小さい櫛、ボールペンは大きさ比較です。
小さいですが、「べっこう」です。なんせ虫喰ってまして・・。
ドしろうとには「虫喰い」は、本鼈甲かどうかを見分けるいい目安ですが、
つまりそれだけキズがある・・っちゅーことになります。ま、仕方ありませんね。
これはこっとうとして購入したものです。
実は古びた塗りの箱に、こういう櫛が7枚も入ってました。
全部については、いずれHPのほうでご紹介したいと思っています。
櫛の語源は「奇し(きし→くし)」、つまりフシギなもの、
霊力や霊妙といった、人の力の及ばないもの・・という意味を持ちます。
神が宿るとされる頭という部位で使われるものであり、
また古来「髪」というものも、霊力があるものとされていましたから、
その髪に使う道具ということでそのように考えられたのでしょうね。
そんなことから「櫛」はいろいろな意味をもつものともされています。
たとえば身代わり、とか別れの象徴とか・・。
縁切り寺で有名な東慶寺では、門前まできて追っ手に捕まっても
門の中に櫛を投げ入れれば、本人が入ったと認められ助けてもらえたそうです。
また「大蛇退治」のスサノオノミコトは、クシナダヒメを櫛に変えて
自分の髪に挿してかくし、守りました。
また、古来「斎宮」として伊勢に下る皇女には、
旅立ちの朝、時の帝自らが「別れの櫛」を斎宮の髪に挿したそうです。
彼女たちは、斎宮として赴けば、身内か帝に何かない限り、
レンアイも結婚もご法度のまま、都に戻ることはできませんでしたから。
また、歯の折れた櫛を相手に贈るのは「別れ・離婚」の意思表示、
「もうこれっきり!アンタなんか嫌いっ!フンッ!」のメッセージ、だそうです。
櫛は簪とともに、飾りにも使われました。
江戸時代は女性に櫛を贈ることも、よく行われたようです。
江戸中期ごろには「櫛巻き」という髪型が考えだされました。
浅草の茶屋女、お六という人が始めたとされていますが、
櫛を結い上げた髪に飾りとして挿すのではなく、
髪に櫛を挿した状態で、その櫛ごとくるくると巻いてしまうというもの。
髪の中に櫛が入ってしまってロールされちゃうわけです。
あとは残った髪をマゲの根元にまきつけるだけ。
当時は髪型もいろいろと技巧を凝らしたものが多かったため、
かえってこのカンタンすっきりの髪型に、人気がでたそうで・・。
見た目があだっぽいといいますか、やや崩れた印象であったため、
芸者さん、芸事の師匠など粋筋の女性に結われることが多い髪形でした。
髪を結うということがほとんどなくなった現代ですが、
黄楊の櫛、椿油、など、髪にいいものはかわりありません。
朝はプラスチックのブラシでささっととかしつけていても、
夜、ゆったりと黄楊の大櫛などで髪をくしけずる・・なんてのも
たまにはいいんじゃないでしょうか。
わたしゃシラガの抜け毛がひどいので、
ローレライのごとく毎度くしけずってたら、三日でハゲそうですが・・。
乾燥肌ですが、かぶれ易いのでヘヤースプレー
もしないのですが、頭皮に栄養がいってないのか
時期的なものなのか分かりませんが本当によく
抜けるので困ります。
ほんと、秋は特に抜ける・・とききます。
私髪が長いので、本数少なくても、
ぬけたの見ると、とぐろ巻いてる??
必要以上にゴソッと抜けた気がするんです。
中国通の主人の話によれば、漢方の「育毛剤」が
一番いいそうです。今ある髪を太く、
丈夫にするんですって・・。
なんかわびしい話題ですねぇ・・。
京都土産に買ってきてくれた櫛
ある日その櫛で髪を梳いていたら歯が欠けました。
不吉・・・・
やはり 別れが・・・ ( 涙 涙 )
今の髪の量だったら、絶対 欠けなかっただろうに。
笑っちゃーいけませんが・・
今の髪ならって・・あははですー。
でも、櫛ってやっぱりなんか
フシギな「道具」と言う気がします。
私は付けの櫛を思いっきり折ってから、
プラスチックのドデカイので梳いてます。
アジもそっけもありゃしない!