ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ZOOMに…

2021-01-28 11:36:20 | つれづれ

無関係写真ですみません。先日の生協さんのユリの「しべ」。

あまりにもお行儀よく並んでいたので撮りました。

香りも高く、優雅です。ここだけ「春」です。

 

 

もう5年も前のことになるのですが、ある大学生の方とお近づきになり、

我が家にもいらして「着物の繰り回し」のことをお話いたしました。

繰り回しについての研究をなさっておられて、私はイマドキの若い方の中にも、

こんなことに興味を持ってくださる方がおられるのだと、とても嬉しく思いました。

私のおはなしできたことなど、母からの教えだの手持ちの繰り回しの着物を

お見せするだのと、その程度のことしかできなかったのですが…。

 

その後論文を見せていただいたりしていましたが、このたび論文の審査を

公開で行うとのことで、ZOOMで参加しませんかと…。

ZOOMがどんなものか程度は知っておりましたが、自分はまだまだと思っていましたので、

えぇーっと思いましたけど、この際だ!と、トライしました。

参加と言っても傍聴ですから、こちらの姿もさらさないしこちらの音も出しません。

姿も見えず音もなく…アタシゃ忍者か…ともあれ拝聴させていただきました。

ほんとにとても楽しかったし、いろいろまた勉強になりました。

そしてまたひとつパソコンのおもしろさを知りました。

 

内容についての細かいことはお話いたしませんが、

和服の繰り回しの技から、これからの衣服のことまで考えてのお話でした。

私はこれからの自分の仕事の中に、いつも言っている「着物についての伝承のとぎれ」を

なんとかすること…を入れていきたいとずっと思っています。

コロナのおかげで?じっくり考える時間もあり、なぜ伝承しなかったか、

これからの伝承の問題点は何か…などと、珍しくムズカシイことを考えていました。

 

エコという言葉が聞かれるようになって久しいですが、

以前から「着物は究極のエコな衣服です」と言っています。

それは作り替えが何度もできるから、簡単には捨てないから、継承されるから。

いろいろ理由はあります。

ただ、簡単にそれができなくなっています。理由の一つに「価値観の変化」です。

今よりいろんな意味で豊かではなかった時代は節約の暮らし、使い切る暮らし、

ひとつひとつのモノを大事にするのが当たり前の世の中だったわけです。

本来、世の中にモノが増えようが安く手に入ろうが、それとは関係なく

「もったいない」という言葉は、今もっとも大切な言葉ではないかと思っていますが、

「もったいながること」イコール「ケチ・ムダ」みたいに言われることもありますね。

でも「再生」させることは、物にたいしての感謝でもあると、私は考えています。

最後まで使い切れるものを簡単に捨ててしまう今の暮らしは、

豊かさと何かたいせつなものを交換してしまったような気がしています。

 

もう一つの問題が、この前も書きました「裁縫ばなれ」です。

日本の教育では、かつて小学校でもそのうえでも「裁縫」は必須でした。

結婚というものの考え方も今とは違いましたから、女は花嫁修業するべし、みたいな?

できなきゃ嫁に行かれない、嫁にいって苦労する…それが当たり前だった時代は、

否応なしに習わされたわけです。実際、女性は着物くらい縫えて当たり前の世の中でしたから、

不思議でもなんでもなかったんですね。

私の中高時代でも、課題をこなしました。中学は「毛糸の靴下、ワンピース、ゆかた」

高校は「ブラウス、スカート、スーツ」でした。今はどうなんでしょう。

先日来「縫い方の基礎」みたいな本をいくつか見ているのですが、

ちゃんと「指ぬき」を使って縫う縫い方も載っていました。

ただ不思議なのは「これを使って縫う場合は」みたいな書き方です。

和裁を教えるわけではなくても「基本のき」として、指ぬきの使い方をまずメインにして

日本ではこうして縫ってきたのだよ、と教えてくれないものでしょうか。

 

まだまだ書きたいのですが、またいつものように「長くて疲れるのよ」と

いわれそうなので、この辺でやめておきます。

本を見たり、会議を傍聴させていただいたり、さまざまな刺激があって、

自分のお話したいこと、お知らせしたいことがまた少しずつまとまってきました。

形にしたい、と思っています。

先は長いです。年取ってられませんわ!

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4 コメント

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Unknown (とんぼ)
2021-01-31 10:57:37
ラル様

文明の利器に、ついていくのに四苦八苦しています。
でも面白かったです。

おっしゃる通りで、私の七歳の時の着物も、私のいとこが着て、
そのあとそのまたいとこが着て…と、最終的にはどこまでいったやらです。
着物は仕立てやメンテにお金がかかるようになってしまい、
借りたほうが安いとか、セット物で買っておわったらメルカリとか…。
なんだか思い入れが薄いきがしますねぇ。
返信する
Unknown (ラル)
2021-01-30 23:09:42
論文の発表の傍聴をzoomで!すごいです。
とんぼさんは着物の色々なことをご存知で、いつも興味深く拝見しておりますが、お母様も資料を残していらしたのですね。羨ましいです。

私は母や伯母・叔母(何人もいた)和裁のできる人が多かったので、着物のくり回しは当たり前の事と耳に入っていました。いとこ①の着物を私に、更にそれをいとこ②の娘の七五三の衣装に…と仕立て直しをしながら何枚かの着物が親戚をまわっていました。
今は誰も仕立てをする人がいないので、これからは無理ですね。おば達に感謝です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2021-01-30 18:27:52
サザエ様

私自身が、母の頭の中にあたものを、すべて受け継いだかというと、
怪しいものです。忘れてることもあるし…。
なので、母の残したメモやノートは、今でも私の宝物です。

女だから…という理由は、最近は使えなくなりましたが、
私、男女の区別関係なく、いろいろ知っている方がいいと思っています。
ずいぶん前に、若い友人が「嫁入りにミシンをもってきたが、一度も使ってない。
針仕事はできない」と言ったので、ボタン付けとかどうしてるの?と言ったら
「ウチは旦那のほうができるのよー」とニコニコ。
一人暮らしが長かったので、ご主人様のほうがなんでもできるのだとか。
笑うに笑えなくて困りました。
針と糸は、これからだってなくなるものではないのですから、
使い方くらいは覚えてほしいものと思います。
返信する
Unknown (サザエ)
2021-01-30 03:26:10
>私はこれからの自分の仕事の中に、いつも言っている「着物についての伝承のとぎれ」を
なんとかすること…を入れていきたいとずっと思っています。

ぜひぜひ、繰り回しの知恵をいろいろ。。
その他もいろいろ(笑)
和裁の先生が、
私(先生)が持ってるものを誰かに伝えないと、
私で終わってしまうから・・
とおっしゃったことがあるのですが、
まさに、それだと^^
知識は与えてもなくなるものでも減るものでもないですからね~←おい
楽しみにしております^^
知ってるということは、いつかどこかで使えるかもしれないということですし、
『もの』ではないので、置き場所に困ることもないですし(笑)
あっ、私の引き出しがスムーズに開かないと困りますがね←最近難しくなってきててww

ちなみに今の家庭科は、
ちょっとした袋物をミシンで縫ったり、
そういえば、エプロンも作ってたかな~?
というくらいしかやりません。。
長女は幸い(←本当に良かったと思ってるのです)高校は家政科に進学してたので、スーツとか浴衣とか泣きながら縫ってましたが(笑)
知ってるということは、工夫につながるってことなので、
英語などという単なるコミュニケーションツールでしかないようなものに力を入れるよりも、←どうせ話せたとしても日常会話程度あるいはそれ以下ならww
もっと将来確実に役に立つ家庭科とか技術とかに力を入れてくれればいいのに~と。。思ったりします(笑)
普通科に進学した次女は指ぬきどころか玉止めもできないと知り、親(私)は嘆いてます_| ̄|○
5教科なんかより、玉止めの方が重要だと思う母なのでww
返信する

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