ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

最近気になること…

2010-07-11 21:49:58 | つれづれ
写真は一気に増えた「風船さん」です。かわいいですよ。

若い方の筆記具の持ち方…。
たとえば何かの申込書で相手が付け足して何か書くとか、
テレビで何か「書く」ような場面とか…若い人ほど、なんかヘンな書き方をする…。
もちろん若い方全部が全部そうではないですし、
ちょっと違う持ち方でも気にならない場合もたくさんあります。
でもたまに「えっ」と思う持ち方を見かけるわけで…。
昨日も女子高生の…書くことにはまったく関係ないレポートだったのですが、
勉強しているところが映ってまして…。
なんというのか、普通字を書くと、ペンの一番上は自分の方に傾く…。
それがペンのテッペンが、向こうを向くんですよ。
つまり普通だとこっち

         


それがこんな風に…

         


実にフシギな使い方でした。いやぁうまく書くもんです。
これが初めてではなく、何かの受付とかで、何人かかこういう書き方を見ています。
それと最近気になるのは、爪が長いため(付け爪含めて)、
筆記具を持とうとしてもちゃんと持てない…。
爪が長いだけなら私も一時期経験がありますが、持ち方さえ正常なら、
ちょっとうっとおしくはありますが、普通に持てますし普通に書けます。
ちゃんとした持ち方でないと、長い爪が邪魔になるわけです。
特に親指と人差し指をペンに巻きつける形の人、多いですね。こういう持ち方。
これだと見ているだけで、あっ爪が邪魔でこんな持ち方になっているのかな、
なんて思ってしまいます。まぁこれくらいだとあまり気にならないのですが…。


         



私は外国のことはよくわからないのですが、外国人のスポーツ選手などが、
サインに応じたときなど、よくテッペンが向こうへ行く書き方をしているのを見ます。
ちょっと「鉛筆の持ち方」などで検索したところ、
「持ち方くらい、なんでもいいじゃない」という意見も確かにありました。
「日本は学校に入るとそれをいうが、そんなことまで指示する必要があるのだろうか」とか
「ドイツの友人に聞いたら、そんなことは教えない、読めればいい」と言ったとか。

ん~~外国と比較するのはいかがなものかと思います。
鉛筆の正しい持ち方はお箸の正しい持ち方です。
お箸を正しく持って、下の1本を抜いたものが、鉛筆の持ち方です。
つまり、最初にお箸の使い方をきちんと教えれば、おのずと鉛筆も正しく持てるわけです。
お箸の国の人だから…あらら、なんかのCMですが、
実はお箸が使えるってことは、とても器用なんですよ。
お箸って、ちゃんと使えたらピンポン玉でも小豆粒でも
つまんで運ぶことができる。あれをするには、指一本ずつの角度や力の入れ具合など、
とても高度で微妙な動きをしているわけです。コツは「力をいれずに柔らかく」です。
もともと日本人は指先器用ですから、資質というものだと思います。

テーブルマナーのスプーンの持ち方も、基本は箸と同じなのですが、
洋食の場合、スプーンはスープなどを飲むときだけで、
圧倒的にフォークとナイフを使うことが多いんですね。
だから鉛筆がちゃんともてないとかそういうことではなく、
生活習慣が違うと、使う道具が違い、手や指の動きが基本的に違うということです。
だから外国のかたでも、日本で長く暮らしていてお箸を上手に使われるかたもいますね。

また映画などで、よく巻紙や短冊を左手に持って
筆でさらさらと歌など書くシーンがあります。
筆の持ち方と鉛筆の持ち方はちょっとだけ違いますが、
基本は同じです。筆の場合は太い軸のものを使うことがありますから
「双鉤法」(確かこの字だったとおもうんですが、確認してまへーん)という、
中指が人差し指と並んで外側に出る持ち方、をします。しっかり支えるためですね。
小筆の時は鉛筆と同じ、が多いです。だいたい筆は「立てて」使いますね。
日本はずっと筆という柔らかく形の取れないものを筆記道具として使ってきました。
力を調節しないと書きにくいものです。筆で書くときは、手首を紙の上につけません。
たまにつけるときも、べたっと置かずに、少し浮かし気味です。
正しい持ち方をすると、無駄な力が入らないのですね。

一方外国は「ペン」という固いものを使ってきました。
元は鷲などの羽根、です。羽の真ん中の軸は中が空洞で硬いので、
この先をカットして使ったわけです。空洞部分にインクがはいるわけですね。
これはある程度力を入れないとインクが続いてでません。
その後考案されたものも、金属やガラスなど硬い素材です。
つまりしっかり手首をつけて、力を入れ気味にしないと、書きにくいのです。
またアジア圏以外ですと、だいたい「横書き」です。
漢字やひらがなを使ってきた日本では縦書きです。
しかもひらがなが考案されてからは「続けて流れるように書く」になったわけです。

とりあえず、筆であれペンであれお箸であれ、みんな持つ形の基本は同じです。
持ち方くらいどうでもいいじゃん…かもしれませんが、
もともと持ち方がおかしいといわれる人は、長く書けない、といいます。
それと、これはなるほどと思ったのですが、正しいといわれる書き方だと、
自分の書いた字が、そのまま上から見えますが、
鉛筆を立てて書くような形や、親指が大きく前に出る持ち方で書くと
自分で書いた字が見えなくて、どうしても横からのぞく形になるため、
姿勢とか視力にも影響するのだそうです。なるほどねぇ。
横書きが多い時代でありながら、書く字は「一個ずつ」の漢字やひらがなです。
いわゆるアルファベットの筆記体で、流れるように横に書くのと違って、
一個ずつの字は見づらいでしょうね。


よく、字が下手だから人前で字を書くのがいやだ…という人がいますが、
私などは目の前でヘンな持ち方をされるほうが、よっぽど気になります。
字なんてそれこそ読めればいい、というより「正しく書ければいい」のですから。

食事をするための二本の棒、字を書くための一本の棒、
目的はまったく違っても、基本が同じだということは、
豆などの細かいものを摘み上げたり、柔らかい筆を自在に操ったりする器用な動きが、
日本人の暮らしにあっていて、必要なことだったからです。
なんでも「そうなるにはそうなるだけの理由がある」のです。
今はなんでもあるし、西洋の「硬い筆記具」使ってんだから、なんでもいいじゃない…
そうですね、そういう考え方もありますね。
実際筆を使うなんて年に1回もあるかどうかですし…。

でも伝統なんて消えちゃってもいいものになっていくんでしょうかね。
玄関の扉はドアになり、居間がリビング、押入れはクローゼット、
畳や障子、ふすまはどんどん減っていきます。
いすで食事をし、下駄ははかなくなり、着物も着なくなり…。
確かに今の暮らしは便利ですから、それを全部やめましょうとはいいません。
私だって洋風の暮らしの恩恵にたっぷりあずかっているのですから。
でも、だからこそ「これだけはね」というところ、ちゃんともっていたいと思うのです。
いくら洋風建築の家に住み、横文字の呼び方の部屋で暮らしても、
今まだ日本人は玄関で靴を脱ぎます。
トイレは洋風になっても、バスタブと便器が一緒のつくりや、
洗い場のないお風呂は「やっぱりねぇ」と、どっぷり浸かれるお風呂を好みます。
桜の下で酒を酌み交わし、花火大会や縁日に繰り出します。
日本人は日本人なのだと思うのです。
お箸はちゃんと使ってほしいし、それができれば鉛筆は持てる…
それだけのことなのですけれどね。


昨日は近くの幼稚園の納涼祭でした。
夕方、最初の「ゆかたのお譲ちゃん」がママと通りました。
スニーカーではなく素足でなにか突っかける形らしいものを履いていました。
スニーカーよりはずっとかわいい…でしたが、ゆかたがねぇ…
このタイプでした。初めて「ジツブツ」を見ましたが…いやぁなんとも。
気がついたのはちょっと通り過ぎてからだったのですが、なんというのか、
ゆかたとは違う木綿、つまり普通のコットン地なんでしょうね。ぺらぺら感が…。
その薄い「ぺらぺらの素材感」と、背中の特大のふわふわきらきら帯のゴージャス感の
ミスマッチがなんとも…でした。

日本人は何人になりたいのでしょうね。

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6 コメント

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Unknown (陽花)
2010-07-12 07:12:32
昔はお箸の持ち方や鉛筆の持ち方は、
結構厳しく言われたように思いますが、
今はあまり言わないのでしょうかね。
習った分、おかしな持ち方は見ていて、
どうしても気になりますね。

風船蔓の実が沢山付いてきましたね。
うちのは日当たりが悪いのか・・・
まだ実が付いていません。
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Unknown (くう)
2010-07-12 13:02:18
こんにちは。

昼休み中~~~~。
風船かずらは名前の如く、いっぱいの風船が出来るんですね。可愛い~~~。植物が育っていくのを傍で見れるのとんぼさんはいいですね。
で、「最近気になる」中のお箸も持ち方は私も目に余る時があります。後輩の中には鍋パーティーがあると必ず私の横に座る女性がいます。まるでグーの様な持ち方です。肉と白菜はクリア出来るのですが豆腐と春雨が自分の箸で取れなくって散々です。黙っていても、そっと器に入れてあげるてます。いろんな方がおられますが目立ちますもんね。子供の頃に手を叩かれ修辞の先生には叱られ今は良かったと思います。
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握りエンピツ (りら)
2010-07-12 13:33:29
握り箸というのは聞いたことありますが・・・
いるんですよ、この国には。
でも、アルファベットって記号(文字は記号でもあるのですが~)みたいな単純な造形ですから支障無いみたいなんです。
漢字はそうはいかないだろ?っと思うんですけどねぇ。
ワタクシも人後に落ちぬ悪筆ですので、偉そうなことは言えないのですが~。
最近って、小学校などでお習字の時間は無いんでしょうか?

風船蔓、母がよく育ててましたので、本当に懐かしいです。
木の葉の茂りを見ると、日本の夏の匂いがしてくるようです。
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Unknown (とんぼ)
2010-07-12 17:07:42
陽花様

着付けと同じで、いつのまにかちゃんと覚えてました。
昔は親がうるさく言ったものですよね。
お箸がもてればいいのですから、
書く以前の問題だと思うのですが。

たまにすごいのに出会うとお直しおばさんに
なりたくなります。

風船かずら、ひとつ膨らむと早いですよー。
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Unknown (とんぼ)
2010-07-12 17:10:11
くう様

いましたいました、忘年会などで鍋になると、
鍋のふちから具財をお皿に落とす。
お皿に口をつけてかきこむ…。
男性でしたけど、嫁の来てがないぞ、
と思いながら見ていました。
やっぱり、恥ずかしいですよね。
小さいころのわずかなことなんですが…。
今は教えないんでしょうかねぇ。
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Unknown (とんぼ)
2010-07-12 17:14:23
りら様

握りエンピツ…すごいですー。幼児並みですね。
タレントで逆にぎり、で有名になっのたのは
「クワマン」ですが、彼は番組内で
ものを食べることがあると
「ほんっとにやなんですよ」といいながら
食べてました。直したと聞きました。
ある種、それがおかしいだけで、
評価されちゃうってありますもんね。

お箸を使う時期になったら、しっかり教えれば
それですむことなのに…。
でも「しつけ箸」というのを見て、
これがなきゃ教えられないのかと、
ちょっとせつなくなりましたね。

風船かずらは、ほんとに葉のしげりもきれいですね。
今日は風が強いので、玄関内に非難させています。
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