何かにしよう・・と買いためていた「てぬぐい」の一枚です。
椿柄、ちょうど時期ですので・・。
私が子供の頃は、家に「てぬぐい」というものはあって当たり前、でした。
盆暮れには酒屋さんとか米屋さんとか、小さな「のし紙」のついたてぬぐいを
置いていったものです。広げると、どことなく「へたうま」な絵があって、
はじの方に「○○酒店 電話・・・番」とか「毎度、有難うございます」とか。
母は「うちわ」より「てぬぐい」の方を喜んでいたように思います。
食器を拭くふきんは、だいたいこのてぬぐいでしたし、
ちょっとシャレた色柄のものは、ちゃぶ台の上の急須や湯のみの乗った
お盆の上にかかってました。使い古して色褪せたりしてくると、
夜なべシゴトにちくちく縫って、台ふきんになったし・・・。
そのほかにも、母は手ぬぐいを姉さんかぶりにして掃除をしたり、
そのままふわりとかぶってその上から「麦わら帽子」をかぶって草取りしたり。
近所にとても小さくて、背中がまるまったおばあちゃんがいたのですが、
毎日着物で割烹着を着ていて、その着物の衿にはいつも折りたたんだ
「てぬぐい」が、かかっていました。とても清潔なおばあちゃんでした。
下の写真もてぬぐいです。赤いのは「唐辛子柄」、湯飲み茶碗柄、いいでしょ!
ちなみにネット・ショップの「まめきち」さんで購入しました。
お気に入りのお店です。
http://www.mamekichi.jp/ お店はこちら。
てぬぐいは、江戸時代にはいって「木綿」の国内栽培が盛んになり、
綿製品がいろいろ製作され、一般に普及しました。
木綿の歴史については以前書きましたが、カンタンにいいますと、
最初に木綿が日本に入ってきたときは「栽培」がうまくいきませんで、
結局「輸入」に頼ることとなりました。その後、戦国時代になって、
兵衣(兵隊さん用のユニフォーム)や陣幕、そして「鉄砲」を使うようになると
「火縄銃の火縄」として、など木綿が大量に使われるようになり、
そのために国内での栽培が始まった・・というわけです。
戦が終わり、世の中が落ち着くと「木綿」は一般の暮らしの中で、
生活必需品としての立場を確保し、木綿の栽培から、染め、織りなどが
盛んになり、着物のみならずさまざまなものに使われるようになりました。
てぬぐいも、そのひとつです。小巾木綿(35センチくらい)で、長さは
だいたい90~100センチ、昔でいうところの三尺ですね。
両端を切りっぱなしにしておくのも独特ですが、そのほうがいろいろな用途に
使えたからです。例えば、時代劇などで「切れた鼻緒を挿げかえる」場面、
あれでよく出てくるのも「てぬぐい」。ピッとタテに裂いて紐にして、
それで鼻緒をすげるんですね。
さんざん使い古した手ぬぐいは、最後にタテにさいて「裂き織り」にして、
最後まで使いきったのでしょう。
てぬぐいは、字ヅラでいけばハンカチのように「手を拭う」もの、ですが
それだけでなく、お風呂では身体も洗ったり拭いたり・・という
タオルの役目もしましたし、アタマにかぶったり鉢巻にしたり、
三尺ありましたから「職人」さんは、帯代わりに腰に結んでいました。
モノを包むのにも使いましたし、実にマルチな道具ですね。
最初に書いた「酒屋・米屋」のように宣伝用としても、使われていたようです。
江戸の中期くらいからは、芝居の役者がそれぞれ独特のもように染めたり、
名前や紋を染め抜いたりして、ごひいきに配ったり・・。
人気役者のそういった手ぬぐいを手に入れることは、アコガレでした。
そういったベースもあって、手ぬぐいはただの日用雑貨ではなく、
シャレた小道具としても、着物と同じように色柄が洗練されていったんですね。
最近では、そのまま額に入れられるような図柄のものもたくさんあります。
息子がまだ赤ちゃんの頃、白地に藍でとんぼを染めた手ぬぐい3枚で
じんべいを縫いました。ちいさかったので十分足りました。
今はとても・・・ムリ。
写真の手ぬぐいは、ランチョン・マットにしようかなぁと思いつつ、
ハサミを入れるのがもったいなくて、毎度出しては眺めています。
(永楽屋)さんと言うお店で、タオルや手ぬぐいや綿生地の卸問屋さんですが、数年前から小売のショップを出さはりました、大正時代の昔の柄の型で・・・・そりゃ面白い図柄が沢山、例えば、日本髪の女性がスキーを、骸骨がダンスをなんせ全てが素敵です、昔ようこんな柄を・・・を思わせるもんばっかり、是非、京都にお越しの折にはお立ち」寄りなさいませ。
情報ありがとうございます。次回京都へ行きましたら、是非たずねてみたいですね。なんか・・あれこれ買い込みそうな予感!でも、プレゼントにもいいですもんね。
お店に入ったのは全くの偶然でしたが、軽くて嵩張らずお手軽です。
但し、思ったよりお値段は良かったです。
千両?万両?、鶴、(お正月用に) 彼岸花(母用)犬(年により色が違うらしい、昨年と今年用)
今 廊下の突き当たりに鶴の手拭いが画鋲で止めてあり、その前に松の入った花瓶が置いてあります。
半間の床の間は・・・物置状態なので・・・。
もう開拓済みでしたかー。私もその「鶴」欲しいですね。お正月用に。価格ってけっこうお店によるらしいですが、ひとついえるのは「染め」が違うのだそうです。捺染とかしごきとかで、・・。今、思い出したのですが、昔どこの家にも「豆絞り」のがありましたねぇ。真ん中に「祭」って書いてあるのとか。今じゃ探さなきゃありません。以前すんでいた団地で、お祭に配られたんですが「○○団地」ってデカデカ入ってて、ガッカリしました。
JJ様
手ぬぐいって結構大きいですから、少し切って、端を三つ折ぐけするとハンカチ感覚で使えますよ。木綿のきものに半衿って使う人もいますね。ホントに柄が豊富ですから、いいのを探して楽しく使ってください。
春から~縁起いいわ~~と、観たい美術館、映画(風と共にさりぬも只今上映中)が、いっぱい。特に厳しい寒さですが元気に楽しみたいと思っています。
皆様もどうぞご自愛くださいますように
氷点下20度くらいまで下がって、とってもさむいです!
でも、おかげで、今朝は久し振りの朝日が拝めました久し振りにいい天気です。
私も手ぬぐいは色々集めて、半襟に使ったり、ハンカチ代わりに使ったりしてますよ。
巷ではブームらしいです。
京都に行ったときにも有名なお店で買いましたが、なぜか手ぬぐいなのに、高額なのが気になりました。
五月にはこいのぼりのてぬぐいに、よこに菖蒲をいけてあって、という具合
和室、洋室、玄関先、どこでも気軽に飾れ、しかもたいした額ではなく、季節感を楽しめます。画鋲でとめたんでは今一、日用大工でもできそうな感じ、いいアイデアと思いました。しかも中味はまた実用にもなりますしね。
話は変わりますが、お相撲さんは土俵下でタオルを使って体をぬぐっていますが、江戸時代にはやはり手ぬぐいだったのかしら?体が大きいからダブル幅の大きな物じゃないといけないような気もしますが。お相撲は国技なのでタオルじゃなくて手ぬぐいを使って欲しいなあと思うことしばしば。藍染めの手ぬぐいの方が絵になりますよねきっと。
今年もよろしくお願い致します。
役者さんの手ぬぐいというのも「お宝モノ」ですねぇ。とてもじゃないけど手なんかふけないっ!一度拝見したいものです。何しろ私、20代の頃に田村正和さんの「眠狂四郎」の舞台を明治座に見にいったきりというオソマツ。あの雰囲気は好きなんですけどねぇ。いかれないんですわ、なかなか・・。
ちょうちょ様
氷点下20度・・という感覚がすでに???。どれくらい寒いのでしょう、ダイヤモンドダストというのを一度は見てみたいと思っているのですが・・。横浜は、正月からずっとすっきりしません。雪の次の日のハレってすごくまぶしいけど、空気がきれいでキーンとしまっているんですよね。そういえば、初日の出もなんかうやむやでおわってしまいました。寒さの中、どうぞお体きをつけて。
蜆子様
月替わりというのも楽しいですね。江戸東京博物館の売店で、夏だったので「柳にかえる」という涼しげな柄のがあったのですが、他のおみやげを先に選んでいるうちに忘れてしまって・・。今でも惜しいことをしたと・・。3枚買って暖簾にしたかったんですー。
ぺたこ様
お相撲さんのタオル、私もちょっと「興ざめだなぁ」と思いながら見ています。まぁ、今は「実用本位」なのでしょう。昔は国技館みたいなところはありませんから冷暖房もありませんし、取り組みそのものも今とはやり方が違いますし、もしかしたら首に手ぬぐいまいて花道を下がったのかもしれませんね。手ぬぐいなら、関取のユカタと同じ、通常より巾の広いおおきいものでないと、女のひとのミニタオル・・みたいな感じになっちゃうかもしれませんね。今度お相撲の話しも取り上げてみたいですね。