ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

今日は、長崎祈りの日

2012-08-09 11:06:49 | つれづれ

 

いいお天気です。

広島も長崎も「その日」はとてもいいお天気だったと…。

そりゃ効果を考えて晴れ渡った日を選んだのでしょうから。

 

物語…という言葉があります。

意味を調べると、広域的でめんどくさいのですが、要するに人が作ったり、調べたりしたことを

話したり、文にしたり…そういうものです。

私はもうひとつ、まったく別の意味で「モノがたり」という言葉を勝手に作りました。

まんま「モノ」が語ること、です。

またややこしいことを言い出しおってからに…すみません。

 

このところの「お手玉」から、なんとなく「古くからあるもの」について、いろいろ思っていました。

そして、今私たちの周りにある「モノ」や「道具」のすべてが、何千年という長さのなかで、

先人たちが、いろいろ考えたり、悩んだり、見つけたり、作ったり、壊したり、直したり、

付け足したり、削り取ったり…そうやって伝えて、残してきたものなのだなぁ、と思ったわけです。

 

そう考えると、もうあふれて多すぎる「モノ」ですが、それがあるのが当たり前…と思っては

感謝に欠けること、今こそ、きちんと「選択」して、ひとつのものでも大切に使わなければと思います。

もうひとつ、今日は「ナガサキの日」、

先日ミクシのほうで「写真よりも強く語りかけるのは、焼け焦げた弁当箱や服だ」…という発言がありました。

私は長崎の資料館で、その「弁当箱」の現物を見ています。昔の楕円形のお弁当箱。

今のようなプラだったら、溶けてなくなっていたでしょう。

なんとか形をとどめたそのお弁当箱の中のご飯粒は、炭化して真っ黒な塊になっていました。

片側だけ激しく焼けたシャツや、それだけ出されたら「おもしろいアート」としか見えないくっついたガラス瓶…

そういうものを実際に見たことで「一瞬にして…」というのを、はっきり感じました。

展示品は、ただじっとだまって、ガラスケースのなかで並んでいるだけです。

それでもなんとたくさんのことをつぶやいていることか。

これも大切な「モノがたり」だとおもいました。

モノが語る…それは、こちらが感知しようとしなければ、聞き逃してしまう声です。

 

今、朝になって、窓をあけて、いつもの風景が見えて、ガスはスイッチひとつで火がついて、

水道ひねれば水が出て、冷蔵庫にクビつっこんで「今朝は豆腐の味噌汁…」なんて言えて…幸せですね。

つい67年前、今ほど便利でなかったとしても、たとえ薪と井戸のくらしであっても、

原爆というものが、その「日常」を、ばっさりと切り取って、そこから先をただの闇にしてしまったという現実を、

忘れてはならないと思います。

今、原発事故のために、焼け野原になったわけでもないのに、自宅に近寄ることもできず、

荒れてゆく田畑をどうすることもできず、家畜を死なせなければならなかった人たちがいます。

大切な家族をなくした人も、暮らしを壊された人もいます。それでも人はまた立ち上がろうとする…。

「モノ」はあればいいというものではありませんが、語りかけてくるモノをたくさん持ち、

それを大切にしようというキモチは、先達たちに対しても、礼儀ではないかと思います。

 

来週8月17日、NHKのBS1スペシャルで「ディア・ヒロシマ」という、ドキュメンタリーがあります。

広島の遺品を写真にしたものをカナダで展示したドキュメンタリーだそうです。

ここにも「モノがたり」があります。ぜひ、見たいと思っています。


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2 コメント

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Unknown (陽花)
2012-08-09 23:47:50
昔と違って今はスイッチポンで便利になった・・と
喜んでいられない事を昨年の大震災で思い知ら
されましたね。
広島や長崎の原爆も放射能汚染も忘れない、
繰り返さないですね。


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Unknown (とんぼ)
2012-08-10 18:45:11
陽花様

あの震災のときは、ああ人間って弱いもんだわと、
日ごろの便利さどっぷりを、反省しましたわ。
茨城に親戚がいるのですが、一時期あのあたりの野菜が
売れなかったり、今でも親がこどものために
放射能を気にしたりがあるそうです。

ほんとに「忘れちゃいけない」ですね。
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