ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

枕屏風がほしいんですけどね・・。

2006-01-06 22:12:15 | 昔の道具・暮らし

写真は「屏風柄」のハギレです。
すごく気に入って買ったのですが、これしかない・・。
羽裏だと思います。どんな羽織の裏を彩っていたのでしょうか。
手元にある部分には「秋の紅葉」と「雪椿」ですから、
きっと「春の桜」と「夏」は朝顔?水辺の蛍かな?いずれにしても、
四季の柄だったと思うのです。全部欲しかったぁ!!

というわけで、今日は「屏風」のお話し。
とは言ってみたものの、屏風については・・・あんまり知らないわ・・。
で、まず知ってることを並べてみます。
元は中国の衝立が始まり。中国では、何枚かの衝立にフチをつけ紐で結んで
並べた。(だから基本的に一枚ずつはバラバラ)
これを見て日本人が「屏風」というものを考え出した。(紙蝶番というものを
使います。和紙をチカラのかかる方向に強くなるよう繊維の向きを合わせて
貼り合わせてちょうつがいのかわりをさせます)
屏風は六曲一双がポピュラーで、一双とは二つで一組。
並べたとき右のものを「右隻」、左を「左隻」という。
ほかに「二曲」「四曲」お茶席用の「風炉先」小さめで多目的の「枕」など。
「四曲」は、武家社会で「切腹」に使われたため、人気がないこと。
ちなみに「切腹」の時は、屏風をさかさまに立てました。
こんなところです。これじゃ寂しいので、ちょっと調べました。

まず、中国から入ってきた「バラバラ屏風」は、「扇」と呼ばれたようです。
「六扇」とか「十二扇」とか・・。日本でも、最初は中国と同じように
作ったそうで、正倉院にも残っているそうです。
昔は屏風になってからも日本でも「扇」という呼び方をしていたようです。

上に書いた「紙蝶番」つまり、紙でできた「ちょうつがい」は、
紙を使ったことで、個別の衝立をピタリとあわせてくっつけることができ
広げると一枚の絵としてみることができる・・というすばらしい技術でした。
それで六曲で一枚の絵にし、更に、それを二つにして一組にする。
こうして、さまざまな名画がこの屏風に描かれて、今に残るわけです。
結局この「屏風」は、日本でできた新しい「曲がる衝立」、
「絵画として楽しめる家具」として、盛んに外国への進物にされたそうです。
屏風は日本ブランドなんですね。

屏風の大きさですが、六曲が最初一般的だったようで、その後いろいろな
大きさが出来たようです。元々が日本でできたものですから、
日本の家屋の作り方や生活習慣にあったものが、作られていったのでしよう。
六曲の大きさは、高さは鴨居の下、横は広げると畳2枚分、とされています。
畳の大きさは地方によって違いますから、それぞれの地方にあった大きさの
ものが作られたわけですね。
今よく見かける二つ折りの「二曲屏風」は、戦国時代に襖を2枚あわせた形、
として作られたそうです。早い話、畳一枚イコール襖一枚の大きさですから、
これも地方によって違うわけです。それにしても「京間」は広くていいなぁ・・。

枕屏風は大きさの規定はこれといってないようですが、実用的なものですから、
おのずと「使いやすい大きさ」になるわけでしょう。
日本家屋ではベッドを使いませんから、寝たときの隙間風を防ぐのに、
実に具合のいいものです。実は私も使っていたのですが、
屏風ではなく「DIY」で作った「木製の衝立」・・。
70×50センチくらいの板と、30×50センチくらいの板に、
粘着シート式の壁紙を貼り、金属の蝶番で止め合わせたものです。
本当は子供が小さい頃、オモチャを片付けたらその箱の前にこれを立てると、
オモチャが見えなくなるので、寝かせるときなどに都合がよかったのです。
それがたまたま枕屏風代わりに使ったら具合よかったんですね。
当然蝶番の間の隙間から風は入ってくるのですが、風よけ、というより、
なんかアタマの周囲を区切った、というだけで落ち着くといいますか・・、
妙なものですが、小さいスタンドを置き、本を2冊くらい。、
これで「おやすみコーナー」みたいな空間が区切られるのがいいわけで・・。
ところが、この「衝立」が壊れました。どうせなら、和風の枕屏風が
欲しいな、と思い、以前主人の実家を壊したときに出た「押入れの天袋の扉」
あれを利用しようと思ったのです。ワクをはずして、手持ちの和布を貼って
金属製の蝶番でいいから・・と。思っただけで、もう8年・・あぁ~~。

屏風も衝立も、家そのものが洋風になった今、パーテーションとかなんとか
シャレた名前がついて、籐製のものとか金属パイプで真ん中に布・・というような
洋風のものばかりになってしまいました。枕屏風もベッドでは用がありませんが、
ちょっとした和のコーナーの演出には、応用がきくものです。
ミニ屏風の前にちりめんの香袋・・なんぞいかがでしょうか。




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5 コメント

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そーなんです (とんぼ)
2006-01-07 23:51:48
ぶりねぇ様



おもしろい柄ほど高い!ですよね。でも欲しい・・。トランプ柄のを探しているんですが・・ないっ!みつけたらよろしくですー。



蜆子様



屏風祭というのは知っていましたが、山車、屋台・・といろいろでワンセットというのはすごいですね。開放して屏風をお見せする、ということは、そういうものをお持ちだということで、やっぱり並じゃないんですね。一度は行ってみたいものです。
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屏風 (蜆子)
2006-01-07 21:58:17
富山県南砺市城端の5月15日の祭り、

国の指定文化財になってます。

山車、屋台、傘鉾、みこし、獅子これで一セット、町内の数あります。庵唄がながれて優雅なお祭りです。

別名、屏風祭りといいます。山宿が自宅を開放して、家の飾りをみなさんに見てもらうのです。ちなみに山宿は一代に一回かぎり

屏風、それこそ贅をつくした身上を披露するが趣、

立派な屏風を拝見できます。

チャンスあればおこし下さい。

屏風は絵、字、色紙あるいは短冊の張り混ぜ、金銀真砂、色々あって好きですね。

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おっ、盛り上がってますね。 (ぶりねぇ)
2006-01-07 17:08:19
なるほど、額縁に屏風図柄、いいですね♪

スカーフで、枕屏風どうでしょ。四角いのでも、細長いのでも。



襦袢の柄、捜せば、面白いのあります。 高野絵巻の兎や猿が麻雀卓囲ってるとか、30cmぐらいの大きな鯛が沢山とか、鯉の滝登りとか、パリのガス灯とか。 でも、捜さないとないし、高いのが、玉に瑕。
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羽裏って (とんぼ)
2006-01-06 23:58:04
ダン之助様



ほんとに男物はステキです。女性のものは、昔のものでも「額裏」タイプはほとんどありません。かわいいか色がきれいか、この前の「平安貴族」のようにちょっと柄がかわっているかです。この前入手したのは、男物をつかったらしく「印籠」柄でした。細い縞の羽織でしたから「粋筋」の人の羽織かもしれません。じゅばんは昔のものは女性モノ、けっこういいのありますよ。結局昭和の40年代あたりから、今のようなうすぼんやりしたつまらない柄になっていってしまったんです。私の母なんか、年寄りだから赤いじゅばんを着るものなんだ、といって、60位でも真っ赤に白で「謡」の文字を染め抜いたものなんての、シブい紬の時なんか着てました。袂からチラツと見えるのがよかったです。私も今その年齢に近づきつつあるので、じゅばんはけっこうハデですよ。
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羽裏。 (中村屋ダン之助)
2006-01-06 23:27:05
いい柄ですね。

私のウールの羽織は芸のない羽裏が付いていますから、取り替えたいくらいです。



そういえば女性の羽裏は凝ったものが少ないですよね、襦袢もそうですが・・・
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