毎年何かひとつ…と思っています。写真は「打乱筥(うちみだりばこ)」。大きさは5センチ角くらい。
立春もすぎてますから、お雛様を出してもいいわけですが、今年はなんだかいつにもまして
モタモタしています。そろそろ出さないと…です。
もう毎年書いていますので、ご存知の方も多いと思いますが、私のお雛様は「ミニサイズ」。
そのかわり、なんやかやと集まって、新旧取り混ぜてにぎやかなことになります。
でもミニサイズばかりで、道具類がないわけでして…。
まぁこまごましたお雛様の数だけほしいわけではないので、何かしらひとつずつ揃えたい…
どうせならプラスチックの新しいものではなく、古くて手作り感のあるもの。
で、よくヤフオクの雛道具をのぞくわけなんです。
今回ゲットのものの中からいくつかを…全そろいではなく柄で見ると二組ありました。
トップ写真のものは時代がやや新しいかと思います。
こちらは櫛台、と衣桁、または衣架(いか)。
衣桁は今でも使いますね、衣装をかけておくもの、です。
櫛台は、引き出しのたくさんある小さな台で、お化粧に必要な各種の刷毛や櫛をしまっておくもの。
本来はこれに「二階棚」という「櫛台」より大きい引き出しのない二段の棚があります。
これにはだいたい「火取り(香を焚く道具)」「ゆする杯(つき)」、ゆするというのは米のとぎ汁、
字がでませんで…さんずいに甘いと書きます。これは整髪に使われました。
その下に「唾壺(だこ)」昔はつばをぺっとやった道具だそうですが、実際には飾りになっていたらしいです。
それから上にもある「打乱筥(うちみだりばこ)」、大きなものは衣服を入れるものとして、今でもありますが、
ここに入れるのは小型のもので、髪を整える道具などを入れて使いました。これでセット。
雛道具というのは「いつの時代のものか」ということで、家具調度も違うわけです。
もともとは雛祭りそのものが宮中の行事として始まり、やがて武家社会にも浸透し、
さらに時代が下ると、裕福な庶民なども、これを揃えるようになった…わけですから、
人形の持ち物などもかわっていくわけですね。
支丁の持ち物は、平安だとお掃除道具、江戸時代だと、鞍や沓脱などの乗馬道具…。
これは京風、江戸風などとも言われます。
乗り物でいえば、今のものには「牛車」と「駕籠」の両方ついているものもありますが、
貴族の身分の高いものは牛車(いわゆる御所車)か輦車(れんしゃ)、
輦車は牛車から牛をはずした形のもので人が引きます。それか「輿」。
駕籠は武家社会になってからの「高級乗り物」です。
また、櫛台も、時代が古いと「唐櫛笥(からくしげ)」と呼ばれる、いかにも中国的な、
ちょっと形の違うものになります。箪笥のような形になったのは平安のころだと思います。
鏡は、平安のころは神聖なものであり、呪術的なものともされていましたから、たいへん貴重品。
形も、よく着物の柄になるような、花みたいに八角のもの。
これを「根古志(ねこじ、またはねこし)型」と呼ばれる台、大地に根を張った木のように足がひろがった形で、
絵を見るとタコの八本足みたいです。この台に鏡をかけて使いました。
室町ころになると、この鏡に足をつけて、さらに下に台などをつけた、いわゆる鏡台に近いものが出てきます。
それがさらに進化して、台も大きくなり引き出しなどもつきます。
これで不便だったのは、鏡を手にもてなかったこと。
よく時代劇で出てくるのは、黒い鏡を手で持っている形。これは「柄鏡(えかがみ)」
これをかける台ができて、下に櫛台のついたものなどができました。別々のものもあります。
鏡そのものの材質が、大昔は「銅鏡」、江戸時代くらいまでは「銅と錫」の合金、
使用していると曇りが出るので「鏡磨き」という職もありました。
ガラス土台の鏡ができたのは明治になってから。つまりだんだん大きな鏡も可能になって、
私の母が持っていたような、縦長の「鏡台」ができたわけです。
お雛様そのものは、たとえば「享保雛」など、作られた時代で顔つきが違ったりしていますが、
お姿自体はずっと「平安貴族の正装」です。でも、お道具は変わっていったんですね。
さて、貴女のお道具は、宮風?武家風?ナニ時代の感じ?
そんなことを見ながら飾るのも、またたのしいかもですね。
やはり時季的にお雛様が沢山出ていました。
とんぼ様ならよくご存じでしょうに・・私では
見ていてもよく分からなくて、お値段を言って
おられるのを聞いては驚いていました。
こうぼさんにいくと、こんなの売れるの?
なんていう壊れたお雛様なんかもありますよね。
小道具は高いでしょう。
びっくりしますよねぇ。
いきたいですー。