、過熱する報道の中で、このウイルスの出現と拡大の真の原因を覆い隠すおそれがある。それにもかかわらず、しだいに多くのNGO、研究者、北米のジャーナリスト、そしてメキシコの住民の証言が、多国籍企業によって主導され、新自由主義的グローバリゼーションによってもたらされた農工業モデルを問題にしつつある。

ウイルスの正確な起源に関する確証はないが、ヒト型、鳥型、豚型の混合とされている。しかし、あらゆることから、ウイルスの伝播は農工業と深く結びついていると考えられる。何年も前から多くの科学者が、畜産の工業化や非常に集約的な畜産によってウイルスの伝播や再結合が助長されることを警告してきた[1]。

重大な手がかりとして、豚肉の生産・加工で世界最大規模の多国籍企業、スミスフィールド・フーズ社が挙げられている。同社はメキシコのラ・グロリアという町にグランハス・キャロルという子会社を持っている。数カ月前から、住民は呼吸器官の病気や変死が発生していることを訴えてきたが、これらはすぐに、この多国籍企業の凄まじい衛生状態(たとえば、屋外に放置された豚の腐った死骸)と関連づけられた[2]。まさにこの地で、国内初の豚インフルエンザの事例が確認されたのだった。メキシコ当局は明らかに問題をもみ消そうとした。それにもかかわらず、スミスフィールド・フーズ社はすでに、公衆衛生を危険にさらすその畜産慣行の犠牲者である住民によって告発されている。しかし、農産物加工に携わる他の多国籍企業の場合と同様に、当局の無能力や放任のおかげで、自由な投資の法則が幅を利かせることになったのである。

もうひとつの潜在的な発生地は、ノースカロライナ州で米国人研究者らによって特定される可能性がある。同州は、養豚業の集約化と工業化が国内で最も進んでいるからである[3]。また他の発生地が特定される可能性もある。重要なのは、少数の多国籍企業の畜産の過度な工業化が公衆衛生にもたらす大きな危険を注視することである。このような工業化は、非常に多くの研究者や機関の警告にもかかわらずおこなわれてきた。この40年間で、米国の1畜産農場あたりの豚の平均数は50頭から1,000頭に増加した。スミスフィールド・フーズ社の畜産では、巨大な飼育場にそれぞれ数万ないし数十万頭の豚が集約的に閉じ込められる。そこは糞便の池と化しており、汚染をもたらす大量の排泄物と、耐性を高める抗生物質にまみれているのだ。農民や家族による牧畜とはまったくかけ離れているのである。

根本的な原因:自由貿易と多国籍企業による独占支配
今回のインフルエンザが最初にメキシコと北米で特定されたことは、明らかに偶然ではない。1994年に米国、カナダ、メキシコの間で締結された NAFTA(北米自由貿易協定)によって自由貿易圏が創設され、特に予防原則を無視して自由市場が定着したのである。保護される可能性を失ったメキシコの農業は、超低価格の大量の農作物によって壊滅させられたのだ。米国の農産物加工の多国籍企業は、米国で課される規制を逃れるためにメキシコに大量に投資し、大挙して根を下ろすことができた。さらに、メキシコは1980年代以降、IMFと世界銀行の構造調整計画に従っていることも忘れてはならない。これらの計画は、とりわけ国内向けの食糧生産や家族農業を犠牲にして、農業を輸出志向にしむけるものである。その条件は、環境・社会・公衆衛生に関する規制のない、工業化され、汚染を引き起こすような農業へと向かう偏流をもたらすものであった。

また、このインフルエンザの拡大によって、防止システム、とりわけ世界保健機関(WHO)のシステム、および北米の公衆衛生システムがうまく機能しないことも明らかになった。これらのシステムは民営化され、財源が乏しく、適切に調整された迅速な対応が取れないのである。さらに、南の国々は、ロッシュ社のタミフルと同様に不可欠な抗ウイルス剤をジェネリック薬品として公然と生産しようとしたが、製薬業界は、この動きを阻止するためにあらゆる手を尽くした[4]。

鳥インフルエンザの場合と同様に、根本的な原因は自由貿易と多国籍企業による独占支配にある。緊急に、ウイルスの起源、特に北米における畜産の工業化と公衆衛生システムの破綻がもたらす影響について独自に評価をおこなう必要がある。これは容易なことではないだろう。鳥インフルエンザの場合と同様に、養豚業界は、あらゆる手段を使って調査を妨げる可能性が高いからである。より長期的には、農工業モデルおよびそれをもたらした自由貿易協定と市場の自由化を再び問題にしなければならない。世界貿易は、食糧主権そして各人が自らの農業を特に多国籍企業から守る権利において、連帯的かつ協調的なものとならなければならない[5]。さもなければ、公衆衛生に関わるさらに甚大な惨事を覚悟しなければならない。

Attacフランス
農民連盟

2009年5月6日

原注
[1]NGO「Grain」のウェブサイトを参照
(http://www.grain.org/article/?id=50);Bernice Wuethrich、「気まぐれな豚インフルエンザの追跡」、『サイエンス』誌、2003年第299巻;「専門家パネルは工業的畜産が公衆衛生に及ぼす深刻な脅威を強調」も参照。これは、2008年11月に議会においてなされた、集約的養豚がもたらす衛生上の大きな危険に関する専門家パネルの警鐘に言及している(http://www.pewtrust.org/news_room)。

[2]特にメキシコの日刊紙『ラ・ホルナダ』による。この地域では鶏の集約的・工業的な畜産も多数おこなわれており、最近、鳥インフルエンザが猛威をふるった。ウイルスの再結合の発生源という可能性もある。

[3]「米国動物愛護協会」の公衆衛生・畜産局長Michael Gregerの論文
(http://sheepdrove.wordpress.com/200)。同様に、2004年の「フランス獣医学会会報」には次のように述べられている。「2000年代初頭から、フランスにおける豚のインフルエンザは、第一に、豚の密度がもっとも高いブルターニュ地方の畜産と関係している。これは同地域の畜産に大きな経済的影響を与えている。このインフルエンザの活動は、鳥起源(A/H1N1)または遺伝子再集合体(A/H1N2)のA/H型ウイルスの仕業である。インフルエンザウイルスは不安定なため、疫学的監視を有効におこなうためには検出手段を定期的に調整する必要がある。」

[4]http://www.guardian.co.uk/comments

[5]このテーマに関して、Attacヨーロッパ/ビア・カンペシーナ・ヨーロッパ共編『食糧主権:欧州は何をしているか?』(Paris, Syllepse,2009)が近刊予定である。

◆◆◆引用終了◆◆◆


一度紹介したことがあるが、工業的畜産の問題を描いたミートリックスのアニメを再度紹介したい。

ミートリックスオリジナル(日本語字幕)
http://www.themeatrix.com/intl/japanese/
http://www.themeatrix.com/intl/japanese/


ミートリックスⅡ:リボルティング-反乱-(日本語字幕)
http://www.themeatrix2.com/japanese/subtitled/
http://www.themeatrix2.com/japanese/subtitled/

ミートリックスⅡ1/2(日本語字幕)
http://www.moremeatrix.com/japan/subtitled/
http://www.moremeatrix.com/japan/subtitled/

肉も魚も好きでベジタリアンにはなれそうもないが、抗生剤漬のものはご遠慮願いたい。

そう、新しい疫病を防ぐためにも。

マスメディアはぜひ、感染源とされる地域を取材してきてほしい。







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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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世論調査を電話調査と言い換えよう!~元NHK記者中瀬教授が提言

2009-05-08 03:55:29 | メディア(知るための手段のあり方)
 ひとくくりに世論調査といっても、調査方法や質問項目などで大きく結果は変わりうるものであり、安易に信用すべきではないことは当然だろう。月刊民放5月号は、この世論調査を巻頭で特集している。

 最初の論者が、NHKで社会部などを経た後、放送文化研究所の世論調査部に在籍したこともある中瀬剛丸日本大学文理学部教授だ。

 中瀬教授は、質問事項や調査主体、回答拒否の割合、アプローチ方法の違いなどから必ずしも電話調査は精度が高くないことを認めたうえ、「世論調査」の結果は世論なのか?という根源的な疑問を提示した後、「世論調査」を「電話調査」といいかえることを提案している。

 つまり、「世論調査の結果、内閣の支持率が20%とな下がったことがわかった」とするのではなく、「電話調査の結果、内閣の支持率が20%と下がったことがわかった」とするべきだというのだ。

 確かに、これは画期的な提言だ。実際にしているのは「電話調査」なのだから、そう称する。被疑者、被告人を呼び捨てにしないことで推定無罪を想起させるのと同様だ。言葉の力は大きい。

 明日からでもできるこの提言、各社取り入れては?それとも、権威がなくなっちゃうかな?

 ところで、政府も「世論調査」をしているが、政府に世論調査されるのもなんだね~。「市民意見アンケート」くらいにならんかね。





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道警幹部に裏金関係で失われる社会的評価があるのか~対道新名誉毀損訴訟判決を読もう!

2009-05-07 00:42:28 | メディア(知るための手段のあり方)
 日本のメディアの悪いところは、抜かれたネタについて正当な評価をしようとしないことだ。何度か取り上げたように(末尾関連記事掲載)、道新が道警の裏金疑惑を書いていた時、道警の反撃が始まったが、結局、道内の、いや、日本のメディアは、道新裏金取材班を見殺しにした。つけあがった道警は、当時の総務部長が、道新取材班の著作「追及・北海道警『裏金』疑惑」(講談社文庫)及び同班らの共著「警察幹部を逮捕せよ!泥沼の裏金作り」(旬報社)について、名誉毀損で訴えた。まぁ、逆ギレと評価するしかない暴挙だ。まさか、こんな裁判で道警本部総務部長側が勝つなんて思ってもいなかったが、すでにご存じのとおり、4月20日、【竹田光広裁判長は「記述は原告の社会的評価が低下しないとはいえない」と述べ、執筆した記者2人の責任も認めて被告側全員に計72万円の支払いを命じた】(朝日 http://www.asahi.com/national/update/0420/TKY200904200127.html)。

 この判決の重要部分が、http://www.geocities.jp/shimin_me/hokkaidou1.htm#28 に掲載されているので、是非とも、必ず、何があろうとも、一読して欲しい。


 まず、名誉毀損だとしている部分の些末さに驚くだろう。訴えた対象の本は、道警での捜査費名目の裏金について解き明かした過程などを書いたものだが、裏金自体を問題にしているわけではない。些末なやりとりのみで、しかもわずか4つだ。

 「その時、総務部長は本部長から『よくもこんな下手をうってくれたな』と叱責されたらしい。」(本件記載A)

 「そして,ほどなく,道警内部からはこんな話が伝わってきた。『佐々木総務部長が,例の電話の件で,芦刈本部長に激しく叱責されたようだ。なにを下手なことやっているんだ,つて』」(本件記載B1)

 「この答弁を聞いた瞬間,取材班のひとりは,三カ月ほど前の疑惑発覚直後のことを思い出していた。そのとき,佐々木総務部長は,記者を『身内』とでも思ったのか,こう語ったのである。『わかるでしょ。理解してよ』」(本件記載B2)

 「その後,四月中旬になって,佐々木氏は道警本部庁舎内で偶然に出会った取材班の記者にたいし,こんな言葉をかけてきた。『いやいやいや,いったい,どこまでやられるかと思ったよ』もちろん,笑顔だった。」(本件記載B3)

 これについて、判決がどう判断しているか、よく読んでほしいが、イントロとして、AとB1についてどう書いているか少し紹介しよう。

 判決は、

【本件記載Aとその前後の記載部分を,本件記載B1とその前の記載部分をそれぞれ併せて読めば,いずれも,読者は,原告が道警の経理について調査をさせないよう道幹部に働きかけをしたが,その行為が報道されてしまい,そのことについて,芦刈本部長から叱責されたと理解するものと考えられる。
 原告が,道警の経理問題について調査されることを防ごうと道幹部に働きかけをするのであれば,その行為の性質上,マスコミ等に知られないようにすべきことは容易に推察できることから,そのような働きかけをしたと報道され,上司である芦刈本部長から叱責されたと記載された場合,原告の対応が不十分なものであったという印象を読者に与えるものと考えられる。
そうすると,組織において,部下が上司から叱責されることが日常的にあり得るからといって,原告の社会的評価が低下しないとはいい難い。】

という。

 しかしね、働きかけをしたこと自体は、名誉毀損の訴えの対象になっていないんだよ、ベイビー。

 ということは、働きかけをしただけで充分、社会的評価は低下しており、それを上司から叱責されたかどうかなんてのは、二の次でしょう。「働きかけをしたことを書かれたことは名誉毀損にはならないが、叱られたことは名誉毀損になるぞ~」って、理解できる?

 例えば、「宿題を忘れたから先生に怒られました」という記事のうち、社会的評価を低下させるのは、「宿題を忘れた」であって、「先生に怒られた」という部分は、もう、落ちた社会的評価に少し味付けを加えるに過ぎない…そう思いませんか?

 さらに、その後、判決は、このAとB1が真実であるかどうかについて、判断する際、取材した記者が叱責があったことを多数の道警関係者から聞いている旨証言したにもかかわらず、

【原告(=総務部長)が,平成15年12月当時に総務課に所属していた職員全員と警務課に所属していた幹部全員に対して,芦刈本部長が原告を叱責したという話を聞いたことがあるかどうか,被告佐藤(=道新記者)からその点に関する取材を受けたことがあるかどうかなどを尋ねたところ,いずれも,叱責がされたという話は聞いたことがなく,取材も受けていないなどと回答した】

ということをもって、真実ではないと認定した。

 そりゃ、元総務部長から、叱責の話を知っているか、取材を受けたか、と聞かれて、「は~い、知っていま~す。取材されてそのとおり答えましたよ~」と答える部下がいるはずがない。普通に考えて、そんなことを言ったら、道新を打ち負かし、怖いもの知らずとなった道警の目の届くところで生活することはできないだろう。


 しか~し、判決は、

【原告本人からの問い合わせに対し,同人に不利益なことを新聞記者に話したことを認め難いことを考慮しても,原告自らが周囲に話をしていたというのに,原告が聴取した全員が叱責に関する話の存在すら否定するというのは考え難い。
 また,被告佐藤らが取材をしていたのは,道警における不正経理の存否等についてであって,たとえ不正経理と関連する事情であったとしても,原告が芦刈本部長から叱責されたということが重要なものとは考え難く,被告高田(=取材班責任者)及び同佐藤も報道するような事実でないことを認めていることなどからすると,他の取材を行うついでであったとしても,このような事情について,約20人という多数人から具体的に裏付けを取ったという点もやや不自然である。
 そして,被告佐藤の陳述書には,叱責がなされた場所が総務部総務課のある大部屋の本部長室前の共用スペースであったなどという記載部分があるところ,上記認定事実記載のとおり,本部長重の出入り旦旦近には,複数の秘書係の職員がおり,かつ,総務課職員が勤務する部屋ともつながっていたと認められるから,そのような他の職員が容易に見聞きできる場所で,立場上道警の最高位にある芦刈本部長が,それに次ぐ地位の総務部長であった原告を叱責するということは不自然なものといわざるを得ない】

という不自然な判断をしている。

 こんな認定をしたら、口封じをしたもん勝ちだろう。あきれて物も言えないだろ、イェ。

 しかしナ、こんなあきれ果てた判決をちゃんと批判してるマスメディア(創などの雑誌を除く)があるとは聞いていない。どうなんだ。そのことがもっとあきれるぜ。警察が組織防衛に走るのはある意味仕方ない。だから、本当はオンブズマンなんかで監視する仕組みをつくらなきゃいけないんだ。でも、報道機関は、監視するのが仕事だろう。なぜ、この判決を批判しないんだよ~。



「本当なんだ~!大筋でホントなんだ♪」

【関連記事】
北海道新聞が危ない…ついに道警に謝罪か?怒れ560万道民 (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5c8e5e68a2ba8afa0056241c05aa9201)

道新謝罪記事掲載~ (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6cc4f111f6ce1c8743a6663c754c0a85)

道新が「自殺」した経緯~労働組合の報告から (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/3f32cbdcb2dae5d7b4be3749c6a14efc)

道新が「自殺」した日~パート2 (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/d963ecf4bef37d57dcc1c61655569df8)

北海道新聞が警察に屈した日~共謀罪という武器を手にすることになるのは… (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/c8ae9fbb5c2740826e6c8bb821038954)

道新よ,立ち上がれ~裏金疑惑関連で警察側が名誉毀損で提訴! (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/302fe75d333a44efd3273ca01e9b816e)

道警VS道新の名誉毀損訴訟に,大谷昭宏,宮崎学両助っ人乱入~21日第1回弁論予定,見逃す手はない (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/cd792f270b1173b73dc08fa62dc2884c)

大谷氏ら逆提訴~&~北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/af754572f60473129b4db5eb81d675a9)

  


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-愛をかかげて戦争できる国へ-橋本勝の政治漫画再生計画第166回

2009-05-06 13:25:12 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】

戦国の武将にあらず自衛隊の
兜(ヘルメット)につけられた
愛という字にご用心
国民の6割以上が9条改正に反対という
世論調査に安心なんかしていられない
平成22年5月18日から「憲法改正国民投票法」が施行されます
というパンフレットが大量配布された
まるで憲法改正がスケジュールにそって
着々進行中と錯覚してしまいそうである
それでなくても
自衛隊が海外ではじめて武力行使しかねない
「海賊対処法案」が国会で可決され
海上自衛隊がソマリア沖へと出動する
解釈改憲の流れは加速するばかり
国民の生命と財産を守るためと
大いなる愛をかかげる
自衛隊という軍隊に
からみとられていくのか
ああ日本人よ・・・・



【ヤメ蚊】
 今日は私からではなく、清志郎によく似た人が率いるバンドからのメッセージをお伝えします。

「何言ってんだ~ ざけんじゃね~ 核などいらね~♪」





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僕パパ事件で検察リークを流した読売とNHKの記者は告発対象ではないか?

2009-05-05 17:32:31 | メディア(知るための手段のあり方)
 少年の供述調書を引用した書籍「僕はパパを殺すことに決めた」について、調書を流した鑑定医師と著者の草薙厚子さんが取調を受け、鑑定医師が起訴された事件について、草薙さんの弁護人だった清水勉弁護士が検察官のリークについて暴露したインタビューが月刊マスコミ市民5月号に掲載されている。

 このインタビューによると、医師と草薙さんは同じ日に家宅捜索をされたが、当初、2人とも情報源について話さなかった。
 
 ところが、数日後、読売新聞の朝刊に、「関係者から」の取材ということで、「家庭裁判所の調書から草薙の指紋が出た」「奈良地検は、指紋が残された経緯について2人から事情を聴き」という記事が出たという。他社もその日の夕刊で後追い記事を書いたらしい。

 しかし、実際には、指紋は出ていなかったようなのだ。草薙さんは、記事の前後を通じて、指紋については一切、取調を受けていないというのだ。

 さらに、その翌日の朝のニュースでNHKが「草薙さんが取材源を話した」という報道を流したという。

 そのニュースの流れた午前中に、医師は自分が提供者であることを認める供述を始めたらしい。

 清水弁護士は明白には述べていないが、確か、捜査段階では、草薙さんは、情報提供者について供述していないはずだ。

 したがって、医師は、前日に草薙さんの指紋が発見されたと思いこまされた上に、それゆえに、草薙さんが自白をしてしまったと思いこまされてしまい、自ら情報源であることを認めるに至ったわけだ。

 これは明らかに違法な取調べだ。実際に医師が情報源であったことは、取調の違法性を免れさせるものではない。

 しかも、違法な取調に利用するために、検察側は、「指紋」と「草薙の自白」という2つの虚偽情報をリークしている。

 もし、検察官(あるいはその関係者)が秘密を漏洩したとすると、検察官と、読売新聞及びNHKの記者は、国家公務員法の秘密漏洩罪の共犯となる。

 したがって、このまま読売とNHKがこの検察の意図的なリークに踊らされて、誤報を流してしまった問題にほっかむりしていると、誰かが、読売とNHKの記者について秘密漏洩罪で告発するのではないだろうか。なぜなら、この二人の記者のリークは、沖縄密約事件のときのような政府の秘密を暴くというような社会的意義がまったくなく、その報道には正当性が認めがたいからだ。(もちろん、告発するには、それなりの理由が必要だから、事情が十分に分からない状態で第三者が告発するべきではないのは言うまでもない)

 しかも、虚偽と認めないのであれば、読み手は書いてあることは事実、秘密は事実と受け止めざるを得ないからだ。

 そういう事態を避けるためには、読売とNHKは、今回のリークについて安易に掲載したことについて自ら反省し、訂正報道をするしかない。報道が事実ではなかったことを先に認めてしまい、秘密漏洩に当たらないとしてしまうわけだ。

 また、そうすることが読売やNHKに対する信頼を回復する途につながる。このまま放置すれば、結局、検察リークをありがたがって書いているご用聞きメディアだという評価を受けることになるだろう。

 週刊新潮が朝日襲撃事件の犯人と称する者の嘘に乗って、大々的に記事を書いた後、騙されてしまいましたという形で訂正記事を書いた。ジャーナリストの誰もが、「嘘だろう。騙された格好にして、書いたんだろう」、そう思っただろう。読売とNHKの例の記者もそう思ったはずだ。

 ところが、今回の読売とNHKの記者が行ったことは、この週刊新潮と同じようなもんだ。指紋が出たという情報を確認もしないで報道し、草薙さんが情報源を明かしたという情報を確認もしないで報道した。一生懸命夜討ち朝駆けして得た取材だし、複数の関係者から確認をしている、そういうかもしれない。しかし、結果的に意図的なリークを防止することができないのであれば、それは書いてはならない。少なくとも、意図的なリークで誤報を書かされたのであれば、ジャーナリストとしては、そのことをありのままに伝えるべきではないか。

 それができないってんなら、最初から、捜査側からしか確認のとれない情報は一切書くなと言いたい。

 裁判員制度が始まったあとも、このような報道が続いたら、きっと、裁判員経験者は、マスコミの嘘に気づくから、ますますマスメディアの信頼が破壊されることになる…。

 おっと、そうだった。裁判員には守秘義務が課せられているんだったっけ。その守秘義務によってマスコミの恥部も隠されるわけだ…(皮肉をいうためのレトリックです。本当は、裁判員は公開の法廷で述べられたこと以上の事実を知るわけではないため、マスメディアが虚偽報道をしていたら、法廷でばれてしまうことになる)。

 このくらいの皮肉を言いたいくらい腹立たしい。「報道の自由」を汚すな!
 

 
  

  



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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。

日本の「報道の自由」は世界33位って本当?~あなたの評価では何番目?

2009-05-04 15:02:47 | メディア(知るための手段のあり方)
CNNによると、【民主主義と報道の自由を守る運動を進める米NGOフリーダム・ハウスは1日、世界各国における報道の自由についての年次報告書を発表】したという(http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905020024.html)。そこで、早速、フリーダム・ハウスのウェブサイトをチェックしてみよう。

 サイトは、http://www.freedomhouse.org/template.cfm?page=1

 今回の発表は、http://www.freedomhouse.org/template.cfm?page=470

 順位は、http://www.freedomhouse.org/uploads/fop/2009/FreedomofthePress2009_tables.pdf にそれぞれ掲載されている。

 それによると、日本は、オーストリア、ミクロネシアなどと並んで33位。けして悪い数字ではない。

 しかし、このランク付けをするための評価基準を見て驚いた。

 これで、33位って、日本が誤解されているのではないか。

 評価基準は、http://www.freedomhouse.org/uploads/fop/2009/FreedomofthePress2009_Methodology.pdf にある。

 つたないながらも、基準を翻訳してみた。基準は、法的状況、政治的状況、経済的状況の3つ分野に分かれており、それぞれ細かい基準が用意されている。それぞれの基準において、報道の自由が満足されていれば0点、問題があれば、それだけ点数が大きくなる。

 それでは、あなたの見る日本のメディアの表現の自由度に、レッツチャレンジ!


A 法的状況

1. 憲法もしくは他の基本法がジャーナリストの自由及び表現の自由を保護するように設計された条項を含んでいますか、そして、それらは実施されていますか?
(0~6ポイント)

2. 刑法、治安法、またはそのほかの法が、報道を制限していますか?そして、ジャーナリストは実際にこれらの法の下で罰せられますか? (0~6ポイント)

3. 官僚や国家に対する名誉毀損に対する刑罰が定めされていますか?そして、それら実施されますか? (0~3ポイント)

4. 司法府は独立していますか?そして、法廷はメディアに関するケースを公平に判断していますか? (0~3ポイント)

5. 情報公開法は定められていますか?そして、ジャーナリストはそれを利用できますか? (0~2ポイント)

6. 個人もしくは企業が、過度の干渉なしに、マスメディアを法的に設立して、経営できますか? (0~4ポイント)

7. 放送協会やプレス協議会、コミュニケーション協議会のような、メディア監督機関は自由に独自に機能していますか? (0~2ポイント)

8. ジャーナリストになる自由、ジャーナリズムを実践する自由がありますか、そして、職能団体はジャーナリストの権利と利益を自由にサポートできますか? (0~4ポイント)


B 政治的状況

1.政府や特定の党派の利益によって、どの程度、マスメディアのニュースと情報が決定されますか? (0~10ポイント)

2. 公式の、または、非公式のソースへのアクセスは一般に制御されますか? (0~2ポイント)

3. 公式の、または、非公式の検閲がありますか? (0~4ポイント)

4. ジャーナリストは自主規制を行っていますか? (0~4ポイント)

5. 市民は頼れる、多様な視点を反映するメディア報道にアクセスする方法を持っていますか? (0~4ポイント)

6. 国内及び外国人双方のジャーナリストは自由に取材できますか? (0~6ポイント)

7. ジャーナリストやマスメディアは、国家権力やそのほかの集団の無法な威嚇か肉体的な暴力にさらされていますか? (0~10ポイント)



C 経済的状況

1. メディアは、政府によってどの程度所有されていますか?または制御されますか?そして、これはそれらの視点の多様性に影響を及ぼしますか? (0~6ポイント)

2. メディア所有権は透明であって、その結果、消費者がニュースの公平性を判断することができますか? (0~3ポイント)

3. メディア所有権は非常に集中されますか?そして、それは内容の多様性に影響を及ぼしますか? (0~3ポイント)

4. 記事や番組の発行制作と流通の手段に制限がありますか? (0~4ポイント)

5. マスメディアの設立と運営に高額の費用がかかりますか? (0~4ポイント)

6. 国家もしくは他の集団が広告か補助金の配分でメディアを制御しようとしますか? (0~3ポイント)

7. ジャーナリストは彼らの筆に影響を及ぼそうとする国家や個人から金品を受け取りますか? (0~3ポイント)

8. 国の経済状況は営業のため、国家、政党、大企業、そのほかの政治的に力のある団体への依存を促進しますか? (0~4ポイント)


以上だ。

フリーダム・ハウスは、この基準で日本に21点をつけたという。

あなたは何点でしたか?

よければ、コメントしてください。あなたの点数を紹介させていただきたいと思います。業界関係者歓迎!






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「知らしむべからず」が有効な国でよいのか!~対米兵士裁判権放棄密約に怒れ、市民、ジャーナリスト!

2009-05-03 19:11:34 | メディア(知るための手段のあり方)
 在日米軍兵士に対する刑事裁判権放棄の日米密約の存在を示す資料を国会図書館が閲覧禁止としたために、ジャーナリストの斎藤貴男さんが閲覧禁止処分の取消を求めて訴訟を提起したことはすでに報告したとおりだが(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0f6d58b0589f811d34d71c650c7eea40)、この密約は、実は、同じく米軍が派遣されている諸外国では、堂々と公表されているというのだ。

 新原昭治さんの編訳による「米政府安保外交秘密文書」(新日本出版社)によれば、1954年、オランダ政府と米国政府の間で、「オランダ当局が司法権を行使すべき特別重要なもの」とオランダ政府が決定するものを除き、オランダ国内で犯罪をおかした米軍人を裁く第一次的権利を放棄することにオランダ側が同意し、公表されたらしい。以後、西ドイツやギリシャなどにも適用され、「NATOオランダ方式」と呼ばれるようになったという。
 
 ところが、日本政府は、同じ内容の合意を公表することを恐れ、秘密合意となったという。本当にそうなのだろうか。確かめるために、まずは、NATO軍地位協定を探すと、7条3項Cに次のような条項があった。

 【If the State having the primary right decides not to exercise jurisdiction, it shall notify the authorities of the other State as soon as practicable. The authorities of the State having the primary right shall give sympathetic consideration to a request from the authorities of the other State for a waiver of its right in cases where that other state considers such waiver to be of particular importance. 】


 これは次の日米地位協定17条3項Cと同じものとなっている。

 【第一次の権利を有する国は、裁判権を行使しないことに決定したときは、できる限りすみやかに他方の国の当局にその旨を通告しなければならない。第一次の権利を有する国の当局は、他方の国がその権利の放棄を特に重要であると認めた場合において、その他方の国の当局から要請があつたときは、その要請に好意的考慮を払わなければならない。】

 簡単に言うと、日本やオランダ、ドイツなどは、米国から裁判権を放棄するよう要請された際は、その要請にできるだけ応えるよう努めなければならない、ということだ。ただし、形式的には、日本やオランダ側からも米国が裁判権を持つ場合(兵士が公務の場合など)、放棄を要請できるような条項になっており、これだけでは、一方的とはいえない。

 ここまでは、NATO諸国も日本も同じ内容だ。

 問題は、ここからだ。

 オランダの文書は見つからなかったが、NATOオランダ方式をとりいれたドイツの文書(ドイツ連邦共和国に駐留する外国軍隊に関して北大西洋条約当事国間の
軍隊の地位に関する協定を補足する協定)が見つかった。その協定の19条1項には次のように書かれている。

【裁判権が競合する場合に派遣国(ヤメ蚊注:米国)の要請があるときは、連邦共和国(ヤメ蚊注:ドイツ)は、NATO軍地位協定第7条第3項⒝号によりドイツの当局に認められる第一次的権利を、同協定第7条第3項⒞号の枠内で、かつ本条第2項,第3項,第4項及び第7項の規定に従うことを条件として、当該派遣国(ヤメ蚊注:ドイツ)のために放棄する。】

 ずばり、ドイツは、裁判権を放棄することを明示してある。

 ところが、日本政府は、この条項が表沙汰になり、米軍への反発が大きくなるのを恐れ、秘密合意としてしまったのだ。

 このため、日本では、不透明なまま裁判権の放棄が続けられ、新原昭治さんが米国立公文書館で入手した米陸軍法務局作成の統計資料によると、1962年12月1日~63年11月30日までの沖縄を除く在日米陸海空軍の合計のデータで【日本の裁判に付されるべき犯罪三千四百三十三件のうち、日本側が裁判権を保持し手放さなかったのは三百五十件で、全体の10・2%。米軍が日本に対し裁判権を譲るよう請求した事件(二千六百二十七件)のうち、日本から放棄を勝ち得たのは二千四百四十八件で、全体の93・2%。】だったという(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-18/2008051802_02_0.html)。

 驚きの数字だ。

 しかし、驚くのはまだ早い。ドイツでは、米軍犯罪を促進するような上記協定を改正する努力を続け、1993年には、協定19条3項として、【ドイツの権限ある当局が、ドイツの司法行政上の利益からドイツの裁判権の行使が必須であるとの見解を有する場合、ドイツの同当局は、本条第2項に定める通告の受理後21日以内に又は本条第7項に基づく取極に定めるそれより短い期間内に、権限ある軍当局又は軍隊以外のその他の当局宛の声明書を提出することによって、本条第1項で認められる権利の放棄を撤回することができる。】という条項を盛り込むことに成功し、裁判権放棄を撤回することができることが明文化された。

 ところが、日本政府は、秘密合意の存在を否定し続けてきたため、当然改正もままならない。ようやく、【日本に駐留する米兵らの事件をめぐり、1953年に日米両政府が「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」と密約をしていた問題で、日米関係研究者新原昭治氏が23日までに、密約を記した文書を米国立公文書館で見つけた。同日午後、都内で公表した。文書は、53年10月28日付の日米合同委刑事裁判権分科委員会の議事録。密約の存在はその後の米側公文書などで知られていた。文書本体が公表されるのは初めて。議事録は、同年9月29日の同委員会会議での発言として、日本側代表が「日本にとって実質的に重要ではない案件について、米兵らに対する1次裁判権を行使しない」と日本政府の見解を述べたと記載。日米両代表がこの見解に合意したことになっている。】(http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008102301000065.html)と報道されたとおり、秘密合意の本体そのものが米国の公文書館で発見されたが、それでも、日本政府は、その存在を認めていない。

 ということは、この秘密合意がいまも生きているということだ。

 今年も、多くの米兵が日本の市民の身体や財産を傷つけ、そのうちの大半が起訴されることなく日本に滞在し続け、あるいは、本国へ送還されるのだろう。

 そうなるのは嫌だというあなた、ぜひ、http://lislog.livedoor.com/r/25488でアンケートに答えて欲しい。

 そして、ジャーナリストの皆さん、密約にされたうえ、その密約がばれたにもかかわらず、本当のことを言わない自民党政権に、ここまでバカにされて黙っていますか?あなた方が突っ込まないと、暗黒時代が続きまっせ。

 海軍大佐にまで昇進しながらも、第一次大戦の惨禍及び米国の経済力を目の当たりにして当時としては極めて先見的な非戦・平和論を唱えた水野廣徳氏は、戦後、友人にあてた手紙の中で次のように述べている。
  「次の選挙こそは、日本がはたして正しく生き返るや否やの試金石であると思います。しかし概観すれば、鳩山一郎や清瀬一郎などのご都合主義の人物が、矢張り多数を制するのではありますまいか。きわめて露骨にかつ率直に白状すれば、日本人という民族は、無主義、無節操のオッチョコチョイで、時の権力に阿附することを恥としない、きわめて劣等な性格の持主であると思います。しかも病すでに膏肓に入った奴隷的人種であると思います。むしろ米国人によってこの機会に厳正なる選挙と、政治の標本を示してくれんことを望みます。僕等より見れば日本人は今後数十年間は、正しき立憲政治を行う能力はないものと思われます。これは一般国民の愚蒙よりも、むしろ指導者の故意の教育によるものと思われます」
  (http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/mizuno.html)

 そう、指導者の故意の教育をすすめるジャーナリストになるか、市民に必要な情報を伝えるジャーナリストになるか?そのことを自分に問い直して欲しい。


※「知らしむべからず」の意味間違えているぞとのご指摘あり。確かにそのとおりでした。「知らすことができない」という状況を踏まえての為政者のあるべき姿を述べたものということのようです。すっかり、誤用してしまいました。しかし、いまは、知らすことができるし、知らせなければならないのでしょうね。




 
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新型インフルエンザ発表、「大臣が“突っ走った”」と横浜市長が桝添批判!

2009-05-02 08:45:34 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 だれが考えても、たぶん違うんだろうな…と思った横浜の高校生に対するインフルエンザ感染疑い発表。陰性だということもはっきりし、やっぱり、舛添厚労相の暴走だった疑いがあることが明らかになった。

 共同通信(http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050101000890.html)によると、

【新型インフルエンザの感染の疑いが一時あった高校生(17)への対応をめぐり、舛添要一厚生労働相が横浜市の批判を繰り返したことについて、同市の中田宏市長は1日夕の記者会見で「情報を整理して伝えないと国民は落ち着かない。厚労相に振り回されたというのが正直なところ」と厚労相の姿勢に反発した】うえ、

【中田市長は一連の記者発表で厚労省が先行したことに触れ「大臣が“突っ走った”という話を聞いている」と嘆いた。】

という。

 さらに、【神奈川県の松沢成文知事も「厚労相の勇み足。最終の検査結果が出ていないのに(国の)行政が一方的に騒ぎ、パニックになった」と激しく批判した。】らしい。

 舛添大臣が暴走したとすれば、その動機ははっきりしている。このような「外敵」があらわれることによって、現政権への支持が強まるからだ。「外敵」に対して、戦う現政権が次々と報道される。これは明らかに無料での大々的な選挙運動といえよう。
 


 また、【舛添要一厚生労働相は27日、豚インフルエンザ用のワクチン製造の必要性について「豚インフルエンザに対する危険性に関する情報を収集し、早期に判断したい」と述べた。季節性のインフルエンザ用のワクチンは通常、流行しそうなウイルスを5月までに推測し、製造するワクチンを決定する。ワクチン製造には半年かかるため、季節性のワクチンは遅くとも6月から開始しないと流行期前の接種に間に合わない。舛添厚労相は「季節性のワクチン製造を一時停止しても豚インフルエンザワクチンの製造を優先する」と話した。】(日経 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090427AT1G2701227042009.html)という。

 これについても、専門家は、批判している。(今回のインフルエンザを)【「『新型』と呼ぶのは間違い。ウイルスは従来の型であり、インフルエンザという病気に新型も旧型もない」と話すのは、喜田宏北海道大人獣共通感染症リサーチセンター長。「フェーズ4になったのはそれでいい。流行が速く拡大するからパンデミック(大流行)になるというだけの話」。
 流行の程度もH5N1型の場合よりは抑えられると予測。その上で「新型は怖いと思われているが、毎年多数の死者を出す季節性インフルエンザの方がよほど怖い」と、特別な対策ではなく、通常のインフルエンザ対策の重要性を強調した。】という(山陰中央新報 http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=511877034)。


 もちろん、このような舛添大臣の発表をそのまま受け入れて、大騒ぎするメディアに問題があるのも間違いない。横浜の事例などは、発表当初からその内容を疑う報道があってもよかったはずだ。それなのに、喜々として(としか思えない)大々的に報道するメディア…。

 戦争に向かって突っ走った反省は、どこにいったのだろうか。まぁ、それもマスコミに加えられた日本独特の特殊な制約によるのだから、マスコミだけを責めるわけにはいかないのだけれども…。






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