暑い夏がすぎて、父の歯医者通いが再開しました。
歯医者さんが我が家のすぐ先なので、我が家はいわば「中継所」。
いつも行き帰りに立ち寄って、一休みしていきます。
さて、その時玄関で…毎度苦労していますので、ようやく手すりを買いました。
父は話をしても、ゼッタイ「そんなものイラナイ」というに決まっていますから、事後承諾。
買って、黙って置いておきました。
「こりゃいいわぁ」と、最初の一言。だから言ったじゃ~ん。
普段は何も感じないけれど、どこか体に不都合なことか起きると、家の中というのはいろいろ問題があるものです。
我が家は、息子の車イスに合わせて、玄関の上がり框は10センチくらいの高さにしてあります。
これだと、框に正面からぴったり車イスを合わせると、ちょうど足乗せ台は框の上に乗り上げる形になります。
マンションなどでも、こんな高さだと思います。
私にとってはとても具合がいいのですが、父にとってはこの低さが立ち座りに厄介なわけです。
但し、それでは足の不自由な人にとって、框は高いほうがいいかというと、そうでもない…。
母は、足にマヒなどの不自由はありませんでしたが、足腰全体の弱りがありましたので、
玄関を入ってきて靴を脱いで上がるには、框が低くて楽だったわけです。
ところが、帰りに靴を履くとなると、立ったまま靴を履けず座らなきゃなりませんからイスが必要です。
母の時から手すりを買っておけば良かったのですが、母がそんな状態になってから、
ここに来られなくなるまでが短かったので、その都度手を添えて立ち座りを介助していました。
父は、右側にマヒがあります。靴がリハビリ用のベルトを着脱するものなので、座らなければなりません。
つまり、入ってきた時も出るときも「イス」がいります。このイスがまた普通のイスだと高くて、
靴の着脱に、かなり前かがみにならなければなりません。
それで、以前作った「牛乳パック椅子」がちょうどいい…これは怪我の功名ですかねぇ。
更に、母の時は体ごと抱えて立ち座りさせていましたが、父はそこまでしなくても、
支えがあれば立ち座りはできますし、またそれをやったほうが体にもいいわけです。
それでいつも、すぐ横の壁だとか、園芸小物が入っている小さい戸棚などに掴まっていたのですが、
位置的にどうも少し遠いわけで…。
それでこの手すりを買いました。こんな形です。座ったまま真ん中のところにてを当てて立ち上がるのもOK。
そのあと上の手すりを掴むとしっかり立ちあがれます。お値段たしか7800円くらい…。
座るときも立つ時も、これを支えにしています。
これはいつも福祉機器や装置など見るとき思うのですが、片マヒの場合は、片方が使えるわけです。
父の場合は左ですね。たとえば手すりが壁の左側についているところを進むのはいいんですが、
そこから戻るときは、手すりが役に立ちません。まぁ父は右手のマヒもひどくありませんから、
なんとなく掴まっていますが…。だから片側に固定されている手すりは、マヒの状態によっては使えない…。
そういう時は、これみたいに動かしてどちらにも置ける方がいいんですね。
父が来る日は、着く前に手すりを外から見て左に置き、出る前に置き換えます。
写真の小さなすのこは以前ご紹介しました「流し用」のもの。靴を脱いだ足を玄関の床に直接つかなくていいように。
というわけで、この「じーちゃん3点セット」は、福祉施設や病院では見ないものだし、
福祉機器売り場でも、てすりしか売ってませんが、我が家の事情にはぴったりのもの、です。
ちなみに実家の上がり框は30センチ近くあるので、イスは必要ありませんが、すのこは購入、
上がり下がりでは、片方のてすりだけでいいので、母のためにつけたものをそのまま使用しています。
私は手すりは実際には用がない…のですが、たとえば玄関先で靴を磨いたり、
伸子張りの準備に「荷物」広げたり…のときにしゃがみ、立ち上がるとき「よっこらしょ」と使ったら…具合いいんですわ。
膝もちょっと悪くなっていますしね。
元気な時は全く気にならないことが、具合が悪くなると、思わぬところが障害物レースになってしまいます。
私は今の家は息子が車イス…ということで、全て引き戸にしたり、框を低くしたりしましたが、
両親の老いや不具合を見て「全てに対応するには日本家屋は、むいてないなぁ」とつくづく思いました。
でも、だからといって「靴を脱がない」洋風の暮らしはできませんしねぇ。
ひとつひとつ考えていくよりないのでしょうね。
とりあえず、じーちゃん3点セットは大活躍です。
万能ってなかなかないんですよね。
これは軽くてホイッと持ち運べるし、良かったです。
段差は、父が退院してくる前に、家の中調べてみて、
こんなにあるのかと、びっくりしました。
ほんの5ミリの違いでも、つっかかりますしねぇ。
5センチの敷居がまたげなかったり・・・。
いずれは自分も、と思って、最近はいろいろ気にして見ています。
この手すりは、もう一種類、低いのがあって、
それは畳ですわっていて立つ時のもの。
今、私はそれが欲しいなぁと思っています。
立ちあがったりするのに、よっこらしょ、と
口をついて出ることがあるんですよね。
膝や腰をかばっていかないと・・・なんて思っています。
高齢になると「年寄り扱いしないで」と怒りますよね。
母も元気な頃に杖を買ったら「失礼な」と怒り、
5年くらい玄関に置きっぱなしでした。
でも、こういう道具は本当は文字通り
「転ばぬ先の杖」なんですよね。
私は自分がとしをとった時には、ここをこうして・・・と、
今から考えてます。これも「実践」のおかげですね。
我が家も年配の方が沢山いらっしゃるので椅子やら手すりやらを付けてあるのですがナカナカ皆さんに具合良くとはいきません。
おまけに小さな段差が大きな問題になります!
年齢と共に足腰が弱ったり不具合な
ところがあると、持つ所があるというのは
本当に助かりますよね。
素敵な3点セットですね。
家そのものの造りが、まだ工夫の余地ありと思い、引き戸にしたり、手すりをつけたり。
「私には要らないのに。バカにしてるわ!」なんて気を悪くされた事もありましたが中学生でもねんざ、骨折すれば必要になるのよ!と。
建築家に、ぜひ、研究&開発して欲しい。
とんぼさんの三点セット、第1号ですね。
私、必要になったら、それにします。