今日は3日、昨夜が「初夢」ということになりますが、
皆様の初夢は、どんな夢でしたでしょうか。
今年最初の着物の写真は「初夢」にかけて「宝船」、
鶴とカメもついております。めでたやなぁ~~!
これはじゅばんです。古いものではあるのですが、
あまり着られた感じがありません。モノは羽二重なので、
最初から着物ではなくじゅばんとして仕立てられたものと思います。
もっとちいさければ「子供の着物」だったともいえるのですが・・。
さて、初夢なら「宝船」じゃなくて「一富士、二鷹、三なすび・・」、
でもその夢を見るためにこの「宝船」が必要だったんです。
江戸時代、暮れになると「宝船」の絵が売られました。売り歩くんですね。
で、この「宝船」の絵を枕の下に入れて寝ると、いい夢が見られる・・と
言われていたわけです。この絵には、必ず「歌」が書き添えられていました。
永き世の 遠の眠りの皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな
なが(か)きよのとおのねむ(ぶ)りのみなめさめなみのりぶねのおとのよきかな
回文といわれるものですね。どっちから読んでも同じ。
私としては、めでたさのためにつくったものでおもしろさには書ける歌だと
勝手に思っています。江戸の「粋」という点では、イマイチ・・かな。
いえ、私の感想などどうでもいいんですが・・。
で、これを枕の下に敷いて寝て「一富士、二鷹、三なすび」の夢を見ようと
皆目論んだわけですが、果たしてどうなのか・・実験したことないもんで・・。
ところで「一富士、二鷹、三なすび」というのはどうしてでしょう。
まぁ富士山は日本で一番高い山、以前書きました「富士山講」なども生まれた
山ですから、いろいろあやかって・・というところだと見当はつきます。
「鷹」も、猛禽類として「強いもの」の象徴であり、鷹狩りなどにも使われて
身近にいる「強くて美しいもの」でしょう。
では「なすび」は?これがどうもピンとこないんですね。
富士と鷹ときたら、例えば美しい花の代表の牡丹で「三牡丹」とか
それこそ日本の花、桜で「三桜」とかそのあたりがきれいでいいと思うんですが。
着物やじゅばんの柄で、この「三つ」を図柄にしたものを
たま~にみかけますが、美しい富士を遠景に勇壮な鷹が「なす」つかんでる・・。
どうもサマにならないんですねぇ。なんで「なす」なんでしょ。
調べてみましたが実はこれ、「こうなんです」という決定打がありません。
だいたいこの「一富士、二鷹・・」が、初夢としてよい、といわれるように
なったのは、どうも江戸時代に入ってからのようで、
ひとつには天下取りに成功した「徳川家康」の好物三つだ、という説、
「なす」がその徳川家康の故郷「駿府」つまり今の静岡県の名産、という説、
当時のなすは高価であったため、価値のあるものという説。
こんなところでしょうか。さて、どれが本当なのかわかりませんが、
それよりなにより、私は「なす」の夢なんて見たことがない・・。
夢より食べるほうがいいですねぇ、なすのてんぷら、なすのつけもの
マーボなす、なすミート、なすのチーズあえ・・こらこら。
実際家康は「なす」が大好物で、駿府になす菜園を作らせ江戸まで、
運ばせたようです。もともと奈良時代から渡来しているという古い野菜ですし、
寒さに弱いことも知られていて、促成栽培などもされたようです。
ちなみに「なす紺」という名前ができたほど美しいあの「紫がかった紺色」は
皮にふくまれる「アントシアン」の一種「ナスニン」(まんま・・)という
成分によるものです。水に溶けやすいですから、味噌汁に皮ごと入れると
味噌汁がすごい色になりますね。
私の初夢は・・あれっ見たっけ?なんか見た記憶はあるんですが、
なんの夢だったかおぼえてません。旅行だったような・・これって願望が
そのまま出た感じ・・。今年は京都にいきます。シゴトがらみですが。
夢を実現したいです!
毎年春・秋、なんです。息子の体調次第なんですが、だいたい3月と11月くらいです。行くのはいつも「こうぼさん」「てんさん」狙いなのですが、3月は21日祭日で混むし、25日は今年は土曜日なんですよね。「市」はあきらめて、骨董や古着屋さん狙いで、3月はじめ頃がいいかなぁ・・、と今はそんな感じです。たまにはシゴトがらみでも「シゴト3割」くらいで行きたいものです。古門前・新門前でしたっけ?あのあたりは、まだちょっとしか歩いてないんですよ。去年は、北野天満宮から西陣へ行ったんですけど雪に降られましてねぇ、あまりの寒さにロクに歩き回らずじまいで「撤退」したんです。寒いのはなんとかなりますが、雪はまいりました。
ところで何時ころ?京都へは、きはりますの。
写真のものは、じゅばんですから「見えない」とわりきって、私なら結構きてしまうと思いますが、着物となりますとねぇ。めでたさきわまって・・で思わず笑ってしまいましたぁ、ごめんなさい。でも、加賀紋まで入っているとなると、やはり着る場所・場合を考えてしまいますね。もう、すごくー古いもの・・というのでしたら「紋抜き」や「刺繍はずして染め替え」など工夫もつきますが・・・。ひたすら着るチャンスを探す!、飾る!、いやー、思いつきませんわー。
そうなんです、私蘇州刺繍の宝船柄の訪問着、めでたきことあり作ったのですが、宝船のみが刺繍、袖、片のあたりは波か雲か、あわあわとそめてあるだけ、これに松竹梅の加賀紋をいれたものですから、めでたさきわまって着れません、
茶席に初釜くらいに着ていっても、正客が割り振られ難儀します。
昔のもの、ずいぶんめでたい柄が多いのですが、ハレとケがはっきりしていた時代は着てもよい場所は多かったと思うのですが、現代では着にくいものです。
どうしたらいいでしょうね。
江戸時代にタイム・トラベルして、訊いてみたーい。
こういう場合って、ほんっとスッキリせんのですー!
実はこのあとに「四扇 五煙草 六座頭」と続ける場合もあるんだそうですが、そうなるともう「判じ物」ですね。
そうか、なるほど。 とんぼ様のリサーチ力をもってしても、1富士2鷹3なすび、の謎は、とけないのですね。